【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

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流行りに乗ってみた!

ついでに修羅勢堕ちした星祭神社の基本構成員の詳細を初公開!


葛葉キョウジと星祭神社

 

「悪い。待たせたか?」

 

「とんでもございません。お気になさらないでください」

 

 

 顔を上げず、伏した状態のままそう口にしたのは──現在は京都で皇族の守護を担っている男、葛葉キョウジ。

 

 黒札によって反応が変わる、俺にとっては面白い努力家の男だ。

 

 

「禊から大体の話は聞いている。そちらが黒札(俺達)に求ている事も、その為に貴方が各地の支部を訪れているが、反応があまり芳しくない事も」

 

「こちらの事情をご賢察いただき、恐縮でございます」

 

 

 ただでさえ低い頭がさらに下がる。それに対して俺は軽く机を叩き、控えていた巫女に新しいお茶を運ばせた。

 

 

「そう固くなるな──とは言っても無理か。まぁ、こちらの返答を聞く前にとりあえず茶でも飲んで一息ついておけ。理解しづらい話になるからな」

 

 

 俺の霊格(レベル)は三桁。相手は一桁。この差は努力では埋められず、この世のありとあらゆる禁術を使ったとて簡単に超えられるものではない。

 

 それぐらい、この世界は残酷なまでの〝才能〟が全てを決めている。⋯⋯いや、正確には決(・)ま(・)る(・)よ(・)う(・)に(・)な(・)っ(・)た(・)か。

 

 終末なんてもんが来なければ、俺達修羅勢はただの社会不適合者の集まりだし。

 

 葛葉キョウジが落ち着いた頃を見計らい、再び話を切り出す。話す内容は単純明快、修羅勢(俺ら)が相手の想像する黒札(俺達)とは全く違う存在だという話だ。

 

 

「まず皇族の方々に対する支援を行う事に星祭神社として否というつもりは無い。これは所属する黒札の総意であり、望むなら契約書として残しても構わん」

 

「おお⋯⋯!」

 

「だが、黒札の派遣については俺の話を聞いた後に改めて答えを聞かせてくれ」

 

「⋯⋯?と、言いますと?」

 

「簡単に言えば、貴方が想像している黒札と星祭神社に所属している黒札は性質が違うんだ。星祭の修羅勢(俺達)は余り褒められた人間性を持ち合わせてないからな」

 

「???」

 

 

 疑問符を浮かべ、首を捻る葛葉キョウジに苦笑いを返しながら続きを語る。

 

 

「例えば学生時代に虐められた子が居るとしよう。誰にも助けてもらえず、自分の部屋に引きこもる事でしか自分の心を守る手段が無かった子だ。その子はその後、勇気を振り絞ってガイア連合に合流する。そして連合の中で同じ経験を持つ先達や仲間達の教えを受け、命懸けで努力し、今の世界に通用する力を手に入れた」

 

 

 ここまでなら良い話。物語ならこれから先の未来の明るさを書いて終わる程度の話。だが現(・)実(・)は(・)こ(・)れ(・)で(・)終(・)わ(・)ら(・)な(・)い(・)。

 

 物語の中で抱いた感情を心に秘めたまま、今も必死に生きている。──だからこそ。

 

 

「そんな子が無償で力を使ってくれると思うか?苦しい時にガイア連合の仲間達以外は誰も助けてくれなかったのに?」

 

「それは⋯⋯」

 

「妻や恋人に浮気された奴やブラック企業に死ぬ間際まで追い詰められた奴。冤罪によって前科が付いた奴も居るし、上司のミスを押し付けられて職を失った奴も居る。そういう様々な理由で人間不信になり、力を追い求めているのが星祭神社所属(ここ)の黒札なんだ」

 

 

 尚、闘争大好きな戦闘狂(バトルジャンキー)や終末後にハッチャケた倫理観ZERO(マッドサイエンティスト)が居る事は喋らない。喋ったところで力無き者に従う奴等じゃないしな。

 

 

 え?両方該当しているのに勤王の意志がある人間が居る?

 

 

 残念ながらその人は石長比売とショタオジの次ぐらいに皇室を置く人間だから駄目なんだ。不忠者を皇室の側に置くこと自体がそもそも不敬だし。

 

 

「そんな奴等を命令で向かわせたとしてもロクな事にならんだろ?だから代表者としての回答は、星祭神社からの黒札派遣は余程の事がない限り止めておいた方が良いとなる」

 

「⋯⋯あの、厳しいとは承知しておりますが、万が一の余地はございませんでしょうか?」

 

「力で捻じ伏せられるなら素直に従う奴は多いんだが⋯⋯無理だろ?」

 

 

 冷や汗を垂らしながら首を高速で上下させる葛葉キョウジ。まぁ、それが出来るなら黒札なんて頼らんよなぁ。

 

 

「ぶっちゃけた話、貴方個人ならともかく根願寺の悪名が高すぎてな⋯⋯」

 

「わ、我々も望んで見殺しにしていた訳では⋯⋯!」

 

「分かってるよ。でも被害者がそれで納得するかは別の話で、地方の依頼を貴方がたの代わりに遂行していた黒札(我々)の心情は基本的に地方寄り(あちら側)なんだ」

 

 

 忘れている奴も多いが、俺達は最初から強かった訳ではないし、何の苦もなく覚醒出来た奴はほぼいない。俺らですら覚醒する為に厳しい修行を受けたしな。

 

 スライム以上の強酸で生きたまま溶かされたし、餓鬼以上の腕力で身体を真っ二つに引き裂かれた経験だってあるし、ウィル・オ・ウィスプ以上の火力で焼かれた経験もある。

 

 地方名家が経験した悪魔に敗北した者の末路は俺達修羅勢にとって他人事ではなく、むしろ同じ経験をした仲間と思うには十分過ぎる程で、だから心情的にあちら寄りなるのも当然というか必然というか。

 

 せめてライドウが生きてさえいればなぁ⋯⋯修羅勢なら喜んで遊びに行っただろうに。

 

 

「ま、そういう訳で星祭神社からの黒札派遣は諦めてくれ。各神話の主神クラスが現れたら呼ばれなくても行くと思うがな」

 

「あの、それって日本が滅亡する方が早いのでは⋯⋯?」

 

 

 その言葉で勘違いに気付く。てっきり他で星祭の話を聞いたもんだとばっかり思っていたが、何も知らなかったのか。

 

 

「この神社に居る黒札は基本的にそういう奴等を相手にする為の戦力だぞ?」

 

 

 そう言った時の葛葉キョウジの顎が外れんばかりの驚愕顔は、ネットで良く見かけるエネルの驚愕顔に負けず劣らずの見事な物だった。

 

◇

 

 

 

 





星祭神社としてのスタンスは資金提供+配下の霊能者の派遣辺りかな?巫女はたぶん派遣しない。見捨てられた地方霊能組織だし。

作中で書いてある通り、星祭神社の黒札は生まれる時代を間違えた奴(戦闘狂)と倫理観ZERO(マッドサイエンティスト)と人間不信(PTSD)と職人と研究者と趣味人(オタク)と一般人(俺たち)で構成されている。全部乗せももちろん居る。
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