【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
返信しようか何時も迷って、迷うぐらいなら続き書くか!ってなってる作者です。
……ところで本家様から感想が来たような?
「あっ!?出てきた!誰か
「は、はいっ!」
帰還用と思われる魔法陣に乗った俺を出迎えたのは、十六から五十ぐらいに見える、幅広い年代の五人の巫女。その内の一人が慌てた様子で本殿の方へ向かうのを尻目に俺は再び異界の中へ。
畳と襖に出迎えられた俺は、
「【物理耐性】……いや、【物理無効】か」
光となって消えた悪魔の
「【魔法無効】もある、か」
空間に粘性を持たせてぽよんと弾かれている様な、深海に物を落としている様な手応えは、現在の俺の実力ではどうしようも無いモノだと理解させられる。
だが俺は諦めの悪さに定評のある男。
「ヒャッハー!芸術は爆発だ!」
もはや十八番となった収納霊符に詰め込んだ
ちなみに起爆符はメガテン的に言えば【ダーム】……と言いたいところだが【アギ】か【ギガ】系統になると思う。正確に言えば【
「畳や横の襖、天井にも焦げ目すら付かねぇか。ホントに現れる悪魔以外は無敵に近いな」
概念系をぶち破る為の術も存在するが、現在の手持ちでは不可能。一番手っ取り早いのは
どれほど精緻で美しく無駄の無い術であろうとも、術者の実力が低ければレベルの暴力に屈するのだ。さもありなん。
再び開く襖。現れるスライム。飛んでいくジャックナイフ。消えていくスライム。考え事をするには向いてないな、ここ。
そもそも異界の中で考え事をするな、と言われればそれまでだが。
溜め息と共に犬神を
そんな彼らを説得し、ついでに供養した犬達が手に入れた
本当はモロ*1やホロ*2と名付けたかったが、
大口真神からマカミの名を貰おうとも考えたが、この世界で神と縁が繋がる事の怖さは誰もが知っていると思う。
だから泣く泣く被っても許されそうなラインを攻めた、という訳だ。
こちらに頬擦りするギンを優しく撫で、悪魔を刈るように指示を出す。次の部屋で大人しく待っていた餓鬼は直ぐにギンの腹に消え、続いて現れたオンモラキは爪で両断。
先へ先へと進むギンの後ろをドロップ品を拾いながらゆっくり追う。腹の中にドロップ品が落ちるのかと思ったが、ギンを避けて湧いたところを見るに散った霊力で再構成しているらしい。
これを巧く解析すれば、望むドロップ品を作れそうだが──まぁ、無理だな。俺に好きな
そんな事を考えている内に視界に再び現れる帰還用の魔法陣。最初の一匹から数えて丁度十匹目。現れる敵は餓鬼、スライム、時々オンモラキと劣化天使。メガテン的に言えば、レベルは一から三程度。ドロップ品は駆け出し向けのジャックナイフとマッカ、そして霊草。ここまで言えばわかるだろう。
──ここは初心者の鍛練用に調整された異界だ。
何でそんな異界を決死の覚悟で静めようとしたのか分からんが、どうせ
異界を閉じる意味も無くなったので、大人しく魔法陣に乗って外に出る。そこには──
「お帰りなさいませ
土下座姿で整列する、十人ぐらいの巫女だった。
◇
神の御子とは神が産んだ子や天皇陛下の御子様の事を指す言葉で、一神教圏内ではキリストの事を指している。
間違ってもスナックの従業員が産んだ、結婚している事を隠して母親と不倫していた男の種で出来た子供を呼ぶ言葉では無いし、貧乏神社の先代神主を呼ぶ言葉でも無い。
とはいえそんな事は関係ねぇ!と言った感じに連れて来られたのは神社の本殿。祀神の居るべき場所に何も置かれてない事を除けば、うちの
「有無を言わさずお連れした事をお詫び申し上げます」
用意された高そうな座布団の上に胡座をかく俺に、伏せたままの巫女達。先程は気付かなかったが、筆頭巫女と思われる女性以外は紙で作られた覆面で顔を隠している。
彼女達にとっては神事らしい。それで良いのか、とも思うが、霊力を欠片も感じない人間が霊力持ちを前にしたらそうなるか。とはいえ否定はしなければならない。
「御大層な〝おもてなし〟をして貰ったとこ悪いが、俺は何処にでも居る
これは本当の話だ。前世は霊感なんて無い、ただのメンタリスト。カウンセラーや詐欺師でも良い。とにかくその程度の斎主だった。
「御謙遜を。今の日の本に
「過大評価も良いところだな。俺の使う術は霊力に目覚めさえすれば、お前らにも使える
「──────ッ!?」
おっと、つい殺気が漏れてしまった。お爺ちゃん反省☆
軽く溜め息を吐き出して感情を平常に戻す。煙草が吸いたいが、流石の俺も本殿で吹かす程の常識知らずでは無い。
「まぁ、お前らの気持ちもわからんでも無い。静岡や山梨の近辺しか見てないが、封印されただけの異界や手付かずの異界も多く、また討伐する為の戦力も無い。あるところは自分の所だけで手一杯。そんな所に俺が現れりゃ、そらぁ神職なら神の遣いに思えるだろうな」
