【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

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ポケモンSVの伝説&アイテム増殖バグ見て笑ってたら後入れするの忘れてた……


セリスの冒険3/岩手支部

 

 

「ふっ!」

 

 

 剣に纏わせた【氷龍撃(氷結属性)】を維持したまま真横に振り抜き、トドメに唐竹割り。

 

 俺達が【十文字斬り】と呼ぶこの技は、何故かアンデッドに対して相性無視で弱点を突ける不思議な力がある。

 

 ナナシの話では吸血鬼に十字架と同じで、死者に対して十文字が効くという〝概念〟が強すぎるかららしい。

 

 □eのお陰とも言ってたかしら?何処かで聞いた気もする社名だけど、覚えてないのよね。

 

 

「これで最後かしら?後は任せるわね」

 

「あいあい。エスネキ、行こっか」

 

「あいな」

 

 

 偕楽園の主の元へ俺ら二人が気軽に進む。私の役目はここで終わり。さて、帰るとしましょう。

 

 細々と現れる悪魔を切り捨てながら帰路に付く。悪魔さえ現れなければ、咲き誇る梅が美しい場所なのだけど……残念ながらレベル二十前後の悪魔が沸くここは花見地としては不適格。レビューで☆1を付けられるわ。書かれる内容としては花見をしに来たのに──っと、流石本家様は違うわね。

 

 崩壊を始めた異界を駆け抜ける。散る梅の花に見惚れる暇もなく足を動かしていると、背後から凄まじい速度で〝何か〟が接近してきた。

 

 

「セリスちゃん急げー」

 

「置いていくよ~」

 

 

 二人が当然の様に置いていったので、私も加速する。

 

 

「戦闘が一瞬だったのは予想通りなのだけど、幾ら何でも崩壊が速すぎないかしら?」

 

「いや~昔のノリでブッパしたら異界ごとやっちゃったみたいでさ~」

 

「こいつのせいってことで間違うとらん」

 

 

 非常識過ぎないかしら?

 

 

「エスネキも拘束してたから同罪じゃない?」

 

「うちゃ異界に被害出しとらんし」

 

「報告書は双子ニキがお願いね」

 

「そりゃええわ」

 

「ちょ、二人とも酷っ!」

 

 

 話してる最中に出口が見えてきた。少しだけ速度を落として通り抜けると、茨城支部の面々が驚いた顔でこちらを凝視していた。

 

 

「も、もしかしてもう終わったんですか?」

 

「終わったぞ~全く梅関係無い悪魔だった。まぁ日本三大怨霊の一人に出て来られても困ったけど!」

 

「道中も死者系の悪魔ばかりだったわね」

 

「臭うて堪らんかったわ」

 

 

 自身の匂いが気になったので【浄化】の霊符をバラいて起動。これ本当に便利よねぇ。

 

 

「セリスちゃんありがとの」

 

「いえいえ。それじゃ撤収作業して派出所に報告に行きましょうか。私も早く山梨に戻らないとだし」

 

「えっ」

 

「えっ?」

 

 

 希の主が声を上げたのでそちらを向くと、自分の口を押さえて固まっていた。

 

 

「主様はな、結構お世話になっとったし、セリスはんがずっとここにおるもんだ思うとったんやで」

 

「私は式神よ。私が欲しいならセッツァーに頼まないと私からは何とも言えないわ」

 

「セリスちゃんが欲しいなら俺を倒してからにして貰おう!!」

 

「双子ニキ、ステイ」

 

「はい」

 

 

『『『素直か!!』』』

 

 

 真面目な空気に耐えられない俺らが多すぎね。そんな雰囲気が居心地良いからナナシはつるんでるんでしょうけど。

 

 

「別に今生の別れって訳でも無いのだから、今度は貴女達が遊びに来れば良いじゃない」

 

「あーセリスちゃん忘れとる。星祭の本殿は試験突破せにゃあ入れんよ」

 

「連絡自体は出来るのだし、拝殿で合流すれば大丈夫でしょう?」

 

「それもそうか」

 

 

 とは言ったけれど、遊ぶ時間は無さそうな気もするわ。彼女はこれから茨城の派出所の纏め役になる訳だし。

 

 

「……そうですね。甘えすぎました。今度は希を連れて俺が行きます!」

 

「楽しみにしてるわ」

 

 

 それから雑談しながら撤収作業を終え、全員で一度派出所へ。そこで軽く口頭で報告した後、双子ニキを置いてエスネキと二人で水戸→上野→新宿→甲府と電車を乗り継いで山梨へ。

