七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス) 作:墓守
コピーの能力を持って産まれた。
なるほど、幽遊白書の世界だな!
幻海師範を探して見つけられなかったのは残念だ。
とにかく、霊力があるならと、俺は修行を頑張った。
その結果、髪の毛からでもコピーできるようになったし、霊にも攻撃できるようになった。そんな中、運命に出会った。
「隣の席か。俺は虎杖! よろしくな、柳沢!」
えっ ここ、幽遊白書の世界じゃないん……?
俺は悩んだ挙げ句、虎杖を呼び出した。
「なんだよ、柳沢? 喧嘩?」「違う」
俺は、虎杖に触れて「コピー」を使った。
「俺、実は超能力者なんだ。もう死んでるけど、予知系の能力者の友人から、お前のことは聞いてた」
虎杖はびっくりして俺を見る。
「俺の能力はコピー。相手の姿を写し取ることが出来る。些細な事で戻っちまうけどな」
「すげー!」
「お前の運命に比べたら、全然すごくない。今後の事について相談したい」
「俺の運命についてなんかあんの」
「あるの」
俺は、虎杖の今後について洗いざらい喋った。学校はサボった。
「というわけで、お前のじーちゃんが死んだ時が目印なんだけど。宿儺の指、飲む? 飲まない?」
「……飲まないと、死ぬやつが出る?」
「飲んでも死ぬやつ出るんじゃね。ただ、宿儺の事がなくても、メロンパンは日本転覆を企むと思うよ。むしろ意地でも宿儺の指を飲ませようとしてくると思う」
「ううん……。ヤナはどうしたい?」
「俺は、どうせ死ぬなら日本転覆を防いで死にたい。何もしなくても死ぬし」
「だよな。俺だって、日本が転覆したら死ぬかもだよな」
「そこで、虎杖に頼みがある……」
ヒカリエの地下。
偽夏油と虎杖達は向かい合う。
その時、虎杖の記憶が戻った。
「ああああああああああああああああああっ!!!!!! 五条先生っっっ!!!」
血反吐を吐くかのような叫び。
何事かと虎杖に視線が集まった時、唐突に。そう、唐突に五条が現れた。
ご丁寧に、手にはコンビニ袋がある。
「囮ご苦労、悠仁」
「何!?」
「五条先生!?」
「だって封印されて……!」
「いや、違う! この体が、お前は違うと言っている! お前は何者だ!?」
夏油が言うのと、夏油の周囲を吹き飛ばし、五条が降り立つのは同時だった。
それと同時に虎杖は走る。
「何者だってなんだよ。酷いなぁ。あの日のことを忘れたのか?」
歪んだ笑みを向けて、色っぽく夏油の胸元に手を差し入れる。
夏油が二人になって、夏油は驚く。
「変身系の術式!? これほどの精度で!?」
「【アンテ】」
胸に手を入れて解錠の呪文を唱えれば、胸元にしまわれていた獄門疆に封印された五条が開放される。
「くっ!? 馬鹿な! 呪霊の支配権が奪われて!?」
「呪霊は皆返してもらうよ? 体もね」
「戯言を……!」
殴られようとするのを、虎杖が庇う。
「どういう状況?」
「先生! 偽偽夏油守って!」「十秒で終わる!」「裏梅! 偽偽夏油を殺せ!!」
声が重なり、五条がタッチの差でその無限のバリアに偽偽夏油を招き入れる。
「ダウンロード完了! お仕事完了!」「先生! 皆を守って!」
コンビニ袋を五条に押し付け、偽偽夏油は偽五条へと変わる。
上空に転移アンド紫。
「く!? 何なんだ、お前は……!!」
そして、爆発が全てを覆い尽くした。
呆然と、大穴と化したヒカリエの上で佇む一同。
虎杖は、腹の底からため息を吐いて、泣きそうな顔で笑った。
「ごめん、五条先生。俺、スパイだったみたい」
そこに、偽五条が現れて、悠仁を抱きしめ、悠仁に変わる。
「逝こうか、悠仁」
「うん……コピー」
そして領域展開と全力の攻撃が「二人に対して」行われ……その余波に顔をしかめた偽悠仁が金髪に髪を染めた悠仁と同じくらいの少年となった。攻撃は消え、それでも凄まじい余波があふれる。
「最後にこれかよ」
笑って、悠仁は余波で気絶した少年の首を折ろうとして、「させるわけ無いでしょ」本物の五条に気絶させられた。
コンビニ袋の中身は、USBだった。
封は開いてないけれど、夏油 傑の残穢がたっぷり染み付いている。
パソコンに繋げると、メロンパンの素性から計画から呪具から呪霊から、全ての情報がまるっと載っていた。呪霊を使って空のUSBに情報をダウンロードしたのだと五条は知っていた。
