【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
誤字報告何時もありがとうございます!
前回して貰った悪魔しょうかんは本家のSS通りなのでそのままで大丈夫です。
エドニキ達と話し合ってから一週間。旅館建築の続きをしたり、異界に
「はいこれ。セツニキのシフトね」
突然現れたショタオジの分身が紙を手渡して消える。えーっと、何々──
「…………は?」
いや、ちょっと待てや。百歩譲って休みが無いのは良い。睡眠時間が少ないのも我慢しよう。でもな?
「お前、一日で日本全国十九ヶ所巡業は時間的に無理だろ!!」
「あ、やっぱり?」
知らぬ間に側に居たショタオジが俺を連れて転移する。ここは──本殿か。ギルニキ達富豪勢が居るって事は金銭関係か?
「今北産業」
「支部十九箇所建設予定。金は終末借り逃げ。それでも足りない!」
「おk把握」
いや、把握したけど、どうしろと?
「セツニキ、何か良い案無い?」
「ガイアグループの株式発行数増やして資金集めるってなら世界中の〝親友〟に声掛けるが、代わりに終末後にある程度の保証が必要になるぞ。経営に口出される可能性もある」
「それ以外に何か手は無いか?」
問い掛けてきたのはギルニキだ。
「星祭に死蔵してるマッカを投機商品として海外の〝親友〟に売り出す、占術悪用したインサイダー取引、探査能力持ちの俺達を利用して海底油田発掘、発展途上国で回復系スキルを悪用して臓器売買、使えない俺達を海外の霊能組織に販売、イワナガに貢いで日本でゴールドラッシュ、メシア教に押し込み強盗。好きなのを選べ」
「普通の案にアングラな方法を混ぜるの辞めろ!」
「しかもちょくちょく使えそう案が混ざってるから切り捨て辛いという」
「借り逃げする奴等がなんか言ってらぁ」
「むぅ。そう言われたら何も言い返せん」
「ま、俺のオススメはマッカを投機商品化だな。別にマッカじゃなくても良いが、ガイアグループで利用可能な企業通貨をボッタクリ価格で販売、その費用を建築費に当てれば良いだろ。ついでにガチャを乱発すれば、俺達が溜め込んでる円も吸い込める。マッカなら原価はタダ*1だし、表向きは純金扱いに出来るからやって損は無いと思うぞ?」
「そんなすぐに購入者が現れるか?」
「子飼いの闇召喚士達の元飼い主とは〝友達〟だからな。買わせるさ」
遠隔呪詛は悪魔だけの特権じゃない。何故、ライドウが自害に追い込まれたのか。それを
「よくもまぁポンポン思いつくね?」
「霊能組織なんてアングラの元締めの様なもんだからなぁ。あ、報告忘れてたんだが、山梨に関してはジュネス誘致の際に県から補助金出るから申請よろしく」
「待って十歳児。何やったの?」
「ガイアグループの票って便利だよな。素直に言う事聞いてくれる〝友達〟が一番上に座ってくれるんだぜ?」
「あの時の依頼はそれか……!」
「大蔵省のグループに何で政治話を持ち込んだと思ったら……!」
「怖ぇよこの十歳児!どんだけ暗躍してんだよ!!」
大蔵省が驚きの声を上げているが、気付いてなかった事が逆に驚きだ。まぁ、
「それって他の支部予定の所じゃ出来ない?」
「星祭の範囲外は流石に無理だぞ。地方俺達がガイア連合の誘致を真剣に考えていたならワンチャンあるが……」
ショタオジや大蔵省の表情を見る限り望み薄か。最初から誘致を狙っていたというより、成り行きで誘致したくなった奴の方が多いだろうしなぁ。
「ま、後は幹部で頑張ってくれ。俺はこれから予定地周辺のメシアと異界のお掃除だ」
出された茶を飲み干し、席を立つ。
「おぃ?何されたか分かるし、頭に当たるオンギョウキの胸の柔らかさも楽しんでるが、まだ何かあるのかよ?」
「セツニキの仕事はお掃除じゃなくて各地の地鎮祭の取り纏めと儀式の実行役でしょ?楽な方に逃げるのは良くないなぁ」
「いやいや、地元霊能組織を差し置いて俺が儀式する訳には行かないだろ?だから裏方として異界の処理に回るんだよ」
「組織として金を出す以上、支部が容易く壊れたら困るんだよね。それなら知識の残ってない霊能組織よりも頼りになる人間を酷使するのは当然でしょ?」
「気持ちは分かるが、流石に俺一人じゃ無理だ。というか東京が無理。根願寺の勢力圏で実力を見せたくない」
メシアと繋がってる組織の前に晒したく無い物が多すぎる。
「俺達の中にも陰陽系や神道系が居るだろ?そっちに仕事回せば良くないか?」
