七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス)   作:墓守

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ヤナシリーズ終わり。
希望があればヤナシリーズの続きも考えてみますー。
感想をお待ちしております。

それと、誤字報告、ありがとうございます。


番外編 俺らの友情は永遠だ!(なお初対面) 途中まで その3

 バッチバチの怪獣大決戦と蠱毒の戦いが起きている中、メロンパンの計画の全容が明らかにされつつあった。上層部もクズではあるが、全員が東京壊滅を望んているわけではないらしく、いろんな痛みを伴いながら、また小競り合いをしながらも捜査は進んでいく。どうやら、日本人を一つの呪霊にするなどの最終目標は知らなかったようだし、五条 悟の封印だけさせるつもりだったようだが、それを為せる人間に勝てると思う愚かさにようやく気づいたらしい。

 

「信じられないよね! 無理ではないか? とか、損切の方法は……とか! ひとまず東京の機能を他都市に移そうってのは僕も賛成だけどさ! 諦めんなよ!」

 

 ぷりぷり怒る五条先生。

 津美紀というヒントが得られたので、彼女を徹底的に調べたのだが、その際に受肉。

 津美紀か呪霊かわからず困っている。

 真人がいなくても呪術師作れんじゃん。

 おかげで恵はその心配で忙しい。

 そして俺たちは、呪専に入学させられて、その色々を聞いたのだった。

 

「こう、なんとかなる道具作れねーの」

「無茶言うな」

 

 虎杖に無茶を言われて、速攻お断りする。

 

「やー、疲れた……。危険な任務がない分、文句は言えないけどさあ。なんか検査もしんどいし」

 

 俺が呪胎九相図の事をチクったので、虎杖は1番から3番の兄貴の人質となっているのである。その御蔭で3人はメロンパンを裏切り、馬車馬のように働いている。

 そう、空中分解しかけは向こうも同じである。

 

 渡した知識を元に、高専側も調略や暗殺を試みているからだ。

 メロンパンに損切りされた上層部の人(誰かは知らない)は怒っており、追撃に余念がない。

 逆に暗殺されたのもいるけど。

 

 俺が半端に唐突に企みをオープンさせたため、双方準備ができておらず、酷い抗争が起きている。

 ま、俺は道具作りの後方支援だから? 平和だけど。

 

 なんだか申し訳ないな。

 

 今、戦力拡充のため、宿儺の器に縛りを掛けることと10本までと制限する代わりに生存を許して取り込まない? って話も出ている。俺や虎杖としては都合がいい。

 

 あまりの抗争の激しさに、虎杖は寿命と引き換えても呪力がほしいと思い始めているし。

 

「ああもう! 気が向いたら手伝うって言ってたよね!! いつ気が向くんだよ!」

 

 いや、本当に申し訳ない。

 今日も呪専に抗争による哀れな被害者が連れ込まれ……!??

 窓から遠目に見ていた俺は、思わず悲鳴を上げていた。

 

「海藤!????」

 

 思わず叫んでしまった。

 

「柳沢。知り合いか?」

 

 伏黒の質問に答えず、走って被害者にかけよる。

 

「これ! これ、これ、誰がやった!??」

「そ、それをこれから調べるんです……!」

 

 伊地知を揺さぶってしまった後、短く謝って俺は被害者に向き直る。

 

 そして、被害者の上にプカプカと浮かぶ魂を凝視する。

 これ、タブーとしか思えない……!!! いるのか、海藤が!!?

 

 魂は既に弱々しくなってしまっている……ように思う。

 ……出来るか!? いや、魂は伊地知には見えてないみたいだ。

 そもそも、こっちの人は呪力しか知らない。

 魂にそんなものふれさせたら……! 

 なら、霊力を操れる俺がするしかない!!

 

「とにかく、ベッドに運ばないと!」

 

 俺は深呼吸する。幻海師範。俺に力を貸してくれ……!!

