雷霆の巨人 ーRuler of Titansー   作:マルシア

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あらすじ
捕獲したはずの女型の巨人と接敵したリヴァイ班は
大群の巨人と女型の討伐をする班に分かれて、討伐に
向かうが、リヴァイ班の大半が戦死する事になる
地獄を見て、己の選択の過ちを悟ったエレンは巨人化
して、女型に襲いかかるが、返り討ちに合う。

では、第十話をどうぞ


第十話 疑念

 

第57回壁外調査は右翼方面から出現した女型の巨人に

よって、右翼側は壊滅状態となりつつも、巨大樹の森にて

女型の巨人を捕獲することに成功するが、巨人に喰われて

情報を聞き出すことには失敗し、カラネス区に帰還する

ことになる……

 

一方、リヴァイ班はリヴァイ兵長と合流するために立体

機動に移ったが、突如出現した女型の巨人と大量の無垢

の巨人によって、カールやエレンを始めとする4人しか

助からなかった……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ミーナが連れて来たカールの馬にペトラを乗せると、

その後ろにペトラを乗って、馬を走らせた。

 

十数分走ると、巨大樹の森を抜けて、中央最後方のに

荷馬車に追い抜くと、その荷馬車に止まってもらい、

ペトラをその荷馬車に乗せると、荷馬車は走り出した。

 

「カール君…なんで私の下半身にマントを掛けたの?」

「ペトラさん…その……ズボンが濡れていらっしゃた

ので、掛けさせてもらいました」

「ぎゃあぁぁぁぁあぁぁ!」

 

ペトラは寝そべった状態のまま顔を手で覆ってしまった

ので、顔はよく見えなかったが、頬が紅潮していた。

ペトラとしたら、後輩から自分の失禁を見られた上に、

指摘されたことは初陣の時の失禁より恥ずかしい。

 

「もう!カールはペトラさんを虐めないの!」

「やめて……それを後輩に言われると、余計に恥ずかしい

から……」

「オイ…コイツを荷馬車に乗せるから、少し停めろ」

「へ、兵長‼︎」

 

カールに隣にいたミーナが説教をすることで、羞恥心が

出てきて、更に顔を紅潮させていると、後ろから

リヴァイが近づいて来て、荷馬車を停めるに命令した。

荷馬車は再度車輪を止めて、エレンを仰向けに荷馬車に

乗せていると、後ろから馬に乗ったミカサが

近づいて来た。

 

「ミカサ‼︎」

「カール…女型の巨人からエレンは救い出せたけど……

女型を仕留めることは出来なかった……」

「リヴァイ兵長でも無理でしたか…」

「それは違う‼︎……私が邪魔をしなければ…」

 

ミカサの最後の発言から二人からの間には少しの間が

出来たが、リヴァイの出発の合図を受けて、休息地点まで

馬を走らせた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

休息地点に着くと、遺体回収目的の荷馬車で回収できる

遺体の確認を行なっていた。

 

カールはミカサから女型の巨人についての情報を

聞いていた。

 

「兵長は足首を挫いて、立体機動ができない…か」

「そう……私のせい…」

「まっ!ミカサもそう落ち込むな!」

「そこの新兵!すぐにここの出立する!」

「「はい!」」

 

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「は!」

「エレン、起きたのね」

「ペトラさん‼︎それにカール、ミカサ、ミーナ‼︎」

「起きてそうそう悪いが、女型の巨人の捕獲に失敗して、

今はカラネス区に帰還しているところだ」

「え?……じゃあ…この作戦で死んだ……

兵士はどうなるんだ…」

「無駄骨だった……てことだろうな」

「クソ…クソ……クソッ!」

「エレン…もうすぐ壁に着くから…」

 

目を覚ましたエレンは周りの状況を見て驚いていると、

荷馬車の側を馬で走っているカールが状況を説明している

間に朝通った旧市街地が見えて来た。

 

エレンは周りを見回すと、そこには朝より数が少なく、

傷だらけの兵士だけだった。

そうしている内に、カラネス区の開閉扉に着き、内扉、

外扉と開門されて、調査兵団はカラネス区内に入った。

無情にも調査兵団の帰還を知らせる鐘がカラネス区に

響き渡った。

 

「調査兵団が帰ってきたぞ!」

「今朝より数がかなり少なくなってないか?」

「早朝から叫び回って出てったと思ったら、昼メシ時には

もう帰ってきやがった」

「何しに行ったんだ?」

「さぁな……まぁしかし…

こいつらのシケた面から察するにだな…俺らの税をトブに

捨てに行くことには成功したらしいぜ」

「ク、クソ……」

「エレン!」

「かっけー!これがあの調査兵団か‼︎

あんなにボロボロになっても戦い続けてるなんて‼︎」

 

