七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス)   作:墓守

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グルメ3

「何もわからなかった上に秘匿死刑って何だよ。気になってたのに」

「妄言、だったそうだが……」

 

 戸惑いながら、夜蛾が答える。

 

「なんか怪しー」

「メロンパン入れ……エイリアンに寄生されちゃったりするんだろうか」

「俺がさせねーし! お前もそんな簡単にやられるたまじゃねーだろ!」

「う、うん。そうだね……。私も、宿儺なんかに悟を殺させはしないよ」

「とりあえず、先生ってことは未来だろ。理子ちゃん護衛依頼が来たら考えようよ」

 

 そうだな。

 

 それから一週間後。夜蛾は心配そうに告げた。

 

「天内理子の護衛依頼が来た。悟と傑を指名されているが……休むか? 傑が呪詛師になる危険性は冒せない」

「はぁ!?」

「でも俺と傑で失敗した依頼ってことだろ、つまり? 俺一人で行くわけ?」

 

 言ってしまってから、悟は口を閉じた。

 大事な親友を失う可能性。依頼の危険性。

 

「とりあえず、俺と傑はその場では生き残るんだろ? 護衛を殺すつもりはないのかも。俺が一人で受ける」

「そうだな。この依頼は抹消も兼ねている。天元様との同化を成功させた可能性も」

 

 悩みながら五条と夜蛾が言った言葉は、全く説得力がなかった。

 それは流石に楽観が過ぎるし、自ら抹消させたなら、守れなかったという言葉は出ないだろう。妄言と言い切ってしまうには、巻原は気持ちの悪い存在すぎた。漫画そっくりの存在。嘘を言って揶揄ったりするような知恵があるようにも見えない。本当に、思ったことを言っているだけに見えたのだ。

 

「待ってくれ。私と悟がいたからギリ殺されないで済んだのかもしれない。そんな危険な依頼に戦力を削って行くなんて馬鹿げてる。他に人数は増やせないんですか、先生」

「それは俺も考えたが、お前達以外となると、却って足手纏いになりそうでな。一応、呪骸は預けるが、足りないだろうな……」

「舐めてたんじゃねー?」

「仕事に手を抜くかよ。その上護衛依頼だぞ」

 

 硝子の言葉を断じる悟。

 

「悠長に話している時間もないのだ。失敗するという事なら、襲撃は必ずあるということ。悟。傑には気をつけてやってくれ。硝子は待機」

「わかった」

「気をつけて行けよ、お前ら」

 

 そして、護衛依頼に行くと、爆発音とビルから落ちる女の子。

 

「これで失敗したって事なら楽でいいんだけどな!」

「流石に、これぐらいのピンチは乗り越えてるだろ!!」

 

 夏油が走る。そうして、天内を助ける。

 学校に行くと言われ、軽く話し合う事になった。

 

「失敗の予言を受けておるじゃと? どういう事じゃ!!」

「俺らもわかんねーんだよ。だから、不確定要素は排除したい」

「嫌じゃ! 妾は学校へ行く!!」

「悟。こちらの都合で最後の望みは潰せないよ」

「ちっ でもよ……! 傑、こんなガキンチョに一目惚れしてねぇよな?」

「ななな、何じゃと!?」

「いや、それはないよ。大丈夫、悟」

 

 道中、実は天内をどうするかの話し合いはしていた。

 どうするかと聞かれて、悟はまず初めに、傑に忠告した。

 

「まず、傑は天内に感情移入しないこと! 成功しても失敗しても死ぬんだからな」

「悟……。でも、何とか助けられないかな」

「俺は、傑が呪詛師になるのも寄生されるのも嫌だ。天内って知らない女の子が殺されるより、ずーっとヤダ!!」

「怖いのかい? 悟。私が倒せない?」

「こえーよ。大体、お前、宿儺から守ってくれるじゃないのかよ。お前こそ、天内って女と俺、どっちが大事なんだよ」

 

 夏油は、キョトンとした顔をした。

 そうして、強がったような笑みを浮かべる。

 

「そうだね。天内理子が私が一目惚れするほど可愛いかもしれないしね」

「傑! 真面目に言ってる。呪術師なんだ、何でも手に入るってのはこの世界じゃ幻想だ」

 

 その言葉に、顔を伏せて夏油は約束をした。

 

「ごめん。そう、だね。私も悟を選ぶよ。約束する」

「絶対だぞ!!」

 

 五条は不安だった。

 沖縄に行った時。楽しく遊びながらも、ずっと慈しむような目で天内と五条を見ている夏油が不安だった。感情移入するなって言ったじゃんか。傑……。五条の祈りは届かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、悲劇は起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 天内の死体を抱き上げる夏油。

 優しげな笑顔で暖かい拍手を浴びせる民衆。

 それを見た時、五条の背筋を冷たいものが走った。

 嫌だった。不安だった。嫌な予感が止まらなかった。

 天内はいい。でも傑はダメだ。

 

「やめろよ! ざけんな!!」

「悟。私は大丈夫。それより、通報しよう」

 

 強張った声。

 五条は夏油を庇うように連れ出した。

 

「伏黒甚爾……って言ったっけ。あいつは?」

「逃げた。あいつが俺を殺すのかな。宿儺の器になって」

「させない。……大丈夫だよ、悟。悟まで奪わせない」

 

 その声は、呪術師らしく、とても。とてもドロドロとした呪いを孕んでいた。

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