【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
書いてる時に絶対ショタオジ参戦するよなーって思ってたw
製造班に【アナライズ】効果のある眼鏡の大量注文が入ったらしい。流石修羅勢。動きが速い。
そんな事を考えつつ星祭の本殿近くの異界広場に向かうと、すでに探求ネキが待っていた。
「悪いな。待たせたか?」
「いえ。私も今来た所です」
挨拶もそこそこに探求ネキの式神共々旅館の方へ。共有スペースの一角に陣取り、机の上に設計図を広げる。
「過酷な環境再現は異界自体に付与。土地に〝ギミック追加〟の呪いを掛けて出現する悪魔を〝ギミック持ち〟にする感じですか」
「ついでに【アナライズ】に対する耐性を下げて神話情報を抜ける様にする。代わりに出現する悪魔の基礎ステータスが上がるがな。まぁ、恩恵としてギミック分だけ特殊な素材が増えるから、修羅勢なら楽しむだろ」
「罠、バフ、デバフ有り。ドロップも
「まぁ、それでも大悪魔とかに
「そんなもんでしょう。使うような事態になる前に撤退するでしょうし、頻繁に起こるなら〝愛され〟てますよ」
「違いない」
お互いに苦笑いを浮かべていると、旅館付きになったメシア被害者の仲居がメニューを持ってやって来た。
ちなみに被害者の多くは各支部所属の式神になったり、富豪俺達の会社で第二の人生を送っている。ここに残ったのは仲間や家族に裏切られた末にメシア行きとなり、人間社会に戻る事を諦めたのではなく
「あれ?このメニュー表、値段書いてなくないです?」
「無料だぞ。というか毎月の家賃の中に各種サービス料も含まれてるからな。気にせず頼め」
「私、資格持ちですけど所属はしてないですよ?」
「修羅勢なら端金程度の家賃なんだが、ガイア連合の中だと富裕層になるんだよ。だから暴食系デビルシフター以外なら時々来る俺らの友人達が飲み食いしても問題無い。だから安心して頼んで良いぞ」
「流石は修羅勢の住み処って事ですか。それでは御言葉に甘えて」
二人とも珈琲を頼み、探求ネキはついでにパンケーキを頼んだ。トリコ食材*1みたいな素材は使ってない普通のパンケーキなのだが、それが逆に良いらしい。
まぁ、味覚肥えるだろうしなぁ。
珈琲が先に運ばれて来た。ここの料理は全て注文後に作成なので、パンケーキは暫く掛かる。その間に探求ネキと仕様を話していく。
「出現する悪魔は五十固定。環境は基本的に極地だ。ギミックに関しては悪魔固有の他に別側面を引っ張ったり、俺が集めてきたギミックを追加する予定だ」
「集めてきた?」
「図書館探検隊が考えた物に、俺達が空想したギミックに、出てきたら嫌な敵ってタイトルのスレで一般人から集めてきた物だな。流石に全部は無理だろうが、利用可能なギミックはそれなりにあると思う」
これは探求ネキには言えないが、
「下手すれば下層より厳しくなりそうですね」
「それを目指してるからな。流石に失ったら痛い人材が多すぎる」
「成る程。それじゃ修羅勢の怨嗟の声が聞こえるぐらい頑張りましょうか。良い経験になりそうですし」
「頼むわ」
今回作る予定の異界は、一神教系術式の〝隔離〟では無く、仙人の使う仙術で作られた〝別世界〟が安全の為には必須となる。
さらにそれを磐長式の術式で区切り、固定する事によって、出入り口を星祭の〝門〟のみとする。
これで魂を魔界に持ち逃げする事を防ぐつもりだ。ちなみに星霊神社では使えない。あそこは最初から魔界側にも入り口があるので、片方を封じても反対側から逃げられるからな。
暫く集まったギミックの話をしていると、漸くパンケーキがやって来た。ついでに待ち人も来た。……さらにここに居ちゃ行けない奴の姿も見える。
「御待たせしました御嬢様。こちらパンケーキになります」
「何やってるんですか。秋雨ニキ」
「こっちに運んでる途中の仲居と出会ってな。行き先が同じだから代わりに受け取ってきたのだよ。ミナミィネキとはその途中に会った感じだな」
「こんにちわ、二人とも。ところでセツニキ、仲居の制服売ってくれません?」
「突然だな。欲しいなら製造班に依頼出せば普通に買えるぞ」
「後で発注して来なければ!」
「ミナミィネキは相変わらずですねぇ」
「ねぇ、二人とも?俺の事を無視しないでくれる~?」
『『なんで居るん
「楽しそうな事してるから分身を派遣しちゃった☆」
いや、別に良いがな。術者としての実力なら申し分無いし。
「真面目な話すると俺にもメリットあるからね。セツニキ達が作る異界の出来が良かったら権利買い取って、そのまま下層試験に流用出来るし」
「良いのか?ネタバレになるぞ?」
「もちろん追加で手を加えるけど、このギミック集の幾つかは深層より質悪いからね。これを越えられるなら許可証を渡せるよ」
