【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

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色々手配してるだけで終わってしまったマヨヒガ攻略。

ここからは岩手支部建設の為に頑張ります!


とある??神「体は最高だけどなぁ!」


幾つになっても元気な老人会

 

 

 ジュネス建築の為に慌ただしい毎日を送る中、愛宕ネキが山梨へドナドナされていった。その間の作業は引き受け、ついでに引き継ぎ用の書類も作る。

 

 ムラサキ達は通常業務に戻り、セリスとレティの二人も今頃は俺らと共に異界で暴れてる事だろう。

 

 安心して旅行へ行く為にも、ここで手を抜く訳には行かないからな。

 

 イワナガは溜め息を吐き出しながら全国各地を巡り、支部の土台や土地との親和性を高める為の儀式を行っている。

 

 ちなみにサクヤは本霊チェックを終え、星祭に帰還した。どうやら弟子の神社はセーフ判定だった様だ。

 

 本神曰く、俺の弟子なんてSSR確定だから普通に見逃していたとの事。弟子の努力は何だったんだろうな。

 

 山梨へ攻略完了の報告書を提出してすぐに『マヨヒガ』は再誕した。余りにも早すぎる誕生に思わずソロで襲撃を掛けたが、理由は物凄く単純な話だった。

 

 『マヨヒガ』の伝承は東北から関東までの間に広く存在しており、本来なら岩手県だけにある事が間違いだったのだ。

 

 たぶんメシア教が悪事バレを防ぐ為に地脈を弄っていたのだろう。故にメシアの手を離れれば、『マヨヒガ』は伝承のある地へ散るのが当然。

 

 地脈の安定化や異界操作を行える技術があって、何故世界中の霊能組織を敵に回したのやら。俺なら技術だけで世界捕れるぞ。

 

 

(……メシアの事なんざ考えるだけ無駄か)

 

 

 それよりも東北全体と関東の一部の山中に現れ続ける『マヨヒガ』について考えないとな。

 

 まぁ、一から十程度の悪魔しか現れない上、構造も簡単な異界だったので、岩手に関してはサボらなければ然程驚異にはならない。

 

 念のため他の東北支部にも連絡を回したし、あちらはあちらで何とかするだろう。

 

 ふと時計を見ると、お昼を軽く過ぎていた。今から食べに行くのも面倒なので、霊符からビーフジャーキーを取り出して侘しい口に突っ込む。

 

 

「……予想以上に美味いな」

 

 

 改めてビーフジャーキーのパッケージを見ると、生産者表示にジャンニキの姿が。うん、これで不味かったら詐欺だな。

 

 突然の美味にテンションが上がったところで再びパソコンに向かい合う。ジュネスの建造自体は山梨の建築部署が担当してるので、俺が手を出す事は何も無い。

 

 受付担当の教育はマニュアルだけ作って岩手支部のメンバーに投げた。武器保管庫の管理は厳密に。貸し出しは俺達以外には辛め、食料庫に至っては()()()()()()銀蝿を認めない。

 

 そもそも終末が来るまでは飽食の時代なのだ。大量の保存食を食い漁る奴が居るとは──可能性がある奴等が居たな。

 

 慌てて岩手支部に所属予定の俺達を調べる。……良し、暴食のデビルシフターは居ないな。岩手の食料は守られた。

 

 山梨でジャンニキがキレる理由の第二位は暴食系の食い荒らしだからな。一位は知らん。食材を無駄にしたら怒りそうだが。

 

 続いて作成するのは買い取り素材の一覧表だ。汎用性の高い既知の素材は山梨支部と連動する様に電子系の俺達がプログラムを組んだので、毎日変わる相場の情報を貰うだけで良い。

 

 問題なのは山梨支部が未確認の素材、または岩手県独自の素材やフォルマ、アイテムの値段だ。

 

 基本的に岩手の製造班に送り、解析を行って貰って価値を決めて貰うのだが、製造班も少し前までは一般人だったので霊的な物の価値が分からない事が多い。

 

 なので俺が伝承や伝説、神話から岩手県で取れそうな素材をピックアップする必要があるのだ。……遠野物語残って無いかな。メシア教会の本棚とかに。

 