「大半が地元神の紐付きだから困ってるんだよ。差別するつもりは無いけど、汚職されても気付けない可能性がね?」
俺だって全知全能じゃないし、と溜め息を吐いたので鼻で笑っておいた。とはいえその程度の問題ならどうにでも出来る。
「修羅勢に威圧外交やらせれば良いだろ。汚職したり、裏切ったら
「セツニキだけ世界観がアングラ過ぎない?」
「別に祀神でも無い悪魔相手に引く意味も無いからな。舐められたら終わりな家業だぜ」
「ガイア連合は健全な企業だよ?」
「借り逃げ」
「くそう!反論出来ない!」
大袈裟なリアクションこそしているが、この場に居る面子ならどれだけ借りても余裕で返済可能だろう。但し終末が来なければ、と文末に余計な物が付くが。
「そういや支部ってどんな風になるんだ?」
場の空気を変える為に気になった点を質問。返事はすぐ返ってきた。
「企画段階だけど表向きは総合デパート、終末後はシェルターに変わる予定だよ。だから対魔結界、拠点防衛用式神、回復施設、武器食料庫、非常用発電装置、後は俺達やその親族用の部屋は建設予定かな?」
「へぇ、豪勢だな。ところで非常用の発電装置って何で発電するんだ?」
「地脈を活用しようかなって思ってるよ」
「え、それって天使のテロや終末で地脈吹き飛んだら一緒に拠点も吹き飛ばないか?」
「えっ」
「えっ」
『『『えっ?』』』
凄く嫌な予感がする……!
「こんな所に居られるか!俺は帰らせて貰うッ!」
『『『させるかぁぁぁ!!』』』
「HA☆NA☆SE!」
即座にオンギョウキから離脱し、改造転移の霊符を破こうとした俺に対し、大蔵省の面子が飛び掛かって阻止。それを振り払う為に暴れて*2いたら、ガッチリオンギョウキに捕まった。
「良くやったオンギョウキ!そのまま押さえてて!俺はエドニキ達を引っ張ってくる!」
「承知した」
ショタオジが転移で消え、エドニキを始めとする山梨在住の製造班が飛んでくる。そんな中、たぶん巻き込まれたであろう何が起こったのか理解してない探求ネキ*3が尋ねてきた。
「セツニキ、これは何の集まりなんです?」
「製造系の技術持ちでこれから死ぬ奴等の集まりだぞ☆」
「うぉぃ!?只でさえ今デスマーチになってんだぞ!?」
「兄さん何言われても絶対断ってよね!本当に無理だから!!」
「アルニキ、断れたら俺はこんな事になってないぞ」
「ああ!セツニキが仏の顔に!」
諦めの境地ってある意味では悟りだよな。だってどうしようも出来ない事を受け入れるんだから。
「え?何この集まり?いきなり連れてこられたんだけど?」
「あぁ、一応ブーストニキ*4には紹介しておこうか。こっちの銀髪の方はセツニキ。見ての通りFF6のセッツァーの容姿を持った俺達だ。で、そっちの女の子は探求ネキ。ガイア連合でも辛うじて二桁居る分身の使い手で生えてる俺達だ。二人共製造関係にも強いぞ☆」
「待って!何か凄い情報飛び出たんだけど!?」
「探求ネキに比べると俺ってキャラ薄いよな」
「何言ってるの神道お爺ちゃん」
ブーストニキが情報の洪水に溺れてる隙に探求ネキとのほほんと談笑。霊格は高いみたいだが、ガイア連合の頭の可笑しさに染まってないのは新鮮だな。
「大体こんなもんかな?それじゃシェルターに搭載予定の非常用発電機について会議を始めるよ!」
パンパンと手を叩き、場を静めて話を切り出すショタオジ。もちろんそんな説明で分かる奴は居ない。即座にエドニキから質問が飛んだ。
「いや、ショタオジ。まずは説明してくれよ」
「ああ、ごめん。切っ掛けはセツニキに財政相談した時の雑談だったんだけどね?地脈利用式の発電機だと地脈を吹き飛ばされると拠点ごと逝くんじゃないかって言われてさ~」
「ショタオジの結界があるなら平気じゃないか?早い話がここと同じだろ?」
そう言ったのはブーストニキだ。
「ここなら俺がリアルタイムで対処出来るけど、支部の結界は俺の力だけじゃなくて地脈の力も使うからさ。天使のテロは余裕で防げるって断言するけど、終末後も地脈がそのままの位置ってのは考えづらいし、発電機が正常に動くかと言うとね?」
「あ~確かに地脈がズレても可笑しくないですね。でも、それだと科学式の発電機になるんです?」
「異界対応の機械製作にすら苦戦してる俺達の作品が終末後でも動くと考えるのは危なくないか?」
「僕もそう思う。それなら何重にもセーフティ入れてショタオジ謹製の地脈式の方が良いんじゃないかな」
盛り上がる会議を余所に気配を絶ち、ひっそりと息を殺す。巻き込まれて堪るか……!俺には仕事が一杯あるんだ!
