七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス) 作:墓守
それは、交流会間近での事だった。
映画を見ていると、突如として部屋に同級生の恵と知らない青年が現れる。
「悟! 悟!! 一緒に宿儺を倒すって約束したじゃないか、裏切るなんて許さないぞ!!」
「親父!! 親父、ウゼェんだよ、ふざけんな、俺は……!!」
絶望に騒ぐ二人に、虎杖は驚愕する。
「えっ 五条先生と伏黒って親子なの」
「「違う!!!」 誰だい、君。いや、悟以外どうでもいい。そう、悟がそう言ったんじゃないか。俺だけ信じろって。なのに裏切るなんて……」
「五条先生に何かあったの? 俺、なんか出来ない?」
絶望と悲しみに暮れる青年に、虎杖は心配する。
「先生? こっちの世界では先生やってんのか、五条さん。俺達は並行世界の人間だ、呪専が襲撃されて、俺たちだけ逃がされた。直ぐに戻りたいから、呪具の使用許可が欲しい。誰に話を通せばいい?」
【なんだ。尻尾を巻いて逃げてきたのか。相手は俺か?】
宿儺が言って、虎杖は慌てる。
「えっ 伏黒と、えと」
「夏油さんだ」
「伏黒と夏油さんって、俺と戦ってんの?」
その言葉に返ってきたのはキョトンとした顔だった。
「「誰?」」
「虎杖悠仁。宿儺の器」
「宿儺の器は多分俺だが?」
「それに襲ってきたのは全く関係ないグルメという呪詛師だよ」
「えっ 宿儺の器って伏黒もなの?」
虎杖が聞くと、伏黒は頷いた。
「ああ、宿儺に乗っ取られて五条さんを次元斬で殺すって予言があって。それが多分俺って話だ。それで、秘匿死刑の話も出てて、生まれてからずっと逃げてて……。苗字は伏黒で術師の名家の出なんて俺か親父くらいだし、親父は天与呪縛だしな。でも、グルメに勝てるのなんて、宿儺ぐらいしか……なんとか宿儺に力を借りるぐらいしか」
「それはダメだよ。グルメが宿儺を食ったらそれこそ手が付けられない。ただでさえ勝ち目がなくて困ってるのに」
「でも、どうにかしないとだろ!」
【俺を喰うとはいい度胸の呪詛師がいるようだな。で、どんな呪詛師だ】
「よくわかんねーけど、先生に相談させてよ。頼むからさ。そっちの事情はよくわからないけど、俺の知ってる五条先生は裏切りとかしない人だよ。っていうか、そうだよ、そっちの五条先生は、伏黒と夏油さんになんとかして欲しくて、ここに飛ばしたんだよ、きっと」
二人を説得した虎杖は、早速五条先生に連絡した。
「五条先生? ……なんか並行世界の伏黒に助けを求められてるんだけど。今。いや、本当だって! 伏黒と、あと夏油さんって人なんだけど」
「傑!?」
唐突に五条が現れる。転移は相変わらずチートである。
「悟……! 早く悟の元へ帰らなきゃなんだ。協力してくれないか……!」
「傑。焦るのはわかるけど、並行世界に行くなんて呪具、こっちにはないよ。探すところから始めないと」
「そ、そんな……」
「焦るのはわかるけど、最初からちゃんと全て話してほしい。あ、伊地知と七海と硝子も呼ぶよ」
「う、うん……」
そして、ポツポツと夏油は話し始める。
「うーん、漫画のキャラに漫画のキャラだって言われた、ねぇ。伊地知、今の証言出来る所まで裏取りして」
「は、はい!」
「にしても、へぇ。使える手駒が現れれば、上はそう動くんだね。もう敵じゃん。殺して良くない?」
「落ち着いてください、五条さん。聞けば並行世界は呪術界が機能停止に陥り、絶大な被害が出た様子。言い逃れできないよう根回しと理詰めをして大義名分を得て秘匿死刑を敢行しましょう」
「七海も切れてんじゃん」
「時間もないし、呪物の場所はわかったし、僕が忌庫から道具取っていってくるよ」
「私も! 私も連れて行ってくれ!」
「向こうの狙いは傑なんだろ」
「だとしても! わ、私には悟だけなんだ……。一緒に戦いたいし、敵わないなら一緒に死ぬよ」
そこまで言われて、五条が夏油を拒絶できるわけもない。
「いいよ、おいで」
そうして、しばらくして五条と夏油が現れた。
「俺らが邪魔だからこっちで影武者してろってひっでぇな!」
「でも凄いね、こっちの世界の悟。あれなら……」
「ああ。悔しいけど、あいつの方が強い。くっそ、どこで差ができたんだよ」
「あ、頭が痛い……」
「まあ、あいつのことだから無事に帰ってくるだろ」
なお、五条がクソガキすぎて秒でバレ(そもそも並行世界の五条は先生ではない為生徒達と面識もない)、交流会は会議の場に変わったのだった。