七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス)   作:墓守

43 / 69
感想、ここ好き、誤字報告、お気に入り、ありがとうございます!


ゲートキーパー4

【なんで渋谷事変なんでぇ!?】

「お前が防衛戦線ぶっ壊したからだよ 」

 

 嘘やろ!? キレ散らかす家入 硝子に俺は戸惑うことしかできない。

 

【だって行けないじゃないか】

「上層部はそれでも行けと言っている」

【ちょっとは殺意を隠そう? 大体五条悟殺しても事態悪化するだけじゃあ】

「元凶に言われたくない」

【俺は呪霊だし、知らない人がどうなろうとどうでも良いが! 俺の責任に置いて犯罪はやめろください】

「まず。悟を。元に戻せ」

【待ってまだ一週間だぞ? 後一週間は掛かるぞ】

「日本を滅ぼすには十分な時間だな」

 

 どうしろって言うんだよ。

 特級呪霊の大群を俺にどうにかできるはずが無い。

 こうなったら魔界の穴テロしか……。

 

 駄目だ、呪詛師がパワーアップして呪霊はそのままで嫌な予感しかしない。

 

「しょ……こ……電話……すぐる……」

「はい」

 

 硝子は夏油に電話を繋げる。どうやら番号を交換していたらしい。

 

『悟。話は聞いたよ。総監部は頭がおかしいとしか……』

「すぐる……たすけて……」

『悟……わた、しは……』

「すぐる……も、1人の、さいきょ、お前、だけ……」

『今も、私を最強って呼んでくれるのか、悟……』

 

 

 しばし沈黙が落ちる。

 

『悟。今回だけ、君が元気になるまでだけの間だ。別に私は、非術師を敵と定めただけで、呪霊の仲間になったわけではないしね。せいぜい手駒を集めるとするよ』

「私が先生にお願いしに行く。悟は治すことに専念しろ」

 

 そして、硝子は慌ただしく電話を掛けた。

 ここに縛りは結ばれた。

 

 特級呪術師五条悟が帰還するまでの休戦協定。

 

 夏油傑、出陣。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 七海が、1人帳の中へ向かおうとする夏油に話しかける。

 

「夏油さん。正気ですか。いくら貴方でも、特級呪霊の群れに飛び込んでいくなど、自殺行為です。非術師が嫌いなのでしょう」

 

 七海は体制側の人間だ。でも、上のやり口は嫌いだ。

 特に今回は目に余るものがある。

 

「そうだよ。でも、悟は好きなんだ」

 

 そう言って、夏油はそっと自分の口を触る。笑えていた。私はまだ、悟の為なら笑えるのか。どうせ、終わりを見据えた活動だった。どうせ死ぬんだ。悟に終わらせてもらうことが望みだったが、悟を救う為に死ぬのも良いだろう。そう夏油は覚悟を決めた。

 

「悟なら出来た。なら、隣に立つ私は、それを出来なくてはならない」

 

 帳に入ると、五条悟を出せと騒ぐ人々。

 

「五条悟でなくてごめんね。代役が来たよ」

 

 人々の不安から生まれていた小さな呪霊達が、根こそぎ黒く輝く玉となって転がった。

 

 そして、帳の中に飛び込んでくる若者が3人。

 

「夏油様、連れて行ってください!」

「夏油様、手伝わせてください!」

「夏油様、お供します!」

「これは、私の理念に反することだ。君たちは巻き込めないよ」

「私達は、理念に着いて行ってるのではありません! 夏油様について行ってるのです!」

「地獄の果てまで着いていきます!」

「どうぞ盾にしてください」

 

 その言葉に、目がきょとんとなる。そして、苦笑する。

 

「ソウイウコトダ。家族ナンダロ」

「サポートします、夏油様」

「ミゲル……真奈美さん」

 

「ほんっと難儀やな。乗りかかった船や、手伝ったるわ。悟くんが呪霊になったら、傑くんしかどうにかできそうにないからな」

「五条さんには借りがあります」

「はぁ。時間外労働な上にボランティアになりそうとか……後で五条家に残業代を請求させてもらいます」

「加茂家の次期当主として、戦力の逐次投入には賛同できない。ここで叩くべきだ」

 

 禪院 直哉。伏黒 恵。七海 建人に加茂 憲紀まで。

 夏油は頷いた。

 病院の時もそうだが、直哉がなんで、とか、伏黒 甚爾に似た恵への敵愾心とか、懐かしい後輩とか、知らない人とか、出かけた言葉を全て飲み込んだ。

 

「ありがとう。弱らせるのを手伝ってくれ。私は片っ端から調伏していく」

 

 結局、夏油はそれしか出来ない。1人で戦う事を選びがちでありながら、夏油が本来向いているのは、多対多のチームプレイなのだから。

 

 そうして、夏油達は進む。

 夏油こそが、本当のターゲットなのだと知る事なく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「伊地知さん、無理っす! 昨日まで吐いてたのに」

「今日は少し調子がいいんですよ。それに、五条さんのフォローは私の役目です」

 

 新田に心配されるも、伊地知は立つ。五条の苦しみに比べたら、この程度の体調不良、いくらでも我慢できる。今日は調子がいいのも本当だし、頭痛はするし呪力は練れないが、見ることはできる。それで十分だ。サポートをしなくては。

 

 

 

 

 一方夜蛾は、楽厳寺に封筒を渡して、学校を出ようとしていた。

 

「夜蛾よ! これは……」

「辞表ですよ。私は渋谷に行きます。今回の指示、あの状態の悟に出ろなどと、あまりにおかしすぎる。上はもう駄目です。呪霊や呪詛師へも内部の情報が流れすぎている。今回を乗り切らないと日本は終わるし、今回を乗り切れたら、新たな組織を作ります」

「秘匿死刑になるぞ。それに、五条悟は呪霊になるやも」

「もういい。もういいんです。自分を騙すのは、今日で終わりにします。俺は五条悟が術師として帰ってきてくれることに賭けますよ。どのみち、五条が呪霊になったら勝ち目はないでしょうしね」

「学長! あ、もう学長じゃないのか。行きましょうか」

「置いてくぞ乙骨!」「明太子!」「待てって真希!」

「今行く」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「み、皆頑張れー」←元凶

 

 樹は全力で戦う術師を応援するしかないのだった。

 いや、できることはあると言えばある。

 魔界の穴テロだ。

 

 だが、それは自爆技にしかならない。

 

 散々オロオロした挙句、家入と相談して(具体的には呪詛師がメカ丸をスパイにすべく懐柔作戦を仕掛けている事をチクって)メカ丸本体を抑えたのだった。

 

 小さな端末を利用したサポートは、渋谷事変で大いに役立つだろう。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。