「セツニキはどう思う──って居ねぇ!?まさか逃げた!?」
「──いえ。これ隠形で隠れてるだけですね。未だにオンギョウキの腕の中ですよ」
そう言いながら軽く放たれた【ジオ】を【ソウルドレイン】で吸収する。……探求ネキも【権能】の領域に入ってるなぁ。少し痺れた。
「え、いきなりスキルを打ち合った!?」
「ブーストニキ。修羅勢だとこんなもんですよ」
「昔はもっと殺伐としてたんだけどな。最近は命の取り合いまで出来なくてなぁ」
「えっ!待ってこれ俺が可笑しいの!?」
「安心しろ、ブーストニキ。頭が可笑しいのは修羅勢だけだ」
「でもブーストニキも修羅勢の気配があるよね」
『『
「製造班期待の大型新人は譲らない!」
「待ってエドニキ!俺には地元があるの!」
「はいはい、そこまでね」
ワイワイ騒いでるとショタオジが手を軽く叩いて場を静めた。
「それで、セツニキは何か良い案ある?」
「製造班の技量が上がるまでの繋ぎとして地脈式を設置、科学式の発電機の小型化が成功したらそっちに切り替えじゃ駄目なのか?大蔵省が苦労するが」
「待てセツニキ!今でも不味いのだ!そんな贅沢は出来んぞ!」
「というかセツニキらしくないな。神様パワーで何とか出来ないか?」
「エドニキの期待通り余裕で出来るんだが、ただでさえ成りたい奴の居ない支部長候補がさらに減るんだ」
「というと?」
「ベルフェゴールやイワナガ、サクヤの分霊が〝当たり〟だから実感湧かないだろうが、ショタオジのサマナー修行を終えてない奴の元に分霊派遣は危険なんだよ。特に今回の要になるサクヤは火の神と山の神、どちらかの神格を持った〝ハズレ〟が出ると
流石にそこまでとは思ってなかったのか場が静まる。まぁ、星祭に居るサクヤはぽやぽやした美人だしな。そこから想定しろってのも無理か。
とはいえその程度で思考が止まる人間がこの場所に召集される筈も無く、すぐに探求ネキが質問を投げ込んできた。
「逆に言えばサマナー修行を終えてる支部長なら簡単なんです?」
「アマテラスの解放前提となるが、ソーラー発電も行けるし、サクヤメインなら火力や地熱発電も行けるな。他にも風の神の力を借りれるなら風力発電も大丈夫だし、雷神ならそのまま電気を生み出せる。発電機自体に石長比売の加護を掛ければ、少なくとも終末まではメンテナンスフリーでいけるぞ」
「悪魔の力を借りるだけで一瞬で解決する問題なのか……」
「その借りる為の契約が難しいんだけどな?支部の規模を考えればレベル三十クラスの分霊になるだろうし、その悪魔を力なり契約で縛るなり出来ない人間の元に派遣する事はショタオジが認めないだろ」
「まぁ、当然だよね」
霊的知覚がある人間に向けて断固拒否!の意思を飛ばすショタオジに俺含む覚醒者達が身を震わす。殺気が乗ってたら死者が出てそうな〝圧〟はマジ辞めろ!そこまで心配しなくても勝手にやらねぇから!
