【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

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交渉の時間だ!

感想返しは長くなったので後書きへ

興味が無ければ読まなくても問題ないよ!


ベルフェゴールの使い方

 

 珍しくエドニキに呼ばれて製造班の根城にやって来た。俺らが稼いだ素材やマッカは基本的にここに流れていて、さらに試作品を異界で振り回してる関係で付き合いは長い。

 

 ぶっちゃけ試作品で死にかけた事は何度もあるが、その度に死にかけたじゃねぇか!とキレる事も無く、試作品が暴発して死にかけたわ(笑)で済ませる俺らを製作班が畏怖の目で見ていたのは記憶に新しい。

 

 正直、俺らはガイア連合山梨支部の中で異端になりつつある。誰もが恐れて当然の死や痛みを気にせず戦う俺らを忌避する俺達の気持ちもわかる。

 

 ただ、俺らに言わせれば神主一人で頑張っていた事を分担してるだけだ。その恩恵を授かっておきながら、何もしない奴等に対して日に日に興味を失っている自分が居る。

 

 俺達が全員やる夫ニキみたいだったら全力で支援するんだがな。

 

 そんな事を考えながらエドニキ達の居る部屋の扉を開けると、

 

 

「はじめっから【実態】の体を与えちゃえばいいんだと!」

 

「そ・れ・だ!」

 

 

 悪魔二匹が人体錬成について語ってた。

 

 

「いきなり倫理観無視とはやるな」

 

「お、セツニキ!いらっしゃい!ほらほら、早くこっちに!アルー御茶を宜しくー」

 

「はーい」

 

 

 腕を捕まれて椅子に座らせられる。ショタオジに貰った部屋も和室だし、なんつーか椅子に座ったのは久々だな。

 

 アルニキが御茶を持って合流。ついでにフェイスレスニキとエドニキも着席。もう一つ空いてる席はショタオジか?

 

 

「丁度良かった。ショタオジ呼ぶ前に術関係の識者に話を聞いて欲しかったんだ」

 

「というと?」

 

「実は式神の俺の嫁化が上手く行って無くてな。何が問題かを聞こうとしたんだが──」

 

「その直前で一から【実体】を作れば良いって事に気付いてな?」

 

「それが可能かどうかを聞きたいんだ」

 

 

 ふむ。成る程ね。

 

 

「可能か不可能かで言えば可能だぞ。というかやろうと思えば創設期から出来たぞ?」

 

「「「は?」」」

 

 

 淹れて貰った御茶を一口。何と言うか目覚まし用の御茶だな。渋い。

 

 

「え、ちょっと待ってセツニキ!どういう事だ!?」

 

「え?え?僕達の苦労は??」

 

「セツニキに聞くのが正しかったのか……」

 

 

 三者三様の反応を眺めながら茶請けの煎餅を拝借。

 

 

「いや、煎餅とか後で良いだろ!」

 

 

 エドニキに奪われた。残念。仕方ない、真面目にやるか。

 

 

「大前提としてショタオジの式神は素人向けに創られてるんだが、それは技術だけを指してる訳じゃない。倫理観に配慮したり、外の感性でも受け入れやすい技術だけ使って創られている。だからこそエドニキ達は苦労してる訳で、()()()()()()()()()創設期から肉欲に溺れられたぞ?」

 

「えーっとつまり?」

 

「ゾンビ、キョンシー、クローン、ホムンクルス。お好きなのに憑依させてレベル上げてどうぞ」

 

『『『あー……』』』

 

 

 納得したみたいで煎餅が手元に帰ってきた。やはり濃口醤油こそ至高。

 

 

「そもそも適当なダッチワイフに俺らの血肉と霊的素材突っ込んで、紙嫁式神を移植してレベルを上げればどんどん嫁になるしなぁ」

 

「俺らだと消費MAGが一時的に増えても問題無いもんな」

 

「ショタオジの式神はそもそも極地の一品だからな。それが十倍消費になったところで、って話だぞ」

 

「欲しがってるのが低レベルの俺達だから問題なんだよなぁ〜」

 

 両手を頭の後ろに回して椅子をゆらゆらさせるエドニキ。まぁ、お世話になってるから一肌脱ぐか。

 

「まぁ、すぐに欲しいって言うならレベル上げろで終わる話だが、そうじゃないんだろ?だったらベルフェゴールに聞けば良いんじゃないか?」

 

