雷霆の巨人 ーRuler of Titansー   作:マルシア

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あらすじ
巨人の力を疎まれたエレンは管轄が憲兵団か、
調査兵団かで兵法会議で審議を掛けられた。
審議の末、エレンは調査兵団の管理の元に
旧調査兵団本部で監視されることになった。

では、第八話をどうぞ!



第八話 壁外調査

 

「カール君!起きろ!」

「は、はい!何かありましたか?」

 

カールの寝室に入って来たマークが肩を揺らされたので、

カールは飛び起きた。

 

「調査兵団が捕獲した2体の被験体の巨人が

殺された、君は今すぐ着替えて、被験体の元に

向かってくれ」

「は、はい!」

 

マークの内容を聞いたカールはシャツとズボンを来て、

固定ベルトをつけ、ブーツを履き制服を着て、

マントをつけて、寝室を出た。

 

「マークさん、エレン達は!」

「すでに向かっている………リッツ!」

「マーク、リヴァイ兵長から私達はここに待機だって!」

「リッツさん!本当ですか!」

「兵長から直接聞いたので、間違いありません!」

 

それを聞いたカールはホッと息を吐いて、食堂に

向かった。そして、数時間後にエレン達が旧本部に帰って

来た。

 

「エレン!ハンジさんは!」

「すげぇ落ち込んでたよ…それに………」

「おい、エレン

今日は各自の部屋で待機しろってエルヴィンの命令だろ」

「は、はい!

また明日な、カール!」

「では、また明日」

 

そして、1日が過ぎた………

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

数日後ーー

 

パシュ! プシュウゥゥゥゥゥゥゥゥ!

パシュ! プシュウゥゥゥゥゥゥゥゥ! カチャッ!

 

カールと部下の二人は森の中を立体機動装置

を使いながら、木と木の間を進みながら、枝にアンカーを

刺して、そのまま枝の上に止まって、一旦深呼吸をして、

目の前に突っ立っている巨人の模型と奥の巨人の模型を

視認して、片手の操作装置を逆手に持って、アンカーを

模型のうなじに刺して、枝から飛び降りる。

 

プシュウゥゥゥゥゥゥゥゥ! スパーン!

パシュン! プシュウゥゥゥゥゥゥゥゥ! スパーン!

 

(やった!リヴァイ兵長の回転切りを再現できた

けど…やっぱり兵長の様なスピードはあまり出ないなぁ…)

 

「カール君、すごいよ!兵長みたいだったよ!」

「カール君、良ければその技術を教えてくれないか!」

「これはリヴァイ兵長の技を見様見真似で……」

 

ドオォォォォォォォ!

 

カールが二人に詰問をされていると、休憩所から大きな

音がしたので、カールは急いで来た道の木にアンカーを

刺しながら、急いで音のする方に向かうと、

頭と片腕がない肋骨と筋肉だけの巨人の上半身が

エレンの手から出ている様な状態を調査兵は戦闘態勢を

とって、取り囲んでいた。

 

(エレンは先程まで巨人化の訓練をしていた……

その時の自傷した傷と……手でティースプーンを拾おうと

する中途半端な意思で中途半端な巨人が生成されたのか…)

 

カールが深く考え込んでいる間に遅れて来た二人が

中途半端に巨人化したエレンを見て、ブレードを付け

ようとしていたが、ハンジがエレンに話しかけに行き、

エレンが巨人から手を引っこ抜いた為に巨人は蒸気を出し

ながら消えていった。

 

「カール君、あれがイェーガー君の巨人の力……かな?」

「分かりませんが、とりあえず取り敢えず兵長の元に

行きましょうか」

「「はい!」」

 

リヴァイ班と一緒に古城、旧調査兵団本部に向かい、

オルオ達のいる食堂に向かった。

数時間すると、ハンジが食堂に入って来て、カールに

エレン達を呼びに行くように言われたので、エレン達の

いる地下にカールは向かった。

 

