【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
★ガイア連合対メシア教対策総合雑談スレその17+αで、174が三番目くらいに疑似生まれ変わり精神修行訓練があるって言ってるんですよ。
なので、この作品では覚醒者のみの場合は話に出しておっけーとします!
「俺の勝ち!何で負けたのか次回までに考えておいてください」
「くぅ……これが【権能】と【スキル】の差というものか……!」
片腕を持っていかれ、胸部から腹部にかけて深い斬擊の跡が残る俺と、
普通なら俺の敗北だが、俺達修羅勢にとって敗北とは地面の味を知った者を指す。魔法で治るしな。
「やべぇな。発動が速すぎて見切れない」
「しかも変幻自在だぞ。【ソウルドレイン】──っていうより、セツニキに自由を与えるとあんなに厄介なのか」
「ただでさえセツニキは隠形の明暗駆使してくるから油断すると死角から飛んでくるのに……!」
「実戦だと【
「グラ爺、たぶん【物理スキル】の幾つか【権能】の領域に入ってるっぽいぞ。さっきから全力で【
「むぅ。気軽に模擬戦が出来なくなるのう」
「たぶん他の奴等も同じだろうから、クロネキが居ない時は無理だな。誰か掲示板に情報よろしく」
「んじゃ、俺やっとくわ」
「任せた」
回復しながら鍛練場の壁まで行き、背中を預けると、すぐにレティが近寄ってきて治療を始めた。
「本当に治りが遅いですね。回復特化の私でこれだと、これから先は厳しい戦いになりそうです」
「まぁ、神と人との差がこれなんだろうな」
低位でも神は神。その分野で並ぶ者が無し故に神と呼ばれてるんだ。【スキル】じゃ相手にならないのは不思議と納得出来る。
木製の武器に持ち替え、俺らにしては珍しい命のやり取りをしない模擬戦を眺めて居ると、スマホに通知が来た。どうやらショタオジの身体が空いたらしい。
「ちょっくらショタオジの所行ってくるから怪我しない様にな。レティは置いていくから打撲程度なら何とかなる……かも知れん」
「打撃系の俺らも居るし、いっそ【スキル】禁止でやるか?」
「その方が良さそうだな。どれが【権能】の領域に入ってるのか自分でも分からん」
「ここに来て技術力と駆け引きの勝負になるのか」
「レベルが能力の高さじゃなくて継戦時間の長さになったの笑う。ゲームシステム根本から変わってんじゃん!」
「必殺の一撃を叩き込めれば格上も食えるって事だけど、逆にレベルが高くても食われるって事だもんねぇ」
「俺は逆に納得したけどな?レベル上げてどうにかなるなら俺ら全員低位神くらいにはなるだろうし」
「あーセツニキ達【権能】持ちは半神言われても納得するけど、俺らが神かって言われると首を傾げるね」
「でもお前の【五月雨斬り】たぶん【権能】に半歩ぐらい入ってるぞ?傷の治り微妙に遅かったもん」
「うへ、俺らも他人事じゃないのかー」
そんな会話を背に鍛練場を後にする。さて、これからの方針を話し合いに行きますか。
◇
────星霊神社本殿。
本来なら神像が置かれる場所の前にショタオジが座り、その周囲に円を描く様に幹部勢が座る。
俺の席は入り口近くだ。幹部じゃないしな。ちなみに隣にはイワナガとサクヤが座布団の上に正座している。俺は胡座だが。
「──って感じで、石長比売を解放してきた。本人……本神?の言葉を信じるなら現界してる中で最も本霊に近い分霊らしいから、基本的にコイツが見聞きした事は本霊にも伝わると思ってくれ」
「了解。それじゃまずは〝献上品〟をどうするかを決めようか」
まず最初に話題を上げたのはショタオジだ。それにすぐ反応したのはギルニキだった。
「石長比売の話だと、木花咲耶姫の権能と同時に使えば山一つ分を望む鉱石に出来るという話だったな?」
「その認識で間違いありません。私は岩石の神であり、サクヤは山の神ですから、お互いに協力すれば日ノ本で必要な分ぐらいは確保出来ます」
「その為のMAGは本霊が持ち出すという認識で間違いないな?」
「はい。我が本霊、石長比売はガイア連合──というよりもセッツァー様に全てを賭ける事に決めました。神話的に不遇だったという事もありますが、彼からの〝信仰心〟に応えたい様です」
参加者達の視線が俺に集まったので、にっこりVサイン。っと、忘れる所だった。