「すでに聞いた後なんだよねぇ。それで言われたのがMAGを物質化すれば良いんじゃないって話でさ」

 

「僕らも頑張ってたんだけど……」

 

 

 フェイスレスニキとアルニキの言葉で気付く。ショタオジも厳しいな。

 

 

「へい、ベルフェゴール。エッチできる式神の作り方 検索」

 

「MAGを物質化して肉体を作ればいいよ?」

 

『『『うわぁ!?』』』

 

 

 突然現れたベルフェゴールに驚きの声を上げる三人。この程度で驚いてたら身が持たんと思うけどな。

 

 

「MAGの物質化 やり方」

 

「君達が霊力や魔力と呼ぶ力は全ての方向から均一に圧縮すると、ある一定値を超えた時点で物質化するんだ。こんな風にね?」

 

 

 見本の様に閉じていた右手を開くと、そこには青白く輝く小石が。

 

 

「物質化したMAG 量産」

 

「レベル五十を超えると素人でも楽に出来るよ?大量生産したいなら八十は欲しいかな」

 

「物質化したMAGで肉体を作る方法」

 

「人によって違うけど、大雑把に言えば三つ。望む悪魔を納める所謂魂の器、式神が身体を動かす為の霊力線、望む生物の構成情報と素材だね」

 

 

 まぁ、そんなもんか。

 

 

「エドニキ達もここまでは聞いたよな?」

 

「おう!それで道具で何とか出来ないか頑張ってた感じだ」

 

「式神の中に通す霊力ラインやらが一部の【アナライズ】持ちしかわかんなくてね。それも含めて辛かったんだよ」

 

「ま、そうだろうな」

 

 

 何せ難易度で言えば十段階中の十だ。これなら十年ぐらい修行して擬人式神を習得した方が早い。

 

 

「エドニキ、暇な人間集められるか?あ、信頼出来る古参だと助かる。ついでに人数分の紙とペンの用意な」

 

「それは可能だが……新人は駄目なのか?」

 

「ショタオジが話してないって事は余り広めたくないんだと思うんだよ。ベルフェゴールはかなり甘くて優しいが、普通の悪魔はもっと狡猾だからな」

 

「ふふっ。照れるね?」

 

 

 言葉とは裏腹にその笑みには余裕がある。まぁ、そもそもゲームと違って大悪魔クラスが簡単に交渉してくれる状態が奇跡の様なもんだしな。

 

 

「何か良く分からんが古参連中呼ぶわ。嫁式神の為って言えば集まると思うしな!アル、行くぞ!」

 

「あ、待ってよにーさん!」

 

 

 二人が部屋の外へ駆けていく。その間に折り紙にお願いを書き、鶴を折ってちひろネキに飛ばす。

 

 

「何度か見たことあるけど不思議なもんだね。どうやって動いてるのかサッパリだよ」

 

「ショタオジの奴は凄いぞ。不死鳥になる」

 

「……鶴なのに?」

 

「鶴なのに」

 

 

 これで準備完了。後はエドニキ達待ちだな──

 

 

「呼んできたぜ!」

 

「嫁式神を作ると言われたら仕事を放り投げてくるしか無いよな!」

 

「みんな待ってんもなぁ」

 

 

 ぞろぞろと入ってくる古参組の製作班。何人か知らない人間も居るが、エドニキとアルニキの保証ありなら大丈夫だろう。それぞれ床や空いてる椅子に座る。そこへフェイスレスニキが紙とペンを配った。

 

 

「セツニキ、これから何やんの?後、この紙とペンは何?」

 

「まぁ、もうちょい待て。たぶんそろそろ──」

 

「お待たせしました。セツニキ、至急との事ですが、何か御用ですか?」

 

「ちょっとデカイ額動かすからな。ちひろネキも知っておいた方が良いかと思って。ま、取り敢えず座ってくれ」

 

「はぁ……?」

 

 

 首を捻るちひろネキに俺の席を譲り、俺はショタオジの為と思われる席を借りる。

 

 

「まず始めに言っておくが、普通の大悪魔はこんな優しくない。だから今回の件で味を占めて同じ事をやって死んでも俺は知らん。良いな?」

 

「セツニキが釘を刺すって事はかなりヤバイ?」

 

「ヤバイだろ。この人、ジェネリックショタオジだぞ」

 

「っつー事は、悪用しないってある程度の信頼がある奴が集められたのもそれが理由か」

 

「初期組ばっかりだしな」

 