調査兵団を批判するカラネス区の住民の批判に対して、

エレンは身体を起こして、反論しようとすると、

ボロボロの調査兵団を羨望の眼差しで見る少年を見て、

エレンは起き上がれなかった。

 

「エルヴィン団長‼︎答えて下さい‼︎」

「今回の遠征でこの犠牲に見合う収穫はあったの

ですか⁉︎」

「死んだ兵士に悔いは無いとお考えですか⁉︎」

「エルヴィン団長‼︎」

 

今回の損害をエルヴィンに攻める住民たちを見て、エレン

は顔をうずくめて、泣き出してしまった。

 

(エレン…君にとって調査兵団は憧れの存在だった……

だからこそ…こんな姿は想像できなかった)

 

カールはエレンを見ながら、また涙を流してしまった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

調査兵団はカラネス区の本部に入り、団長から待機命令が

出ていた。

そんな中、カールとミーナは本部内にある個室を借りて、

密会をしていた。

 

「で、アニは大丈夫だと思う?」

「大丈夫……とは言い切れませんが、アニなら壁内に

帰還していると思います」

「そうだといいけど……

それと…多分、リッツさんはもう調査兵団をやって

いけないと思う……マークさんを失った悲しみで誰の

声も聞こえてない……精神の喪失で調査兵団を退団させ

されるかもしれない…ハンナもそうだったし……」

「そうですか……僕はこうなると分かってて、あの罠を

仕掛けた…でも僕自身の人格を殺さなかった……」

 

カールは自分が招いた事だとは分かっていても、頭の中は

整理ができていなかった。それを見たミーナはカールの

頭を自分の胸元に抱き寄せた。

 

「カールは言ってたでしょ…こうなる未来しかないって…

でも、カールは変えたくて、あの巨人の群れの中に

突っ込んでいって、巨人を殺しまくったんでしょ……

それで変えられないなら…それは仕方ないだよ……」

「うっ…うっ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぉ!」

「今から旧調査兵団本部に帰還するんでしょ!もう!」

 

カールは泣き続けた後、そのままミーナの胸元で寝て

しまったので、ミーナは少し苦笑いをした。

 

「もう!今日中に帰らないといけないんでしょ!」

「すぅー」

「でも…この寝顔もいいな……大好きだよ、カール…」

「オイ、カール‼︎さっさと支度しろ!それと…

そこのお前も一緒に着いてこい」

「私もですか?」

「そうだ」

 

ミーナは寝てしまったカールを馬に乗せながら、旧調査

兵団本部まで馬を走らせた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「遅ぇな…エルヴィンの野郎共…待たせやがって

憲兵が先に来ちまうぞ…」

 

リヴァイは座って、紅茶を飲みながら、エレン、カール、

右腕を固定されたペトラ、新兵のミーナが椅子に

座らされていた。

 

「兵長…今日は…よく喋りますね」

「バカ言え、エレン

俺は元々結構喋る…」

「…すみません

オレが…あの時…選択を間違えなければ、こんなことに…

兵長にもケガまで…」

「言っただろうが…結果は誰にもわからんと」

「遅れて、申し訳ない」

「いえ……アルミン?ミカサも…」

「女型の巨人と思わしき人物を見つけた……

目標は普段、ストヘス区中で憲兵団に所属している…」

 

エルヴィン達一行はそれぞれ席に着いて、作戦を話し

始めた。そう…女型の巨人を捕獲する作戦を……

 

「ちょっと待ってください!団長!