「エレン!兵長!」

「今コイツと話終わったところだ……

カールがここに来たって事はあのクソメガネからか」

「はい!」

「オイ…行くぞ」

「は…はい!」

 

エレン達は階段を上がって、食堂に向かった。

そこにはリヴァイ班のメンバーとハンジがいた。

 

「クソでも長引いたか?」

「こんなことないよ快便だったけど、上への説明に手間

取っちゃってさ……

まあ、エレン…とりあえずこれを見てくれ」

 

リヴァイの冗談を受け流しながら、ハンジは蓋から

ハンカチに包まれたティースプーンを取り出した。

 

「ティースプーンですか?」

「そう…エレンが出した巨人の右手がこれをつまんでた

こんなふうに人差し指と親指の間にね」

「…え?」

「偶然挟まっていたとはちょっと考えにくいね

しかもなぜか熱や圧力による変形は見られない……

何か思うことは無い?」

「あ…!確かそれを拾おうとして…巨人化はその直後

でした」

「………なるほど……

今回、巨人化できなかった理由はそこにあるのかも…

『巨人を殺す』『砲弾を防ぐ』『岩を持ち上げる』

いずれの状況も巨人化する前に明確な目的があった

恐らく自傷行為だけご引き金になってるわけではなくて

何かしらの目的が無いとダメなのかもね……」

 

ハンジはティースプーンを再度包み直して、ポケットに

戻すと、エレンが話し始めた。

 

「確かに今回の巨人化は砲弾を防いだ時の状況と

似てます……けど!

『スプーンを拾う』ために巨人になるなんて……

何なんだこれは……」

「私が甘かったよ…人に戻る方法も考え直したい…

でも次の壁外調査までは陣形の全体訓練で時間

が無いし……」

「作戦が破綻しかねないような無茶はしないって

ことか?」

「うん…今回の所は……」

 

(ハンジさんなら巨人の正体に気づいてそうだな……

でも、その先までは気づかないと思う…)

 

カールはハンジが話している間は俯いたが、ハンジの声が

しなくなるとわかると、頭を上げた。

 

「え?」

 

皆んなで指を噛んでいたのを見て、驚いていると、

ペトラが話し始めていた。

 

「ごめんね、エレン…私達ってビクビクしてて間抜けで

失望したでしょ…?

でも…それでも…一人の力じゃ大したことはできない……

だから、私達は組織で活動する私達はあなたを頼るし、

私達を頼って欲しい……私達を信じて!」

 

ペトラが言い終わると、エレンがペトラに話し始めた

ので、カールはハンジのそばにより状況説明を問うと、

こう一言だけが返ってきた。

 

「エレンはリヴァイ班の皆んなと信頼し合えた」……と

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一ヶ月後 ーーー

 

「エレン!大丈夫か?」

「あ、ああ、大丈夫……でも俺が作戦を成功をさせれる

のか……」

「エレン!ハンジさんも言っていたように今回は

シガンシナ区までの訓練だから、そこまで緊張するな!」

「そうだよな…絶対に成功させれるように頑張るぞ!」

「その意気だ、エレン!」

 

カールは馬に乗ったままエレンに近づき、エレンの緊張を

解くと、そのままその場から離れて、自分の部下達の元に

向かった。

 

「二人ともエレンとの話は終わりました」

「では、この場で待機してください」

 

カールが息を吐くと、内扉の開閉扉が大きな音を

立てながら、開き始めた。

調査兵達は大きな声を出しながら、己を鼓舞した。

そして、外扉も開き始めた。

 

「開門始め‼︎

第57回壁外調査を開始する!前進せよ‼︎」

 

エルヴィンは大きな声を上げて、安全なカラネス区から

巨人の領域に馬を走らせた。

それに続いて、他の壁外調査を行う調査兵も馬を

走らせた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

巨人一体と遭遇したが、カラネス区で待機する調査兵が

討伐する。

順調に壁付近の街中を抜けて、平野に出たのを

見たエルヴィンは大きな声を出した。

 

