七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス) 作:墓守
「あーあ。最悪や」
人が累々と横たわる上に座り、直哉は愚痴を垂らしていた。
「自分は平穏に生きたいだけなんや。社畜大歓迎や。せやから機嫌なおして?」
「ふん、強くなったではないか、直哉」
「そりゃまぁ、めっちゃ頑張ったもん、自分」
「自分が頑張ってなかったっていうんか!?」
ボロボロの直哉が文句を言う。
「せやで」
あっさりと肯定した直哉は、ちょいちょいと挑発する。
「好きなだけ揉んでやるでー」
「クッソ!!!」
「で、真希ちゃん。こっちではどうするんや?」
「ちっ 真依より大事なもんはねぇよ」
「ちょっと、今更? 私を理由に降りるなんて言わないでよ。そりゃ、死にたくはないけれど」
こうして、直哉の禪院家での夜は更けていく。
一方、加茂家では。
「久々の敵地だな」
「言い方」
「異世界の私。ひとまず、君と手合わせ願いたい」
真剣な顔をした憲紀。2人は顔を見合わせて、手合わせをする事にした。
「君は随分兄弟が多いみたいだが、当主なのか!」
「兄弟ごと追い出されたから、どうかな……。本妻の子が頑張ると思う」
「継げなくなっていいのか、母様を迎えに行くのはどうしたんだ!」
「母様とは大掃除が終わった時点で円満に別れている。あの人は血濡れた道に関わる必要はない。当主としての責任も十分以上に果たした。あとは次世代にバトンタッチしても許されるはずだ」
矢を、血を交わしながら戦う。
「もとより、私にとって守るべき家とは兄弟達だけだ。私が本家!! あっちに残ったのは分家! こっちで新生加茂家として盛り立てていく! あ、そちらには関わるつもりはないから安心してほしい」
「そんなわけにはいかない。君には加茂家次期当主として絶対に従ってもらう。そのために! 勝つ!!」
「君は領域展開出来るのかな?」
「なんだと!?」
そして、向こうの世界の憲紀は領域展開を行う。
その次の瞬間。
自分そのものと言っていい呪力に、こちらの世界の憲紀は呪力の核心を掴んだ。
「領域展開!!」
「ずるい!! 何それ狡すぎないか!?? 卑怯にも程がある!!」
「頑張れー」
他人事のように応援しているが、このあと何故か2対1戦わされる清志である。
「別世界の俺!!! 術式使って見せて!! あと、そっちの釘崎と伏黒について聞きたい!」
「えーとな。伏黒は特級呪霊の津美紀といつも一緒にいて、すげー誰も寄せ付けない感じで、ちょっと心配になる奴。でも真希や乙骨には気を許してるみたいだし、友達がいないわけじゃねぇな。釘崎もどっちかというと伏黒側」
「津美紀が特級呪霊!?」
「狙われてるし守りきれんよなって話になって、津美紀が伏黒に呪霊にしてくれって頼んだらしい」
「狙われてるってどういうことだ! 津美紀が倒れたのはそのせいなのか!」
「そのまんまだけど? あ、こっちではやっぱ倒れてるんだな。呪肉体に確か天使って呼ばれる受肉解除できる奴がいるけど、成功率低いらしい。耐えきれずに死んじゃうかも」
虎杖が伏黒にキリキリ締め上げられて情報を献上する中、脹相は壊疽と血塗から話を聞いていた。
楽しそうに生活を話す2人に、脹相は、何故人として生きることを決断しなかったのかと過去の自分に対して後悔していた。
「傑」
「悟。大丈夫。私は大量虐殺しない、良い子の私だよ。怖くないよー」
「お前が怖かったことなんてねぇよ」
「あ”ぁ“? 誰が雑魚だって?」
「言ってねぇよ」
美々子と菜々子をくっつけた夏油に、五条も手を伸ばしたその時。
五条悟が立ちはだかった!
「ちょーっと待った! これは俺の傑だし、10年ぶりにやーっと取り戻した親友なの! こっから俺と傑の蜜月タイムが始まるから、これ以上話をややこしくすんな」
「あはは。美々子。菜々子。そういうわけで、私は猿を猿と思っているわけではないんだよ」
「はいダウト。猿って言ってんじゃん」
「猿は猿だからね。でも術師にもめちゃくちゃ虐められてるからね。今は猿も蜜柑も等しく嫌いだよ。私の味方は憲紀と悟だけさ」
「加茂家に人質に出されたって言ってたな」
「うん、毒盛られたり大変だったよー。でも幼児が、失礼、子供が頑張っているのに私が逃げるわけにはいかないからね」
穏やかに笑う夏油に、夏油シンパは目を潤ませた。
「とりあえず、加茂家は殺しましょう、夏油様」
「お手伝いします、夏油様!」
「ははは、やめてね? 私は今度こそ平穏に生きるんだから」
「平穏ねぇ。ま、傑と一緒ならそれも良いかなー」
「俺の傑! 俺の傑!!」
なおこのあと、再度集まった際に直哉と憲紀と脹相が領域展開できるようになったことが判明し、虎杖が我儘を言ってめちゃくちゃ領域展開の練習をした。
宿儺の残りの指は、漏瑚を倒して無事、清志が封印をしたのだった。