七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス) 作:墓守
渋谷がゲリラ戦の地獄とかして二日です……。
いいニュースもあるよ! 蛍が元気になったのだ。
「私のテリトリーは、精神と時の部屋! 中にいる間、時間を加速する! この中で原稿をすれば、締め切りもヨユー!」
【おおー! それは素晴らしいな!】
「原稿やってる場合じゃねぇんだよ、殴るぞ。馬鹿ども」
「一般人にどうしろと」
【魔界の穴開ける?】
「ふざけんな。それにしても、相手は一体なんの目的で、どいつなんだか……。こんな大規模な事ができる呪詛師団体なんて」
【あー。確かケンジャクって言って、夏油傑の体とか五条悟の封印を狙ってる奴だと思う】
「は?」
【天元様を操れるんだって。呪霊操術。それと真人がいれば、日本人を全部混ぜた呪霊が作れるって言ってた。ひょっとこみたいになったら楽しいねって】
硝子は慌ただしく連絡をとり始めた。
でも一歩遅く、夏油が人質を盾に囚われたらしい。
大ピンチ? えっ なんで睨むの怖いんですけど。
「はいっ はい! 私のテリトリーを使えば五条さん、様が早く治るのではっ? だからその、いっくんを許してあげてください……」
【蛍ぅぅ〜!】
「お前は知ってる事をキリキリ全部吐け」
そして、蛍はテリトリーを使う。
テリトリーは、術式ではない。
テリトリーは、防衛本能が刺激されて発動する、身を守る為の能力。その者の思想、境遇を強く反映する。
例えば、蛍。
蛍はオタクである。イベントを控えてもいた。
一時期刺激を受けたものの、信頼出来る者とずっと一緒だったことや、原稿をやる予定だができなかったことが影響を受け、時間を提供するテリトリーとなった。
例えば、伊地知。
伊地知の周囲は、常に超人ばかりであった。
そして伊地知もまた術師志望だった。五条に補助監督に指名されてしまったが。
そんな伊地知の能力は、周囲をサポートし、見定めるものであった。
テリトリー内部の情報収集。しかし、それは強力なものにはならないはずだった。
なんといっても、薄まった魔界の空気に少しの間触れただけ。
故にテリトリーも小さく、実用性は少ないはずだった。
力を目覚めさせたばかりで、死地に飛び込むような事がなければ。
テリトリーは、防衛本能の発露である。
今、生存本能を極限まで刺激され、伊地知のテリトリーは爆発的に伸びていた。
伊地知はそれを使って、情報過多に痛む頭痛と戦いながら、存分にサポートを行う。
そして、五条悟。
五条は、異質な魔界の空気、霊気と妖気、死臭と腐臭をふんだんに含んだ大気に鋭敏な才能ゆえに、強い影響を受けた。
対応する為、高速で作り変わる体。
魔界の穴が閉じられた後も、残留する匂い、何より呪力の練れない無防備な体の間近に侍る特級呪霊の、異質な呪力。
それに起こる事件への危機感、代わりに戦う友人への心配、最後のとどめがテリトリーである。テリトリーの効力は、加速。
種類の違う脅威とストレスに晒され続け、体は幼虫が蝶になるように変態する。
非術師が死の危険に呪霊が見える脳に変化してしまうほどである。
その変質は、激しく五条悟を襲った。
さあ、五条悟の半生を振り返ってみよう。その心を覗いてみよう。
そこにあるのは、戦いと大切に心にしまった青い春。
傑。傑。僕の親友。失いたくない。
五条の思いは、今、防衛本能と合わさり、縛りとなり、強化され、形となる!!!
なお、テリトリーとは別に六眼は千里眼(遠くを見る機能)と心眼(感情を視覚で見る機能)を習得したし呪力は爆上がりした。
五条 悟は、早速傑の元へ飛ぶ。
「これで終わりだよ」
「夏油さまぁー!」
夏油の頭に刀を押し当てられるが、それをした女の頭は次の瞬間、吹き飛んでいた。
【五条、悟……!】
【寝込んでたんじゃないのかよ!】
「傑」
「悟……遅いよ、ほんと」
ボロボロの体で笑う夏油。
「ごめん、傑。呪力ちょうだい」
「は?」
五条が夏油に触れると、凄まじい勢いで夏油から呪力が吸われていく。
それは、内にある呪霊達も、根こそぎ、全て。
「悟!??」
ずっと見てきた。夜蛾学長の、呪骸を作る様を。
それは五条の中で形となる。
五条が手を出すと、呪力が凄まじい勢いで収束する!!!!
そして!!!
現れたのは!!!!!
ちいちゃな傑だった!!!!!!!!
「は?」
目が点になる。
「僕の傑。起きな」
「君のではないが?」
目覚めたちぃちゃな傑は、千里眼で持って渋谷で暴れる全ての呪霊達に使役する呪霊を派遣。
悪は滅びた。
「はぁぁー!???」
傑の悲鳴が、渋谷に響いた。