七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス)   作:墓守

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ダークエンジェル6

 俺のテリトリーは、「ワンフォアオール、オールフォアワン」。

 霊力の強制徴収・及び強制受け渡しだ。テリトリー内の誰とかは選べない。

 

 呪で薄汚れていてわからないだけで、呪霊も夏油も霊力は持っているはず……! だと、いいな!

 

「オールフォーワン……」

「! 呪力が吸われていく!」

「くっそ 穢らわしいぜ、反吐が出る! でも全部受け止めてやる」

「結構だよ! 返せ!」

 

 相手の攻撃を、霊丸で応戦しつつ、避けていく。

 すぐさま追い詰められ、蹴り上げられる。

 

「わん、ふぉー、おーる」

「!??」

「これは! 馬鹿な、一般人に呪力を受け渡した!?」

 

 下から振動がする。

 頼んだぞ、メカ丸。

 驚いているうちに、霊丸で床に穴を開けて下へ逃げる!

 

「させるか」

 

 殴られる。体吹っ飛ぶ。

 ヒカリエから、メカ丸の指示の下、多くの一般人が脱出していく。

 食料はメカ丸を使って届けさせていたが、服は酷いもので、フラフラで。でも、頑張って数の暴力で見張りの呪霊を倒せていた。

 

「……ククッ おーる、ふぉー」

 

 そこで、殴られて俺の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次に目覚めた時、夏油達は倒されていた。

 この、恐ろしい瘴気は……

 

「修羅、様……」

「優羽。大分、姿変わっちゃったね。汚らしい気だ……聖光気はどうしたのかな? 霊界の誇る霊界探偵が見る影もないじゃない」

 

 俺は、ぼんやりと美しい少年を見上げる。名前がするりと口から出てきた。

 めっちゃいじめっ子だった気がする。いじめられた気もする。

 

「でもまあ、僕のことを覚えていたから、許してあげるよ。そもそも、君を殺しちゃったの、僕の部下だしね。しかし、異世界に転生していたなんて、ねぇ」

「お、れは……黒の章は……」

 

 その言葉に、修羅様はふぅ、とため息を付いた。

 

「それは、君と遊びたくて、部下に盗ませたんだ。君は奪還に来てくれたけど、まさか死んじゃうなんてね……。黒の章とゲート発生装置は回収したよ。魔封環はまだだけど、それもすぐに回収してコエンマ様に返すよ」

「こえんまさま」

「そう、君の上司だ」

「コエンマ様、コエンマ様、コエンマ様ぁ……!! ようやく、名前がわかった……!」

「えっ それって、コエンマ様の事は思い出せなくて、僕のことはすぐ思い出してくれたってこと?」

 

 俺は、コエンマ様という尊い御名を聞き、涙がボロボロと溢れる。

 一方修羅は、嬉しそうな顔をして、さすが僕の親友だね、などと言っている。

 もちろん、全く覚えはない。

 

「じゃあ、僕を選んでくれた記念に早速君のこと妖怪にしなきゃね! ね、優羽は女とかいる? 大切な人! 心臓えぐり出して食べさせなきゃ!」

「修羅、様……」

「ん。何?」

「俺の体を餌として差し出します。ゲートを閉じて、どうか、魂をコエンマ、様の、元へ……」

「嫌だね! 君は妖怪になるんだ。それにしても」

 

 修羅は周囲を見回す。

 

「君も、随分思い切ってやったねぇ? 地獄行きは間違いなしだ」

 

 下では未だ戦いが続いていた。

 付け焼き刃の力を振り回し、そこここでテリトリーを発現させ、必死に人々は生き残ろうと呪霊と戦っている。

 

 ゲートから、幼子が現れる。

 霊界特別防衛隊を従える、未だおしゃぶりをした幼い姿。

 

「あ……ああ……あの尊く純真で無垢なるお姿は……コエンマ様!」

「優羽! まさか、異世界で転生していたとは!」

「こーんな大事を起こしてたみたいだよ?」

「こ、コエンマ様……!」

「これは……本当なのか、優羽」

 

 俺は、失敗してしまった。沢山の犠牲を出した。

 

「コエンマ様、申し訳……」

「事情は後で聞こう。今は、この場を収めることが先決だ」

 

 霊界特防隊が動く。

 もう大丈夫。大丈夫だ。

 

 俺は、気を失っていた。

 

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