【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

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大体実験台にされてる俺ら。

これがよその子を巻き込めないって言ってた内容だ!


特別試験:星祭神社本殿利用許可書を手に入れろ!その壱

 

 俺らの多くがレベル三十五に到達し、そろそろ新しい修行場を目指そうという話になった頃。

 

 俺らが溜まり場としている特級異界近くの広間で話し合っていると、ショタオジが【転移】してきた。

 

 

「セツニキ!楽しそうな試験出来たよ!」

 

「は?」

 

「セツニキの修行場に行ける様にいちいち許可書渡すのも大変だから、新しく作った異界の最深部に置いておいた!」

 

「面接はどうするんだ?」

 

「面接した後、特別試験で使う異界への侵入権を渡す感じだね。まぁ、俺らは全員面接は大丈夫だから今回は纏めて渡すよ」

 

 

 そう言って、神主が俺らに向けて霊符を放つ。簡易的な式神になっているお陰で宙に浮いたまま、各自の手元で漂う霊符。

 

 

────俺らは、この時深く考えるべきだった。

 

 

「時間は弄くっておいたし、クリア出来るまで出られないけど頑張って!」

 

「────は?」

 

 

 ショタオジが物凄く笑顔だった事に。

 

 明らかに触れてはいけないレベルの霊力を放つ霊符に触れた俺らが次々と【転移】す(飛ばされ)る。

 

 俺が最後に見たのは──グッドサインをこちらに向ける超越者(ショタオジ)の笑みだった。

 

 

◇──試験用異界1F──

 

 

「初期位置は全員バラバラ、式神は使用不可。装備も使用不可。自身の【スキル】と知識と拾ったアイテムだけで乗り越えろ、ね」

 

 

 正面に置いてあった石碑に書いてあったのはそんな内容だった。不思議なダンジョンかよ。

 

 

「取り敢えず合流だな」

 

 

 参加者が俺らだけな以上、意思疏通は問題無い。

 

 食料はマッカより貴重品。食べなくても良い奴は【エナジードレイン】だな。──かと思ったら。

 

 

「なんて無駄な技術を……」

 

 

 レベル二十ぐらいの悪魔(チュパカブラ)を倒したら〝食材〟が落ちた。【フード】の悪魔なんて居たな、そういや。

 

 どうやらショタオジは本気で作り込んだみたいだ。

 

 それならば、こちらも全力で遊ばないと無作法というもの。

 

 という訳で戦闘音の聞こえる方へ進む。

 

 

「ショタオジィィィ!!俺は他の俺らと違って嫁ありきなのぉぉぉ!!」

 

 

 そう叫びながら襲い掛かってくる悪魔をいなし、追撃に【低位魔法(アギ等)】を放つ。その内の何発かは弱点を突いた様に通りが良く、何発かは──()()した。

 

 

「弱点バラバラやめろぉぉぉ!図書室で学んだ知識が役に立たねぇじゃねぇか!!」

 

 

 跳ね返った魔法を避け、ここに送られた時に着替えさせられた作務衣の懐を漁る。

 

 

「ペイントボール没収されてるじゃねぇか!!」

 

 

 苛立ち混じりに反射持ちの悪魔に蹴りを叩き込む。──今だな。

 

 

「──ッ!殺気!」

 

 

 ()()()()()()放った蹴りを躱される。中々良い動きだな。

 

 

「何奴!性癖を名乗れ!」

 

「ふっ。ただのモルペコ族のセッツァーだ」

 

「セツニキかー」

 

 

 顔に笑みを浮かべ、友好的に俺へ近付きながら背後では【アギラオ】を用意してる気配。良い判断だ。

 

 

「取り敢えず挨拶だッ!燃えやがれッ!」

 

「容赦ねーな!」

 

 

 装備無いから普通に【火炎弱点】なんだぞ俺!

