【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

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メガテンのネタを漁ってると、絶対に出したくなる奴が何人か見付かるんですよね。

↓は是非動画で理不尽を見てきてほしい(笑)


特別試験:星祭神社本殿利用許可書を手に入れろ!その弐

 

 

◇──試験用異界5F──

 

 

 多くの出会いと別れを経験した。

 

 

「へい!アンタの性癖はなんだい!?」

 

「モルペコ族──だッ!」

 

 

 その過程で様々な大切な物を見付けた。

 

 

「セツニキ、これやばない?」

 

「ネコマタニキへの賄賂に使えそうだな」

 

「僕がどうかしたかい?」

 

「生えるの早すぎだ──ろッ!」

 

「ネコマタちゃんの気配がしてね!」

 

「突然の〝アイサツ〟実に俺ら」

 

 

 だが順風満帆な旅とは言えなかった。

 

 

「ふむ。今日はとても良い日だな」

 

「秋雨ニキか。……お前の性癖は?」

 

「香坂しぐれ」

 

「ッ──!お前ら先に行けッ!今の俺じゃあんま持たないぞ!」

 

『『『任せた!』』』

 

 

 拳をぶつけ合った仲間との別れ。そして修羅との死闘。一秒足りとも油断の出来ない〝アイサツ〟の応酬に〝見学者〟が現れた。

 

 

「ふふふ。今日は良い日じゃな。生き残った方と〝アイサツ〟を交わすとしよう」

 

「それは楽しみ──だッ!」

 

「チッ!マジで厄日だな!」

 

 

────そして現在。

 

 

◇──試験用異界?F──

 

 

「…………ーム」

 

 

 暖かい光が身体に満ちる。木漏れ日の降り注ぐ木々の下で目を覚ましたような、優しい光が瞳を照らす。ゆっくり目を開けると、そこにはクロネキ*1の顔があった。

 

 

「何時間()()()()?」

 

「二時間ぐらいかしら?グラ爺は秋雨ニキの蘇生で霊力が切れて、使える人を探してここまで担いで来たみたいよん」

 

「そんなもんか。ありがとなクロネキ」

 

 

 鍛えられた、しかし女としての柔らかさもあるクロネキの膝から降り、立ち上がる。

 

 【完全蘇生(サマリカーム)】のお陰か喉や鼻に血が詰まってるという事も無く、【蘇生(リカーム)】だとなる事の多い貧血すら無いのは助かる。

 

 

「私らは魂保持の技能をショタオジから必修にされただけあって、蘇生が楽でいいわん」

 

「俺ら、毎日の様に死んでるし、死にかけてるからな。ショタオジがぶちギレて必修にするのも無理は無い」

 

 

 俺達が修羅勢と呼ぶ俺らは、たぶんガイア連合で一番【蘇生】技術が高いと思う。本来なら回数をこなすもんじゃない魔法を高頻度で使ってるから自慢にもならないが。

 

 立ち上がり、身体の動きを確かめながら周囲を把握する。後ろには【瞑想】状態の俺らと料理を作っている俺らが居て、調理組は何時も通り馬鹿な話をしながらジャンニキ直伝の料理技を披露している。──そんな穏やかな光景を目の前の()()()()が台無しにしているが。

 

 

「ボス部屋か?」

 

「そうよん。今の所突破者は無し。今は蛮ニキが突っ込んでて、次はグラ爺が行くらしいわ」

 

「へぇ……何か情報はあるのか?」

 

「無いのよねん。というか()()()()()()()()()()()

 

「ん?どういう事だ?」

 

 

 首を捻っていると、クロネキが扉の横に置いてある石碑を指差す。

 

 

「俺らの名前?」

 

「負けたらなのか、勝てたらなのか。どちらかは分からないけれど、部屋が〝空〟になったら次の人が挑める仕組みよん」

 

「……結構赤いな」

 

 

 俺らの人数は現在五十二人。その内の六割近くが赤くなっている。

 

 

「最初はどんな悪魔が居るのだろうって話で盛り上がってたんだけどね?流石に不穏過ぎて皆真剣よん」

 

 

 改めて調理組を見てみると、何時もの馬鹿騒ぎこそ確かにしているが、何処か緊張しているのが見ているだけで伝わってくる。

 

 何人か最近加わった奴等も居るし、仕方ないと言えば仕方ないのか。

 

 

「蛮ニキが入って何分だ?」

 

「そろそろ十分だと思うけど、流石に時計が無いから間違ってたら御免なさいねぇん」

 

「いや、大体の目安が聞ければ十分だ」

 

 

 蛮ニキの戦闘スタイルは基本的に【格闘】に【状態異常*2】を混ぜ込み、【呪いの還元】や各種【状態異常追撃】で殴っていく近接型の亜種。

 

 一応【ディアラマ】や【パトラ】も使えた筈だが、適正は微妙だったらしくそこまでの回復量は無い。

 

 つまり蛮ニキが十分近く戦えているという事は、厳しい修行の様な格上相手による突然死では無く、少なくとも蛮ニキの【ディアラマ】で回復が追い付くか少し足りない程度の攻撃力という事。

 

 これは試験だし、同格ぐらいか。という事は……

 

 

「回避、耐久、技量特化型が相手か?」

 

「それがそうじゃないみたいなのよねん──ほら」

 

 

 クロネキの指差した先には()()()()の名前が。

 

 

「マジかよ。シエラ婆を殺したのか?」

 

 

 俺だって今の装備じゃ不可能だぞ。

 

 

「人によって敵が変わる可能性もあるけど、それでもシエラ婆を殺せる悪魔は少ないわん。だから──」

 

「血の気の多い奴らは【瞑想】して心を鎮めて居たという訳じゃ」

 