「それなら力量のある支部長には悪魔式、それ以外の支部長の所は地脈式ならどうだ?もちろん製造班の技量が上がれば機械式に変える事も検討する」
「俺が定期的にチェック入れる事前提なら無しよりの有りかな?俺としては金銭で解決出来る問題は悪魔に頼らないで欲しいけど」
「そうは言ってもセツニキの案を採用してもギリギリだぞ?全部却下するなら普通に支部を幾つか辞めないと無理だ」
「イワナガにマッカ貢ぐなら発電機や箱の素材はマッカで行けるぞ!その結果、何処まで〝信仰心〟が本霊に行くか知らないがな!」
すでに俺らから結構な量の〝信仰心〟が届いてる事は間違いない。イワナガもその様な話をしていたし。
「くぅ!何と心の惹かれる誘惑!修羅勢を酷使すれば土地代だけで支部が建つのか!」
「表の顔の為に出所を改竄する必要があるな。とはいえ輸入業の俺達に頼めばすぐに終わるか」
「セツニキの拾ってくる神や悪魔がガイア連合にとって有益過ぎる。これ、支部長はサマナー修行必須にした方が良くないか?」
「掲示板を見る限り、せっかく手を上げてくれた俺達の大半が脱落するぞ。それぐらいの難易度らしいな」
「あ~もう!目の前に解決策があるのに遠回りしてる気分だ!」
再び活発になる議論。色んな立場の俺達が意見を出しては別の奴が反論し、中々決着しない。その中で隠形を使って再び空気になっていると、流石に気になったのかショタオジが尋ねてきた。
「実際どれくらい掛かるか試算してる?」
「星祭で死蔵してるマッカの三割で行けるぞ。ただ、支部を利用する人間の数だけ石長比売と木花咲耶姫の二人に、発電機にベルフェゴールが手を入れるなら三人に〝信仰心〟が行くのは避けられない」
「ぶっちゃけ三人の野心的な部分はどう?」
「石長比売の本霊は問題無い。上に立つ気が無いし、霊格が上がっても力を無闇に振るったりはしないと思う。というか本質的には俺達な気がする」
人見知りというか人間嫌いというか。瓊瓊杵尊の件はトラウマになってても可笑しくないし、その子孫である日本人に対して苦手意識がある気もする。
俺はその程度で失う〝信仰心〟を捧げてないが。当然だな。
「他の二人は?」
「木花咲耶姫は浅間神社に対して甘いかも知れん。信徒がピンチの時に一番やらかしそうだ。けど、石長比売とセットなら止められると思う。ベルフェゴールの方はサッパリ分からん。というかアイツが一番ガイア連合の気質に馴染んでる気もする」
「あー、俺達の馬鹿みたいな発想が好きみたいだな。スケベ部とかのヘルプなら無料でやってくれたりするぞ?」
最近はワープリングを開発中だぜ!と良い笑顔で言い切る男らしいエドニキ。一応、女の俺達も居る場なんだが。
「堕落させる為に発明の手伝いをする悪魔だし、
「比較的新参な俺だが言わせて貰う。ショタオジ、そりゃ無理だろ。掲示板の俺達の様子を見てると納得しか無いんだが?」
「式神のヒモになってる人数を考えれば、相性最高なのは疑う必要すら無いですよね」
「へい、お二人さん。自慢の嫁の種族はなんだい?」
『『式神ですが何か?』』
「ショタオジ、これが現実だぞ」
「式神は便利過ぎるからな。そりゃベルフェゴールもニッコリよ」
「悪魔から皆を保護するのがメインなのに……!」
ショタオジの気持ち、俺達知らず。というか俺ですら式神無しの生活は無理だぞ。育ってきたら人型にする奴も多いが、俺らの修羅木綿の普及率を考えたらほぼ100%依存してる。乱戦でもアイテム回収してくれる有り難さに修羅勢は勝てないんだ……!
そんな事を考えていると、スマホのアラームが鳴った。
「丁度良い時間だな。出せる案は全部出したし、後は俺抜きで頼む。役目が決まったら連絡くれ」
「え、セツニキどこか行くの?」
「星祭で終末に向けたインフラ整備と拠点建築の続きだな。素材は俺らの自費で、サクヤ達に頼むから安心してくれ」
不安そうな顔をしたので断言してやると、大蔵省の俺達がコロンビア。気持ちは分かるが少しは隠せや。
「そうか。資金に余裕がある支部長なら先に建てて貰って、余裕が出来た時に連合から補填という形でも良いのだな」
「俺達は境内の立ち入り禁止権を神社で確保する為だから他の支部長達が乗るかわかんないぞ?──つーか星祭の場合、それをやっておかないと瓊瓊杵尊とサクヤの〝物語〟が始まりそうでな」
「あー神話的にサクヤが散っちゃうんですね……」
思い至った探求ネキに頷く。この場では言わなかったが、イワナガの反応も怖い。というか瓊瓊杵尊は俺の敵だろ。来るだけで終末プランが白紙になるんだが。
「待って。それって支部も同じにならない?」
「だからサクヤ以外の発電手段も提案しただろ?」
「あ~あれってそういう事だったのか」
俺達が納得したところで席を立つ。流石にオンギョウキも拘束──というか腕を外してくれた。
「じゃ、俺は失礼するぜ。頑張れよ」
即座に転移符を裂いて逃走。あの場に居た奴等は気付いていないが、支部を建てる事が確定している以上、何らかの終着点が必要になる。
それが支部の縮小になるのか、分霊の配布になるのか、それとも新たな発想が生まれてくるのか。
俺には分からないが、一人の術者として言える事がある。
「会議が終わらないと出られない部屋って術式で作れるんだな……」
ショタオジ自身も拗れる事が分かっているのだろう。下手な方に転がればショタオジの仕事が増える訳だし、会議が終わるまで絶対に逃がさんという熱い思いを感じるぜ。
この後、二人からLILINに呪詛混じりの怒りスタンプを連打されました。
それを見て高笑いしたのがうちの主人公ですwww