【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
最近うちの子が未来で頑張ってるのを見てにんまり。
そしてボンコッツ様の作品を読んで、これ明言しておいた方が良いな、って事で少し先のネタバレ。
実はまだ支部建設中のすっ飛ばされた数年間の話なんですよね!!神様好き勝手解放しててごめんなさい!!
「今日はこんな所ね。お疲れ様でした」
『『『お、お疲れ様でした……』』』
偕楽園から程近い、梅の咲き誇る異界から外へ出る。暫く泊まり込むつもりで人払いの結界を張り、テントまで用意した異界前の広場で、霊符からレトルト加工された『ガイアカレー』を取り出して準備する。
ついでに【浄化】の霊符を周囲に飛ばして綺麗に。ここにはお風呂なんて物は無いし、俺達もすぐには動けないでしょうから。
「お、俺、修羅勢舐めてたわ……これで本人じゃなくて式神ってマジ……?」
「私もあないに強なれるんやなぁ……」
「レベル三ぐらい上がってるんだけど……」
「そりゃ敵のレベルも高かったし……」
俺達の会話を聞きながら大鍋に水を張り、用意しておいたコンロの上に乗せて火を付ける。そこへレトルトを投入。暖まるまでの間に大人数用の飯盒を幾つも用意して御飯を炊いておく。
修羅勢の式神なら戦闘技能を入れるべきという意見も多いけれど、俺らは日常生活も楽したいという事で、専用式神には大抵【嫁入りセット】が差し込まれているわね。
山梨の修羅勢との違いはここかしら?嫁を単独で異界の浅い所へ送り出し、自身は修羅木綿を連れて奥へ行く事も珍しくないし、嫁または旦那式神と一緒に動く事も少ないわ。
式神としては連れていきなさいと言いたいけれど。言いたいけれど。
神主も修羅木綿をちゃんと連れてるなら問題無いと思っているし、味方が居ないわね。……オンギョウキに頼もうかしら?
そんな事を考えていると、近くに置いていたポシェットからメロディが流れた。キリの良いところで一旦作業を止め、スマホを取り出す。……追加でカレーを暖めるべきかしらね。
「セリスさんどうかしました?」
漸く動ける様になったと思われる希の主が声を掛けてきた。
「私が厄介と言っていた異界を覚えてるかしら?」
「確か死体が甦る奴と寄生する奴──で合ってます?」
「ええ。それが攻略されたわ。ついでにお手伝いに来てくれるそうよ」
『『『……は?』』』
「え、待ってください。報告上げたの今日の朝ですよね?」
「そうね。別件で近場に居た〝俺ら〟が要請を受けて、異界ごと焼いたそうよ」
「……どうしよう希。言ってる意味は理解できるのに分からないんだけど」
「安心しい。うちもおんなじや」
「修羅勢すげー……」
「というか掲示板で俺達と同じ様な会話が繰り広げられてるんだけど」
「山梨の修羅勢って普段どんな奴と戦ってるのよ……」
そんな会話を聞きながら再び料理に戻っていると、遠くの方から凄まじい速度で移動する何かが【気配察知】に引っ掛かった。この感じは──双子ニキ(兄)とエスネキ*1かしら?
