七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス)   作:墓守

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完結したもの
ドクター


強迫観念のように医師になりたかった。

 頑張って医師になったら、前世の記憶と霊能力に目覚めた。

 悪霊とかめっちゃ見える。むしろ幽霊が見えなくて悪霊しか見えない。

 能力名はドクター。幽遊白書かっ!!

 

 名前も神谷 実で同じだったので、すわ成り代わりか、とも思ったが、普通に幽遊白書があって安心した。

 いや、同じ名前、同じ顔(二次元と三次元の違いはあるけどさ)、同じ能力はやばいやろ。

 やばいやばい言いつつ、能力は使ってみる。

 

 結論。

 すごく便利だ。

 病原蟲は簡単に悪霊にやられるほど弱いが、視覚・聴覚は共有できるし、位置も把握できるし、使うと全能感が凄い。

 テリトリーも本物の神谷よりかなり広い。

 また、医療知識がスルスル頭に入るし、なんなら治療法もわかってしまう。

 ウィルスばかりではなく、薬も合成できる。強くね? 私強くね? 本物よりチート。

 

 麻酔も1人で出来ちゃうし、1人手術ができちゃう感じだ。

 

 ただ、能力がテロ向けなので、バレたらやばい。

 とはいえ、使わないのも馬鹿らしい。

 なにせ、病院は危険な悪霊が発生しやすいようなのだ。

 

 悶々としているとき、偶然院長先生を悪霊から助けることとなった。

 

「神谷 実! 職業医者! 能力ドクター! 本当かね!?」

 

 ひぃひぃと笑う院長先生。院長先生も幽遊白書が好きで、それを見て育ったらしい。

 

「しかし、その能力は知られると少し困るだろうね。よし! 我が病院では存分に力を振るいたまえ! フリーの呪術師と契約したと国には言っておこう」

「呪術師、ですか?」

「そういう職業があるのだよ。私もあまり良くは知らないが、資料を取り寄せておこう」

 

 そう言って、院長先生は私を認めてくれた。

 嫌な予感がした私は、呪術廻戦で検索した。出なかった。

 バレたら絶対秘匿私刑される奴じゃないですかー!

 

 私は病院以外では力を使わないことに決めた。

 

 でも、病院内では話は別だ。

 

 当医院では呪霊の来院はお断りしています。

 急患が来たら、私の出番。神谷スペシャルでお願いします! と看護婦が声を張り上げ、患者さんを眠らせて手術室へ。

 熟練の医師が見学をしたりして、私は気分良く音楽に乗って執刀する。

 

 神の手の持ち主、と持て囃されれば気持ちがいいし、ボーナスも病院からもらえる。

 感謝されて、お給料が貰えて、能力を駆使できる。

 休日まで配慮される。

 

 我が世の春だった。私の楽園はここにあったのだ!

 

 そんな私だが、ちょっとしたハプニングがあった。

 通り魔に襲われたらしきご婦人を通りがけに見つけてしまったのだ。

 というか、犯行を見てしまった。白昼堂々である。こ、こわぁ。

 

 私はすぐに駆け寄り、ご婦人を治療する。

 

「私は医師です! 気を強く持って!」

「邪魔をするな!」

「医師が治療をするのを邪魔されるいわれはありませんね」

 

 テリトリーを拡げた時点で、相手は逃げていった。

 私の仕事は警察ではない。

 必死に治療し、旦那さんも駆けつけて、なんとか事なきを得た。

 

「ありがとう……! ありがとう!」

「はっはっは。私は名医ですから。貴方もどうやら、ご病気の様子。是非我が医院で神谷スペシャルをご依頼ください」

「甚爾さんが病気……!?」

「まじでか」

 

 まじでか。え、甚爾さんってあの甚爾さん?

 でも、治るって言っちゃったしなぁ……。口止めするか。

 

「ええ、でも大丈夫。私なら治せます。ただし、条件がありますが」

「条件?」

「ええ。私の超能力のことは、ご内密にお願いします」

「超能力? それだけか?」

「それでも気になるようでしたら、奥様の治療の対価を貴方の治療費に上乗せしておきますよ」

「わかった。必ず治療に行く」

 

 その後、病院に来てくれたので治療した。

 なんだか霊力が上手く作動しないようだったので、治療した。

 泣くほど喜ばれて、私は更に鼻高々になった。

 

「先生は最高の名医だ!」

「知ってます。くれぐれも内密にお願いしますよ」

「ああ!」

 

 いいことをした後は気分が良い。

 

「先生は、自分の力について知りたいとは思わないか? もっと活かしたいとは思わないか?」

「私は、今のままで十分幸せですよ」

 

 ウィンクしてみせる。

 だから私を巻き込まないでください。お願いします。

 

 

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