七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス) 作:墓守
「魂を知覚していない者の攻撃は俺には効かないよ!」
「くらえっ」
「共鳴りっ」
「患者の前です。静かにしていてもらえますか」
子供の頃から禪院家で直哉にボッコボコに鍛えられている虎杖は強かった。
そして魂を感覚で知覚しているが故、真人に特攻である。ちなみに飲んだ指は15本。
釘崎は対ドクター神谷の為、早めに訓練を受けていた。
そして術式的に真人に特攻である。
神谷は転生者だった。生まれ変わりという特異な経験上、また、霊力に関する経験や知識、呪術となる前は霊能力と呼ばれた力だったこと、それらから魂により近い術式だった。しかも、とても強化されている。そして恵はそれを受け継いでいる。
つまり、ドクターズの攻撃もまた、真人に特攻である。
虎杖のパンチが、釘崎の釘が、そして二人の攻撃に動きが止まった隙に病源蟲が襲いかかり、真人の動きをさらに遅くしていく。
そして直毘人と五条はそれを楽しげに見学をしていた。
「ずるくないかい!? 特に同じ人物に二人がかりで掛かられるとか意味がわからないんだけどっ」
そして真人が逃げに徹した瞬間。真人は呪霊玉になった。それはそのまま、夏油の口に飲み込まれる。五条は思わず固まった。
傑だ。でも違う。
「恵。大丈夫だったかい? 迎えに来たよ」
「夏油先生! 迎えに来てくれたんですか!?」
「自分もおるで。甚爾くんに褒めてもらうチャンスは逃さへんからな」
「恵、無事か。さっさと帰るぞ」
「いたのか直哉。親父」
「当主様に失礼やろ、ぶん殴るで!」
「やめろ直哉」
「はい」
「げっ 直哉さん!」
直哉を視界に入れた瞬間、恵は豹変した。なにしろ、直哉と恵は神谷先生と甚爾についてのゴタゴタで仲が悪い。
最も、逆に言えば、恵は直哉と両親にしか素顔を見せないのであるが。
「神谷先生やん! こっちでは生きとるんやな。なんや雰囲気違うけど。禪院直哉や。よろしゅう」
「よろしく?」
「神谷先生に話すな近づくな」
「禪院先生、手が止まってますよ」
「はい、神谷先生!」
治療に夏油も加わり、膨大な被害者のうち、100分の1くらいは救済できたのだった。禪院先生は力不足を悔しがっていたが。
「悟。生徒達と先生を預かってくれてありがとう。ついでに、一ヶ月ほど置いてくれないかな? 並行世界移動のクールタイムがそれくらい必要なんだよ」
「当たり前のように私を含めないでくれますか?」
「オッケー! でも仕事は手伝ってもらうよ。それと、そっちの甚爾……天与呪縛はどうしたの?」
「もちろんだよ、悟」
「ああ? 神谷先生に治療を受けた」
「マジで?」
「なんだか私に対するハードルがすごい勢いで上がっていくような……」
「だーいじょうぶ。神谷先生の病源蟲は特級呪霊にも効いたじゃん。僕が特級に推薦しておくよ」
「まるで大丈夫な気がしないのですが」
「へ、並行世界の俺! 俺のこと鍛えてくれないか!?」
「へ? あー。いいぜ。俺よりいい先生はいっぱいいると思うけど」
「ちょっと夏油先生。禪院家現当主と次期当主候補のナンバー2の両方連れてきてどうすんのよ。一ヶ月も手薄になりすぎない?」
「悟がなんとかするからいいんだよ」
「夏油先生、また五条先生と喧嘩したの? またプリンでも勝手に食べられた?」
「それは違うよ、野薔薇。今回は、プリンじゃなくてアイスだよ。それも北海道にしか売ってない限定もの!」
「同じじゃない……」
そして東京校はいつになく人数が増えて賑やかになったのだった。
虎杖の死は偽装し続けなくていいのか?
一ヶ月は人手が出来たし、その間に訓練をするから問題はないのだ。
宿儺の器が少なくとも15本まで問題ない丈夫な器ということもわかったし。
なお、当然大騒ぎになったし、総監部の胃は破壊されたし、直哉は東京校に突撃してきた。
一応、夏油先生と五条先生の諍いの理由は別にあります。
念の為。