 

 一度手を叩き、喧騒を静める。

 

 

「ま、そういう訳だ。お前らに頼みたいのはベルフェゴールの言葉を全てそのまま紙に書く事。ついでに俺とベルフェゴールの会話に割り込まない事。この二つさえ守ってくれればどうにでもなる。おーけー?」

 

『『『おーけー』』』

 

 

 さて、そんじゃ始めるか。

 

 

「ベルフェゴール。取り敢えず()()()()()だ。技術提供の料金プランと求める情報の値段を教えてくれ」

 

「太っ腹だねぇ。良いよ。まず始めに永遠に知りたいなら情報料の十倍。一時間ごとに百万マッカでリピートする。三十分刻みでは受け付けない。良いね?」

 

「了解。それじゃ本題に行くぞ。今の製造班の知識と技術力で出来る擬人式神の作り方を教えて欲しい。幾らだ?」

 

「うーん……大体一千万マッカで良いよ」

 

 

 ざわつく製造班を掌を向ける事で静める。

 

 

「ちひろネキ、俺の貯金から行けるか?」

 

「行けますが、ガイア連合が運用してるマッカの手持ちがかなり心許なくなります」

 

「んー……へい、ネコマタニキ」

 

「呼んだ?」

 

 

 にょきっと生えるネコマタニキ。驚く製造班。ネコマタニキ、実は式神製造班と掛け持ちで俺らの所に顔を出す古参だったりする。しかも【転移】持ちな上に【地獄耳】持ちなので、呼べば大抵来てくれるのだ。好感度が足りないと来てくれないが。

 

 

「俺らに暫くマッカ稼いでちひろネキに渡すように言ってくれるか?その代わりにこれをやろう」

 

 

 封筒に入れたとある人物の〝写真*1〟を渡す。それを取り出すと、誰が見ても分かりやすいぐらい笑顔になった。

 

 

「おーけーブラザー。すぐに行って戻ってくるね!」

 

 

 即座に【転移】で消えるネコマタニキ。戻ってくるつもりらしいが、話は先に進めておく。

 

 これでマッカ不足は解決。俺らが持ってきた奴に星祭から持ってきたマッカを混ぜれば良いだけだし。

 

 

「よし、続きと行こう。一千万マッカは用意する。それで頼めるか?」

 

 

「んー、半分の五百で良いや。その代わりに君の肉体(からだ)を使った僕の身体を作ってくれない?」

 

「素材の提供は構わない。技術班は──問題無さそうだな」

 

 

 良い笑顔でエドニキがグッドサインしてるぜ。

 

 

「一応、お前の肉体以外に使わないって『契約』を結んで貰うぞ?」

 

 

 霊符から巻物を取り出し、ベルフェゴールの前に広げて置く。

 

 

「あ、やっぱり駄目?本霊も宰相も君のクローンで良いから欲しがってるんだけど?」

 

 

 見向きもせずにサインするのは余裕の現れか。……うん、ちゃんと有効化されてるな。

 

 

「中身の入ってない俺が役に立つ訳無いだろ。素質的に言えば、俺はガイア連合で下の方だぞ?」

 

「そう聞くと魂の大切さが良くわかるよね」

 

 

 巻物を巻きながら雑談しつつ霊符に仕舞う。

 

 

「五百万マッカは後でちひろネキから貰ってくれ」

 

「オッケー」

 

「それじゃ製造班も待ちわびてるしな。頼む」

 

「あいあい。大前提として君達には式神に実体を与える技術力は無いよ。知識も経験も不足してるからね。だからまず始めに君達がしなきゃ行けないのは()()()()()()()()を解体する事。これは医療班がやるべきだね」

 

「実体を持った式神の作り方は?」

 

「簡単だよ。適当な人形の〝入れ物〟に人間の構成素材と方向性を形付ける霊的素材を突っ込んで、悪魔を憑依させて肉袋から人間型に成長させれば良い。他の式神にも使えるから獣型も作りたいなら同じ手順だ」

 

「オススメの悪魔は?」

 

「君達の欲望的にはサキュバスがオススメだね。後はそれを解体して、霊線の位置把握と器の把握。それさえ出来れば後はお望みの式神の出来上がりさ。……リピートはいるかい?」

 

 

 確認を兼ねて製造班の方を見るが、首を横に振る。

 

 

「要らないらしい」

 

「それなら『契約』はここで終了だ。……悪魔の使い方、分かったかい?」

 