 

 

「うち、出身ここじゃないけど帰って来たって気がするわ」

 

「私は生まれて初めて神社の外に出たから初めてのお使い帰りよ?」

 

「初めてのお使いで茨城に出張はえげつのうない?」

 

「顔には出さない様にしていたけど不安だったわ」

 

 

 人の多さも、その匂いも、違う土地の森の匂いも全てが新鮮だったけれど……

 

 

「異界に入っていた方が落ち着くわ。どうも私は人混みが苦手みたい」

 

 

 凪ぎ払いたくなるのよね。

 

 

「気持ちはわかるかも。ま、とっとと帰ってゆっくりしようよ」

 

「そうね」

 

 

 二人同時に隠形を使い、星祭に向けて駆け出す。今頃ナナシは何をしてるのかしらね?

 

 

 

 

「愛宕神社は日本全国に多くあるが、面白いのが場所によって祭神の呼び方に結構違いがあってな?奈良時代より前か後かで変わるんだ。そして明治時代に神仏分離政策によって禁止にされたせいで、再び火之迦具土神呼びだけになった所もあるし、今更変えられるか!で愛宕権現呼びを認めてる所もあったりする」

 

「神仏合祀と神仏分離政策までの流れが美しい……!人間はやはり愚かだな!!」

 

「火之迦具土神って最強の炎タイプな印象があったけど、何て言うか人間に振り回されてる可哀想な神になったな」

 

「い、一応十六神の父であり、母でもあるんですよう」

 

「サクヤ。ちゃんと父親に母親の命奪ったお前なんて要らねぇ!って十拳剣(とつかのつるぎ)で切り殺された事を言わないと駄目だろ?」

 

「いやいやいや、私の口からはとてもじゃないけど言えませんよ!?」

 

「相手が天津神だからって遠慮する事無いぞ?ほれ、本音を言えや──」

 

「あれ?セツニキ、天羽々斬(アメノハバギリ)じゃないの?」

 

「それは須佐之男神(スサノオノミコト)の方だな。伊邪那岐神(イザナギノミコト)の方は天之尾羽張(アメノオハバリ)らしいんだが……」

 

『『『だが?』』』

 

「磐長一族の伝承だと十拳剣──つまりロングソードとしか書かれてないんだわ」

 

 

 十拳剣自体が拳十個分の長さという、何処かヤーポン法の香りがするから名前を付けた事自体は褒めたいが。

 

 

「古事記か日本書紀かで神の名前も変わるし、日本人らしく好きに呼ぶかレスバすれば良いんだが、人によってはマジギレするから注意な」

 

「セツニキ的にはどういう解釈な訳?」

 

「須佐之男神の剣に名前があるのに伊邪那岐神の剣に無いのは可笑しいんじゃね?で後付けされたと思ってる」

 

「無銘刀のカッコよさに気付けなかったかー」

 

「名も無き騎士の剣とかな」

 

「過去の日本人はロマンが足りないよな」

 

 

 十拳剣は許せないが、十束剣なら字面的に許せたのに。ヤーポン法の香りが消えるし。

 

 

「アンタ達、良く神社の境内で気軽に神話の話出来るわねぇ……怖くないの?」

 

 

 声を掛けてきたのは、この岩手県奥州市周辺の霊能組織の纏め役であり、岩手支部の支部長予定の愛宕ネキ*1だ。

 

 

「敵対するなら悪魔として処理するだけだ」

 

「伊邪那岐神や火之迦具土神と殺り合えるならそれはそれで」

 

「出来ればもうちょい霊格上がってからのが楽しそうなのが心残りになりそうだよな!」

 

『『それな!』』

 

 

 ジャンヌネキの言葉に賛同すると、愛宕ネキは呆れた様に溜め息を吐き出し、サクヤを見た。

 

 

「アンタ、良くこんな奴等と付き合えるわねぇ」

 

「ははは……」

 

 

 

 

 愛宕ネキの管理する神社の社務所に招かれ、御茶を頂く。そのついでにお互いの近況を報告したんだが……

 

 

「何時からこの世界はBLACK LAGOON*2になった訳?」

 

「文句を言うならメシアに言ってくれ。俺達は上からの任務を遂行しただけだぞ?」

 

「そうそう。それに銃なんて使ってないし」

 

「剣で切り捨てた方が早いからねー」

 

「はぁ。山梨から修羅勢が出てくるってちひろネキから連絡来て、昨日は緊張して眠れなかったのにまさかこんな奴等が来るなんて……」

 

