七人で墓穴掘る(じゅじゅ✕幽白クロス) 作:墓守
北海道に呪霊を祓いにきた時のこと。
「なんかおかしい。伊地知はここで待機。ちょっと行ってくる。様子見してすぐ戻る」
「は、はい?」
「やばかったら帰れ」
そう言って、五条さんは消えてしまった。
戸惑いながらも待機する。遅い。3時間経って、事態を報告するとともに、電話の位置を逆探知した。
逆探知は成功。帳をおろすのを忘れたのか。それすらできない状況なのか。
なんだか心配で胃がムカムカして頭痛がする。
最近忙しかったのもあるかもしれない。
近場の術師の病院に掛かる。
「なんで来ちゃったんですか!? 呪力が練れなくなる奇病が流行ってるって報告あげましたよね!??」
「は?」
慌てて確認したところ、頭痛と吐き気の症状を訴える者が増えているという。それに術師が掛かると、見えるが呪力は練られない状態になるという。
感染性はなく、地域は限定的。
なので近寄らないようにという通達があったそうなのだ。
上層部からの依頼は、その勢力圏内の呪霊の討伐である。
逆探知の位置は、問題の病が流行っている場所を円で囲った、ちょうど中心地だった。
悪意がありすぎる。
東京に送られて、すぐさま、夜蛾学長に助けを求めた。
その結果、呪力を失うことを覚悟で棘くん、そして、元からそれがない真希さんが五条悟の救出任務を請け負う事となった。
上層部の妨害もあり、準備をするのに3日掛かった。
その間に、術師に対する注意喚起がされ、五条悟が犠牲になったのではという噂もまた広まる。
何故か冥冥も捜査に協力してくれたが、五条悟を見つけた所で発症。カラスへの支配権を失った。
中心地に得体の知れない穴とそこから出る化け物、五条悟を看病する女が2人観測された。
なんとかしないといけないのに、具合が悪くて動けない。
危機感が募るほど、体は異変を強く訴えていく。
とある病院で、女に支えられた五条悟が見つかり、五条悟病気説に裏付けが取られてしまった。
襲いに来た犯罪者集団と棘くん、真希さん、何故かいた直哉さんがぶつかり、その間に女は五条悟を連れて逃亡。棘くん、直哉さんが発症。遅れて真希さんも倒れて病院に運ばれたという。
五日目。家入さんが荷物を用意して向かおうとするが、護衛という名の監視がつき、不可能に。私は覚悟を決めた。寝ている場合じゃない。五条さんを助けないと。
気がつけば、呼吸が楽になって呪力が練れるようになっていた。
本能の赴くままにそれを広げる。
「これは……簡易領域? いえ、違う……」
広げた範囲内の人が光って見える。
「伊地知!?」
「なんだこれは、おかしな真似をするな!」
「す、すみません!!」
監視の術師に怒鳴られ、慌てて引っ込める。
「簡易領域?」
「ええっと。範囲内の人の感情を色で見れる、ような、気がします」
「病気が原因としか思えないな」
家入さんが北海道の医師と連絡を取り合う。
病気から回復すると、呪力の増加や術式の発露があると知らされた。
といっても、二週間が今の所回復までの平均で、たった5日で回復した私はかなり軽い方だという。
「おそらく、あの穴の影響下からいち早く離れて東京に来た事で減退されたんだな」
「つまり、五条さんはもっと強くなると?」
「生き残れたらな。さ、お前はもう健康なんだから、仕事に戻れ。伊地知」
そういった時だった。
空間に穴が空いた。
「すみません! 急患なんです! 家入硝子さんはいますか!?」
「私だ。連れてけ!!」
「なっ!!」
「ヒィィすみません!!!」
女の子が言って、穴に家入さんが荷物を引っ掴んで飛び込む。
追いかけようとした男を殴り、私も穴に飛び込んだ。
穴の中では、五条さんが横たわり、荒い息を吐いていた。