 

「ハッ!!!」

 

 魂をそっと、でもしっかり体内に打ち込む。

 被害者が息をしだした。

 

「良かった……」

 

 俺は崩れ落ちた。

 

「今の、一体何を?」

「そうだ、なんでこんな事……。他に被害者はいないか? なんでこんな事……海藤を人殺しにするわけにはいかない……!!」

「詳しいことを聞かせてもらってもいいかな?」

 

 いつの間にか来ていた五条先生に問われる。

 なんでなのかは、わからない。

 だけど、その時。

 

 俺の頭には、海藤に対する心配と、海藤と城戸に対する親愛と焦りしかなかった。

 俺のコピーが転生特典なら、これはその代償なのかもしれない。だって、俺は成り代わりなのに、この焦燥は明らかにおかしい。

 

 とにかく、俺は海藤は以前会った友達だといい、名前と容姿を手掛かりに探してもらう事となった。俺がヤナの顔と名前で転生しているんだから、二人もきっと。

 

 結果、海藤はメロンパンに組していることがわかった。

 最悪だ。

 

 俺は、最低なことを心に決める。

 

 ……俺の最大の手札(虎杖)を使う。使える手札は、全部使って友達を取り戻すんだ。

 

 俺の中の誰か(良心)が小さく呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 虎杖は友達じゃねぇの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は、五条先生をコピーして教員室に行った。

 五条先生は、コーヒーの風味付き砂糖を召し上がっておられた。

 砂糖好き悪化してない???。

 

「やあ。気が向いたかな?」

「頼み事が出来たんだ」

「まあ、話を聞こうか」

 

 俺は、すぅっと深呼吸した。

 

「保護して欲しい友人が3人いる。その為にだったら、地獄でもなんでも行ってやる」

「……友人の名は?」

「海藤 優。城戸 亜沙斗。そんで、虎杖 悠仁だ。僕は役に立つよ?」

「詳しい話を聞こうか、ヤナ」

 

 ああ、わかるよな。俺が調べてもらったばかりの名前だ。わかってる。

 俺はこれから地獄に堕ちる。

 

「焦るなよ。こっちだって必死なんだ。差し出すものは、俺と海藤、城戸の能力のリーク。それと五条 悟の子飼いになり、その能力を海藤、城戸の不利にならない限り、命ずるままに使うということ。こっちの求めるのは、3人の保護、特に海藤と城戸の身の安全だ。悪くない取引だろ?」

「どうかな?」

「僕が欲しくない? 僕、高いよー。それを安売りしてあげてるって言ってるのに」

「買い叩ける時に買い叩とかないとね。なにせ、海藤は既に術師規定に違反しているし、虎杖は宿儺の器だ。まずは、どんな関係か聞いていい? 調べた限りじゃ、君等接点ないじゃん」

「海藤と城戸は、魂の友人なんだ」

「は?」

「前世で共に歩んだに違いない。産まれた時から二人のことは知ってた。同じ世界に産まれたなら、会いたい。当たり前だろ」

「はあ? 面識はないってこと?」

「些細なことだ」

「はああ?」

「ちなみに、二人の術式はある意味、僕よりも強いよ」

「!!」

「この僕、コピーのテリトリーを持つ柳沢光成が命をかけて二人を説得するし、靴をなめろって言うなら舐めてやるよ。だから、頼「僕の姿でそれするのはやめてね」」

 

 少し考えて、五条は問う。

 

「受け入れられなかったらどうする?」

「とにかく、海藤のところに行くしかないだろ。最終的に海藤がどうしても説得できなかったら俺もメロンパンのところに行く」

「許されると思ってるの?」

 

 ピリッとした空気が肌をさす。

 

「俺は友達が一番なんだよ」

「……まあ、買える内に買っとくか。君は人気商品だしね。ただ、縛りに一つ追加。僕に対する敵対行為は許さない」

「わかった」

 

 そして、俺達は縛りを結んだ。

 

「まず、僕の力はテリトリーっていう特殊能力だ。術式は呪具を作るささやかなもので、それとは全くの別物だ。僕のテリトリーはコピー。誰かになりきること。呪力、術式、体調、、性格、記憶、全てをコピーできるし、動物でも可能。ただし、完全なコピーには相手に触る事が必要となる。小さな痛みでも術が解けるから、負担の大きい術式や肉弾戦は出来ない。殴る時に痛いからね。当然、既に怪我をしていても無理だし、怪我を負った相手も無理。試しに傷つけてみる? 抵抗しないから」

