七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス) 作:墓守
あと蛍に夏油様と(無理やり)デートさせたい。
あと最近入った1評価はめっちゃ妥当だと思います。さーせん。
正直スナイパー消して1から書き直そうかと思ったけどお気に入りは増えたんですよね。悩ましい。
いつもお読みいただき本当にありがとうございます。
転生したら樹だった。
妖怪って親とかいないのか? いた気がするが……。
俺に限っては突発的に発生したようにしか思えない。
とにかく、人の目に見えないし食事もできないってありえない。
唯一の楽しみは留守宅を探してテレビを見る事くらいである。
俺は仙水忍のファンだし、こうなったら仙水さん……いや、忍を探そうかな。
呼び捨てでもいいよね、だって俺は忍のパートナーだもの。うえへへへ。俺の前世は仙水さんの夢女だったのである。
俺は、俺の事を見える相手にコツコツと忍について聞き込みをした。
それは、女の子に聞き込みをした時のことである。
「幽遊白書の樹は本当にいた……? 私! 仙水さんが見たいです! 樹と仙水のラブラブを1000回夢見て生きてきました!」
なんと。ここは幽遊白書のある世界だった?
【幽遊白書って? 見せてほしい】
「喜んで!!」
そうして、俺はあっという間に女の子、明石 蛍と親しくなった。
女の子のおかげで気兼ねなくテレビが見れるし、漫画も見れる。原稿も書ける。
やおい好きと夢女という埋められぬ溝はあるが、それで起こるちょっとした喧嘩も楽しかった。
思い切って始めた除霊の仕事は、そこそこのお金を稼げた。
ある日、一緒にイケメンアイドルの特集を見ながら、蛍は言った。
「ねぇ、いっくん。私、誰にも迷惑掛けずにテリトリーを手にしたい」
【そうだね。実験はしないとって思ってたし】
「誰もいない所がある所……北海道かなぁ? 広そう」
【なんか良さそうな場所を探そっか】
そして、女の子は本職の営業の仕事を辞め、食料を買い込んで、いざ旅行に出発した。
ほぼ誰もいない場所でソロキャンである。
荷物は裏男を使って俺が運んだ。
荒野のど真ん中で、キャンプと原稿の準備をする。
さあ、実験の開始だ。
ふおおおおおお。魔界の扉よ、今開け!!
「あかないねー」
【待って結構時間かかりそう】
結局、開くまでに二週間くらいかかった。
「おおおおおおー。怖っ」
空間に開けられた穴から、魔界の空気が吹き出す。
その空気に触れて、すぐさま蛍は咳き込んだ。
「くさぁっ! ゲッホゴッホ! う、頭痛がする……!!」
【うまく行ったようだね。蟲が通れるほどの穴はなくていいかな。被害を出したいわけじゃないし】
後は待つばかりである。
キャンプや原稿をしながら待つ予定だったが、思いの外看病で済んでしまった。
吐き気も頭痛もものすごく、心配したがどうにか乗り切った。
これ、人によっては死ぬかも。
しかし、ニ週間ほど掛けて、蛍は無事テリトリーを得たのだった。
「テリトリー、魔法の筆! 私が描いたものが実体化する!」
【凄いじゃないか!】
「これで私も除霊ができるわー❤️ いっくんばっかりに任せるの罪悪感あったし、いっくんとお菓子パーティもできるね!」
相手に傷を描けば、その傷が実体化するというものである。
さらに、食べ物なんかも描いて物質化できる。半透明のそれは、食べると呪力が回復する。
物質化には霊力を大量に使うが、これだと俺も食べ物を食べられるようになる。
蛍の才能に感謝である。
さて、撤収しよう、という所で、ばたりと倒れた音がした。
目隠しされたイケメンである。なんだ事件か?
しかし、イケメン以外に気配はない。
っていうか今までどこにいたんだ?
「ゲェーっ」
激しい嘔吐。
「いっくん! この嘔吐、もしや、魔界の穴が原因では? 閉じないと!」
【そ、そうだね。急ごう】
魔界の穴に向き直ると、化け物手がズボッと出た。
【ニンゲンは何処だあ!】
ヒエッ
「いっくん! 閉じて、穴閉じて!」
慌てて腕を切り落とし、穴を塞ごうとする。
ところが、魔界の穴はなかなか閉じなかった。
必死で閉じようと頑張る。小さな穴から大変だったが妖怪は倒し、人間の匂いが漏れないようテントで穴を囲む。気休め程度にしかならないだろうが……。
しかし穴がなかなか閉じない。
【ダメだ、二週間くらい掛かりそう】
「どうしよう。病院に行ってどうなるとも思えないし」
【そうだね。彼に関しては様子見するしかないね】
「ごめんなさい」
俺達は3日ほど様子を見たが、イケメンの目を覆う包帯から血が滲み出した。
意識もほぼ混濁している。
大変である。蛍の時より明らかに症状が重い。死ぬかもしれない。
「ど、どうしよう。やっぱり病院に行くしかないんじゃ」
「頼めるかな、蛍。俺は穴を閉じないと」
なんだかカラスが多い。
やめろ、このイケメン君は餌ではないぞ。
蟲だの化け物の腕などの対処もあるし、ここは動けない。
強い不安が過ったので、蛍に裏男をつける。
2日後、裏男が蛍とイケメン君を保護して逃げてきた。何でも今、北海道には原因不明の奇病が発生しており、イケメン君は何者かに狙われたどっかの国の王子様らしい。
それなんて乙女ゲー?
その後、特殊部隊らしき団体が襲ってきた。
ま、マジだー!?
火事場の馬鹿力で猛スピードで穴を縮め、ここまでくれば自分で閉じそうなのを確認して、俺達は逃亡した。まじで銃で撃たれた。妖怪じゃなかったら死んでいた。
酷い、何も悪いことしてないのに!
事情聴取ぐらいしてくれても!
そう捨て台詞を吐こうと最後に振り返ったら、特殊部隊の人々も三分の一くらい嘔吐していた。
俺は口を閉じた。