本来なら封印は弱体化とセットだ。そして封印〝だけ〟を施した異界を〝手付かずの異界〟と先祖の残した書物には書いてあった。つまり、現状すでに末期戦なのだ。第二次世界大戦で日本が動くだけの旧式戦闘機を〝戦闘機〟として戦力に数えていた時の様に。
「でもな、俺にそこまでの力はねぇ。そして俺は葛葉に所属してる訳でもヤタガラスに所属していた訳でもねぇ野良だ。伝なんて無い訳よ。だからお前らの現状は変わらんし、変えられんよ」
「ではッ!どうして私を助けたのですかッ!?どうして私達に希望を持たせたのですかッ!?どうして──」
もはや泣いていると言って良いぐらいグチャグチャな顔で、筆頭巫女が問い掛ける。何故、死なせてくれなかったのか、と。
何もかも知らぬ無垢のままで生きるには生まれが
筆頭巫女の若さを見る限り、霊能がある人間は上から順に死んだのだろう。残された彼女は表向きこの神社の纏め役として立派に振る舞いながら、異界に怯える日々に疲れ、死に場所を探していた。それを俺が邪魔したってところか。
とはいえあの異界は余程の事が無い限り討伐する意味が無く、見よう見まねの儀式はただの自殺。
そんな事を目の前でされたら誰だって止めるだろう。トランプ一枚投げるだけだし。
(……ここで『成り行きで
流石に駄目か、と諦めて前世で培ったそれっぽい事をそれっぽい雰囲気で語る【言いくるめ】スキルを発動する。
コツはさもそれが当然という雰囲気を崩さず、抑揚を付けず、しかし声はハッキリと。そして何も考えず、脳死で格好いいアニメや漫画の台詞を混ぜる事だ。
「見ての通り、俺はお子さまだからな。人手が必要なんだ。俺の手足となって働き、俺の為に死ぬ人材が。俺のありとあらゆる命令に粛々と従い、群れとなって動く人間が。その為の布石としてカードを一枚投げただけだ。お前を助けたのは俺の事情であって、お前の事情には興味無い。運が
それだけ言い放ち、
「ど、何処へ──」
「俺に付くにしろ、頼らずに生きるにせよ。お前らには話し合いの時間が必要だろ。組織としての意見が統一出来たら呼びに来い」
「待ってくださいっ!」
後ろからの呼び止める声を無視して外に出る。そして隠形を決めて屋根の上へ。そのまま適当な所に腰を下ろし、煙草を咥えて火を付ける。
「曾孫みたいな年齢で悲壮な顔しやがって……」
吐き出したのは煙草の煙か溜め息か。吐いた言葉に嘘は無い。この世界で終末を生き残るにはメシア教とまで言わないが、それなりの規模の組織が必要だ。中身はともかく子供の身では銀行口座も作れず、資金集めや地元権力者との話し合いも望めない。
これが前世だったら街の大半の奴がおしめを変えてやったガキだから話も通しやすかったんだが。
「何処かに居ないかねぇ。こんな風に頭を悩ませずともノリで世界を救ってくれそうな英雄は」
煙を上に向けて吐き出すと、そこには憎たらしい満月が。……そういや月にも終末の原因が居なかったか?
いや、これはfateシリーズの話か?それとも別のゲームか?駄目だ、記憶がごっちゃになってきた。
「……俺は何も気付かなかった。うん」
きっとダイスの目が悪くて【目星】に失敗したんだな。いや~残念だな。というか四歳児は月に行けないんですわ。もし終末の原因が居たとしても、原作主人公達に任せるしか無い。──そう思えたら、どんなに楽だった事か。
「何で死んでるんだよ……ライドウ」
原作キャラとは違うとわかっている。それでもその名前の所持者が自害に追い込まれ、代表的だった霊能組織が壊滅しているという事実は楽観的な行動を許さない。
俺がやらなければ、と思うには長く生き過ぎて、誰かに任せるにはこの世界の事を知らな過ぎる。
短くなった煙草を一気に吸い切り、携帯灰皿に突っ込む。吐き出す煙の形を変えて遊んでいると、本殿から筆頭巫女が出てきた。
「話し合いは終わったか?」
屋根の上から話し掛けると、少しだけ驚いた後に身嗜みを整え、その場に伏せる。
「はい。私達『
「愚かだな、とは言わんよ。代わりにお前らぐらいは終わりの先に連れて行ってやるよ」
誓ったコイツらとは違い、俺の吐き出した言葉は口約束程度。出来ない約束はしない主義なのだ。
「ま、これからよろしく。精々コキ使ってやるから覚悟しろよ」
「はい……!」
飛び降りて手を差し出す。握った手は女性らしい柔らかさのある、苦労人の良い手だった。
◇
神主の存在を知らない&ガイア連合が無い時にオカルト界隈の事情を知っちゃった俺らはたぶんこんな感じになると思う。
俺がやらねば誰がやる!って気持ちになるには転生後という事もあって若くなく、でも終末怖い……何かしなきゃ!的な焦りがあるというか。
星祭神社については設定を語りたい気持ちと作中で明かしたい気持ちがぶつかり合ってる。
本家様の設定とここが一番矛盾しそうで怖いんだよなぁ