【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

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星祭を山梨第二にするつもりで書いてたけど、山梨第二ってオフ会やったキャンプ場っぽいんですよね……。

なのでオリチャー発動します!


拠点完成!でも変わらぬ俺ら

 

 

「俺らはついに憧れのマイホームを手に入れた!」

 

「設計図を読むのが一番大変だった……!」

 

「俺らって腕力や器用さ判定には物凄く強いけど、知力判定には物凄く弱かった事が確定したな」

 

「図書館探検部の助けを借りなかったらまだ建ってなかったか、式神とセツニキが過労死してたな……」

 

「渡り廊下で繋げた別館の温泉は楽だったのに……!」

 

「あっちは防水加工で箱建てるだけだったし……」

 

「一番最初に完成したのが温泉施設の別館とか恥ずかしく無いんですか!?」

 

「うるせぇ!仕事終わりにひとっ風呂浴びたかったんじゃ!」

 

「それが俺らの総意だったよな」

 

「草」

 

 

 完成した旅館を見上げながら、俺らが完成までの苦労を語り合う。

 

 地上三階、地下二階。上から見れば〝鳥居型〟のこの拠点は、足部分の一階から三階までがそれぞれ男子寮、女子寮となっており、鳥居上部の一階左上に鍛錬場、その下に図書室、右上に製造室、右下に武器庫が置かれている。

 

 二階は食堂や会議室以外は新しい修羅勢用の部屋として用意しているが、正直埋まるかは微妙なところだ。

 

 星霊神社に負けないと自負する自慢の温泉は、鳥居の天辺辺りから渡り廊下で繋げた別館に用意した。

 

 雨対策で常時結界を張ってるから雨の日でも安心して通ることが可能だ。

 

 別館二階には宴会場兼休憩所の大広間があり、俺らが湯当たりするかは不明──というより有り得ないが、入浴後に軽く休める様にはしている。ここらへんは前世に引っ張られて居る気がするな。

 

 星霊神社と唯一違う点は、男女分け以外にも【防音結界】の張られた個室温泉付きの部屋を十部屋程度だが用意した事だろう。

 

 そのお陰で温泉で盛り上がる事も出来るぞ!流石に俺らの人数も多いので予約制になってしまったが。

 

 ただガイア連合山梨支部からジャンニキを引き抜けなかったので、料理に関しては明確に劣ってしまう。

 

 リハビリも兼ねて式神に転生?した被害者達に【嫁入りセット】や【体型維持・努力】を突っ込んで旅館施設の管理や建物の維持*1を任せる予定だが……流石にジャンニキと比べたら天と地ほどの差があるだろう。

 

 ジャンニキは間違いなく【料理】の【権能】持ちだろうし。

 

 

「セツニキ、こんなところで立ち止まっとらんで中に行かんか?俺らはもう入っとるぞ?」

 

「そうだな。そろそろ入り口も空いただろうし、俺達も行くか」

 

 

 グラ爺と共に旅館の中へ。エントランスと言うべきか、玄関と言うべきか。それともロビーと言うべきか。俺らの性質的に玄関呼ばわりされそうな純和風の受付で部屋の鍵を受け取る。

 

 ちなみに部屋決めは〝運〟否定のくじ引きで決めた。ガイア連合のガチャの仕組みを流用した奴なんだが、一発目からシエラネキが三階の一室を手に入れたお陰で女俺らが阿鼻叫喚だったのは記憶に新しい。

 

 まぁ、全員三階なんだけどな。部屋の位置と日当たりが違うだけで。というかその為の【空間拡張】であり、拡張した空間に配線や水道管を通す為のベルフェゴールの技術力だ。

 

 宮大工仕立てなのに三階建てで大丈夫なのか?という疑問には、霊木の強度は物によって鋼を超えながらも木材の性質を残している、と言っておこう。石長比売の権能を借りて補強もしてるので、終末後でも安心だ。

 

 

「うむ。やはり枯山水は良いのう。まさかセツニキがこんな事まで出来るとは思うておらんかったが」

 

 

 鳥居で例えるなら上部真ん中部分は全面ガラス張りの吹き抜け構造の庭にしてみた。実は雨の日の排水設備を整えるのに一番面倒だった場所でもある。

 

 

「垂れ桜はサクヤ、苔と岩はイワナガ、夜のライトアップ──というより電気と気持ち程度に植えた四季の植物はベルフェゴールを表現してみた。給料(マッカ)は支払ったが、明らかに支払った以上の仕事だしな」

 

 

 たぶん本霊から持ち出しがあった筈だ。仕事の出来には満足していたので、言われたら素直に支払うつもりだったが──何の音沙汰も無いという事は、今までの働きに対する感謝も入ってるって事だと勝手に解釈した。

 

 

「語るは三流、魅せるが一流、じゃったか」

 

「日本の芸術は技術で見物人を黙らせて、黙して伝えるもんだからな。そういう意味では語らなきゃ伝えられない俺はまだまだ修行が足りん」

 