「色んな伝を使って引っ張ってきた甲斐があったな。じゃ、探求ネキが食べ終わったら会議と行きますか。あ、もちろんゆっくり食べて良いからな」
「了解です。ゆっくり味わいますよ」
「私も頼んで良いです?」
「良いぞ。秋雨ニキとショタオジは?」
「食事は良いが、御茶を貰おうか」
「俺もコーラでも貰おうかな」
「了解」
机の上に置かれているベルを鳴らし、仲居を呼んで改めて注文。俺も追加の珈琲と会議用の茶菓子、ついでにフライドポテトを頼んだ。
「じゃ、俺は向こうで資料の整理してるからごゆっくり」
探求ネキがゆっくり食べられる様に視界から外れる真後ろの席へ移動し、ギミックの書かれた紙の整理に入る。
前世で苦労したボスを覚えている様に、知識と苦労を修羅勢達の記憶に紐付けする。とはいえ命が掛かっているのだから、ただ理不尽な難易度では駄目だ。
使えなさそうなギミックや明らかに不可能なギミックを弾き、物足りないギミックには加筆をし、使えそうな〝素材〟に変えていく。
最初から利用出来そうなコスパの良いギミックや悪魔由来のギミックを軸にするのは確定だが、やはり〝スパイス〟は必要だよな。
「どう?」
「取り敢えずはこんなもんだな」
纏めた資料をショタオジにそのまま渡す。
「中層ギミックの強化版と高位悪魔から予想されるギミックを軸に独自のギミックか。悪くないね」
「極地でそれらの対応が出来る様になれば、修羅勢らしく力業で越えられるだろ。俺としては大人しく一般試験で突破して欲しいがな」
「セツニキも一芸の方で抜けてくると思ってるんだ?」
「だって修羅勢だぜ?」
間違いなく全てのギミックを
【アナライズ】で見える神話情報に手を抜くつもりは無いが、利用される気はすでにしてない。
「俺は俺達の中にここまで求道者が居た事に驚きだよ。居るとしても少数だと思ってたからさ」
「俺らはダラダラやってたらここまで来ちゃったし、ここでリタイアするのもなーって感じだが、たぶん他の修羅勢も似たようなもんだろ。但し、一芸で抜けたマジもんの〝修羅〟は除く」
「ガイア連合全体で見たらレベル五十は修羅なんだけどね」
「それでも真修羅達と違って戦闘以外も色々楽しんでるからなぁ」
最近だとイワナガにこの世界の一族の話を聞いたりした。世界が変わっても、変わらぬ〝一族〟に思わず苦笑いを浮かべたのは記憶に新しい。
「ま、俺らをここまで引っ張ってきた責任があるからな。行けるところまで連れていってやるさ」
「その内マジで深層まで辿り着きそうだねぇ」
「そしたら終末来る前に俺らが魔界に終末をもたらしてやんよ」
「立場変わってんじゃん」
二人で爆笑してると、食事を終えた探求ネキがやって来た。
「何か面白い事でもありました?」
「いや?俺達に壮大な夢が生まれただけだ」
「くくっ。確かに壮大だよね」
「……?」
出来るかどうかで言えば、不可能だろう。だが男の夢と股間は大きい方が良い。古事記には書かれてないが、男の本能に刻まれているからな。
何時かショタオジと並べる様になったら、魔界征服に挑むのも悪くない。
「セツニキ、机の上は片付いたぞ」
「さんきゅ。それじゃ製作会議を始めますかね」
「いや~今から修羅勢の罵詈雑言が聞こえるよ」
「この面子で作る異界ですからねぇ。あ、エロは入れても?」
「もちろん。女悪魔が誘惑したり、勝負の【
「というかセツニキは下層に行ったこと無かった筈だが、随分ギミックに詳しいな?」
「神話の出来事は殆んど網羅してるからな。例えばゼウスがエウロペを拐う話とか解釈次第で魂持っていけるだろ?そういう神話の出来事をベースに悪魔的な考えを混ぜれば良いだけだから、人間の〝悪意〟より予想が楽だぜ」
例題に上げた神話を簡単に説明すると、牡牛に化けたゼウスがエウロペという美女に甘えたフリして近付き、心を許して背中に腰掛けた瞬間、いきなり走り出して連れ去ったという話だ。その後はもちろん美味しく頂かれている。
このエウロペを人間に置き換えれば、魂を持っていく事ぐらい簡単だろう。
「セツニキって人間不信だったりするんですか?」
「探求ネキはまだ若いし、式神も居るから関係無い話だけどな?全く関係ない赤の他人が、俺が生きてる内に死んだ後の遺産の話を廊下で息子にして、その後に笑顔で大丈夫ですか?って入って来るのが人間だぞ」
『『『うわー……』』』
長生きをすると見たくないもんもたくさん見える。家族や親戚には恵まれていたが、欲しくもない〝緣〟に縛られていた事も実感してる。
ちなみに赤の他人は息子の会社員時代の同僚で、金に困っていた人間だった。呼んでも無いのに沸いて来る辺り、本当に人間は浅ましい。
「ま、前世の話だ。それより会議を始めよう。あんまり長引くと修羅勢が我慢出来なくなるからな」
『『『了解』』』
まずは異界の構築からだ。頑張ろう。
◇
探求ネキはフリー素材なのでうちの子になりました。
マジでこの章の主軸として使ってます(笑)