七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス)   作:墓守

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これを改めてダークエンジェルに据えるのは悩みましたが、やっぱこれが
ダークエンジェルに相応しいって。霊界探偵だし。


ダークエンジェル

 

 俺は優羽(ゆう)! 霊界探偵だ!

 悪い奴から霊界の秘宝を取り返して、只今逃亡中だぜ☆

 黒の章、魔界のゲート発生装置、魔封環……どれも、悪用しようと思えばいくらでも悪用できるからな!

 霊界と魔界と何より人間界の未来のため、捕まるわけには……っ がはっ

 コ、エンマ、様……。

 

 

 

 

 

 

 ……衝撃。痛み。

 ずるずると崩れ落ちる体。

 

「一体、俺は……」

 

 血がぼたぼたと流れ落ちる。苦しい。

 

『るおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』

 

 妖怪。倒さないと。霊力の流れが悪い。でもなんとかしないと。

 俺は、銃を撃つポーズをした。

 

「霊丸!!」

 

 妖怪が吹き飛ぶ。そして、俺はよろよろと立ち上がる。

 

「学校……?」

 

 ここは学校なのか。俺は学生なのか。

 荷物を探る。身分証明書と武器携帯許可証があった。

 

「呪術師資格……? 4級? 俺のじゃないな」

 

 俺の名前は優羽。顔立ちも違う。

 しかし、化け物がいたのだから、武器……禍々しい斧は貰っていくべきだろう。

 この武器気持ち悪いな。呪術師とやらがまず、マトモなものじゃないよな。

 

 トイレを探して、鏡を見る。しかし、身分証明の顔がそこにあった。

 

「???」

 

 鏡を見て、気持ち悪くなって、吐く。透明な珠を吐くと、それは大きくなって半透明の鞄になった。びっくりして、恐る恐る中身を出してみる。

 

 黒の章と書かれたビデオテープ。おしゃぶり。機械っぽいもの。

 

「???」

 

 ひとまず、いちばん大事なものは多分、このおしゃぶりだ。神聖で尊い。

 それはわかった。おしゃぶりが大事ってなんなんだよ!

 捨てちまえこんなもの! いや、それを捨てるなんてとんでもない!

 

 !

 気配がする。

 俺は荷物を慌てて持っていたリュックに入れて、斧を構える。

 

「お疲れさまです、帰りましょう。病院の手配は済んでいます」

「あ、ああ」

 

 誰? この嫌な感じの男は。

 

 とりあえず、治療を受けて免許証の住所に行く。

 会話は元から少なかったらしく、疲れている様子を装えば、誤魔化しきれた。

 

 免許証の住所の部屋を漁ったが、ビデオを見る機械がなかったのでネットで買う。

 テレビなど、一式必要になってしまった。

 

 早速見る。消す。

 とんだグロ動画だった。

 え、犯罪……? 合成じゃないよね? ハイパー犯罪じゃね―か!!

 とりあえず洗面器に吐きながら、頑張って見た。やっぱりグロ動画で、俺が犯罪者に組みしているのかもしれないということしかわからなかった。

 

「後は、この装置とおしゃぶりか」

 

 くわえてみたい。いや、そんな俺が恐れ多い。恐れ多いってなんだ、おしゃぶりだぞ。

 まあ、コレは大切に首に下げておこう。多分、命より大事なものだ。子供の形見とか? 恐れ多いわ! ……本当にわからん

 機械のスイッチを押そうとする。その途端、凄まじい悪寒が俺を襲った。

 

「これは人里のないところで使ってみるか」

 

 

 

 

 

 

 俺は、休暇をとって人里離れた山奥に来ていた。

 様子がおかしいのは感じていたらしく、簡単に休みが取れた。

 どうやら、俺は国家直属の悪い物を退治する機関に所属しているらしい。

 メンバーが全員邪悪の権化にしか見えないんですがそれは。

 

 仲間? のことは忘れよう。今は機械だ。

 機械が動き出すと、空間に穴を開けだした。

 

「お?」

 

 腐臭がぶわり、と広がっていく。

 蟲が沢山出てきた。絶対良いものじゃない。

 

『人間んんんんん!!』

『肉肉肉肉肉肉ぅ!!』

 

 俺は機械をすぐに止めた。

 穴を閉じるのに、3日掛かった。マジ死ぬかと思った。

 閉じ方を感覚で知っていてよかった。

 

 めまいと吐き気で、ボロボロになりながら頑張った。

 なんか特殊能力に目覚めたっぽい。確か、テリトリー?

 はい、俺に知識があるってことは、拾ったものじゃなくて関係者だな。

 

 とにかく、これでわかった。俺は顔と名前を偽った犯罪者だ!!

 きっと、ヤバい組織に入ってるんだぁ……!

 いや、もしかして俺がトップ……? ないない。俺、誰かに仕えてた気がする。

 この忠誠心は記憶を失っても消せないぞ!

 そして、そんな人が悪い人の訳はない。つまり、俺はダブルスパイだった……?

 ああもう、わかんないよ。

 

 家に帰ると、めちゃくちゃ邪悪そうな人がドアに寄りかかっていた。

 どうしよう、足が震える。

 

「やあ。天使 翼くん。君に頼みがあってきたんだ」

「貴方は……?」

「私は夏油 傑。君の主だよ」

「貴方様が!!」

 

 慌てて跪く。

 

「えっ」

「すみません、俺、記憶喪失で……。スパイってことしか覚えてなくて」

「えっ そうか……。うん、私が君の主だ。しかし、記憶喪失……?」

「はい。でも! 忠誠心だけは覚えてました! 貴方様の邪悪さ、まさしく私の主に違いありません! 人間は滅びるべきだと私も思います!」

「そ、そうか。うーん。私から下手な知識を教えても、却って怪しくなると思うから、記憶喪失っていうのは報告してくれないかな。追って指示を出すよ。それと、何か思い出したら報告してくれないかな」

「わかりました!」

 

 人間が滅びるべきってのを否定しないってことは、この人は潜入先の人?

 だよな、多分。俺の……様が邪悪なわけはないからな!

 しかし、ハイパー邪悪そうな人だな。

 早く、真・ご主人さまを探さねば。きっと心配しておられる。……様は慈悲深い方だから。

 

 こうして、俺の空回りな奮闘は始まったのだった。

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