 諦めて記憶を漁り、思い付く限りをあげる。『タツブの息子』『鬼の手形』『黒い牛と赤い熊』『親孝行息子』『白髭水』『ネズミと豆一粒』『弘法さまと鮭』『魚の女房』『蛸の浦』辺りか。

 

 後は『義経北行伝説』『川留』『関谷洞窟の赤だくれ犬』『後ノ入川と弘法様』『高山掃部長者物語』もあるな。……うん。

 

 

「無理」

 

 

 諦めて本の虫に電話する。雑談から入り、希望混じりで尋ねると、LILINにURLを送ってくれたのでそのまま飛ぶ。

 

 

「流石図書館探検隊……!愛してるぜ!!」

 

 

 日本各地の伝承や伝説を纏めた俺達専用のサイトを見て、思わず叫んでしまった。

 

 取り敢えずもう一度連絡を取り、外部利用に関して詳しく尋ねると、俺達以外には見られないし、プリンターからも白紙で出てくるが、手書きで写すならオッケーらしい。

 

 速攻で思業式神を呼び出して写本させる。こういう単純作業において陰陽師に勝てる職業は存在しない。俺は神道だが。

 

 

 

 

 LILINの支部長グループに図書館探検隊に連絡すると良いことあるぞと流し、そのままムラサキを召喚。一度星祭の自室に戻り、装備を整えたら異界へと続く門を潜る。

 

 今日は『マヨヒガ』で溜め込んだストレスを発散すると決めた。標的は()()()()()。人も悪魔も()の糧となれ!

 

 

「フハハハッ!ショタオジに占術を頼んで良かったわッ!セツニキッ!!本気の貴様に今日こそ勝って見せようッ!」

 

 

 中層の奥地に入った瞬間、飛んできた斬擊を躱わし、追撃の槍擊を受け流す。……その意気や良しッ!

 

 

「吠えるなよ若造がッ!〝一族〟の秘奥、その身に刻み込んでやるわッ!!」

 

 

 初手で千枚の霊符を天に飛ばし、そこから万の札を展開。()()()()()の猛攻を体術のみで躱し、術式を開放。

 

 

「まずは小手調べじゃッ!!生き残って見せいッ!」

 

「ッ……!()一つ落とすか!!」

 

 

 即座に斬擊を飛ばして切り刻み、伏せていたダーツ(ソウルドレイン)も弾かれる。──ここからが磐長の術式よ!

 

 

「油断大敵だぞ──?」

 

「なっ────!?」

 

 

 視線を上に向けた瞬間、地面に向けて放っていた霊符が術式を開放。手鏡に映った己の醜い顔に嫌気が差し、放り投げた鏡が太陽となった伝承を模した術式が()()()焼く灼熱を撒き散らす。

 

 

「くぅ──!自傷覚悟かッ!」

 

「違うなぁ?儂に()()()()()!!」

 

「……【ソウルドレイン】!」

 

 

 周囲に漂う霊力は儂の物。故に変換効率は最大であるのが道理。

 

 

「どうした?この程度ならこのまま殺すぞ?」

 

「ふぅ──舐めるなよ糞爺ッ!!」

 

「カカッ!それでこそ修羅の名を背負う者よッ!!」

 

 

 一撃、また一撃と放つ度に速く、固く、重くなる連擊。それを受け流し、躱わし、防ぎながら袖から霊符をばら蒔く。

 

 

「さて、小僧。いきなりだがお前は富士をどう思う?」

 

「────?美しいと思うが?」

 

 

 口を三日月に変え、嘲笑を向ける。

 

 

()()()()()この磐長一族の長たる儂の前でッ!!」

 

 

 ばら蒔いた霊符が一斉に活性化。伝承によって変わるが、瓊瓊杵尊は石長比売を()()()()()パターンが存在する。だからこそ大室山の浅間神社に残る石長比売の話には、富士を褒めた者を呪う伝説があるのだ。

 

 故に──()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「ヌッ────!?」

 

 

 まるで()()が襲ったかの様にグラデンスが踏み込んだ大地が割れる。その一瞬の隙を突き、心臓()を貫くつもりで貫手を放つ。……肺一個か。

 

 即座に抜き取った肺を喰らい、血肉に変える。

 

 

「くはははッ!それでこそセツニキよッ!我が生涯の親友(とも)よ!」

 