女型の巨人をストヘス区内で捕獲することは分かりました

が…ストヘス区の誰かは分かったんですか⁉︎」

「あぁ…そして、それを割り出したのはアルミンだ

この作戦を立案したのも彼で私がそれを採用した

女型の巨人と接触したアルミンの推察によるところでは…

曰く、女型は君達、104期訓練兵団である可能性があり、

生け捕りにした2体の巨人を殺した犯人とも思われる

彼女の名は………アニ・レオンハートだ」

「え…アニが?女型の巨人?何で…そう思うんだよ…

アルミン」

「女型の巨人はエレンの顔を知ってるばかりか…同期

でしか知りえないエレンのあだ名、『死に急ぎ野郎』に

反応を見せた……

何より大きいのは2体の巨人を殺したと思われるのが

アニだからだ…

あの2体の殺害には高度な技術が必要だから…使い慣れた

自分の立体機動装置を使って…検査時にはマルコの物を

提示して、追求を逃れたと思われる」

「は…?どうして…マルコ…が出てくる?」

「……わからない…僕の見間違いかもしれない…」

「は?根拠が無い……じゃあ、アニじゃなかったら…」

「エレン…君は女型の巨人の格闘術に見覚えないかい?」

「女型の格闘術…?」

「遠目からでしか見てないが…エレンの頭を蹴り飛ばした

格闘術は……アニの物に似通ってる」

「エレン…実際に受けたお前はどうなんだ?」

「……確かにアニの格闘術に似ています…」

「これで決まりだ…もし間違ってた場合はまた一から女型

の中身を探さなきゃいけねぇがな」

「これにて、解散とする…

作戦は明後日のウォール・シーナの東部、ストヘス区だ」

「「「「「「は!」」」」」」

 

エレンは自分ベットがある地下に向かって、アルミン達は

カラネス区に向かって歩き出した。

自分の寝室に向かおうとしていたカールとアルミン達と

共にカラネス区に歩き出していたミーナをエルヴィンは

止めた。それを聞いた二人はその場に残った。

 

食堂にはカール、ミーナ、エルヴィン、リヴァイだけが

残っていた。

そして、エルヴィンはある質問をする…

 

「君達は女型の巨人、アニ・レオンハートの仲間じゃ無い

のか?」

 

その場には不穏な空気が流れる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2日後ーー ウォール・シーナ ストヘス区

 

「アルミン…僕、来る必要がありましたか?」

「カール、君は訓練兵団の時、アニとよく話していたから

…君ならアニを説得できるかなって思って」

「アニと仲がいいのは分かるけど…アニが憲兵団に入って

からはそこまで話してないから……」

「それでも……」

「アルミン!アニが来ましたよ!」

 

コートの下に立体起動装置を隠したアルミンとカールが

ストヘス区内の建物の路地裏で話していると、

通りで銃を抱えて歩いているアニがいた。

アニは訓練兵の時と同じで、同僚の憲兵から少し離れた所

を歩いていた。

歩いていたアニは路地裏にいるカールとアルミンを見つ

けると、路地裏に入ってきた。

 

「アルミン……それにカールが何でここにいるの?」

「エレンを逃すことに協力してくれないかな…」

「逃すってのは…王政の命令に逆らって…この壁の中の

どこに逃げるの?」

「一時的に身を隠すだけさ

王政に真っ向から反発するつもりじゃない…調査兵団の

一部による反抗行為って体だけど……時間を作って、その

間に審議会勢力をひっくり返すだけの材料を揃える…

必ず!」

「そう……その話には根拠も利もないよ…」

「アニ、頼む!」

 

アルミンの説明を聞いて、話にならないというもの言いを

して、その場を立ち去ろうとしようとしたが、カールの

呼びかけで、アニの足は止まった。

 

「あんたがそこまで嘆願してくるなんて…珍しい事も

あるんだね……あんたらの話に乗ってあげる」

「ありがとうございます、アニ!」

 

アニは胸ポケットから銀色の指輪を出して、右手の

人差し指にはめた。

カール達は待ってくれていたエレンとミカサと合流した。

5人は周りに警戒しながら、目的の場所まで歩いていた。

 

「ねぇ…私が協力しなかったら、どうやって壁を越える

つもりだったの?」

「立体起動で突破するつもりだったんだ」

「…無茶じゃない?

そもそもストヘス区に入る前に逃げた方がこんな面倒も

掛からかて済んだはずでしょ?何で今ここでなの?」

「ここの入り組んだ街の地形を利用しなければ、替え玉

作戦が成功しないと思ったからさ

真っ向から逆らって逃げるより…ある程度従順に振る

舞って、警戒心を解いてからの方が逃走の時間を稼げる

からね」

「……そう…納得したよ」

 

少しの間沈黙が訪れ、目的の場所に訪れた。

 

「昔計画されてた地下都市の廃墟が残っているんだ

これがちゃんと外扉の近くまで続いている」

「本当か?すげぇな…」

「うん…地上を歩くよりはるかに安全だ」

 

エレン達は地下通路への階段を降りていたが、アニの

足が止まった。

 

「アニ?どうしたの?」

「私はそっちに行かない…」

「はぁ?何だお前…まさか暗くて狭い所が怖いとか

言うなよ?」

「…そうさ、怖いんだ……あんたみたいに勇敢な…

死に急ぎ野郎には…」

「か弱い乙女の気持ちなんて…わからないだろうさ」

「…大男を空中で一回転させるような乙女はか弱くねぇよ

バカ言ってねぇで急ぐぞ!」

「いいや…私はそっちに行かない……地上を行かないん

なら協力しない」

 

階段を降りようとしないアニに痺れを切らしたエレンは

振り返り大声を上げた。

 

「何言ってんだ、てめぇは⁉︎さっさとこっちに来いよ‼︎

ふざけてんじゃねぇ‼︎」

「エレン!叫ばないで…」

「大丈夫でしょ?ミカサ……

さっきからこの辺には……なぜかまったく人がいない

から……まったく…傷つくよ」

 

カールは横を見ると、空砲を鳴らす準備をしている

アルミンがいた。

 

「アニ…何で……マルコの立体起動装置を持ってたの?