「長距離索敵陣形‼︎展開‼︎」

 

エルヴィンが一声出すと、一列だった隊列は大きな前方

半円状に開いた。

 

長距離索敵陣形とは、エルヴィンが考案した、いかに

巨人と闘わず、長距離移動をする陣形である。

指揮・伝達・荷馬車を組み込んでいて、外側の伝達兵は

巨人を視認しだい、赤の信煙弾を撃ち、それを見た

他の兵は同じ信煙弾をエルヴィンが視認できる位置まで

撃って、それを見たエルヴィンは緑の信煙弾を撃って、

進路を伝えるので、皆んなで同じ信煙弾を撃つ。

 

しかし、これはあくまで通常種の巨人にだけで、

行動が読めない奇行種には戦闘が必要だ。

 

「マークさん、右から黒い煙弾が上がりましたね…

それもこんな深くまで………!右から巨人が一体来ます!

僕が出ます!」

 

パシュン! プシュウゥゥゥゥゥゥゥゥ!

 

「カール君!」

 

(12m級の大型巨人……今なら実践できる!)

 

カールは巨人のアキレス腱にアンカーを刺して、ガス噴射

を使って、一気に削り取り、倒れそうな巨人のうなじに

アンカーを刺して、飛び上がり、右手の操作装置を逆手に

持って、一気にうなじを削り取った。

 

「はぁ…はぁ……で、できた…」

「カール君!単独行動は危険でしょ!」

「すみません!」

 

カールは怒りながらも自分の馬を連れてきてくれた

リッツさんにお礼を言って、馬に乗り、前方にいるはずの

リヴァイ班を追った。

 

すると、右の方から一人の見知った調査兵が

近づいてくる…ミーナである。

 

「ミーナ、君は右翼中央の伝令だったはずだけど……

どうして中央後方にいるの?」

「右翼の方から女型の巨人が巨人を引き連れて現れて、

右翼の索敵がほぼ…いや壊滅状態で、これをエルヴィン

団長に伝えてくれって先輩が言ってたから」

「ミーナちゃん!それが本当なら陣形は機能していない」

「早く団長に……いやリヴァイ兵長に伝えねぇと」

 

マークは馬の手綱を強く握って、馬の速度を上げた。

それを見た三人も馬の速度を上げて、リヴァイ班

を追った。

 

「あの…リッツさん」

「何?」

「私も一緒に同行してもよろしいでしょうか?」

「陣形を離れるのはいけないけど…今は緊急事態……

わかった!このままリヴァイ兵長の所まで向かおう!」

「ありがとうございます!」

 

三人が馬を走られていると、リヴァイから何かを

伝えられ、左翼に伝達に向かうマークとリヴァイ班がいた。

 

「兵長!右翼側の陣形が………」

 

パーン!

 

「オルオ、お前が撃て」

「了解です!」

 

オルオはリヴァイの指示を受けて、緑の煙弾が撃たれて

いる方向に緑の煙弾を撃った。

それを見たリヴァイはカールの方を向いた。

 

「その話はさっきマークから聞いた……

お前らと……新兵は一緒に着いてこい」

「わかりました…」

 

(この先は予想通りの巨大樹の森か……

ここに仕掛けた"罠"が引っ掛かればいいが……)

 

カールが考えていると、リヴァイの指示を受けたエレンが

黒い煙弾を撃った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「兵長!リヴァイ兵長!」

「…なんだ」

 

(今は兵長とエレンが話している……これなら

気づかれないか…)

 

リヴァイ班は伝達に向かったマークと合流して、

巨大樹の森の中に入っていた。

 

