雷霆の巨人 ーRuler of Titansー 作:マルシア
トロスト区奪還作戦を成功させたカールたちは
失った同期達の多さに悲しみに暮れていたが、
まだ、時間が経っていなかった中、エレンの
今後の進退を決める会議が行われる。
では、第七話をどうぞ
第七話 敵か?救世主か?
「ミカサ!アルミン!ミカサとアルミンは居るか!」
「どうしたの、カール」
「びっくりした!ミカサ、来るの早すぎますよ!」
「いや、カールが呼んでたから……」
「おーい、ミカサ!突然走り出して……
カール!それに……その制服は……」
兵法会議の当日となり、ミカサとアルミンを呼びに来た
カールの背後にいきなりミカサが現れて、驚いている。
さらに、ミカサがいきなり走り出したので、それを追い
かけるアルミンもカールの目の前に現れた。
アルミンはミカサといるカールに驚いていたが、それ以上
に、調査兵団の制服を着ていたことに驚いていた。
「僕はすでに調査兵団に所属している……
じゃなくて、ミカサ、アルミン、これからエレンの
兵法会議があるから一緒に来てくれ」
「……!わかった
行こう、アルミン」
「う、うん」
三人はエレンのいるであろう審議所に向かって、
走り出した。
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三人は審議所に着くと、入り口で先のトロスト区奪還作戦
で駐屯兵団の精鋭班のリコがいたので、カールだけ
調査兵団のエルヴィン達のいる調査兵団の個室に
向かい、エルヴィンとリヴァイと合流をして、審議所内に
向かう。
「リヴァイ兵長、今回の兵法会議にはザックレー総統も
いらっしゃるのですか?」
「あぁ、それに三兵団のトップも全員揃う…
カール、オマエは質問された時だけ喋れ…いいな?」
「は、はい!」
三人が審議所内に入ると、ザックレー以外は既
揃っていた。
そこに金髪に顎と口髭が特徴的な分隊長、ミカ・ザカリ
アスとメガネにポニーテイルの分隊長、ハンジ・ゾエ
がそばにいた。
それと同時にエレンが入ってきて、エレンが鉄柱に固定
されると、ザックレーが入ってきた。
(あの人が3つの兵団のトップ、ダリス・ザックレー
総統か……他の貴族の話では、有益であるかを判断する
人だと聞いている
どう転ぶかエレン次第……か)
カールが頭の中で考え事をしていると、ザックレーの審議
内容の確認が終わり、憲兵団に案を聞いていた。
「憲兵団師団長ナイル・ドークより提案させて、
いただきます…
我々はエレンの人体を撤退的に調べ上げた後、速やかに
処分すべきと考えております
彼の存在を肯定することの実害の大きさを
考慮した結果…この結論に至りました……
中央で実権を握る有力者達は彼を脅威と認識しています
王族を含める有力者達は5年前や今回の事態を受けて
なお…壁外への不干渉を貫いています
しかし、今回の襲撃を受け、エレンを英雄視する民衆…
主にウォール・ローゼ内の民や商会関係者の反発が
高まり、その結果…我々の残されたこの領土を巡る内乱が
生じかねない状況です
彼の巨人の力が今回の衝撃を退けた功績は事実です
その存在が実害を招いたのも事実……
彼は高度に政治的な存在になりすぎました…
なので、せめてできる限りの情報を残してもらった後に
我々人類の英霊となっていただきます」
「そんな必要は無い‼︎
ヤツは神の英知である壁を欺き、侵入した害虫だ!