わずがなキズやヘコみだって…一緒に整備した思い出

だから…僕にはわかった」

「あれは…拾ったの……」

「…じゃあ、生け捕りにした2体の巨人はアニが

殺したの?」

「さぁね…でも一ヶ月前にそう思っていたんなら…

何で…その時に行動しなかったの?」

「アニもあの時僕を殺さなかったから…今…こんなことに

なっているじゃないか…」

「心底そう思うよ…まさかあんたにここまで追い

詰められるね……あの時…何で…だろうね」

「アニ!クソつまんない冗談に適当に話を合わせてる

可能性が…まだ…あるから……とにかく‼︎こっちに

来いよ‼︎」

「この地下に入るだけで証明できる事があるんだ‼︎

こっちに来て、証明しろ‼︎」

「………私は…戦士に成り損ねた…」

「だから…‼︎つまんねぇって言ってるだろうが‼︎」

「アニ‼︎話合うよ‼︎」

「退けて、アルミン‼︎」

 

アルミンが対話を持ち掛けようとしたが、ミカサが

その間に入って、コートを脱いで、操作装置にブレードを

付けて、鞘から抜いた。

 

「これ以上、聞いてられない……不毛…

もう一度ズタズタに削いでやる…女型の巨人‼︎」

「ハッ…ハハッ…ハハハハハハッ!

アルミン…あんたとの賭けには勝ったけど……

でも、私が賭けたのはここからだから!」

 

パーン! ダッ!ダッ!ダッ!ダッ!

 

「ウッ!」

 

アルミンが空砲を空に撃ったことにより、周りの建物に

潜伏していた調査兵によってアニは押さえつけられて、

舌を噛み切らないように布を噛ませられた。

しかし、アニは人差し指にはめていた銀色の指輪に

備えられていた出っ張りを親指をぶつけて、棘を出す。

それを見たミカサとカールは走り出したエレンとアルミン

を連れて走り出した。

 

「一歩…‼︎遅かった…」

 

ピカッ‼︎ ドォォォォォォオォォォオォォォオオォォン!

ゴォォォォォォォオォォォォォォ‼︎

 

「3人とも走れ‼︎

アニは指輪に仕込まれた棘で指を切って、巨人化しま

した」

「そんな…単純なことに…くっそぉ……

やっぱり…僕の嘘は最初から気付かれていたんだ…

地下深くで待ち伏せしてるのもバレバレだった‼︎

もっとやり方が他に…あったはずだ」

「アルミン…反省は後にして……教えて、私達はどう

すればいい?」

「これから…とりあえず…3班と合流して地上に出て、

後は二次作戦の通りに…アニと…女型の巨人と戦う!

エレンは…予定通り巨人になって、捕獲に協力してもらう

…いいよね?」

「あぁ!」

「オーイ!三班だ‼︎何だ⁉︎一次捕獲は失敗したのか⁉︎」

 

4人が地下通路を走っていると、目の前に調査兵が現れ

て、状況を聞いてきたので、カールは答えた。

 

「失敗しました!二次作戦に移行して………」

 

ドォガァァォァァン‼︎

 

「踏み抜いた……クッ!アルミン‼︎僕はあの穴から

脱出します‼︎」

「待って‼︎カール‼︎」

 

パシュン‼︎ プシュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ‼︎ カチャッ‼︎

 

(人を殺してしまいました……アニはあそこですか…)

 

「オーイ!作戦はどうなった‼︎」

「女型の正体は間違いありませんでしたが、彼女を

巨人化させてしまいました!二次作戦に移行

して下さい‼︎」

「わかった‼︎」

 

カールは女型の巨人を見つけると、建物にアンカーを突き

刺して、建物の屋根の上に登った。

すると、エレンがいた位置に雷が落ちて、煙の中から

巨人が出てきて、そのまま女型の巨人の顔を顎から振り

抜いたことによって、女型の巨人は吹き飛んだ。

 




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