七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス) 作:墓守
細切れ更新ごめんなさい。
真希は慟哭した。
半身たる真依を失って。
乙骨は慟哭した。
婚約者たる里香を失って。
恵は慟哭した。
姉たる津美紀を失って。
上層部は腐っている。ああ、それはそうだろう。
そもそも失った原因は、上層部が腐っているからだ。
変わる前の未来でも、失われた命だった。
そうあるはずだった運命よりは、遥にマシな死に様だった。
それがどうした?
夏油 傑は生きている!!!!!
同じく背負った死の運命。
彼らと夏油にどんな違いがあった?
何も違いなどありはしない。
なぜ夏油は救われて、彼らは救われなかった!?
不公平だ。許されざる横暴だ。
理性は、容易く情動に上書きされる。
未来を知っておきながら、なぜ救えなかったのかと。
自分の弱さが憎かった。
革新派の拡げる手の短さが憎かった。
結局、彼らが長い年月を掛けて必死に変えた未来は、救えたのは、東京一個分の非術師と、特級術師がたったの1人。
それだけだ。
そして、特級クラスの術師殺し、禪院真希に。
特級術師の乙骨憂太に
最大のポテンシャルを秘める、十種影法術の持ち主、伏黒恵の胸に。
消えぬ呪いが染み付いた。
3人は結託する。
目的は現在の上層部の一掃。
他者に犠牲を強要するような上層部などもういらない。
そう、現在の上層部。
革新派と呼ばれつつも、他より遥かにマシではありつつも、3人にとっては、五条も夏油も加茂も禪院直哉も腐った蜜柑なのだから。
腐った蜜柑を消した後に、腐りかけた蜜柑も排除する。
そもそも、足を引っ張る外敵内敵を一掃できさえすれば、人数は足りるのだ。
その企みは成った。
外敵と上層部を一掃した彼らを並行世界へと叩き落とす。
自分たちは奴らとは違うので、殺したりしない。
ただ、あるべき場所へ、あるはずだった地獄へと叩き落とすだけだ。
これは、世界への復讐だった。
バッドエンドなど壊れてしまえ。
【もう。恵ったら、私は五条さん達を憎んではいないのに】
【そうだよ。私達は、私達で道を選べただけ、幸せだった】
【(お姉ちゃん)】
特級過呪怨霊、津美紀。
特級過呪怨霊、里香。
そして特級呪具の真依。
3人が宥めるも、3人は素知らぬ顔だ。
「落とし前をつけただけだよ、ねぇさん。粛清した奴をトップには置けないだろ」
「五条先生達のおかげで、息のしやすい呪術界になった事は感謝しているよ」
「ま、私らは平和な世界より、真依達のいた世界を望んだんだけどな」
【それは……そんな未来はなかったんだよ】
津美紀は悲しく笑う。
「認めない」
恵はその手をそっと握る。呪霊だから、力を込めて握ればすり抜けるだけだけど。
「五条先生達、今頃どうしているんでしょうか!」
「あいつらのことだから、図太く生きてんだろ」
「確かに!」
それでも、感情にようやく一区切りがつけたから、3人はようやく歩き始める。
未来を。