 

 文句を言いつつ距離を取り、雑に飛び散る炎からも逃げる。

 

 

「貴様!まさか異教徒の者か!」

 

「ふっ。我は双子好き四天王が一人!長兄の一卵性双生児好きさ!」

 

「双子ニキ(兄)か。俺の引きも悪くないな」

 

「俺もセツニキで良かったわ。【全属性】持ちだけど純魔導士にソロはキツすぎる」

 

「双子ニキは回復系絶望なんだっけか」

 

「それどころかバフデバフも駄目なんだよなぁ。完全に固定砲台だぜ」

 

「動き回ってるから自走爆雷みたいなもんじゃないか?」

 

「俺はパンジャンだった……?」

 

「強ち間違っちゃいないな。射程外に出た敵を追っ掛けて魔法を撃つのは後衛のやる事じゃ無いんだわ」

 

「それな」

 

 

 ちなみに双子ニキは普通に近接戦闘が出来る。流石に前衛張ってる人間程ではないが、弱くは無い。というのも、初期の頃はそんなにバカスカ魔法を撃てる程の霊力が無いのだ。だから霊格が上がるまで殴ってる方が多く、そのままズルズルと続けていたら今の形になった、という訳だ。

 

 二人で迷宮を進む。前は俺、後ろは双子ニキ。出てくる悪魔は今更感が強く、弱点がランダムになっていようが普通の悪魔と大差無い。

 

 

「相変わらず【万能属性】えぐいなー。耐性ランダム関係ないじゃん」

 

「ゲームと現実の差の恩恵を一番受けてる気がするわ」

 

「それな。俺も【メギド】欲しい。……他の俺らは大丈夫かねぇ?結構装備や式神で補ってる奴多かったけど」

 

「大丈夫かどうかで言ったらダイジョバナイけど、双子ニキ忘れてるぞ」

 

「ん?」

 

「グラ爺と秋雨ニキ、間違いなくF.O.Eになってるだろ」

 

「…………こんなチャンス無いもんなぁ」

 

 

 キッカケは特級異界中層で出てきた一匹の悪魔だった。ソイツは俺らの姿をして、あろうことかグラ爺と秋雨ニキに襲い掛かったのだ。

 

 ただでさえ戦いに飢えてる二人は即座に迎撃、そして死んだ。

 

 

 【外道 ドッペルゲンガー】は【物理反射】持ちなのだ。

 

 

 救助自体は二人が死ぬ間際に救援要請をした事ですぐに済み、【蘇生(リカーム)】も問題なく発動した。それからは何時も通りの幸せな日常に戻れた──なら、どれだけ幸福な事だったか。

 

 仲間の姿で襲い掛かった事。そして【反射】持ちとはいえ殺された事。何よりも当たり前の様に自身が〝強者〟だと傲っていた二人はキレた。

 

 それからだ。二人が〝幽鬼〟の様に【ドッペルゲンガー】を求め、異界の中層を徘徊し出したのは。

 

 そして彼らはF.O.E化した。【ドッペルゲンガー】を求める余り、俺やシエラ婆にすら襲い掛かった彼らは気付いてしまったのだ。あれ?これ俺らと殺り合うのに良い理由じゃね?と。

 

 

 それに便乗する俺ら。そして出来上がったのが、見掛けたら取り敢えず奇襲(アイサツ)だ。アイサツは大事。古事記にもそう書いてあるしな。

 

 

 ちなみに【ドッペルゲンガー】は【貫通】を習得した二人に〝お礼参り〟されている。今でも見掛けたら取り敢えず殺しておく枠には入ってるらしく、二人が通った後に沸いているのを見た事が無い。

 

 

「いざとなったら戦う方をジャンケンで決めておくか」

 

「うい~って、分かれ道だわ」

 

「んじゃ俺はこの右の扉を選ぶぜ!」

 

「扉なんて無いだろ!俺は左に行くわ。セツニキまたなー」

 

 

 双子ニキと別れ、右の道へ。これも俺らのルールの一つ。道中で一緒になったとしても、次の分岐で別れるのだ。

 

 これはソロ好きの俺らが多い──というよりは道幅の問題だ。

 

 俺ら+式神の組み合わせは千差万別だが、前衛四とかになるとロクに動けなくなる。だから分かれ道で別々の道へ進む事が気が付けばルールになっていた。

 

 だから俺らはソロでもある程度戦えるし、調薬やアイテム作成が苦手な奴でも【スキル】が生える程度には学んでいる。

 

 ペイントボールもその成果の一つだ。サイズはビー玉ぐらいなのだが【反射】持ちや【無効】持ちである事を仲間に知らせる為のアイテムで、敵によっては酷い色合いになるまで投げ付ける。

 

 【アナライズ】しろよって言われたらそれまでなのだが、特級異界の敵の多くは簡易【アナライズ】を誤魔化すし、逆に【カウンター】を仕掛ける奴も多くて漢判断した方が早いと俺らの意見が一致した。

 

 双子ニキ(兄)は【全属性】なのでその役割をする事も多く、取り敢えず逝って来い枠の一人だったりするのだ。

 

 そんな便利な彼と分かれて一人進む。突き当りの小部屋には【誘惑】を全開で使ってる宝箱が。どう考えてもミミックなんだが、俺はあの魅力に抗えない!

