七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス) 作:墓守
どうしても組み立てられなくて、妹を主軸にしてようやく。
でもこれでようやく全員書けそう。
いずれ特級となる少年といえど、まだ一年生。
夏油傑を攫うのはなんとかなった。
五条悟が最強になる前ならば、転移の心配もない。
「くっ」
手足を撃ち抜かれて、夏油傑は身を捩る。
それを思い切り体重を掛けて踏んで、駄目押しで撃つ。
「グゥッ」
俺と同じく覆面をした妹がそっと近寄り、夏油の頭に手を伸ばした。
「なんだ、これ……!? やめろ! 気色悪い。やめ!!!!」
体を漁り、携帯を見つけて電話する。
『傑!? 無事か……!?』
「嫌だ、嫌だ、やめろ、その気色悪いのをやめろ!! 変態! 変態!! 変態!!!」
夏油は悲鳴をあげ続ける。
「黙れ」
うるさいのでちょっと撃った。
「少し預かった。今返す。場所は」
現在地を吐き捨て、電話を切る。
撤収だ。時間が勝負だ。
俺達は、迅速に逃げ出した。
俺は刃霧 要。
平凡な一般術師である。
能力はスナイパー。
手近にあるものに呪力を通し、弾丸へと変える。
後、相手に直接呪力を打ち込むことで、自動追尾も出来るようになる。
まじでそれだけだ。
特筆するまでもない一般術師。
それに引き換え、妹様は記憶を読み、読み取らせる能力者。
そして、並行世界の記憶を持つ転生者だった。
しかも、この世界の未来が漫画で展開されていた世界だという。
世界一可愛い妹様は言った。
「お兄ちゃん、日本を救う為、力を貸して!」
「わかった」
それで冒頭である。
お兄ちゃんは頑張った。
夏油傑はキーパーソンなのだという。
敵に利用され、悪堕ちして最後には肉体を乗っ取られるのだそうだ。
これで夏油傑は原作知識を手にいれ未来が変わるのではないか。
そう思って作戦を実行したわけだが、夏油傑が誘拐され、術式で凄いセクハラを受けて引きこもっているという噂を聞いた。
自殺未遂騒ぎまで起こり、五条 悟が血眼で犯人を探しているという。
「……ふむ?」
「夏油様が……!? きっと、私達が干渉したから、黒幕が動いたんだわ!!」
心配そうにする妹様。
しかし、俺には気にかかる事があった。
脳みそを乗っ取られるという事だが、それで変態という言葉が出るだろうか。
「聖(ひじり)。夏油傑に渡したという記憶、俺にも見せてくれるか」
「いいよ、お兄ちゃん」
妹様の指が俺の頭に触れる。
記憶が傾れ込んできた。
『最後くらい、呪いの言葉を吐けよ』
『夏油様の缶バッチ当たったー!』
『俺の魂が言っている! お前は傑じゃない!!』
『悟……私、呪霊の力で女の子になっちゃった』
『まじかよ嫁にする』
「聖」
「なぁに? お兄ちゃん」
「九割くらい同人誌の記憶が混じっている」
「げっ」
「記憶の受け渡しの練習してからの方が良かったな……」
高校一年生にこの記憶は辛かろう。
自分と何より大事な親友を題材にした同人誌など、当人にとっては邪悪以外の何者でもない。ましてや、多感な高校生である。本人は生真面目な性格でもある。俺達と名前と能力が同じやつが出てくる幽遊白書の樹が言っていた。『コウノトリの存在を信じる女学生』。そう、そんな子がいるような年齢で、割と夏油はそんなタイプなのではないか。そんな子にこんな物を押し付けて大丈夫なのか。
大丈夫ではないから自殺未遂の話が出ているのであろう。
後、漫画の未来知識と同人誌の嘘知識が区別がつかないことも問題だと思う。
同人誌を知らない子はいるのだ。
あわあわとする妹様を見つつ、さらに聞きたい事を聞く。
「それと、夏油が乗っ取られなくなったら、どうやってこのメロンパンを見つけるんだ?」
「えっとぉ……気合い?」
うーん……。
「ええええん!! お兄ちゃん、助けて!!!」
妹様だから助けるが。
まずは、様子を知ってそうな補助監督をさらって記憶を読むか。
俺はため息をついた。