【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
悪魔しょうかんは誤字では無くどくいも様リスペクトなので修正大丈夫です!
追記:下層試験の間違いでした。
イワナガとサクヤの二人が鉱山──というより、
とはいえ話自体はすぐに決着。言われてみれば確かに、と思える事情だったのだが、武具を壊してしまうのは手入れが厳しい遠征組や素人が多い。
逆にエドニキ達上位製造班が作る武具となると、そもそも壊すような使い手は依頼出来る程の素材も金も手に入らない。
中堅クラスも初心者用の武具の制作に追われる事も無くなるので、一割増しで半年間の保証サービスは有り難かったそうだ。
割りを食う羽目になる初級クラスの製造班にはエドニキ達上位陣がフォローをするらしい。なので、この問題は俺の手から離れたと言って良い。
取り敢えずエドニキから貰った端材で作った武蔵改二の1/6フィギュアを神棚と共に制作。その下に術式を刻んだ机を置く。この上に装備を乗せて、一割増のマッカを置けば、石長比売が加護を与える仕組みを作っておく。
「ま、こんなもんだろ。
「術式を刻む必要が無いならこっちでやるぞ?」
「それじゃ任せた」
収入の八割は製造班の利益になるが、二割と信仰心は石長比売が頂く契約だ。ショタオジからの許可も貰ったし、石長比売が誠実な仕事をし続ける限り、問題は起こらないだろう。
「加護台が壊れたらセツニキに連絡入れれば良いか?」
「解析しても良いぞ?使ってる術式自体はありふれたもんだしな」
「そうなのか?磐長一族の秘伝とかじゃないのか」
「一般的な神との交信術式をちょっとややこしくしてるだけだ。イメージとしては海外サーバーを経由して現在地を誤魔化しつつ石長比売に繋いでる感じだな」
「分霊がここに居るから余り意味無くないか?」
「問題なのはそれを辿って割り出してくる悪魔の方だぞ。アイツらはお構い無しに呪詛とか撃ち込んでくるからな」
とはいえここの防諜はショタオジが入念にやってるので、やろうとした悪魔は基本的にMAGに還る。正直、ここまでやる必要があるのか疑問なレベルだが、大した手間でも無いので取り敢えずやっておいた。
「そういや話変わるが、ペルソナ使える式神の進歩はどうだ?」
「試作品をハム子ネキ*1が複数破壊したな。一瞬で数千万がゴミと化したぜ」
「お、おう……」
エドニキもこんな虚無顔するのか……何時も楽しそうなイメージあったから予想外だな。とはいえペルソナ搭載型式神に関して言えば俺がやる事は無さそうだ。カヲルニキにも後で教えてあげよう。
「あそこの難易度的に分からなくも無いんだが、もうちょっとなー丁寧に扱ってくれるとなー!」
「仕組みが分からんから何とも言えんが、根幹部分だけイワナガの保護と俺の改造転移でも仕組んでおくか?最悪ブラックボックスの回収だけは出来ると──」
「是非お願いします!!」
御辞儀と共に渡された資料を読み込む。ペルソナ組の異界に現れるシャドウを回収して結合、それを調伏して一時的に仮のペルソナ化。式神に自我が目覚めたらその生まれて間もない負の感情をペルソナ(仮)が食べて肥大化、それを受け入れてペルソナ(真)に変えてるのか。
「すげーな製造班」
「野良シャドウとの繋がりをしっかり断たないと〝例のアイツ〟やシャドウの持ち主に影響でちまう*2のが量産を難しくしてるんだよな。ここらへんは製造班の技術力じゃ怖すぎてショタオジ頼りなんだわ」
「シャドウ自体を零から構築出来ないのか?」
「ココロ、ソクメン、ナニソレ?真面目な話、やる夫ニキがシャドウに関するデータを報告してくれるから何とかなってるだけで、それが無かったらまだ手探りだぞ」
「俺──というより神道系の俺達が御祓の儀式で払ってる魂の淀みがシャドウの素体?なら話が早いんだけどな」
「待ってなにそれしらない」
ガシッ!と掴まれ、椅子に座らせられる。さらに鎖を巻き付けられて固定。周りには知らぬ間に増えた製造班の姿が。
「さぁキリキリ吐いて貰おうか!」
「いや、神道は世界中でも結構レアな考え方でな?荒御霊=荒々しく勇猛な神霊の〝怒り〟を討伐するのでは無く、儀式で〝穢れ〟を払って和御霊=神霊の〝慈愛〟の姿に戻すってのがあるんだよ」
「GOD EATER*3のベースになった考え方か?」
「あれは余りにも強大な人類の敵に対して、傲った人間への罰とかでアラガミ呼ばわりじゃなかったか?」
「覚えてねー。昔の事過ぎる」
「だよなー」
俺ですら発売されてから十数年経過してて、追加で八年経ってるんだ。エドニキならもっと昔の話になるだろう。
「ま、GOD EATERの話は脇に置いて。その〝穢れ〟ってのはシャドウなのか?」
「考え方としてはそうっぽいんだが、これって簡単に言っちまえば心理ストレスなんだよな。だから俺やエドニキにはもちろん、自我があるなら悪魔──ベルフェゴールやイワナガにすらあるもんだから、それが何でシャドウになるのかがわからん」
「MAGが悪さをしてるってのは?」
「それなら世界中にシャドウが溢れて無いと可笑しい」
仮説としては〝アイツ〟を筆頭とするペルソナのラスボス達が〝穢れ〟の悪用の仕方を知っていて、便利に利用してるってのがあるが……それならそれで現状が手緩い。
地球の人口を考えればMAG必須の悪魔より脅威の物量戦で人間を滅ぼせる筈だからな。
「取り敢えずその〝穢れ〟ってのは視覚化出来るか?」
「ちょっと時間貰うぞ」
鎖を外して貰い、床に霊符を敷いていく。昔使った悪魔を視認出来る術式は魂を見るのとは違うから……んー……これ一から組み立てるよりも、領域内の視覚を俺と同調させた方が早いか?