 

 荒神の如き闘気を発するグラ爺がゆらりとやってきた。

 

 

「逝くのか?」

 

「無論」

 

 

 返事と共にボス部屋の扉が開く。名前を確認すると、蛮ニキの名前は赤くなっていた。

 

 

────グラ爺の名前が赤くなったのは、それから一時間後の事だった。

 

 

 

 

 グラ爺が負けた事で俺らの緊張は最高まで達した。逸る修羅達を宥め、話し合い、順番を決めた結果、俺は一番最後という事に。

 

 セツニキが負けたならどんな敵が相手でも敗北を受け入れられると言われれば、意地でも勝って煽ってやりたい。

 

 

「……ミナミィネキも負けたか。本当に何が居るんだ?」

 

 

 重い石扉を無理矢理動かしているかの様な、重厚な開閉音。その横の石碑は、すでに俺の名以外全て赤くなっていて、血に染まった様に見える。

 

 

「行くか」

 

 

 扉を抜け、等間隔に置かれた燭台の明かりを頼りに暗闇を抜けると──そこには()()()()()が。それを見た瞬間、俺らが何故負けたのか理解した。

 

 

()()()()かよっ!」

 

 

 

 モト劇場は通常プレイでは滅多に遭遇する事の無い、しかしゲーム的には理論上〝可能〟な動きを【モト】がする為、一種のネタ動画として有名になった一連の行動を指している。

 

 原理は至って単純。【獣の眼光】と呼ばれるスキルがこちらのターンを飛ばし、【モト】が再行動し続けてバフを積み、【メギドラオン】をぶっ放してくるだけだ。

 

 敵のAI的に滅多にしないのだが、発動されると三分ぐらいずっと動き続ける【モト】を眺める羽目になるが故にモト劇場と名付けられた。

 

 

 さて、これがショタオジ監修の〝現実〟で起きるとどうなるか?

 

 

 その答えは──

 

 

「【マハラギダイン】」

 

 

 一瞬で最大バフを積み、金色のオーラを纏う【モト】から【弱点属性】が飛んでくる。

 

 体感的にはフルバフの割に威力が高くない。【弱点属性】が直撃したにも関わらず、ゲーム的に言えば六割ぐらいしか削られて無いだろう。

 

 だからこそ【ディアラマ(回復)】が間に合う。ついでに【継続回復(リディア)】も掛けて耐久戦の構えまでは行ける。けれど、それだけだった。

 

 

「【獣の眼光】【ラスタキャンディ】【ラスタキャンディ】【獣の眼光】【ラスタキャンディ】【獣の眼光】【ラスタキャンディ】【マハラギダイン】」

 

 

 知覚すら不可能な速度で飛んでくる【マハラギダイン】が俺の身体を焼き付くす。何処か機械的な動きを繰り返す【モト】は、たぶんショタオジの式神を見た目だけ【モト】にした存在だろう。

 

 俺の知覚出来ない領域で無駄な重ね掛けをしてる気がするが……霊視から得た情報を元に判断すると、星霊神社の地脈に接続しているので霊力切れは期待出来ない様だ。

 

 

 暫く【モト】劇場に付き合いながら、方針を決める為に持久戦を維持し続ける。

 

 

 正直な話、【獣の眼光】だけなら突破する方法はある。

 

 

 【モト】の【獣の眼光】は【クロノス】を始めとする時空神の権能とは違い、どちらかと言うと〝瞳術〟に近い。

 

 つまり、霊的知覚*3を合わせた人間に対して、FFで例えると〝ストップ〟状態にしているだけであり、【クロノス】みたいにジョジョの【ザ・ワールド】をしている訳では無いのだ。

 

 では、霊的知覚を閉じて殴れば良いのか?と思うかも知れないが、それ対策なのだろう。

 

 

「────ッ!【物理反射】持ちとかマジかよ!」

 

 

 知覚能力を閉じて殴り掛かった衝撃がそのまま俺の右腕に返ってくる。ついでに距離を取る為にばら蒔いた【ムド】と【ハマ】も【反射】された。

 

 これ、ワンチャン【全属性反射】に【物理反射】持ちの【モト劇場】な可能性もあるな。

 

 取り敢えず態勢を立て直す為に【ディアラマ】やら【リディア】やら各種バフを積み直す。

 

 その間にも【マハラギダイン】を食らい続け、正直な話、心が折れそうになってるが、それでも何とか立て直し、次は【魂吸(ソウルドレイン)】で攻めるかと考え、近付くと──

 

 

「【獣の眼光】」

 

 

 目の前から【モト】が消えた。そして飛んでくる【マハラギダイン】

 

 コイツ【万能属性】は徹底的に回避するのかよ。道理でシエラ婆が殺された訳だ。

 

 取り敢えず【ディアラマ(時間稼ぎを)】しつつ、考えを纏める。

 

 この状態からでも殺れる方法はあるが、これは通常の異界探索では無く試験。ショタオジの考えを予想するなら、俺はプレイヤーでは無く指導役として〝ここ〟に投げ込まれたのだと思う。

 

 という事は──だ。

 

 

「このセッツァー!天に帰るのに【モト】の手は借りん!」

 

 

 俺のやるべき事は【モト】を倒す事では無く、倒せる様に俺らを指導する事。つまり、粘るだけ無意味。

 

 だから俺は【リカームドラ】を発動した。

 

 

────カチリ。

 

*1
クロビカリネキ

*2
【状態異常】系の魔法スキルと【毒の使い手】を始めとするパッシブ持ち

*3
【気配察知】や【心眼】




ここらへんからショタオジの過保護(殺意)が高まっていきます。

よそ様のお子さんにこんな経験はさせられない……!
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