今すぐに殺すべきだ‼︎」
ナイルが憲兵団の意向をザックレーに伝えていると、
ウォール教の司祭、ニックは激怒しながらナイルに反論
していた。
(彼らは5年前まではそこまで力がなかったのに……
面倒臭い人達ですね)
「ニック司祭殿、静粛に願います
次は調査兵団の案を伺おう」
「はい
調査兵団13代団長エルヴィン・スミスより提案させて
いただきます……
我々調査兵団はエレンを正式な団員として迎え入れ、
巨人の力を利用し、ウォール・マリアを奪還します」
エルヴィンの提案はナイルの提案よりも短く、
ザックレーが聞き直すと、再度了承する。
ここからはエルヴィンがカールに説明をした事を
伝えると、保守派の商会がエルヴィンの提案を否定して、
壁の開閉扉を頑丈に封鎖するように申し出ると、
そこにニックが反対して、地獄のような様相になっていた。
そこにエレンがミカサを殺そうと殴りかかったことと
憲兵団による調査でエレンとミカサが人殺しをしている
事を突きつけられ、その場はエレンを殺すべきだの方に
流されつつあった。
商会の人間はあろうことかミカサを人間かどうかを疑い
始めた。
(人間とは何と愚か……目の前の恐怖を排除しようとする
王政がこうさせているのはわかるが、少しも外への探究心
を放棄してしまっている……これではマーレの技術には
勝てない……)
「いいから黙って‼︎全部オレに投資しろ‼︎」
カールが人間の本質的な悪の部分は貴族達の会話で
知っていたが、ここまで腐ってしまっているのかと思い、
落胆していると、エレンが先程の商会の人間に
怒っていた。
それを見たナイルはすぐさま部下の憲兵に銃を
構えさせると、リヴァイがエレンの顔を勢い
よく蹴っていて、エレンの口から歯が飛んで
しまっていた。
そして、そのままエレンの腹に膝蹴りを入れ、今度は
頭を掴み、顔に入れた。
頭を踏みつけてながら話し始めた。
「これは持論だが、躾に一番効くのは痛みだと思う
今、お前に一番必要なのは言葉による『教育』ではなく、
『教訓』だ
しゃがんでいるから丁度蹴りやすしな」
そのままリヴァイはエレンを再度蹴り始めた。
それに対して、ナイルが静止するようにリヴァイに
言うと、リヴァイはエレンの髪を掴みながら、
ナイルに問いかける。
「お前らはこいつを解剖するんだろ?
こいつは巨人化した時、力尽きるまでに20体の巨人を
殺したらしい……
敵だとすれば、知恵がある分厄介かもしれん…
だとしても俺の敵じゃないが…お前らはどうする?
こいつらをいじめた奴らもよく考えた方がいい
本当にこいつを殺せるのかをな」
「総統…ご提案があります
エレンの『巨人の力』は不確定な要素を多分に含んで
おり、その危険は常に潜んでいます
そこでエレンが我々の管理下に置かれた暁にはその対策
としてリヴァイ兵士長に行動を共にしてもらいます
彼ほど腕が立つ者ならいざという時にも対応できます」
「ほう…できるのか、リヴァイ?」
「殺すことに関して言えば間違いなく、問題はむしろその
中間が無い事にある…」
リヴァイが監視をするという事でエレンの管轄が調査兵団
に決定をして、この兵法会議はエルヴィンの思惑通りに
なった。
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「エルヴィン団長、これでひとまず目的は達せられ
ましたね」
「それにしても、限度があるでしょ…
歯が折れちゃたんだよ、リヴァイ…
ほら」
「拾ってくるんじゃねぇよ、気持ち悪いんだよ」
審議を終えて、調査兵団管轄になったエレンは調査兵団の
控え室にいた。
カールがエルヴィンに話かけていると、ハンジがエレンが
座っているソファに座るリヴァイに問いかけながら、
審議所で拾った歯を見せると、リヴァイは超が付く程の
潔癖症のためその行為を気持ちわるがっていた。
エレンはハンジに口の中を見せるように言われたので
口を開くと、あるものを見たハンジは驚いていた。
「歯が生えてる」
「ハンジ分隊長、エレンは腕と足を一度失いましたが、
再度生えてきたので、それも巨人の力かと…」
「どうせトカゲみたいに生えてくるってことだろ…
気持ち悪い」
カールがエレンが初めて巨人化して、体内から出て来た際
の状況を伝えていると、それを聞いたリヴァイが
引いた目でエレンを見ていた。
それを見たエルヴィンは手を叩いて、調査兵団はその場で
解散となった。
部屋に残ったのはカールとエルヴィンだけが残った。