「良し、決めた。
拍手一回と共に術を起動。ついでに俺自身の霊視を発動する。
「その陣の中に入って目を瞑ってくれ。ただ俺に心の声が筒抜けになるから注意な」
「なんかとんでも無いデメリットが聞こえたんだが!?」
「仕方無いだろ。簡易式神ならともかく人間相手に同調って難しいんだぞ?それともあれか?俺とごちゃまぜに成りたいか?」
「遠慮しまーす。まだ理想の嫁作れてねぇ!」
「だよな」
エドニキが覚悟を決めて陣に入り、目を瞑る。それに合わせて適当な製造班に視線を移す。
「俺の霊視で見えてる光景をエドニキに送ってる訳だが、どうだ?ちゃんと見えるか?」
「おぉ~!これがセツニキの見えてる魂なのか!やっぱり俺とは違うな!(おぉ~!これがセツニキの見えてる魂なのか!俺とは違うな!)」
「まぁ、だからこそ魂を弄る難易度の高さは察しろ案件になる訳だしな」
人によって姿形が変わり、見る者によって千差万別に変化するモノをどう弄れと。だからこそショタオジはショタオジなんだが。
「で、本題だ。今、俺が注視してる魂にポツポツ様々な色の靄が覆ってるのは見えるか?」
「見える。これがセツニキの言ってた〝穢れ〟か?(見える。何か薄かったり濃かったりしてるな。興味深い。俺もショタオジから製造以外の術式を学ぶか?いや、時間が無いな)」
「そう。この色は疲労から来るストレスに加えて何か行き詰まってる人間特有の〝穢れ〟だな。後は周りとの才能差に悩んでる思春期っぽい兆候が少しある」
「ちょ、俺の心が丸裸!?」
「研究の為だ。我慢しろ!」
俺の視界から逃げ出そうとした製造班が周囲の人間に取り押さえられる。まぁ、その周りの奴等も視界に入ってる以上は〝視〟えてるんだが。
「俺はこういう風に〝穢れ〟を認識していて──ほいっと」
霊符を被験者に投げて貼り付け、術を発動。
「うおぉ……?何これ凄い!めっちゃサッパリしたんだけど!」
「え、マジ!?セツニキ!俺も俺も!」
「私もお願いしまーす!」
希望者に霊符を投げつけ、ついでに着た切り雀っぽい白衣も合わせて御祓ぐ。神道は洗濯において最強!どんな油汚れも一発だぜ!