「ショタオジ、これ石長比売の契約書の入った札な」
「おっと。──私情を一切入れなかったんだね」
「流石に公私は分けるぞ」
受け取った霊符を開封して巻物を広げたショタオジが意外そうな声を上げたので、取り敢えず苦笑いしながら返答する。
「うん、これなら問題は無いかな。油断はしないけど」
「それが良いかと。私達は日ノ本の神ではありますが、同時に悪魔ですから」
「えっ?お姉ちゃんはそれで良いの?」
「サクヤ。私達はお世話になる側なのですよ。私達二人なら金銭面で不自由しないでしょうが、お互いに戦いは不得手。メシア教を相手にするには力が足りません。故に信頼されずとも信頼しても良いと思われる振る舞いをしなければなりません」
「うぅ……皆仲良くハッピーじゃダメなの?」
「その為にも誠実に生きよと言うことですよ」
二人の話が長くなりそうなので拍手一回。話を無理矢理切った所で続きを促す。
「ギルニキ、希望する鉱石は決まったか?」
「やはり半導体の素材であるシリコン、ゲルマニウム、セレンの希望者が多いな。石長比売の権能で作られたそれらを利用すれば、製品寿命も異界での動作も保証されるのであろう?」
「エドニキ、どうだった?」
「おっと、俺の番か。取り敢えず資料渡すから見てくれ」
エドニキが鞄から資料を取り出して参加者に配る。へぇ、思ったより成果出てるな。
「ショタオジに手伝って貰って時間加速して耐久年数調べたけど、取り敢えず三百年以上持つ事は分かった。異界での動作確認もしたけど、流石に一割ぐらい性能が下がるし、大気中のMAGが濃かったらもっと厳しくなるな」
「私が提供した素材に問題がありましたか?」
「あ、いや、たぶん俺達製造班の技術不足だと思う。資料にも書いてあるが、ショタオジやベルフェゴールに作って貰った奴は正常稼働してるからさ」
「ショタオジ、試作品でここまでの成果が出るなら確定で良いのでは無いか?」
「そうだね。半導体の素材で確定にしようか。山は異界の中に作って貰うとして、異界自体の場所はどうしよう?」
「修行の一環として採掘させるなら無理だが、本殿内に
「ちひろネキ、どれくらいなら出せそう?」
「そうですね~これぐらいでどうですか?」
ちひろネキが差し出した紙をイワナガが受け取り、目を通す。
「この条件で構いませんが、私自身は術式を編めないのでどなたかお願い出来ますか?」
「セツニキ、どっちがやる?」
「俺の術式渡すからショタオジがよろしく。これ系は術者の力量がモロに出るから俺がやるよりショタオジのが良いと思うしな」
「術式自体はセツニキのが相性良いけどねぇ」
「術者の力量を考えたら誤差にもならねぇよ」
取り敢えず組み立ておいた霊符をショタオジに渡す。たぶんあれを雛形として魔改造してくれるから何とかなるだろ。
「そういえば追加で作る鉱石は決まったのか?」
「あ~たぶん石灰石になると思う」
「石灰石?なんで──あー、コンクリか」
確かにガイア連合が地方にも救いの手を伸ばすなら一番使用するし、手軽に石長比売の権能効果を得られるな。
「やっぱりセツニキは反対?」
「個人としては反対だが、最初に最低限日本を守りたいって言っただろ?だから文句は無いぞ」
「そっか」
別に俺を気にする必要なんて無いのに律儀な奴だな。
「あ、ギルニキとエドニキ。ちょっと大きい頼み事するかも知れん」
「む?」
「おう?」
「まずエドニキ達製造班に頼みたいんだが、式神の素体を代金俺持ちで大量に作って欲しい」
「厳しいな。俺達の人数も増えたから予約は埋まってるぞ?」
「あー別に高級式神じゃなくても良いんだ。容姿を魂依存にさえしてくれれば、性能は人間と同等なら問題無い」
「それぐらいで良いならセツニキが最後に手直しする事前提で新人に仕事を振れると思う。アイツらもそろそろ式神作りをやりたいだろうしな。けど、何に使うんだ?」
「石長比売を解放しにいった時にかなりの量の犠牲者が居てな?魂自体は無事だったってのと、イワナガとの契約で最低限の人間らしい身体を与えなきゃなんだわ」
「イワナガさんとの契約なら組織から幾らかお金出しますよ?」
「いや、前世から繋がる最後の仕事だからな。俺一人で片付けるつもりだ」
「そうですか……。分かりました」