「儂はこの枯山水を好ましく思うがの。セツニキの前世と今世が混じりあった様なこの光景は、前世でも来世でも見られん今世だけのモノじゃろ」

 

「だとしたら剣か槍でも刺さないとな。俺の今世にはお前らも含まれるんだから」

 

「くくっ。確かに儂らを表すなら武器じゃの」

 

 

 戦って、戦って、戦って、戦ってきた大切な仲間達だ。この枯山水が俺の人生の〝緣〟を表しているなら、確かに物足りない。

 

 

「新品の武器は違うよな」

 

「かと言って手入れを怠った武器も違うの」

 

「ワシらを表すなら寿命を使い切って折れた武器じゃろ。式神武器を使ってるワシらも、サブで愛用してる製造班製の武器を折った事の無い奴は居るまい」

 

 

 知らぬ間に背後に居たシエラネキが口を挟む。その後ろには俺らの姿もあった。

 

 

「俺らなら記念に取ってるだろうし、グループにメッセ上げるか?」

 

「でも全員ここに集まってるよ?」

 

「私は旅館の探検途中にここの庭に惹かれて来ちゃった」

 

「俺はセツニキとここ作るの頑張ったから達成感を感じに来たわ」

 

 

 ワイワイガヤガヤ何時もの騒がしさが周囲から聞こえてくる。本当に全員集まってやがる。

 

 

「未熟な時の剣を持ってくるか、最近の権能訓練で限界を迎えた八代目を持ってくるか。悩ましいな」

 

「二本は美しくないよな」

 

「二刀流の俺らはセーフじゃね?」

 

「でもお前、片手剣と盾の騎士スタイルじゃん」

 

「いっそ盾置くか?」

 

「ありか無しかで言ったら──ありだな。けど、割れた盾はこの枯山水に似合わなくないか?」

 

「新品は違うしなー」

 

 

 後ろで繰り広げられてるそんな会話を聞いていると、ふと思い至った。

 

 

「いっその事、俺らの〝未熟の証〟を全部溶かして剣でも打つか。それで桜の木の下に伝説の剣っぽく突き刺しておくのはどうだ?」

 

「俺らの血肉吸ってるから普通に魔剣や妖刀にならない?」

 

「その方が俺ららしいだろ?」

 

 

『『『確かに』』』

 

 

 世界を救うつもりも無く、ただ力を追い求めるからこその修羅勢よ。

 

 

「それじゃ引っ越し荷物バラすついでに取ってくるかー」

 

「そういや俺らの部屋、想像以上に凄かったな。高級旅館をベースにキッチンや洋室も完備とか式神との新婚生活が捗る捗る」

 

「洗濯物は旅館で洗ってくれるし、夜の運動会以外で使う事が無さそうな個室風呂もあるね」

 

「温泉あるし、宴会場も用意されてるし、バーもある。地下にはレトロゲーや連合製の最新筐体が置かれてるゲーセンもあるし、下手なホテルより快適では?」

 

「これは終末後の引き籠もりライフが捗りますなぁ」

 

「異界に引き籠もるヤツの方が多そう」

 

 

『『『それな』』』

 

 

 ぞろぞろ部屋に戻りながら駄弁る俺らを眺めていると、クロネキから質問があった。

 

 

「そう言えばセツニキ。三階の一部と地下二階に行く階段が封印されてたけど、あそこはなんなのん?」

 

「三階の方はショタオジの私室だな。地下の方はイワナガやサクヤに頼んで作って貰った異界の中で、俺の思業式神達が食料生産してるぞ」

 

 

 基本はマッカ支払いでガイア連合から輸入するつもりだが、俺達が何処まで真剣に終末と向き合ってるのか不明なので、念の為に自給自足出来る準備を進めている。

 

 ただ星祭には山の神は揃っていても海の神が居ないので、正直海産物は絶望的だ。

 

 東北支部辺りとは関係を強化するべきかな。津軽海峡のクロマグロは惜しいし、北海道とのルートを作っておけば蟹も手に入るだろう。

 

 

「食料の方は分かるけど、ショタオジの私室?星霊神社にある奴じゃ駄目なのん?」

 

「ショタオジがいざ子作りをするって時に式神や俺達がノックも無しにやってくる部屋だと相手が可愛そうじゃないか?」

 

 

『『『あぁ……確かに……』』』

 

 

 この場に留まっていた俺らが納得の声を上げる。どんな良い雰囲気でも一発で壊れるだろう。

 

 

「ま、それ以外にも色々細工して防諜レベルを跳ね上げてるから、俺達にも知られたくない密談にも使われるだろうし、そこらへんはショタオジの自由だ」

 

 

 実はこっそり賄賂を渡され、一人で安らげる部屋が欲しいと言われたのは秘密だ。ちなみに賄賂はサクヤの式神体とこの旅館の防諜協力だったりする。やはりショタオジは俺達に与えられたチートだな!

