七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス)   作:墓守

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アンケート回答、ありがとうございます!

塊魂の読み切りが書けたので、置いときますね。
モンハンVerはしばしお待ちください。



ゲームマスター(塊魂Ver)

俺の名前は天沼 月人。

ちょっとゲームを現実にできるだけの能力を持つ小学生である。

そして、今日。

 

俺は、出陣する。

 

リュックには棚に入っていた菓子パン。ゲーム。水筒。準備は万端だ。

 

緊張に顔を強張らせ、シューズの紐をしっかり結び、テリトリーを発現する。

不安に押しつぶされそうな非術師達は、雑魚呪霊を産んでくれている。

出来る。俺なら。頑張るんだ。

 

呪専に長い長いメールを送る。未来情報の書かれたメール。パパには、遺書も。

多分、これがスパイ溢れる呪専で五条悟に届く事はないし、敵に発見されるだけだろうけど。これで後戻りできないというケジメにはなる。

さあ、ゲームスタートだ。

 

俺は、コロコロと「塊」を転がした。

小さな塊には認識阻害の力が働くので、塊が小さな間は、誰も俺に気づかない。

 

スピードが勝負だ。

 

大丈夫、ゲームの腕なら誰にも負けない。

この数の呪霊なら、上手くやれば特級呪霊も行けるはず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 走る。走る。

 

「キャー!」

「なんだこれー!?」

 

 大きくなった塊には、逃げたくなる恐怖の影響を与える。

 俺は渋谷の街をゴロンゴロンと塊を転がしていた。

 

 術師、非術師、呪霊の分け隔てなく逃げていく。

 

 呪霊しかくっつかないように縛りを設けているので、呪詛師に襲われたら勝てる自信はない。

 できる事といえば、せいぜい、塊を転がしての体当たりと、塊を奪われないうちに星を空に返すぐらいだ。

 それをした時が俺の終わり。

 だって、呪霊の塊を1から作り出さないといけないから。

 

 轟音がしたら宿儺が暴れ始める合図。

 その時も俺の命は終わり。

 

 俺は、今日死ぬ。

 でも、転生者として、何か傷跡を残したかった。

 

 頑張るんだ、俺。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 塊を転がして転がして転がす。

 巨大な呪霊が巻き取られて、ますます塊は大きくなった。

 

 大きくなりすぎて転がせなくなった。

 

 ここまでか。

 

 俺は、呪霊達を星にして空に打ち上げた。

 

 それにしても、呪霊は意外と嵩張る。

 星に打ち上げた時が終わりだと思っていたが、塊が大きくなりすぎて、どうにもならなくなって何度か星にした。

 縛りさえなければ、ビルでも人でも障害物を巻き込んで大きくしていけるのだが。

 特級呪霊の巻き込みは無理かもしれない。

 

 水筒から水を飲む。まだ一口分はあるはずだ。あった。

 菓子パンを食べる。これが最後だ。最後の晩餐。

 

「ふぅ。……よし。行くか」

 

 立とうとして、膝がガクガクする。

 

「……はぁ、はぁ」

 

 しゃがみ込むな。がんばれ!がんばれ! がんばれ!!

 

「はぁ、はぁ」

 

 涙が滲む。死にそう。死んでもいいんだよ。今日死ぬんだから。

 立て。立てよ!!

 

「はぁ、はぁ」

 

 そこに影が落ちる。

 

「君はよく頑張りました。後は、大人の私たちに任せてはもらえますか?」

 

 顔を上げると、メガネの金髪の男がいた。

 

「……?」

「私は、七海建人と言います。君の名前は?」

 

 この人が、七海。僕はぼーっとする頭で告げた。

 

「ゲーム、マスター。五条、悟は? 封印、されちゃった? そうなら、俺がやらないと。呪霊操術、俺ならなんとか出来るかもだし」

 

 頑張って立とうとする。失敗。

 汗が冷えて、体が酷く凍えている。

 

「いいえ。連絡が間に合い、五条さんは封印されずに済みました。貴方が通報してくれたんですね。助かりました。貴方も病院へ。親御さんが心配していますよ」

「でも、呪霊がまだ。なんとか特級呪霊を巻き込まないと。漏瑚とか、真人とか、俺が頑張らないと」

「その二体は既に祓われています。もう、心配する必要はありません。君は勝ったんですよ」

「勝った……」

 