「(魂を覆う靄が消えたら輝きが増した?いや、どちらかと言うと輝きを取り戻したっぽいな。セツニキの視点では〝穢れ〟は本人の
「はいはい。目を瞑ったまま動かない。一旦同調切るぞ」
陣に送り込んでいた霊力を止め、【ソウルドレイン】で余剰分を吸収。これぐらいなら吸わなくても大差無いんだが……貧乏性だなぁ。
「ま、これが神道視点の〝穢れ〟だな。参考になったか?」
「この靄が多くの人間にもあって、それが集合無意識を作り出してる気もするな?」
「魂の輝きが善、靄が悪ならその説で合ってるとは思うんだが──〝穢れ〟自体はすぐに霧散しちまうんだよな。だからシャドウになる理由が分からん」
MAGの様な気もするし、違う気もする。世界観が違うんだよ!と言われれば納得するんだが。
「お?俺の〝霊視〟でもセツニキ程ハッキリ見えないけど靄が確認出来る様になったな」
「〝ある〟事を本人が理解して、把握したから視覚能力が拡張された感じか?」
「そんな感じだな。これ、他の製造班にも頼めるか?」
「了解」
再び陣を起動する。そこへ製造班が入れ替わりながら視覚能力に追加パッチを当てていく。意味分からんがそうとしか言えないんだよなぁ。
「これでペルソナ式神班は全員終わったか?」
「他の俺達にも頼みたいが、セツニキを拘束し続けるなら報酬を決めないと悪いしなぁ。ありがとな、助かったぜ!」
「ういうい。んじゃ、さっくりブラックボックス回収用の霊符を作ってくるわ。たぶん修羅組の誰かが持ってくると思う」
「ここじゃ駄目なのか?」
「石長比売の権能を組み込むなら星祭のが良いんだよな。今回は出力じゃなくて精密さが必要だし」
「出力ならやっぱ星霊神社が一番?」
「非覚醒者に正式な書き方を教えたらアギの霊符作れる程度にはここが最強だぞ」
富士山補正、ショタオジ補正、凄まじく高い霊地性能。逆にこれでアギの霊符が作れない奴は氷結適正がぶっ飛んでると思う。
「俺達製造班もそういう事を考えた方が良いのかねぇ」
「やるなら風水から入るのがお勧めだな。気持ち程度だけど確実に効果が出る上にお手軽というコスパ最強の環境術式だぞ」
「もちろん間違えると悪い効果も出る?」
「当然。ただ
「頼りになる先達が多くて頼もしいぜ」
「俺は頼りになる先達で居る為にまだまだ努力が必要だわ。そろそろグラ爺達戦闘特化の修羅勢に勝てなくなりそうなんだが、まだ若い奴等に負けたくなくてな?」
「セツニキも男の子だねぇ」
「スケベ部の新作を楽しみにしてるぐらいにはな!」
やはりエロと酒と煙草こそが人生のオアシスよ!
「ミナミィネキが言ってたスポンサーってセツニキだったのか!!」
「おう。悪魔しょうかんの為の土地も手配したし、出資もしてるぜ!」
グッドサインをエドニキに向ける。ちなみに土地は星祭や星霊神社に程近く、山梨に作られる予定のジュネスやその他の支部*4にも近い霊地*5だ。表向きはただのマッサージ(意味深)店、裏では式神の『スキルカード』入れ換えを行える施設となっている。
どっちがメインになるか知らないが。個人的にはどっちでも有用なので文句は無い。
「って事は式神をついに抱いたのか?」
「いや?やる事多過ぎてそんな時間無いぞ」
『『『オィィィィ!?』』』
製造班の心が一つになった気がするな。良いことだ。
「いや、女の私だからこそ言うけどそれってどうなの!?他所の魚に餌やってないで釣った魚に餌を上げようよ!」
「TS女の私もそう思いまーす!」
「ショタオジ達幹部勢が悪いんや!支部作るならガイア連合建築班の移動が必須になるから必然的に運輸課のヘルプにムラサキ達が行く羽目になって、結果的に四女と五女のレティやセリスはお預けになるんや!」
「いや、それでも時間ぐらい作れるでしょ!?」
「俺達、修羅勢。支部予定地近くの地均し任務、ある。残る俺らも運営資金稼ぎの為に異界に籠る事になってるからマジで余裕無い」
組織に所属してる以上仕方ないが、本部で現在選定中の支部の数によってはマジで休みなしになる可能性がある。終末来る前に過労死する奴が出ても可笑しくない。
「というか製造班も余裕なんて無いだろ。終末後対策の為の電子機器の改良やイワナガ製セメントの配合割り出し、加護を乗せやすい素材の調査や耐久試験とか上から話が来てるんじゃないか?」
「あ゛ーあ゛ー聞こえない!聞きたくない!」
「せっかく考えない様にしてたのにぃぃぃ!」
「お、俺はペルソナ式神班だから関係無いな!」
「ニガサン……!オマエダケハ……!」
「ちょっ!?下手なホラーよりこえーよ!」
先程までの姦しさは鳴りを潜め、一瞬で阿鼻叫喚に様変わり。やはり俺達は〝仲間〟だからな!社畜になる時は皆一緒だゾ☆
「時間が足りねぇ!身体が足りねぇ!分かりたくも無かったショタオジの気持ちがわかっちまう!」
「ははは。掲示板で本社勤めを自慢した馬鹿野郎のせいで地方勢は自分の拠点近く以外は手伝ってくれないだろうし、お互い頑張ろうな」
「セツニキが悟った顔してるぞ!?」
「畜生!今だけは地方に行きたい!終わったらまた戻ってくるからさ!」
「その時はお前の席ねーよ!あったとしても俺が壊す!」
「ですよねー!」
本社勤めは上からの命令に逆らえない。それを実感した製造部での一幕だった。
ガイア連合山梨支部って各自好き勝手してますけど、幹部や製造班、それに幹部の指示に従ってくれる俺達は間違いなく酷使されてると思うの。
これが本社務めって奴なんだ……!