「いや、それは愛宕ネキが悪いよ。俺らだって〝俺達〟何だからこんなもんに決まってんじゃん?」

 

「それな。戦闘以外じゃ俺らはこんなもんだぞ?」

 

「ま、役には立つから安心しろや。何なら今から近隣の異界を滅ぼしてやろうか?」

 

「……出来るの?」

 

 

 私、疑ってます!というジト目を隠しもせずに向けてきたので、二人とジャンケンする。

 

 

「よっし、おらぁ北いくだ」

 

「何でいきなり方言なんだよ。じゃ、セツニキ。俺は東貰うわ」

 

「あいよ。んじゃ西行くわ。終わった奴から南な」

 

『『りょ』』

 

 

 席を立ち、部屋を出ようとすると愛宕ネキが止めてきた。

 

 

「ちょ、ちょっと待ちなさい!幾ら修羅勢だからって危ないわよ!」

 

「夕飯までには戻るから飯の用意とサクヤの世話だけ宜しくな。んじゃ行くぞ」

 

『『うぃ』』

 

 

 さて、ここから先は時間との勝負だな。

 

 

 

 一個目。スライムしか居なかったので気付けば終わっていた。

 

 二個目。何か決死の覚悟の名家の方々が居たので【ディアムリタ】を掛けた後に突撃。コダマだった。

 

 三個、四個、五個目──特に何も無し。強いて言うなら毒や瘴気や耳元でボソボソと呪詛を呟かれる異界でうざかった。

 

 六個目にはパワーが居たので吸い殺した。

 

 七個、八個、九個目には俺達が居たので、少しだけ話を聞いてスルーした。彼らの稼ぎ場を潰すのは不味いしな。

 

 そして記念すべき十個目!──餓鬼だった。取り敢えず【ソウルドレイン】を放ち、終わらせる。

 

 

 ここでスマホを取り出してLILINを起動。

 

 

『これ、俺ら必要か?』

 

『俺達が頑張ってるし、ジュネス予定地周辺だけにしとく?』

 

『それが良いかもな。狩りすぎて文句言われそうだし』

 

『取り敢えず一旦愛宕ネキに連絡取るか。狩って欲しい異界もあるだろうし』

 

『りょ』『りょ』

 

 

 という訳で一旦ちひろネキに連絡して番号を教えて貰い、その後すぐに愛宕ネキに電話する。

 

 

『愛宕ネキ?俺だ』

 

『アンタ達何やってんの!?さっきから他の組織からの連絡が鳴り止まないんだけど!?』

 

『いや、異界潰しただけだぞ。それより狩り過ぎても地元俺達の迷惑だから狩って欲しいリストをくれ。もしくは指示を出してくれ』

 

『っ~~~!もうっ!少し待ってて!一旦切ります!』

 

 

 数分程待っていると、スマホに着信が。

 

 

『俺だ』

 

『貴方達の実力は良く分かりました。だから私も岩手支部長候補として手を焼いている依頼を貴方達に任す事にします』

 

『その為に山梨から来てるからな。構わないぞ』

 

『ッ……!死んだら許さないから!』

 

 

 口頭で異界の位置を聞き、通話終了。言われたままLILINのグループに打ち込む。そしてそのまま情報交換。

 

 

『この○○区の奴とその西の森二つはすでに潰してるんだが、そっちはどうだ?』

 

『俺も××市の所と郊外の奴はやったな。双子ニキは?』

 

『△△市のxx区のはやった。こっちすぐに異界の反応無くなったから南の□□区のも終わらせた』

 

『……あのさ、セツニキ双子ニキ。全部終わってない?』

 

『終わってるな』

 

 

 岩手支部が手こずっていた状態異常系の異界は【清浄の祈り】でギミックを全て吹き飛ばして主をサクッと殺った記憶がある。具体的には三~五個目。ちなみに主は蛇やら蛾やらのレベル二十前後の悪魔だった。

 

 

『ここに居てもアレだし帰るか』

 

『うい』『おう』

 

 

 絞まらねぇなぁ。

*1
艦これの愛宕を茶髪にした色違い俺達。その見た目で巫女服とか犯罪だろ!と良く言われてるし、自分に良く似た式神嫁を見掛けてブルーになった経験がある。ジト目が似合うと一部の俺達に評判

*2
広江礼威先生作の漫画。クライムアクション作品




デモニカの実装時期って何時なのよぉぉぉ!

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