「団長、私は今日から調査兵団の兵舎で過ごす事になるの
ですか?」
「そうしてもらうつもりだが、君には二人の部下をつけ
させてもらう…入って来たまえ、リッツ、マーク」
「え?」
エルヴィンがそう伝えると、二人の調査兵団が
入って来た。二人は入ってくると、エルヴィンとカールに
敬礼をした。
「あの…何故僕のような新兵に部下を…」
「君のような逸材を早々に死なせてしまっては
いけないし……貴族である君に部下を付けろとの王の命令
が出ているのでね」
「私は調査兵団所属のリッツ・エルナーです」
「俺は調査兵団所属のマーク・ガリューガーです」
エルヴィンが淡々と説明して、それが終わると二人が
自己紹介をし始めた。
栗色の髪に短髪の女性がリッツ、茶髪に髭を生やした
男性がマークであると二人は答えた。
(エルヴィン団長、僕の出自まで調べましたか……こんな
しがない南方の訓練兵の……
彼は侮れない存在ですね……もしかすると、
巨人の正体……いやマーレすらも滅ぼせるかも知らない
ですね)
「初めまして、僕がカール・ヘッシャーです」
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「旧調査兵団本部…古城を改装した建物ってだけあって…
趣とやらだけは一人前だが…
こんな壁と川から離れた所にある本部なんてな…
調査兵団には無用な長物だった…まだ志だけは高かった
結成当初の話だ……
しかし…このでかいお飾りがお前を囲っておくには
最適な物件になるとはな」
少しリヴァイを意識したような髪型をしている男性、
オルオ・ボサドは独り言を馬上で言った後にエレンの方を
向いた。
「オルオさん、めんどくさい絡み方してますね」
「オルオさんにとって、あれはいつも通りなんですか?」
「そんなですよ…だから俺たちもめんどくさがって……」
カールの質問をマークが答えていると、オルオが舌を
噛んでしまい、エレンは困惑していたが、エレンやカール
達が所属する調査兵団特別作戦班、通称『リヴァイ班』の
他のメンバー達は呆れていた。
そのまま、旧調査兵団本部に向かうので、オルオは口から
血が垂れ流したままだった。
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特別作戦班は目的の場所に着いたが、古かったのか、
埃などが溜まっていて、全員で掃除をやらされ、夜を
迎えた。
「エルドさん、本当に30日後に壁外調査をするの
ですか?」
「らしいな、それも今季卒業の新平を早々に
混じえると…」
「エルド…そりゃ本当か?」
金髪で顎髭の男性、エルド・ジンの話を坊主の男性、
グンタ・シュルツ驚いていた。
「ずいぶん急な話じゃないか
ただでさえ今回の巨人の襲撃は新兵には堪えた
だろうによ」
「ガキ共はすっかり腰を抜かしただろうな」
「本当ですか、兵長?」
「作戦立案は俺の担当じゃない……
ヤツのことだ…俺たちよりずっと多くのことを考えている
だろう」
グンタの話にオルオとすました顔をしながら、金髪の
短髪の女性、ペトラ・ラルがリヴァイに話しかけると、
リヴァイは紅茶を見ながら、答えた。
「確かに…これまでとは状況が異なりますからね…
多大な犠牲を払って進めてきたマリア奪還ルートが
一瞬で白紙になったかと思えば……
突然まったく別の希望が降って湧いた…………
…未だに信じられないんだが…『巨人になる』って
いうのはどういうことなんだ、エレン?」
「…その時の記憶は定かではないんですか…とにかく
無我夢中で……でもきっかけになるのは自傷行為です
…こうやって手を……」
「お前らも知ってるだろ……報告書以上の話は
聞き出せねぇよ……
まぁ、あいつは黙ってないだろうが、ヘタにいじくり
回されて死ぬかもなお前……エレンよ」
「え…?あいつとは…?」
「こんばんは〜リヴァイ班の皆さん
お城の住み心地はどうかな?」
「あいつだ」
エレンに質問したエルドに対して、リヴァイが制止を
かけると共に、どのように巨人化したのか分からない
エレンの身を案じていると、食堂をドアを開けて、
エレンに声をかけながらハンジが入って来た。
それと同時にカールはリッツに肩を叩かれたので、
リッツを見ると、招き手をされていたので、耳を
近づけると、小さな声で部屋を出ましょうと言い出した。
それを聞いたカールはエレン達に挨拶をして、先に
上がらせてもらうことにした。
「リッツさん、さっきの話は本当なんですか?