「伊地知。裏取りして」
「はいっ」
反転術式でなんとか復帰したばかりの伊地知が真剣な顔で頷く。
あの日、ヒカリエは大変なこととなったが、東京壊滅よりはマシだ。
後始末を考えると頭が痛い。
同じくらい頭が痛いのが、柳沢 光成。全くの一般人と思われていた少年だ。それに、呪力はせいぜいが3級程度。紫を再現できるなんてありえない。
「悠仁はどうしてる?」
「殺せと言っています。混乱していて、落ち着いて話を聞ける状況ではありません。ただ……縛りで、記憶を封印していたことが伺えました。最初から被害が出ることを知っていて、あの状況になったら記憶の封印が解除されるようにしていたようです」
「封印はいつから?」
「……最初からだ、と言ってました」
「高専に来る前ってこと?」
「……おそらく、宿儺の指を取り込む前です」
「そんな事ありうるの?」
「さあ……」
そこで、声が掛けられる。
「柳沢が目覚めました」
「僕の生徒に何をしたのか、しっかり聞かないとね」
「あー……しまった。余波であれだけ痛いとは……」
「やあ、柳沢 光成くん。コピーって呼ぼうか?」
「一応、身分証明するものは持たないようにしてたんだけどなぁ。柳沢でいいです」
「じゃあ光成。事情を聞いてもいいかな?」
「多分、予想しているとおりですよ。さっさと秘匿死刑にしてください。ただし、虎杖も俺も、死体は貴方の手で一欠残らず燃やしてください」
ため息を吐いて言い捨てる。
「残念だけど、全く予想すらついてないよ。君達は別の組織なのかな?」
「俺と悠仁で……いや。俺が全部考えました。組織はありません」
「信じ難いな。で、目的は?」
「日本を守ること。守れたでしょ?」
「それは全然守れてなかったかな……」
「本来はもっと被害が出る予定だったのが、あれだけ情報提供できて五条先生が無事確保できたんですよ? 頑張りましたよ。俺達」
「それなんだけど、最初から全部見えてたってこと? 予知ってやつ?」
「予知った奴は死んじゃいましたけど」
もちろん、これは嘘である。前世の知識なんて言えるわけがない。
前世の自分が死んでるという事なら合ってるかもしれないが。
「……例えば、純平や、七海達のことなんかも? 死ぬって知ってた?」
「ええ、全部全部わかってました。でも、メロンパンの隙きをつけそうなタイミングは、あの時しかなかった。その前に介入したら、未来が読めなくなります。なので、最後だけ差し替えさせてもらいました。悠仁に全部最初に話して記憶を消したのは、そうすれば大切な人を見捨ててしまった分、必死になって手伝ってくれるかなって」
「その前に介入して、よりよい未来を得ようとは思わなかったのかな?」
「より悪い未来になったかもしれないし、俺が貴方と会ったのは二回目だし。信じられるはずないでしょう? 下手に動いてメロンパンに探知されるのも怖かったし。でもま、自分達も死ぬ前提だったんだし、許してください」
がっと首を締められる。
ぐっ……!
「ふざけんなよ。仕事はめちゃくちゃ増えたし、人材はめちゃくちゃ減った。何してくれてんだよ」
「多少はマシになってんだから喜べよ……!! 頑張って情報残したし、助けてやっただろ!」
「それで死に逃げ? 許すはずないでしょ」
「そこは頑張ったことを認めて許しておけよ!」
「頑張ってないね。悠仁のフォローぐらいしてあげなよ。君のせいなんだから」
「死刑になる人間に何を……まさか」
「こうなった以上、人材を無駄に出来るわけがないじゃん。限定的とは言え、僕や宿儺に匹敵する力を持つ相手を逃す手はないでしょ。信じがたいけど、記憶も読めるんだよね? 手駒として最高じゃん」
「死ぬより酷い目に会う未来しか見えないからやだ」
「死ぬより酷い目に会ってみる?」
「俺、軽い痛みで戻るから役に立たないぞ」
「それは制御しやすそうで重畳」
「ちょっと何かにぶつかったくらいの衝撃で戻るんだぞ!」
「それは訓練でなんとかしよう」
「あああああああああ。なんで止めを刺しそこねたんだ俺、あんど悠仁!」
「それ以前の問題だと思うけどね。どうすればよかったか、じっくり考えてみなよ」
あーもう! 何が悪かったんだ!? 俺ら頑張っただろ!!
「一級術師すら数えるほどなんだ。君にも悠仁にも死ぬほど働いてもらうからね」
なんでだー!!