 ボロボロと涙が溢れる。

 

「俺、死ななくていいってこと? 宿儺に、殺されなくても……」

「ええ。もう大丈夫。さあ、術式の解除を」

 

 テリトリーを引っ込める。

 朝日が、照らし出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 起きる。知らない天井だ。

 

「お疲れサマンサー!」

「クシュッ」

 

 りんごをむいていた目隠しの男が笑う。

 

「おっと気をつけてね。寒かったからね。僕の名前は知っているかな? 月人」

「五条 悟……」

「そう! 君には助けられたよ。赤ちゃんの時以外で、誰かに助けられらのは初めてだ」

「そう、ですか」

「それで、起きたばかりで悪いけど、追加で情報を貰えないかな。それが終わったらお父さんに会えるよ」

「パパ、怒ってました?」

「心配してたよ。泣いてた。当然だね」

「そっかぁ……。これからも迷惑掛けちゃうだろうし、困ったな。俺、この戦いで死ぬと思ってたから」

「君、本当に小学生? 恵の上を行くね。大人に任せようとは思わなかった?」

「大人なんて馬鹿ばっかじゃん。今回だって俺がいなきゃ東京壊滅するはずだったんだし。日本人が一つの呪霊にされちゃうとか、パパもってことじゃん。困るよ。だから俺が頑張らないと」

「うーん、封印されるはずだった身としては返す言葉もないね! 馬鹿じゃないっていう君の見解を聞きたいなー」

 

 俺は知っている事を一生懸命話した。

 情報提供が済んで、ようやくパパとの面会である。

 

「月人!!! 心配した!!!! やはり、片親なのがいけなかったのか!? パパじゃ頼りなかったのか!? 1人でテロを止めようなんて、出来るはずがないだろう! やり遂げた息子凄すぎる、やはりお前はママの子だ!!!!」

「お父さんのお陰で君のメールに気づけたんだよ。最初は隠蔽されてたんだけど、君の遺書に気づいたお父さんが呪専に殴り込んできてね。それでメールの存在が公になった」

「お父さんが……」

「うおおおおおおおおおおおん!!」

 

 潰れる、潰れるってパパァ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺の証言を元に強引に捜査。

 呪詛師と繋がっていた証拠を発見して、総監部を摘発。

 秘匿死刑が乱発され、大掛かりな政変になりそうだということだ。

 詳しくは知らない。俺には関係ない事なんだって。

 めちゃくちゃ当事者だと思うけど、まあ、そういうならお言葉に甘えよう。

 呪術や呪霊が明らかになって、隠さなくなったのは良かったかな。

 

 報酬もいっぱいいただけたので、新しいゲームを買う事にした。

 1日休んで、次の日は学校で英雄になった。

 なんだか、テロを止めた少年ってことで報道されたようだ。

 俺は鼻高々だ。

 

「めっちゃくちゃ頑張ったんだぜ、俺!!」

「すげー!! 塊魂のゲームで人助けしたんだろ、あれ、人を巻き込まなかったの?」

「そんな事するわけないだろ。呪霊って悪いお化けしか巻き込めないように手加減したんだ。それがなければ障害物を気にする必要なくなって、強いお化けも巻き込めたんだけどなー。残念だなー。でも、俺のおかげで助かった人が大勢いるんだぜ!」

「英雄じゃん!」

「これからも戦うの!?」

「大人にも面子ってものがあるからなー。後は大人に任せてやんよ! それに新しいゲーム買っちゃったし」

 

 きゃっきゃきゃっきゃ。

 

 

 

 

 

「アメリカ超能力研究部の者です。アメリカでその才能を活かしませんか?」

「ひっさしぶり、月人! 高専入学まで待とうかと思ったんだけど、術者の誘拐やスカウトが凄くてさぁ。人手もない突き上げすごいし、保護する代わりに助けてくれない? あ、これ君の身分証ね。君、明日から飛び級して呪専生だから。すごいよねー。飛び級は初だよ、初! 僕を超えたね!」

 

 五条悟に渡されたカードには特級と書かれていた。

 

 大人なんて、馬鹿ばっか!!




なお、この後、五条悟ばりにクソガキでプラスして大人を馬鹿にする子供特級術師爆誕で五条悟は苦労する。
自分のクソガキっぷりを鏡で見せられて、ちょっと態度を改めたりする。
あくまでちょっとだが。
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