七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス)   作:墓守

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ゲートキーパー2

 七海は慌てた様子で呪専に来ていた。

 

「五条さんが行方不明と聞きましたが」

「は、はい。これが五条さんからの最後の連絡です。う、ぐぇ」

 

 伊地知は保健室にいた。そして、顔を真っ白にして、吐いている。

 

「……清々しいほど別人ですね。これを見るに、計画性はなさそうですが……。毒ガスの効能は分かりましたか?」

 

 差し出されたスマホの連絡アプリに書かれていたのは、いかにも怪しい言い訳だ。

 

「悔しいけど、まだ何もわからない。位置検索で最後に確認できたのは荒野のど真ん中。そして、調査に行った人間とその近辺の街で、体調不良を起こした者が何人かいて、伊地知もその一人。収容して様子を見てるけど、頭痛と吐き気がするみたいってぐらいかな」

「五条さんもそうなっている可能性が高いと」

「で、そんな毒ガスとやらを運用する奴が、呪詛師でないはずがない。なんらかの事件を起こす前段階の準備だったと思われる」

「ご、五条さんは、何かおかしいから調査に行くと……その後、転移で消えてから行方がわからなく……。それと、この毒ガス、まだ効能があります」

「何」

「頭痛がした時から、呪力が……呪力が全く練れません」

 

 七海が、家入が表情を強張らせた。

 

「すぐに調査員を。非術師の方がいいかもしれません」

「急いだ方がいいな。一応、呪力だけの男ではないが……万が一という事もある」

 

 遠隔操作ができるメカ丸調査を行なったところ、キャンプ後と嘔吐の痕が見つかった。

 五条悟が無力化された。その噂は即座に広まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、樹は困り果てていた。

 こんなに苦しむなんて聞いてない。五条悟の具合がやばい。食料もやばい。目から血が流れる症状なんてなかったぞ。

 事態を甘く見ていた為、ゼリー飲料やスポーツ飲料をそんなに買っていなかったのだ。一人増えたし、頻繁に水分を取らせることが肝要だ。

 

 つまり、医者と買い物が必要だ。

 

 でも見えない状態で出来るはずがない。

 

 困り果てた俺は、メッセージを送った。

 

『伊地知、ゼリー飲料とスポーツ飲料を指定の日時と場所に持ってきといて』

 

 よし、五条悟っぽい。後で裏男に回収させておこう。

 送信、と。うわ、いっぱい返信きた!

 

 怖いから読まないでおこう。

 あと、病院だな。

 幸い、五条悟は保険証を持ってきていたようだ。

 普通に医者に掛けよう。

 

 一応、万一を考えて事前に北海道の病院を探しておいたのだ。

 

 五条悟が一人で歩いているように見えるように肩を支え、病院の受付に向かう。

 

「う……」

【余計な事を言わず、症状だけ言ってくれないか】

 

 めちゃくちゃ悪者ムーブだな、俺。

 

「頭痛がして吐き気がする。目が痛い。めまいも。体の中ぐちゃぐちゃに掻き回される感じがする……」

「この症状は、最近北海道で流行り始めている奇病ですね。東京の特殊な病院に搬送する事になりますね」

 

 えっ そんな範囲広いの? やばいじゃん。

 それに、蛍も医者に掛けた方がいいんじゃないか?

 とにかく、ここを離れるのはまずいな。

 

【搬送は断ってくれ】

「この病院がいい……ちょっとこの地域を離れられない事情があって」

「それは……ちょっと相談してみますね」

 

 すぐにベッドを用意してもらい、休みながら待たせてもらう。

 ありがたい。

 

 しばらくして医者が現れ、診察を行う。

 翌日には東京から名医が来てくれるそうだ。ありがたい。

 しかし、さすが大きな病院。緊張感があるな。

 え? 北海道で奇病が発生していることが原因? すみません。

 

「悟!! くっ」

 

 なんだかポニテの女の子が飛び込んできて、俺を睨んだ。

 口を隠した男の子も飛び込んでくる。

 

「テメェ、何が目的だ」

 

 こ、怖い。うーん。もしかして真希さんと棘くんだろうか。

 そういえば、真希さんて呪霊と会話ができるのだろうか。

 どうなんだろうそれにしても怖すぎだろ、真希さん。これが殺気というやつか……。

 思わず五条悟を盾にする。守って最強先生!

 

「やめろ、悟に手を出すな」

「おかか!」

【家入 硝子は来たのかな?】

「……これから来る」

【そうか。明日には医者ごと回収するから、何人分かの治療物資も用意してくれ】

「おかか! 明太子!!」

「悟をどうするつもりだって言ってんだよ!」

【病人の前だ。騒ぐようなら帰ってくれないか】

「……わかった。治療するから近くに寄らせろ」

【医者を連れてこいよ医者を。ああ、刺客が怖いのか。じゃあ、近寄らせるのは家入だけだな。あと、猿轡するなら棘だけ近寄らせてもいい】

「しゃけ」

 

 ということで、治療である。

 

【余計なこと言うなよ、五条 悟】

「……」

 

 夜。何だか気配が沢山増えてきた。

 戦闘音がした時は、思わず五条悟を抱えて逃げようとしてしまった。

 しかし思い直して、すぐに退避できるように五条悟を抱え込む。

 

 そして早朝。ボロボロの長髪の女が入ってきた。なんだか迫力たっぷりの男に、短髪の男の看護師も。背が高い人ばっかりでイケメン美女だけど怖い。

 

「しょ……こ」

「一人じゃ何人もの治療は無理だ。看護師も同行させろ」

【駄目だ、一人だ】

「そんなつれないこと言わんといて。治療行為しかせぇへんから」

【駄目だ、直哉強いだろ】

「自分の顔知っとるんか」

 

 いいえ、口調です。

 

「特級呪霊……!! 駄目だ、降伏の儀式が必要になる。悟を抱え込まれていては……」

 

 悪者みたいに言わないでくれる? 病原菌撒き散らした悪者だったわ。

 

【前に出ろ、家入 硝子】

「硝子……」

「治療させるってことは殺すつもりはないだろ。まかせろ」

 

 そうして、俺は五条悟と家入硝子を攫った。

 なんだろう。悪いことしたつもりはなかったのに治った後に殺される予感しかしない……!!

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