「ありがとな、ちひろネキ。で、ギルニキ達には彼女らの雇用を頼みたい。必要な技能さえ教えてくれればこっちで『スキルカード』差せるから遠慮なく言ってくれ」
「ここの事務員では駄目なのか?いや、
「人数が多いってのもあるが……」
ちらりとショタオジを見ると軽く頷いた。言って良かったのか、これ。まぁ、幹部達しか居ないし、問題無いか。
「まだここだけの話で頼むぞ?星霊神社は将来的に転生者以外立ち入り禁止になる流れらしくてな?現地人の彼女らは立ち入れなくなるんだ」
「えっ!?ただでさえ事務員が足りてないのに私達の方に回ってこないんですか!?」
ちひろネキがショタオジに詰め寄るが、気まずそうに視線を逸らされる。それを見たちひろネキが崩れ落ちた。
「……ま、そういう訳で仕事が欲しいんだ」
「お、おう。そういう事なら他の俺達にも話を通しておく」
「性格に問題ある奴が居たらイワナガと話し合うから気軽に言ってくれ。ギルニキ達に不快な思いをさせる程の案件でも無いからな」
「この場で明言しておいた方が良さそうですね。私はメシア教に不幸を与えられた彼女らの〝人として生きられる身体〟こそセッツァー様に望みましたが、それ以後は彼女達の責任で問題ありません。与えられた〝奇跡〟だけで満足出来ないのなら自らの手で叶えるべきです」
「……意外に冷たいのだな?」
「これでも悪魔ですから」
ギルニキに妖艶な笑みを浮かべつつ、はっきりと断言するイワナガ。予想以上に物分かりが良い──というより、そもそも人間に対してそこまで良い感情を持ってないのかもな。
「取り敢えずこんなところかな?他に何かある?」
「あ、山梨県内の霊地は星祭で殆ど管理してるから必要なら禊に言ってくれ。県政にも顔が効くから山梨県内ならどうにでも出来る、と思う」
「え、マジ?いつの間に?」
「いや、そもそもの話だと山梨だけ守る予定だったろ?だからコツコツ有用な土地とついでに県政に伝を作らせておいただけだ」
今だとガイアグループの票も使えるから政治家は動かしやすいしな。闇召喚士達は潰すか傘下に入れたし、アングラ系は力で捻じ伏せた。警察にもテコ入れしたし、たぶん治安の良さだけで言えば日本一を名乗れるんじゃないか?俺達の態度の悪さは除くが。
「土地の広さはどれくらいだ?」
「郊外で良いなら東京ドームクラスの所もあるぞ。街中だと場所によるな」
「ふむ。確認も兼ねて星祭にも行かねばならぬな。──ショタオジ」
「はいはい。これ許可書ね」
俺らと違ってちゃんとした巻物を手渡されたギルニキは即座に広げてサイン。そのままショタオジに返す。
「ついでにエドニキ達もやっとく?」
「行くかどうか分からないけどやっておくかー」
「私は行く時間が無さそうです……」
「セツニキ、なんか案無い?」
「短期で良いならうちの巫女を回せるが、長期を想定するなら式神作るしか無くないか?アイツら創設期から居るが現地人だぞ」
「あんまり事務課に式神回すと俺達がなぁ」
「現地人も嫌、式神も渡したくない、事務仕事もやりたくない。……どうしろと?」
顔を見合わせて溜め息を吐き出す。こればっかりは俺にはどうしようも出来ない。その願いは俺の力量を超えている。──とはいえ何もしないのもな。
「暫くの間は俺の思業式神を回す。その間に何とかしてくれ──」
「ありがとうございます!!」
「お、おう」
凄まじい勢いで俺の両手を取り、挟み込んだちひろネキに少しだけ引く。どんだけ辛かったんだ。
「これから作る支部の事務員や責任者の手配もしなきゃだし、前途多難だねぇ」
溜め息と共にショタオジが呟いたが、本人は気付いているのだろうか。大々的に手を広げた時、一番忙しくなるのは結界を張ったりする自分だという事に。
権能は誰が使っても大体同じ効果を得られるスキルが個人個人の個性が出るスキルとなった感じです。
共通するのはノーコスト化&貫通&回復阻害。
ノーコスト化はスキルと同等の性能なら消費無しで撃てるって意味なので、大体の人は追加でMAG注ぎ込んで個性を出します。
なので余り意味無いですね。精々MP切れでもスキル使える描写があった時の言い訳に使えるぐらい。
うちの主人公の場合、吸収系なので強欲な壺並に取り敢えず撃っておけ枠になりますけど。
これがショタオジやカヲルニキだと回復阻害が最大HPを削る攻撃になるんじゃないかな。じゃないと殺せない神や悪魔が多すぎる。