七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス) 作:墓守
「帳を一週間維持すればいいんだね?」
「はい、貴方様が俺を洗脳したのと同じ手段を使います」
「ふぅん……。私が君の主ではないと言ったら?」
「メカ丸の言動から予想はついてましたよ。やることは変わりませんね。ただ、できるだけ派手に動きたいです、回収する主がわかりやすいように。あなた方と敵対するかどうかは、主が決めることです」
「いや、そう言ってもらえると助かるよ。洗脳方法を見学してもいいかな?」
「最初の一時間だけなら。その後は色々テクニックを使うので、そこの技術の外部流出は出来ません。俺も直属の部下を作っておきたいし。失敗して発狂する可能性もありますけど」
「ふむ。よっぽど自信があるんだね。いいよ」
メカ丸は、憎々しげに俺を睨んでいる。ごめんね。
ということで、黒の章スタート。
グロ映像がスタートする。
「……これ、君の主の持ち物? 結構凄いね」
「面白いな♪ でも、コレを見せるくらいで洗脳されるものなのか?」
「まさか。これは心を折る第一段階です。しかしまあ、第二段階からは企業秘密です」
「馬鹿な……! こんな動画、どうやって用意した? まさか、これだけ殺したのか!?」
自信満々に言うと、メカ丸が恐れおののいた。
「人間の闇は深いってこと。ね。人間なんて滅んだほうが良いだろ? ここから後は、我が組織のメンバーだけが体験できるスペシャルタイム、ということで、一時間したら出ていって、一週間、何があっても中を伺わないでくださいね。治療はその後してもらいます」
「邪悪なのは人間じゃない、お前だ!」
「大丈夫。そう言ってられるのは最初だけだ」
「彼が造反したらどう責任を取る?」
「別に、何も。貴方は私の主ではないのでしょう? それとも、記憶喪失の4級呪術師が怖いですか? まさか、二人で助けを求めに行くと? どこに? 何のために?」
「……確かに、これは正義の味方には用意できないね。いいよ。君を信じよう」
「主でもない人の信用などいらない」
「君の主と連絡がついたら、橋渡ししてよ」
「聞くぐらいはしてもいいです」
「くくく。お願いするよ」
「ソレ、終わったら貸して」
「主からの大切な大切な大切な預かりものだから駄目」
そうして、二人は一時間すると出ていった。
俺は、メカ丸……いや、幸吉くんの顔を優しく包み、これは人間がヤッたことで、人間が醜いとささやき続ける。
そして一時間。
幸吉くんはだんだん虚ろな目をしてきた。
パンっと手を叩く。
「それでも、仲間を守りたい。違う?」
「!」
幸吉くんの瞳の焦点が戻ってくる。
俺は、こっそり道具を使った。機械だとばれないように。俺の力だと誤認するように。
「俺が、どう世界を滅ぼすか知りたい? 見せてあげるよ」
魔界の穴が、開かれる。
「こ、れは……げえええええええええええええええええええええ!!」
腐臭を浴びて、体調を崩す幸吉くん。
人間の肉の匂いに群がってくる妖怪達。
「もーっと大きい穴を作る予定だよ。東京を覆うくらいのね。止めたい? それとも、ここで死ぬ?」
「っ!!」
後はせっせと穴を閉じるだけだ。
もちろん、ただ穴を閉じるだけじゃなくて、色々聞いた。
五条 悟封印計画か……。それはどうでもいいけど、人間が大勢妖怪に殺されるのは容認できないな。
記憶喪失で、俺の仲間が不明なのは、この場合強みだ。
一週間後、迎えが来た。
「大丈夫かい? 幸吉くん。なんか死んでるように見えるけど」
「うっわ臭っ 何この匂い!」
「あはは。心は折っといたんで、治療をお願いします。あ、そうだ。もう敬語良いですよね? お前ら主じゃないんだし」
「汚ーい。触りたくなーい。体腐ってない? 大丈夫?」
「真人」
「はいはい」
真人という妖怪? が体を癒やすと、幸吉は目を覚ます。
「じゃあ、幸吉くん。君に出来る範囲で、俺に従ってね。ひとまず、渋谷計画は黙ってないと駄目だよ?」
「っ!! わかってる……。その代わり、名前を教えてくれ」
「それは私も知っておきたいね。手を結ぶんだし」
「主を探す手がかりにするから駄目」
「つれないね」
「メカ丸から渋谷の計画について聞いた。一週間前に言ったように、俺は主様に存在を主張して、回収に来てもらいたい。だから、主役を寄越せ。メカ丸は俺のサポートをさせる。何、駅のビルの上でわかりやすく暴れるだけだ」
「ふざけんなよ。練ってきた計画を3日で変えろって?」
「そこまですれば、メカ丸はもう帰れない。俺も、高専につくつもりはないという証明になる。俺とメカ丸、二人共試せる。あと、そっちはそっちでやればいい。変える必要はない」
「ふむ……」
「なんか皆が気にしているらしい、五条の気も引ける」
「それは甘く見過ぎだね。君なんて瞬殺されて終わりだ」
「いいや。五条 悟は俺を生かしたまま、捕らえなければならない。主様を捕まえるために!!」
夏油は、考える素振りを見せる。
「それは良いのかい?」
「主様が五条 悟に負けるわけがないだろ」
というか、人間が魔界の穴クラスの画策をしている奴をどうこうできると思わない。
夏油はふう、と息を吐く。
「まあ、考えてみたら君が瞬殺されてもどうでもいいか」
「そういう事。互いの目的のために、頑張ろうぜ!」