【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
そしてこの章を最後まで読んだ時、君達は驚く筈だ。
作者も調べてびっくりした。
そしてこの章は全体的にグロいです。苦手な方は御注意を!
『恐山』攻略戦!……の裏で。その壱
シエラ婆率いる第一陣が『恐山』へ向けて旅立った。グラ爺率いる第二陣*1は一休み入れてから直行するそうだ。
それを見送り、俺は一人神主に面会を申し込む。
「チャンスだから行ってくるわ」
「国内の過激派の目は『恐山』に向いてるからね。タイミング的にも今が好機なのは間違いないか~」
会話はそれだけ。それで通じる仲だし、元々話は通していた。
ショタオジの元を去って、向かうは製造班。頼んでいた〝モノ〟が出来てると良いのだが。
「お、セツニキ。何の用だ?」
運良く休憩中のエドニキを引いた。まるで天が早くやれと言ってる気分になるな。
「頼んでたヤツは出来てるか?」
「出来てるよ。あんだけの転生者の素材を一つにするのは勿体無いって周りが五月蝿かったぜ」
「悪いな」
「世話になってるし、文句言ってるのは新人達だからな。問題無いぜ」
グッドサインをこちらに向けるエドニキに軽く頭を下げ、頼んでいた〝モノ〟を霊符に仕舞う。
「一人で行くのか?」
「俺らは『恐山』に回したからな。それに──これは前世から続く最後の仕事だから一人でやりたいんだよ」
嘘偽りの無い本音。薄々気付いている人間は多いだろうが、言葉に出したのは初めてな気がする。
「生きて帰ってこいよ?セツニキにはまだまだ教わりたい事があるしな」
「死ぬつもりで生きたことなんて一度も無いさ」
それだけエドニキに伝え、製造室から出る。向かうは茨城県つくば市にある月水石神社。大室山浅間神社と迷ったが、一族の神話的にはこちらが理想だと判断した。
ギンを呼び、久々に二人旅。お互い強くなったがギンの甘え癖に変わりなく、野生を失ったかの様に纏わりつくギンを宥めて騎乗。街中こそ隠形術を使うが、人の目や障害物が無くなった瞬間、車よりも早くギンが駆け出す。
多摩川上流の一つ、山梨県
確か前世だと高速を使って三時間、高速以外も含めると四時間掛かった筈だが、覚醒者&高レベル犬神パワーは伊達では無く、一時間と半分程で茨城県へ突入。このまま筑波山を目指す。
西の富士、東の筑波山と呼ばれる程度には気軽に登山出来る*2筑波山だが、同時に隣の山の名の潔さが好きだ。興味がある紳士諸君には是非とも由来と共に調べて欲しい。
きっと、俺と同じく胸に〝トキメキ〟の様な物を感じられる筈だ。
そんな馬鹿な事を頭の片隅で感じつつ、月水石神社へ向かう。山中を突っ切り、途中でギンを労ってから霊符に戻して少しだけ歩くと、巨木と小さな川*3が。そしてその先には、神秘的な力を感じる小さな本殿が。
本殿の側にある斑れい岩の磐座には月に一度、赤い水を流すと言う伝説があり、それが石長比売の血涙とも女性の月経を表すとも伝わっている。年に一度の祭の日には卵を食べ、子宝を祈る祭もある。
創設時期は不明。だが旅館は三軒、妓楼は六軒あると明治期に書かれた本がある通り、昔から女性特有の病や不妊に寄り添っていた事が伺える。
そんな石長比売の素晴らしい本殿の先から、
結界で隠されているにも関わらず、外に漏れ出てる時点で厄ネタでしか無いのだが──
一人、道なき道を匂いを頼りに進む。近付けば近付く程、血と絶望と高揚と
それから程無くして、異界特有の空間の歪みを確認した。そのすぐ側には廃教会に偽装されたメシアの拠点が。
だがこれはあくまでも霊的な目線からの判断。
そんな事をせずとも、一般人にすらここが明らかに〝堅気〟の居る場所じゃない事を示す
「本当、アイツらは馬鹿だよな。廃墟の十字架に何で新品同様の光沢があるんだよ」
本気で隠すつもりが無いのならまだ分かる。ここが危険な場所だと意図的な行為として受け止められる。だが明らかに〝表〟に出せないような実験をしてる場所で、これは流石に……
(いや、
どうせ主の威光を示す為に毎日磨けとでも
取り敢えず霊符を配置しながら廃墟の中へ。椅子や床は廃墟同然の有り様だが、何故か新品同様の十字架があるのはもはやギャグとしか言いようが無い。
あれか、俺を笑わせる
少しは真面目にやれや、糞が。
苛立ちついでに鍵の閉まった扉を蹴り破る。視界に飛び込んできたのは黒ずんだ赤に染まった
「助けて、主よ、神は居ない、あの悪魔共が、殺してやる、嫌だ死にたくない、許して、許して、許して──」
自らの血で文字を残したと思われる者の姿は無い。食われたのか、それとも遺体すら使われたのか。俺には知る由もないが、ただ一つ分かるのは、この文字を刻んだ人間はキリスト教徒なのだろう。天使を悪魔と呼び、被験者に許しを乞うのはメシア教徒のやる事じゃない。
アイツらにそんな人間らしい感情なんざ無いだろう。
部屋から一度出て、軽く溜め息を吐き出す。部屋には日記の類いは残っておらず、あったのはビリビリに破かれた聖書だけ。つまり、無駄骨を折った訳だ。
気を取り直して隣の部屋を開ける。流石に二連続で〝赤い部屋〟を引かなかったが、代わりに日本人と思われる霊能者の白骨死体があった。
辛うじて巫女服と思われる布切れを着た死体の頭蓋骨には無数の穴が空いており、ついでに余りにも可笑しな恥骨の折れ方から推測すると、たぶん実験ついでに性的暴行を加えられ、止めとばかりに
死体を霊符に収納して先程よりも深くなった溜め息を吐き出す。霊魂すら残っておらず、残滓すら感じられない辺り、徹底的なまでに
「自らの善性に耐えきれなくなった実行者、単独なのかは分からないが、ここに誰かを助けに来たと思われる巫女。──で、終わりは
奥すら見通せぬ程に無理矢理広げられた空間には無数の犬用ケージがまるで本の様に埋め込まれ、中には子供サイズの骨が散乱している。
ケージの入り口はもちろん、首に引っ掻き傷のある骨も多い。何とか逃げ出そうとして、だけど子供の力では無理で、自身の首を骨に傷が残る程に掻き毟りながら、絶望しながら死んでいったのだろう。
間違いなく、俺が感じ取った匂いの一つはここだ。
ここまで読んだ君は気付いたと思う。
そう、実はこの章でこの物語は終わる筈だったんだ。
お気に入り登録や栞、評価を思った以上に貰えたので続きますけどね!……続きどうしよう?