「とうちゃ~く!」
「意外にゃあやかったね」
「いらっしゃい。お腹空いてるならカレーならあるわよ」
『『食べる!!』』
御飯を皿に
『『『頂きます!』』』
「はい、召し上がれ」
霊符からコップと麦茶を取り出して配っていく。ついでに野菜スティックを適当な器に広げて机に置き、小皿にマヨネーズと味噌を入れて提供。こんなもんかしらね。
「おおう。使った霊力が回復していくぅ……!」
「異界に入って回復する事を覚悟しとったけぇこりゃあ嬉しいのぉ」
「修羅勢でもそこは変わらないんですね」
「セツニキやシエラ婆の二人は論外として、大半は遠征の時『ガイアカレー』用意してるなぁ」
「うまいものを食べて、寝る前にカレー食べる生活よね」
「だからジュネス建築の為に山梨から出てきた修羅勢が多いのよ。気にせず潜ってるガチ勢も多いけれど」
グラ爺や秋雨ニキ以上の修羅が居る辺り、ガイア連合は凄い組織よね。
「まー俺らは幹部やセツニキの命令にはワンちゃんだから。ついでに旅行楽しんでるエンジョイ修羅勢だから」
「戦いも楽しいけど、それだけじゃ飽きるよね」
「何というか初めて修羅勢を身近に感じたかも」
「どがいな人間じゃ思うとったんよ?」
「社会性を捨て去ったキリングマシーン?」
「俺らから最も遠いなぁ、それ。俺らはどっちかと言うと二度目の人生を楽しんでるから」
「セッツァーは終末対策の霊格上げしつつ、異世界転生物の主人公やってる感じって言ってたわね」
「あ~確かにそれだわ。レベル上げて、物作って、旅行して、時々人助けしてるわ」
「意識しとらんかっただけで似たような行動取っとったね。……セリスちゃんお代わり!」
「あ、俺も俺も」
「はいはい。他の人は?」
『『『お願いします!』』』
一旦食べるのを辞めて席を立つ。お代わりの準備をしつつ欠食児童達の為にステーキでも焼こうかしら。
【浄化】の霊符で手を綺麗にした後、取り出した肉の塊にニンニクや黒胡椒等のスパイスを刷り込み、豪快に焼き上げる。
ナナシがガチャで当てた【BBQの極意】とかいう何時使うのか分からない『スキルカード』がまさか役に立つなんて……世の中分からないものね。
「やっべ。カレー食ったばかりなのにめっちゃ腹減ってきた」
「肉!肉!肉!」
「明日食料の買い出しお願いね。私が用意した分じゃ明らかに足りないわ」
「あ、今回の費用も出しますよ!」
「それは良いわ。予算は多めに貰ってるし、セッツァー曰く弟子の面倒を見るのも師匠の役目らしいから」
彼ら彼女らが真面目に術式を学ぶ姿勢を見せてなければ、そもそも私達はここには来なかったでしょうし。
「ん、セツニキが掲示板に書き込んでる──って、これマジかー!」
「うちゃともかく双子ニキは知れて良かね」
「これ画像的にやったのジャンヌネキかな?相変わらず派手だねぇ」
凄く気になる。けど、我慢して料理を進める。さて、こんなもんかしら?
「お代わりはこれで最後よ。カレーはあるけど米は無いから肉でも摘まんで頂戴」
取りやすい様に切り分けたステーキと共にカレーを置いていく。ついでにコップに割り箸をダバッ!と出して机の上に。
「何というかセリスちゃんの提供の仕方がマジで母さんと同じ雑さあるの笑える」
「【嫁入りセット】の料理や家事は料理人やメイドと違って家庭で行う事がメインだからこうなるらしいわ」
確かその代わりにキャパシティが少ないとも言ってたわね。
「ペルシャ絨毯の染み抜きとか出来ないけど、ワイシャツの首回りの汚れは取れるみたいな感じ?」
「ええ。その認識で合ってるわ。ちなみに最新の式神には
「エドニキ達すげーな」
「うちゃ修羅木綿と鞭じゃけぇ関係無い話じゃのぉ」
「エスネキは旅館任せじゃん」
「てへぺろ」
その後の会話には混ざらず、黙々とカレーを食べ進める。もうちょっと辛さが欲しいわね。でも、人数が多い時は中辛で作るしか無いのが難点だわ。
その後暫くして自身の食事も終わり、御茶と珈琲の粉とお湯だけ用意して机の上に置いた。
俺達がまったり食後休憩している内に霊符で陣を張り、人も含めて纏めて【浄化】を発動。
洗い残しが無いか確認しつつ、食器や調理器具を霊符に仕舞っていく。
「それじゃ私は先に休むわね。お休みなさい」
たくさん張ったテントの内、一番遠いところに入り込んで私服に着替えて就寝用意。最後にスマホの確認だけして寝袋に身体を潜り込ませた。
ステーキの塊を大自然で焼きたい人生だった。
ちなみにボンコッツ様の話には何の影響も与えません。何故ならこれから起こる未来の話なので!!
そしてもうちょい先の話でくそみそニキをお借りしました(先行入力