 

 五条は、俺の頬にゆっくりと爪を立てる。

 少し爪が刺さった時、俺の変身は解けた。

 

「なるほど」

「髪の毛からもコピーが出来るけど、それは不完全なものとなるし、時間制限もつく。一度使った媒体は二度と使えない。まあ食べるしな。記憶は当然読めない」

「それでも強いね。君より強いって、海藤と城戸はどんな能力を? それもテリトリー?」

「二人のテリトリーはタブーとシャドウっていう。設定した禁句を言ったものの魂を奪い取り、テリトリー内の暴力行為を禁ずるタブーと、影を踏まれると呪力が封印され動けなくなるシャドウ。二人共、自慢の友人だ」

「それ、まさか問答無用で?」

「そう。そのルールは、新たな物理法則に等しい」

「城戸亜沙斗は普通の子っぽかったけどね。じゃあ、まずは彼に会ってみる? ただし、監視付きでね」

「わかった!」

 

「その前に、虎杖。聞いてるんだろ。宿儺の指を食べる覚悟はある?」

「ヤナ……」

「虎杖。悪い。売った」

「俺の安全もお願いしてくれたろ。ソウルフレンドってのがいたのは驚いたけど……」

 

 そして、虎杖は俺が作った呪具を使い、宿儺の指を引き寄せ、食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夕暮れ時。

 楽しげに友だちと話す城戸亜沙斗を、俺は物陰から見守っていた。

 

「城戸……!!! 本当に城戸だ……!」

 

 何故か、涙が出てくる。

 俺は、城戸亜沙斗の前に立った。

 

「ヤナ……」

「城戸!」

「嘘だろ、わかんの?」

 

「亜沙斗ー。友達?」

「ちょっと、泣いてねーか?」

 

 そう言って一緒に歩いていた少年たちが城戸に問う。

 

「あ、ああ。昔の友人だ。先行っててくれないか。俺はこいつと話がある」

 

 そして、少年たちが去って。

 

「城戸!! 俺……! ヤナだ! コピーの……!!」

「ここはひと目がある」

「車の中にどーぞ♡」

「この人は?」

 

 城戸は不審げな眼をして、五条先生を見る。

 

「ちょっとな」

 

 二人、車の中に入る。

 

「ヤナ。何しに来たんだ」

「あっと……その。海藤が、悪い事してるって知って。この世界にいるって知って。止めなきゃって思って。海藤がいるならって思って、探したらお前もいた」

「その人も知ってるの?」

「ああ。なあ、城戸。力を貸して欲しい。海藤を人殺しにしちゃいけない」

「俺は……どんな理由があろうと、もう力を使わない」

「城戸?」

「幻海師範に言われたろ。もう能力を使うなって。ヤナ。お前もやめろよ。お前は正義のヒーローなんかじゃない、怪我して死ぬ、モブなんだよ。モブでいろ。……人間でいろ」

「でも! 日本を壊滅させようとしている奴がいて、よりによって海藤、そいつとつるんでるんだよ!! 止めないと!!!」

「その時はその時だ」

「キドぉ!」

「ごめん、ヤナ」

「海藤を見捨てんのか!?」

「捨てねーよ。説得になら、いくらでも行ってやる。命がけでな」

「城戸……!!」

「ヤナ、俺達友達だろ?」

「城戸ぉ!!」

 

 ひしっと抱き合う俺達。

 

「君等初対面だよね? まー、おとなしく来るんならいいけど」

「良かったな、ヤナ……!」

「ああ、五条先生、虎杖、ありがとう……!」

 

 ギギギ、と城戸亜沙斗はブリキ人形のように二人を向いた。

 

「えっと。あなた達は、呪術高専の?」

「ああ、知ってはいるんだ? ところで幻海師範って誰?」

「俺達のソウルティーチャー(ふぅっ)ああっ キドぉ!!」

 

 城戸亜沙斗は気絶した。

 こいつも成り代わりだな。間違いない。でも俺達ソウルフレンドだけどな!!

 

 

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