 

 空間が歪む程の闘気を撒き散らし、構える二槍剣に欠片も震えは無い。

 

 だからこそ次の一手を打つ。懐から煙草を取り出し、火を着けて吐き出す。

 

 

「余裕かッ!?」

 

「儂は本気だぞ」

 

「……!【幻覚(ダストマ)】か!」

 

「御名答」

 

「ちぃ──!?」

 

 

 煙草を取り出して頭に血が昇った瞬間に【幻覚】を掛け、認識をずらして回避。そして吐き出した煙を媒介に召喚した()()にグラデンスを捕らえさせる。

 

 俺が呼んだのは〝煙々羅〟と呼ばれる、江戸時代に描かれた妖怪画集『今昔百鬼拾遺』の一体。

 

 煙でありながら世界に干渉出来るコイツは中々使い勝手が良い手駒だ。何せ──

 

 

「爆ぜろ」

 

「────コフッ」

 

 

 体内に潜り込み、【自爆】を使わせる事が出来るのだから。

 

 

「終わりか?」

 

「ッ……まだまだぁぁぁ──!!」

 

「それでこそ()()よの!!」

 

 

 剣と槍を作り出し、二槍剣に真っ向から立ち向かう。受け流し、斬りかかり、払い除けられた勢いで回転斬り。

 

 突きを最小限の動きで躱わして蹴りを放つ。避けられたのでそのまま踵落とし。地面に突き刺した踵から術式を展開。

 

 

「そうらッ!!次()くぞ!」

 

「千変万化とはまさにこの事よの!!」

 

 

 展開した術式が大地を剣山に変える。大きく距離を取ったグラデンスの()()に追撃の一手。一枚の呪符が二となり、四となり、八となり、十六となり。五秒で百万を越え、十を数える頃には億を越える。

 

 

「天に帰れば神を殺し。地獄に落ちれば閻魔を殺す。神滅仏殺 常駐戦場 血洗血雨 無限闘争 故に行き着く先は──【無間地獄】」

 

「くはははははッ!凄まじいのぅ!楽しいのう!!」

 

 

 大地が裂ける。空が割れる。天地全てを暗闇が覆い、敵味方関係無く、()()()()()()()()()()()()をお互いの身体に刻み込む。

 

 その地獄の中で互いの獲物をぶつけ合う。相手より一秒でも速く獲物を叩き込み、相手より一秒でも長く立っていた者が勝者だ。

 

 もはや【ソウルドレイン】を使う暇すら無い連擊の中を自身の勝利を信じて突き進む。

 

 右の槍を、左の剣を、足を肘を動かし、全ての動きを次へと繋げ、敵の攻撃を捌いた動きすら次に繋げていく。

 

 どれだけ削ろうとも一撃で片付く領域に達したが故に、お互いに息継ぎすら忘れて動き続ける。

 

 

────先に隙を晒したのは、片肺を奪われたグラデンスだった。

 

 

「ごふっ…………また、儂の負けか」

 

「出直してこい若造。そして何時か儂を越えて往け」

 

 

 心臓に刺さる槍型の【ソウルドレイン】を気にせず倒れ込む()()()を受け止め、地面に寝かせる。

 

 その後すぐに結界を貼って蘇生に入り、息を取り戻した事を見届けた後、()()()に後を任せてこの場を去る。

 

 人の気配が無くなったのを確認した後、我慢していた血を吐き出した。見た目は五体満足だが、正直、風船よりも薄い膜で五体満足の様に見せてるだけだ。

 

 内臓は殆ど消し飛ばされたし、腕も空っぽ。取り敢えず【ソウルドレイン】で回復だな──

 

 

「あら~?お姉さんもしかしてラッキーかしら?死にかけの子供がこんな所に居るわ~?」

 

 

 今日の俺は最高に()()()()な。

 

 

 

────十分後。

 

 

 

「こんな……快楽……初めて……♪」

 

 

 俺に()()()()()()()()吸い付くされ、恍惚の表情で大気に還るサキュバスを見届ける。地母神の味だったし、【エレシュキガル】辺りの分霊って所か。御馳走様でした。




頑張ると言ったなアレは嘘だ。

次の話までEXステージに突入するぜ!
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