 

 

「ダイナミックエントリー!」

 

 

 走り出す直前、ミミックにドロップキックを叩き込む男鹿ニキが。もちろん着地狩りを狙う。

 

 

「っぶね!ってセツニキか!」

 

「貴様!性癖を名乗れ!」

 

「普段はクール、でもピンチな時にはか弱い女の子になってしまう子が大好きだぜ!」

 

「中々良い趣味をお持ちで」

 

「モルペコ族も良いと思うが──なっ!」

 

 

 会話しながら拳を、蹴りを、肘を叩き込み合うが、流石に前衛型は上手いな。

 

 

「しっかしセツニキか!大当たりだな!」

 

「さっき双子ニキにあったぞ──チッ」

 

「隙有りッ!」

 

「ねぇよ!」

 

 

 崩された体勢からバク宙を決め、男鹿ニキを蹴って距離を取る。さらに【ハマ】をグミ撃ちして牽制。

 

 

「そういや霊符無くても撃てるんだったな!」

 

「正直、好きじゃないけどな!」

 

 

 何と言うか決まった〝型〟に霊力を流すこの感じが窮屈に感じるのだ。一から十まで好きな様に撃てる霊符の方が俺的には便利過ぎる。

 

 

「これ程の弾幕を撃っておいて贅沢だな!」

 

「霊符なら即座に出来る事が出来ねーのが苛つくんだよ」

 

「例えば?」

 

「こんな風な事な」

 

 

 ワンテンポ遅れて張った【ムドオン】地雷は余裕で避けられる。俺達なら当たるだろうが、修羅勢に当たる訳が無い。

 

 

「なんつーか弱体化されてんな、セツニキ」

 

 

 即座に動き出す男鹿ニキにせっせと地雷を撒いていく。後三手って所かな。

 

 

「【エナジードレイン(エナドレ)】が【ソウルドレイン】になったから〝アイサツ〟じゃ使えなくなったしな」

 

「なんかシエラ婆もそんな事言ってたな」

 

「これ、魂吸う技だから殺した時に問題が起きそうでなー」

 

 

 説明聞いて過剰警戒してくれねーかなーと思いつつ【ソウルドレイン】を撃つが、当てる気が無さ過ぎて避ける素振りすら見せない。デスヨネー。

 

 

「当てる気無さ過ぎてやべーな」

 

「同格ですら怖すぎて使えねぇよ」

 

「それはそれでちょっと悔しいが、まぁここでセツニキに勝てば問題無いだろ!」

 

「やれるもんならやってみろや!」

 

 

 俺の言葉に反応し、エンジン全開で加速を始める男鹿ニキ。本人が気付いているかは不明だが、撒いた地雷がこれから男鹿ニキが進む道をレールの様に決めている。

 

 ダメージ覚悟で地雷を踏むならそれはそれで良し。レールの上を走るなら()()で隠した【ムドダイン】が火を吹くぜ──

 

 

「大丈夫か男鹿ニキ──グギャァァァ!?」

 

「「…………」」

 

 

 突然の乱入者が【ムドダイン】を踏み、勝手に吹き飛び、そして光となって消えていく。やっぱり居たか、ドッペルゲンガー。馬鹿な奴だ。

 

 

「まだやるか?」

 

「余りにも阿呆過ぎてやる気失せたわ……」

 

「だよなぁ」

 

 

 俺らのルールその三。〝アイサツ〟はお互いにコイツが【ドッペルゲンガー】なら殺されても仕方ないと納得出来るまで殺り合ってる為、邪魔しない事。

 

 つまり、援護をしようとした時点で〝偽物(ドッペルゲンガー)〟なんだよな。

 

 




頭修羅勢がマトモな訳無いだろ!いい加減にしろ!www

二度目の人生を真面目に生きる気力も無いけど、初めて出来た友達と離れられずにダラダラやってる奴等と、前世から生まれる時代を間違えた系武人集団が交じるとこんな感じだと思う。
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