七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス)   作:墓守

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ここ好きと評価、アンケート回答、ありがとうございます。

感想はもちろん、ここ好きは面白かった所があるのか、
アンケート回答は読者がいてくれるのかなど、大変参考になるからありがたいです。
大変励みになります。

ありがとうございます。

でも……
感想をください( ;∀;)

グルメ完結したのに感想来なかったのはとても悲しいです……。
シーマンも…シーマンも感想を……

未ログインの匿名でいいから……
一言評価でもいいから……


あ、この話で五条と夏油がいちゃついてるので苦手な方はご注意です。(取ってつけたように)


シーマン2

灰原達の任務が空振りだったと聞いたが、その時の様子がおかしかったらしい。

悟も改めて調査に行ったそうだが、一級相当ではないかという事だ。

そういう事が何回かあり、悟の方からクレームを入れてくれたらしい。

 

「わざと等級違いの任務入れてたかもしれないんだよな。いや、入れてた。ちょっと注意しとくわ」

「そんな事をするのかい? だって、術師は数が少ないのに」

「総監部は魔窟だからな。……多分、俺のせい。ごめん」

「悟のせい? それなら私だって同罪なんじゃないか? でも、まさか気に入らないからってそんな事を……」

「やる。上はやる。しばらく注意して依頼を確認してみる。お前の依頼もチェックさせろ。おい、どうした? 傑。傑っ!!」

 

 疲れていた頭に、鈍く意味が染み渡って、気がつけば私は吐いていた。

 非術師は敵だった。術師は敵だった。

 安寧はどこにある。終わりのないマラソンゲーム。気持ち悪い。

 

 

 

 

 起きると、医務室で、悟と硝子が心配そうな顔をしていた。

 

「過労だって。怪我だけじゃなくて、そういうのも見るべきだよね。ごめん」\

 

 頭を下げる硝子。私は情けなさに拳を握った。

 

「私が自己管理できなかったんだ。心配させて悪かったね、悟、硝子」

 

「とりあえず、傑の依頼見たけど、胸糞系の依頼が多い上に割増されてた。とりあえずざっくり半分に削って……いや、いっそ休んだ方が」

「悟も凄い割り増しされてたじゃん。最強休業した方がいいんじゃ?」

「俺はいいんだよ」

「私もいいよ!」

 

 悟の言葉に、反射的に私は答えていた。その語尾の強さに自分で驚く。

 でも、悟に負けたくない。

 悟が出来る物をできないと言いたくない。

 硝子が小さく、ばか、と呟くのが聞こえる。

 悟は目を白黒させて驚いている。

 

「あのさ、傑。自己管理をちゃんとするのも術師としての仕事なんだぜ。お前、吐いて倒れたんじゃん。せめて、依頼を一緒に……」

「嫌だ」

「嫌だって……」

「悟が一人で出来るなら、私だって一人で出来るよ。私だって特級なんだからね?」

 

 そんな言葉を、見苦しいと思いながらも吐き出していた。

 

「傑」

 

 心配そうにしている悟に心を炒めると共に、苛立たしく感じた。

 そうして、任された依頼が、正体不明の呪詛師の討伐だった。

 どうやら、悟が呪霊退治の依頼を根こそぎ奪った結果らしい。

 とはいえ……確かに、胸糞悪い依頼を任せようという意図は感じないでもない。

 いや、考えるな。何も考えたくない。気持ち悪い。

 

 どうやら、その術師は雨の日に現れるらしい。水に関する術式の持ち主なのだろうか。

 雨の日に張るという事は、相手の土俵で戦うという事だが、どうでも良かった。

 私は特級だからというのもあるが……正直に言おう。自暴自棄になっていた。

 

 相対したのは、少年。私よりも若い。中学生だろうか。

 中性的な美貌を持つ少年は、ワタワタとして私を気遣ってくれた。

 

 後輩のいくつかの罠依頼の現場で感じた残穢……だと思う。

 なるほど、恩人をその手で殺させようとは、総監部は性格が悪い。

 だが、呪力はとても弱いのが不思議だった。ただ、強い呪力の残穢をいくつか身に纏っている。不思議な少年だ。

 私が名乗ると、少年は小瓶を投げる。

 小瓶から出てきたのは、呪力を感じ取れなかったのが不思議な程、強力な呪力を持った呪霊達が現れて、暴れ出した!!!

 なにをやっているんだ、私は! 頭をはっきりさせろ!!

 一級や特級案件を横取りしてたんだ、油断できる相手ではないだろ!!

 私は自分が疲れていた事や、相手への嫉妬を自覚する。

 呪霊操術なのだろうか? くそ、悟の隣がこんな奴に奪われたら……!!

