七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス)   作:墓守

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スナイパー2

初めて友達が出来た。

楽しかった。

サイキョームテキって思えた。

実態はどうでもいい。いうほど最強には拘ってない。

ただ、2人でバカをやるのが楽しかったのだ。

 

 傑が攫われたって聞いて。俺に電話が来て。瞬間的に俺のせいだって悟った。

 だって傑が恨まれるはずがない。俺は懸賞金も掛けられてるし、俺狙いが傑に行ったのだろう。

 

『嫌だ、嫌だ、やめろ、その気色悪いのをやめろ!! 変態! 変態!! 変態!!!』

 

 傑の悲鳴。銃声。悲鳴。

 罠かもしれないって言葉を振り切って、助けに行った。

 

 廃墟の隅で、丸まっていた傑。

 予想に反して、罠はなさそうだった。

 酷い怪我だ。早く治療をしないと。

 

「傑!!」

「さ、悟…… う。げええええええ」

 

 傑が吐く。背中をさすろうと手を伸ばした時、手を弾かれ、怯えと嫌悪の目で見られた。

 変態って叫んでいた言葉。どんな事をされたか、誰だって予想はつく。

 白いものは見えなかったけれど、嬲る方法なんていくらでもあるだろう。

 事実、傑は昂った物を隠し、震えていた。

 

「ごめ、悟……!!」

「大丈夫。気にすんな。硝子を呼ぶ。それなら大丈夫か?」

 

 すぐに硝子を呼び、治療をしてもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「駄目。傑、何も話してくれない」

「そっか……」

「何もなかったって一点張り」

 

 身体中穴だらけにして、ないわけない。

 傑が心配だった。

 その日は休んで、翌日、傑は怖くて部屋から出られないと困った声で告げたらしい。あと、俺に会えないって。

 手が空いてる時期なのもあり、しばし休む事に。

 傑は、人通りの少ない時間を呪術の勉強をして過ごす事になった。

 

 だが、この学校は普通の学校じゃない。

 夜蛾センが抑えてくれてるけど、用意してくれた時間はそう長くない。

 呪専と敵対している存在がいるなら、情報の聞き出しは絶対だった。

 本格的な調書は必ずされる。

 それに、傑が何されたのか知らないけど、呪霊には性的なものも結構いる。

 克服する為に、練習しろなんて馬鹿なことを言われたらどうしよう。

 

 傑は顔が良くて、優秀だ。理由をつけて嬲る事ができるのだ。弱みも作れる。

 考えはどんどん悪い方向に広がっていく。

 

 扉越しに、会話をする。傑の顔が見たかった。

 

「悟。悟は、私が死にたいって言ったら、優しく殺してくれるのかな。髪の毛一本残さずに、さ」

 

 扉越しに消え入りそうな声でそう問われた時、俺は悪者になる覚悟を決めた。

 呪詛師の暴虐を忘れられるくらい、凄い事をしよう。でも傑が怖がんないように、ちゃんと優しく上書きしよう。

 関係は変わってしまうかもしれない。それはすごく怖い。でも、傑が二度と立ち直れなくなる方が怖かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は混乱していた。

 いきなり襲われて、呪霊達も撃たれて、攫われて。

 廃墟に投げ出されて、覆面女に頭を抑えられた。

 そして、膨大な記憶が流れ込む。

 

 それは本やアニメの記憶が大半を占める。

 でも一番多かった事は、私と悟のその、エッチなことの書かれた本に発情していた記憶だった。

 シンプルに気持ち悪い。吐きそう。吐いた。

 

 おまけのように、私がメロンパンなる呪詛師に乗っ取られる事、理子ちゃんという子の護衛の失敗、敗北などの重要そうな記憶が過ぎる。伝えたいのはこっちがメインのようだが、欲望が過ぎて八割エッチな事だった。

 

 記憶を散々読ませた後は、用済みとばかりに放り出された。

 

 記憶で流し込まれた昂りの感情が移る。

 私と悟のエッチな本なんかで興奮してしまった自身が気持ち悪くて吐き気がする。

 でもどうしようもなく昂って、屈辱に震えて。

 

 悟はすぐに助けに来てくれた。

 そんな悟を、私は拒絶してしまった。

 私を殺す人とか、置いていかれるとか、そんな気持ちも確かにあった。

 でもなんというか、悟をそんな目で見てしまい、自分に対してとても耐え難く、穢らわしい自分に悟が触って欲しくないと感じてしまったのだ。自分に嫌悪感である。

 悟のエッチな同人誌のせいで、悟の顔がまともに見れない。

 悟も硝子もとても気遣ってくれる。自分が情けなかった。

 

 翌朝、万全の状態で起床して、心配させてしまったことの謝罪、助けられたお礼を言わないと、その後は任務。難しいことはあとで考えよう。そう頭の中で予定を組み立て、ドアノブを握る。

 

 回せなかった。

 

 体が動かない。

 自分が信じられない。

 

 嘘だろ、あんな事で怯えているのか? 私が?

 たかが私たちが漫画の存在で私が悪者で友達と親友になって悪堕ちして殺されて脳みそくり抜かれて悟が封印されて死ぬ遠因になって、いや、結構な事だな。結構大変だこれ。

 

 戸惑いながら、先生に怖くて部屋から出られない事を告げる。

 それと、悟に顔を合わせられないことも。

 

 情けなさよりも困惑が大きかった為、かえって簡単に伝えられた。

 

 ひとまず、立派な理由があって人目を避けられるのだから、裏取りをしよう。心と情報の整理もしたい。

 

 美々子と菜々子の苗字は珍しい。頼めば実在の人物か調べてもらえるかもしれないし、天元様についても知りたい。真人という呪いは、もう生まれているのだろうか?

 

 もし、情報が事実だとしたら。

 

 ……私は、死ぬべきなんだろうか。悟は、優しく殺してくれるだろうか。

 私は、世界のために死ねるだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 悟が部屋を訪ねてきたので、色々相談しようか迷いつつ招き入れる。

 いまだに悟の顔がまともに見られない。

 でも、心配かけてしまっているし、いい加減悟ときちんと向き合って話さないとね。

 

 

 

 顔をあげると、悟にキスされた。

 

 

 

 

 

 !??

 

 押し倒してくる悟と殴り合いの喧嘩をした。

 ひとまず、今はまだ置いていかれていないようで貞操は守られた。

 

 何があったんだ悟。何か悩み事があるなら聞くよ。

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