ハンジさんの話がめんどくさいって……」
「本当だとも…ね、マーク?」
「あぁ、俺が新兵の時、ハンジさんの巨人の話を
聞いていたら、明け方になっていたからな……」
「なるほど……それは抜けて来て、正解でしたね
それと二人は特別な仲だ…とペトラさんに聞いたので、
後は二人の時間にしてもらってもいいですよ」
「ペトラ…言っていいことと悪いことがあるでしょ……
では、私達はカール君と別行動をさせてもらいます」
「ありがとう!カール君!」
「いいですよ、別に…」
カールはそう言うと、二人とは別の方向に歩き出した。
それはベットのある寝室ではなく、裏の出口の方だった。
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「アニ!何処にいますか!」
「私はここだよ、カール」
「あぁ、居てくれましたか…アニ……なんでミーナも
いるんですか?」
「二人だけ会うのは少しヤダなって思って………」
「何ですって?」
「何でもない!それよりアニはライナー達と約束が
あったんじゃないの?」
「いや……あれは二人にやってもらったから、
大丈夫…なはず……それより、話って何?」
カールは二人を旧調査兵団本部から少し離れた所の森に
集まってもらっていた。
アニはカールに自分たちを呼んだ理由を聞くと、カールは
懐から一枚の地図を出して、ウォール・ローゼ南部、
カラネス区を指差した。
「次の壁外調査はカラネス区から出発する…
その際にエレンをリヴァイ兵長の班に組み込み、
シガンシナ区に向かうことになっているが、団長は
超大型や鎧が人間であると目星つけている……
かもしれない……」
「つまり、今回の壁外調査は私を誘き出す作戦だって
言いたいの…」
「そうだ……君はライナー達との約束で、エレンを
壁外調査中に攫うだろ……だから、君はそんな危険を
冒さずに……」
「じゃあ、団長にカールが巨人の力を持っているって
見せつけて、団長と話し合うってのは?」
「「え?」」
ミーナはカールとアニの話の間に入って、地図の
ウォール・マリアの東部にある巨大樹の森を指差す。
「調査兵団をここまで引き付けて、エレンを攫って、
そのままカールが巨人化をして、団長と交渉するって
のはどう?」
「なるほど…団長さえ交渉なテーブルに着けばいい……
よし!それでいこう!」
カール達は地図を見るためにしゃがんでいたが、カールは
いきなり立ち上がり、森の中に入っていくので、二人は
カールの後を追いかけると、森の深くまで入ったところで
カールが立ち止まり、ポケットから鞘に入ったナイフ
を取り出す。
カールが何をしようしているのかを悟り、ミーナを手を
引っ張って、カールから離す。
「カール…これぐらいでいいよね」
「大丈夫です……
では、ミーナ…僕の巨人の姿を覚えておいてください」
カールは鞘からナイフを抜くと、そのまま手に
押し当てて、勢いよく切りつけた。
森の方から大きな雷の音をリヴァイ班のメンバーは
聞いたが、落雷と思い、無視をしてしまった。
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