 

 

「ところでお前らは取りに戻らなくて良いのか?」

 

 

『『『()達素手組!採取用ナイフしか無い!!だから血でも提供する()』』』

 

『『『()達は壊れた武器を溶かして次の武器に引き継いでるから骨でも提供する()』』』

 

 

 いい笑顔でグッドサインする俺ら。そういや大事に扱っていた武器を溶かして素材に混ぜ、新しく生まれ変わらせて次代に引き継ぐ磐長式付喪神について語った事もあったな。

 

 

「シエラ婆はともかくグラ爺は?」

 

「儂は壊した武器は溶かして槍のアクセサリにしとるからの。取り出して外すだけじゃ。真面目にやってる俺ら程では無いが、初心を忘れぬ様にするには持っとるのが一番じゃからのう」

 

 

 語りながらも霊符から愛用の槍を取り出し、穂先の付け根に巻かれていたチェーンを外して渡してきた。……というか、これマジか?

 

 

「グラ爺。このチェーンは駄目だ」

 

「む?何か問題が?」

 

「正確に言えば勿体ない。ちょっと付喪神作ろうとしてる俺らの武器を見せてくれないか?」

 

「私のでいーい?」

 

「ああ」

 

「はい、どーぞ」

 

 

 手渡された短剣を明かりに翳す。……うん。

 

 

「すでに成ってんな」

 

 

『『『マジで!?』』』

 

 

 物凄く微弱だが、付喪神の気配を感じる。

 

 

「軽く念話で呼び掛ければ分かると思うぞ」

 

「りょ!」

 

 

 返事と共に軽く握っていた短剣が俺の手元を離れ、持ち主の元へ飛んでいく。

 

 

「おお~!本当に完成してる!」

 

「お、俺のも何か反応あるな」

 

「でも何でだ?セツニキの話なら百年近く掛かるんじゃなかったっけ?」

 

「たぶんだが、予想は付くぞ?」

 

 

 そう話を切り出すと、部屋から戻ってきた俺らも含めて聞く体勢に。

 

 

「俺の一族が百年掛けて狩っていた悪魔の量をお前らは数年で越えたんだろ。だから大切に扱われていた武器が意思を持ち、お前らの力になる為に目覚めたんだと思う」

 

 

 どんだけ狩ったんだよ、と思いもするが、ショタオジが関与しない武器式神の正しい作り方は〝コレ〟な気がする。というか降霊術の聖地『恐山』を降霊術で越えるのは駄目だろ。グラ爺の武器式神を見てイタコが腰を抜かしたらしいぞ。

 

 

「俺らは悪魔を狩り過ぎてしまったのか……!」

 

「何か問題あったっけ?」

 

「無いな。利益はあるが」

 

「むしろ利益しかないよな。権能の存在知ってからさらに楽しくなってきたし」

 

「ヤバイよな。俺の初権能の【突撃】、ポケモン初期仕様のはやての翼+溜め無しゴッドバード+貫通だぞ」

 

「無法過ぎる。それの何処が【突撃】なの?」

 

「威力はそこまで高くないから。障害物や地形無視して移動出来るから疑似瞬歩だぜ!」

 

 

『『『まさかの移動技かよ!!』』』

 

 

 何だそれ。超楽しそう。

 

 

「(一戦)やらないか?」

 

「おっと。セツニキだけずるいのう。儂も立候補するぞ」

 

「クロネキも居るし、久々に本気で殺り合えるな!」

 

「ふむ。ならば私も立候補するとしよう」

 

「秋雨ニキは俺とやろうぜ?」

 

 

 手を叩いて場を静める。初見の楽しみは譲れないな。

 

 

「俺が最初だ。で、どうだ?」

 

「おいおい。俺はノンケでも食べちまう男だぜ?」

 

「安心しろ。俺もノンケでも(物理的に)食べちまうからな──」

 

「ちょっと待った!三老や幹部に挑みたかったらこの【マッスルパンチ】が権能化した俺を倒してからにして貰おう!」

 

「おい!割り込みは無しだろ!」

 

「へへ、セツの兄貴。この程度の男はあっしに任せてくだせぇ!」

 

 

 わざと小物ムーブする事で俺を立てている──様に見せ掛けて、ロールプレイによる牽制を入れられた。

 

 くそっ!この場合、上司である俺は気軽に動くことが許されない*2

 

 

「ちなみにどんな感じになったの?」

 

「タイプ一致リスク無し腹太鼓テラスタル溜め無しノーガード気合いパンチ」

 

「無法過ぎて草」

 

「というかポケモンで例え過ぎだろ!」

 

 

 テンション上がってきたので〝未熟な証〟の入った霊符だけ受け取り、全員で鍛練場へ。スマホに連絡が来るまでメチャクチャ死闘した。

*1
掃除とか補修とか面倒じゃない?という俺らの熱い意思にベルフェゴールがお応えして、俺らが垂れ流す霊力を利用して建物全体に【浄化】や【自動回復】が発動する仕組みがある。なので本当に人間社会へのリハビリでしかない

*2
ノリで生きてる為、その場その場で新しいルールが俺らの中で生まれては消えている




考えなくても違法建築なんですが、たぶん国内には同じ様に結界で隠されてる建築物多そうw
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