「いやー!ベルフェゴールさん便利だな!これは俺達も──」

 

「先に言っておくけど、彼以外からの値引きには応じないよ?マッカを払ってくれるなら力を貸すことに異論は無いけど、一括払い以外認めるつもりも無いからね?」

 

「おうふ」

 

「まぁ、当然だよな。セツニキとショタオジのお陰でマッカさえ貯めれば力を貸してくれるだけ感謝しないと」

 

「これは製造班でカンパ集めるかちひろネキに予算増額申請するしか無いか!」

 

「今回の様な組織全体に恩恵がある案件ならともかく、個人の趣味には一銭足りとも出しませんよ?しかも今回セツニキが一旦全部持ってくれてるので何とかなりましたが、普通は一千万も出せませんし」

 

「というかセツニキ、良く一千万もポンっと出せたな」

 

 

 聞いてきたのはエドニキだ。喉を潤していた御茶を一旦机に置く。

 

 

「ガイア連合が出来る前からショタオジと二人で色々やってたし、メシアの天使(鶏天)からカツアゲしまくったからな。後はメシア討伐聖書ボーナスをベルフェゴール陣営から貰ってるってのもある」

 

 

 やってる事に嘘は無いが、俺がマッカ富豪なのは悪魔用の掲示板と最近始めたレトロゲー*2サービスのお陰だったりする。

 

 

「あールキフグスが造幣局だからなぁ」

 

「ま、そういう事だ。それよりちひろネキ、今回は全部俺が持つわ」

 

「え?額が額ですし、連合から出しますよ?」

 

「いや、大丈夫だ。その代わり俺の式神を優先してくれ。ガイア連合の為に用意してた一反木綿(式神)がたくさん居るからな。式神移植の練習になるだろ」

 

 

 こっそり星祭の式神も混ぜる予定だ。そう考えれば、一千万ぐらい安い安い。

 

 

「製造班はそれで良いぞ!実験台を集めるのも大変だし!」

 

「一反木綿からの移植は任せてくれ」

 

 

 エドニキとフェイスレスニキの頼もしい言葉に頷く。その後、俺は無言で右手を握り拳のまま上げ──

 

 

「それじゃ──作るぞ!理想の嫁!!」

 

『『『おう!!』』』

 

 

 ちひろネキの冷めた目に晒されたまま、力強く宣言した。ちなみにベルフェゴールは笑ってた。

*1
ネコマタが色仕掛けしてる写真。本人公認の賄賂

*2
文明が進みすぎた関係で消えた作品も多く、持ち会社でわざわざ作らせた物もある。現在はスペランカーのみ。もちろん死ねばメシア広告が流れる。ちなみに名作を出すのは最後と決めている





ジャンヌはこの作品の『戦うのに必要な才能』で登場したTS勢ですね。まだ心にオンバシラが聳えたってます。

レベル上限に関してですが、大前提としてどくいも様のSSでスライムだけでカンストは無理って名言されてます。

確か霊格の上昇に伴うMAGの消費を獲得出来るMAGが下回るからって説明されてたかな?

そして俺らがショタオジに作って貰った鍛練用異界の試作版はレベル15までしか居ない&GPも低くて野良も雑魚ばっかり、さらには恐山の様な大規模異界の突入は本編では許されてませんでした。

なので試作異界の上限+5ぐらいなら経験値の方が上回るだろうって妄想でレベル20が現在の上限としました。

この20って数字はオレとシキガミのレボリューションで霊視ニキが語っていたシキガミは俺達と違ってレベルが上がりづらいって言葉から設定してます。

当時のモードレットのレベル+10にしてキリの良い数字に変えた感じですね。

だからカンスト組は暇潰しに山梨の外へ塩漬け依頼を消化しに行ったり、依頼を受けなかった俺らはアイスソードマラソンで暇潰しをしてた時に、上限がもっと高い異界をショタオジが作ってくれたよ~って流れになります。

安価に参加出来なかったのは基本的に異界に籠ってるから掲示板を見ない俺らの方が多いってだけの理由ですね(笑)

俺らは基本的に主人公の回りでワチャワチャやってる面子です。時々星霊神社に所属してる人間って意味でも使ってます。

俺達は主に本編で掲示板で語り合ってる人達。

俺たちは何かのネタだったり誤字だったり次の文との読みやすさで変えてたり変えなかったり。気にしなくて平気な奴です。
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