 

 私は、必死になって呪霊達を調伏した。

 

 足掻いて、足掻いて、ボロボロになって。

 最後の呪霊を捕獲して飲み込んだ後、私は倒れこんで動けなくなってしまった。

 幸い、四肢欠損などはないから、すぐに反転術式を使えば治るはずだ。

 しかし、治療は間に合うだろうか。

 

 ……私、ダメだな。

 

「傑っ!!!」

 

 その声に安堵してしまう私は、やはり悟の隣は相応しくないのかもしれない。

 

 

「悟。恥ずかしいところを見られちゃったね」

「待ってろ、すぐ硝子のところに連れて行く!!!」

「相手、多分呪霊操術なのかなぁ……。悟の隣、盗られちゃうね。とても悔しいよ」

 

 ボロボロと涙が流れるのをなんとか腕を上げて隠す。

 

「俺の隣は傑だけだっての!!! そもそも、俺はお前が呪霊操術だから友達やってんじゃねぇよ、見縊んな親友!!! ずっと側にいろよ、つーかぜってー離さねーから!!」

「さと、る」

 

 血を吐く。悟は焦った顔をして、必死になって呪力を向けてきた。

 私の傷が治っていく。ああ、また置いていかれる。

 

 温かいものが胸に広がると同時に、ぽっかりとした穴から落ちていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんて事を考えていた自分が恥ずかしい。

 待て、私は悟に何かとても恥ずかしい事を言ってなかったか?

 やはり疲れていた。疲れていたのがよくないのだ。

 大体、調伏できたって事は、支配下にはなかったということ。つまり、呪霊操術なわけがないだろ。というかあれくらい、普段だったらなんの問題もなかったと思う。

 つまり疲れてるのが悪い。疲れてるのが悪いんだ。

 

「さ、悟。反転術式習得おめでとう」「夏油に対してだけだけどな」「は?」

「なんか必死なあまり、縛りを無意識に結んじゃったみてーでさ。俺の反転術式は俺とお前にしか効かねーの。他の呪霊に向けるのも無理!」

「なんて無駄な……すまない悟、私なんかの為に」

「これでいーの! これがいーの! 傑。お前が顔も知らねーやつに嫉妬してくれんのは嬉しいけどさ。俺はお前の隣は誰にも譲らねーから!! 俺を信じろよ」

「……ははっ」

 

 涙が溢れたのを顔を伏せて隠す。ぎゅうっと悟のシャツを握ってしまった。

 術師が信じられなくても。非術師が嫌いでも。この世に一人、悟だけ信じられればいい。それがストンと胸に落ちた。

 後は硝子と、七海と、灰原と夜蛾先生と……なんだ。安心できる場所、あるじゃないか。

 

「……ええと、私、席を外せばいい? 夏油、五条が結婚しても暴れんなよ」

「暴れないよ! ちゃんと祝福するさ。親友だからね」

「え。俺は傑が結婚するってなったら面談はするけど」

「なんでだよ!」

 

 そうして、いつもの日常が戻ってきて、私は数日休んで英気を養ってから仕事に戻る事にした。

 休暇終わり、悟が依頼を持ってくる。

 

「傑、するだろ、リベンジ! 俺と一緒に行こうぜ!」

「当然!!」

 

 私は、久しぶりに……本当に久しぶりに、笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 少年は強かった。

 液体内部が異空間扱いで、呪力なども遮断できると聞いた。凄い。

 また、格上の呪霊も水に閉じ込めることで封印ができるそうだ。異空間なので呪力差は関係ないということ。凄い。

 血液といえば加茂家なので、加茂の家に迎えにきてもらったということも悟に聞いた。

 

「色々強い呪霊を確保して貰えば、私も助かるし仲良くなりたいな」

「でも一番仲良いのは俺だからな!」

「わかったよ、悟。じゃあ今度、3人で話す時間を取れるか聞いてみてくれないか?」

 

 そこで、私はトーンを落とす。

 

「ジュジュキュアって発言については誰が言ってたかしっかり聞いておかないとね」

「えー。今度から名乗ろうぜ。二人はジュジュキュアって」

「嫌だよ」

 

 それにしても、あの少年のおかげで強い呪霊をいくつか取り込めたので、色々試したい。

 

「今は先を行かれているけれど、加茂家の少年も悟も、いずれ追いついてみせるから」

「でも強さって簡単に比べられるもんでもねーし」

「なんだい? 私に気を遣ってるのかい?」

「あいつ、傑が本気で戦えば瞬殺だぜ?」

「は?」

「あいつ本体は縛りですげーよえーし、たとえ水に取り込まれても、水の外に呪霊出してあいつボコるくらい、傑は簡単だろ。あ、でも隠れた状態で水に捕獲されたら、溺れるまでに倒さなきゃだから、ぎり傑が負ける事もあるかも? いや、全方位攻撃すりゃいいし、射程距離そんななさそうだしな、あいつ。式神使いは本体を狙え。基本だろ、傑」

「確かに……言われてみればそうだね」

「遠距離攻撃の使える呪霊も同じ。あいつ今まで運が良かっただけだって。ただ、あいつの力をうまく使えば、特級のかなり格上でも封じておけるし、特級も狙えるんじゃないかなぁ。あいつ本体は、3級、せいぜい2級が……やっぱ無理だわ。本体は3級くらいかな。で、俺はあんな、なよっとした奴好きじゃねーの。俺の隣は傑!」

「それはもうわかったよ」

「わかってないから言ってんの! 後、あいつが灰原達助けてくれたの確定だから、お礼も言おうぜ」

「そうだね。それは言わないとね。でも私、あの少年は嫌いなタイプではないな」

「すぐるー! そういうとこだぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日、私と悟は加茂家に無関係な少年を売り渡したと知り、お礼を言う前に謝り倒したり特級の真実と共に煽られて喧嘩になったりするのだった。

 悟も思い込みや先入観で早とちりすることあるんだな。

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