七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス)   作:墓守

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ドクター4

 

 私は叩き起こされてコーヒーを飲んでいた。まだ寝ぼけてる。

 

「んん……オコなの?」

「オコなの? じゃねーよ、いい年して。傑に言った情報! 情報源教えろ」

「覚えてないし、覚えてても言わないよ。守秘義務ってものがあるからね」

 

 それに、十年近くあとの情報なので、まだ真人が産まれてない可能性すらある。

 今、どこまで食い込んでいるのか、そもそも接触してない可能性すらある。失敗したかな。スヤァ。

 

「寝んなよ!」

「ん、五条くんが夏油くんを殺す際に灰にすれば済むことだよ」

「殺さねーよ! ぶっ殺すぞ!」

「でも、夏油くん、呪詛師になりたいんだろ?」

「デタラメ言うな!」

「ま、不味い呪霊をしょっちゅう取り込んで、憂鬱な依頼にばかり向かわされたら、それは病んで当然だけど。当然なことが当然なくらい、夏油くんは全うでイカれてないよね」

「お前が傑の何を知っているんだよ!」

「んー……」

「コーヒーぶっかけるぞ、お前!」

「本格的に動くとしたら10年後だよ。何焦ってるの? 君らしくない」

 

 ずずー。スヤァ。

 

「悟。いいんだ」

「良くない!」

「悟も知っていたんだろう? 私が悩んでいたの」

「傑……」

「神谷先生はさすがだよ。的確に心を抉ってくる。私が揺らがなければ良いことだ。それだけなんだけれど……ごめん、悟。大丈夫だって言ってあげられない」

「傑。しっかりしろよ! 俺達は二人で最強なんだろ!」

 

 二人で最強。そう言っているということは。

 

「ああ、悟くん」

「なんだよ!」

「君はまだ最強じゃない。早く最強にならないと、大切なもの、何一つ守れないよ。失うものの筆頭は夏油くんだ。有用なのに繊細。狙われやすい」

「っ なんなんだよ、お前、本当に一般人か? 呪術師の血も引いてないのに、俺達の最強の名を奪いやがって……」

 

 うん? 今ナニカ、おかしなことを聞いたような……スヤァ。

 

「ああもう、とにかく情報よこせよ」

「名前難しくて、じょうごって名前と真人って名前しか覚えてない。火山みたいなのと、花みたいなのと、フランケンシュタインみたいなの。会話可能、企み可能な人形の特級呪霊の皆さんだ。呪霊こそ本当の純粋な人間なのだーとか言い出して、人間を牧場以外皆殺しにしようと企む輩。後は知らない。忘れた。zzz」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝、起きたら監視カメラ、監視呪霊共に増えていた。

 起きたら部屋の外で控えていた補助監督からのご挨拶が。

 ?

 なんだかガッチガチに監視が増えているが、まあ良いか。

 食堂に行くと、五条くんたちが既にいて、手招きされた。

 

「おはよう、五条くん。昨日は遅かったようだね」

「……昨日のこと覚えてないのか?」

「意外に神谷先生は寝起きが悪いね」

「しっかり休んでしっかり働くのが私の信条だからね」

「神谷せんせーの情報の裏取りした。まだ途中だけど」

「うん?」

「傑が! 無理やりメロンパン食べさせられるって話だよ」

「ああ。メロンパンね。メロンパン」

「はぁ……。白を切られたけど、あれはクロ。っていうか、神谷先生の監視増やして、わかりやすすぎ」

「もしかして、あのあと突撃したんですか? 真夜中に?」

「あんたが真夜中に爆弾発言するからだろ」

 

 私はオムライスを食べながら、思い出そうとする。特に記憶はないな!

 

「こいつ記憶ないって顔してやがる……」

「実際ないんじゃないかな」

「呪術界最強の名が泣くぞ」

「五条くんがどうしたって?」

「おまえのことだ」

 

 私はキョトンとした。

 

「俺達を差し置いて呪術界最強にして最凶。全自動テロ発生装置。1人で日本を滅ぼせる。ついでに最近は謎の情報源を持っていることも判明。禅院家を脅した経歴あり。お前!」

「ええ……? こうえい、だね? でも、私は脅しをしたりはしないよ」

「しただろう、恵に泣きつかれて」

「記憶にないね」

「まじかよ。恵の発表会に蟲を勝手に出しただろ。あと、授業参観に勝手に出ただろ」

「あれは、甚爾さんが出れないって言うからね。代わりに行ったんだよ」

「高専の警備の穴を突いてな! 子供はのびのび育つべき、恵くんの為ならなんでもしちゃうよって言葉を添えてな!」

「失礼な。僕は恵くんだけじゃなくて、他の沢山のお友達のためにもそうするよ」

「そういうとこだぞ、はぁ……。勝手にテリトリー広げて人助けしたこともあったし、そのたびにジジイどもはヒヤヒヤしてるんだぞ」

「私自体は弱いんだけどねぇ」

「ジョーダン。脳内麻薬でリミッター外せるだろ。技術は最近身につけてるし、訓練するなって言われてる。するけど」

「訓練は私もしたくはないなぁ。間違って腕でも傷つけたら最悪だ。それにしても、こんなに大人しくしているのに、まだ私のことは信じてもらえないのかな?」

「無理だろ」

「それは困ったね。一応、こっちも相談したいことがあったんだけど、信じても貰えてない状態ではちょっとね」

「相談したいこと? 最強で唯我独尊のドクターが」

 

 私は、補助監督をちらりと見た。

 

「甚爾さんにでも相談するよ。できれば五条くんも相談に乗って欲しかったけど、仕方ないね。明後日か」

「それって富士山のこと?」

「うん? 富士山? なんでそれを? その三倍くらい高い山のこと」

「ちょっと顔貸そうか……」

「あの、困ります。大事なことはきちんと報告してください」

 

 そこへ、声がかかった。夜峨学長である。

 

「五条。お前、上層部から呼び出しかかってるぞ」

「二度と顔を出すなとか言っておいて?」

「真夜中に襲撃すればそうも言われるだろう。昨晩の話を詳しく聞かせろということだ。多少の心当たりはあるそうだ」

「へぇ?」

 

 五条くんが面白そうな顔をした。

 

 五条くんの覚醒については、どうしようか。

 かなり危ない橋を渡っているし、甚爾さん弱くなっているんだよね。

 

「じゃあ、行ってらっしゃい。僕は新しい症例について院長先生から貰ったデータを読んでるから」

「「「神谷先生も行くんだよ」」」

 

 私は関係ないじゃん!?

 

 

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