エレンとリヴァイが話しているのを見て、カールは少し

馬の速度を落とした。ある程度距離が空くと、カールは

リヴァイ班に聞こえないくらいの声で叫んだ。

すると、何かの足跡を巨大樹の森中に響き渡った。

それを聞いたカールは馬の速度を上げて、リヴァイ班に

近づいた。

 

「カール君!どこにいたの‼︎」

「少し馬が疲れてきたので速度を………」

「お前ら……剣を抜け…

それが姿を現すとしたら……一瞬だ」

 

カールは懐から操作装置を取り出して、鞘に収められた

ブレードを付けて、逆手に持ち替える。

そして、後ろを振り向くと金髪の女性の体型をした巨人。

女型の巨人がいた。

ちょうど女型の巨人のうなじを削り取ろうとした調査兵が

ワイヤーを切られて、木の間から走ってきた巨人に

足を喰われているところだった。

 

リヴァイは操作装置を持ってはいるが、女型の巨人を

討伐しようとはしなかった。

焦るリヴァイ班のメンバーを鎮めるためにリヴァイは

音響弾を撃つ。

 

(このままでいてもエレンはアニに連れ去る計画は成功

するが、団長がないも考えがないとは思えない…)

 

カールが背後を振り向くと、まあ一人また一人と女型に

落とされた兵士は次々と巨人に食われていった。

エレンはそれを見ながら、リヴァイに巨人化の許可を

聞いた……すると、リヴァイはエレンに悔いの残らない

方を選べ……と言った。

 

(団長が巨人をいないことを前提にこの巨大樹の森に

女型の巨人、アニを誘い込んだらと思うけど、団長が罠に

引っかかってくれるとは思わなかったよ……

しかし…こんな重要な選択を本人にさせるか……作戦

自体はエルヴィンと話は付けているであろうに…

これはエレンの気持ちを育てるためかぁ)

 

カールは壁外調査の一週間前に憲兵団に入団して、

ストヘス区勤務のアニを深夜、旧調査兵団本部に呼んだ日

の事を思い出した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「カール、ミーナからの伝言で盗賊を20人近く連れて

きたけど、どうするの?」

「この盗賊たちを巨大樹の森である実験台になって

もらう…ちょっと注射がチクッとするぐらいだよ」

 

アニはミーナからカールの伝言をもらって、その指示に

従い、憲兵団が捕らえた盗賊を連れてきた。

アニはそれについて疑問視すると、カールは一つの

箱を持ってきた鞄から取り出して、箱の中身を見せると、

アニはそれを見た事があったのか、驚く。

 

「それはまさか……」

「あぁ、これは僕の脊髄液さ

本当に記憶通りエルディア人を巨人化できるのかこの人

たちで試すのさ」

 

そう言いながら、箱を蓋を閉めながら、カールはーー

笑っていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「エレン!遅い‼︎さっさと決めろ‼︎」

「す、進みます‼︎」

「やめろ‼︎はなしてくれ!」

 

エレンがリヴァイの選択に対して、進むの選択をすると

同時に女型の巨人を仕留めようとして、うなじを狙った

調査兵がはたき落とされて、下にいた巨人に掴まれて、

そのまま喰われ始めたのを見たエレンは目を閉じながら、

謝罪していると、女型の巨人がいきなり加速し始めた。

 

「目標!加速します‼︎」

「走れ‼︎このまま逃げ切る‼︎」

 

(やはり兵長は作戦通りに動いていただけ…か

このまま直進してもいいかな……どうせ罠を仕掛けたのは

僕らだけじゃないしね)

 

リヴァイ班はリヴァイの指示通り、ただ進み続けた。

リヴァイの判断に従って……

 

「撃て‼︎」

 

ドォォォォォォ!パシュン!パシュン!

 

リヴァイ班が女型の巨人の手が届く位置に来た時、

いきなり目の前に罠が出てきて、それが女型の巨人に

射出された。そして、その場から少し離れた場所に来ると

リヴァイは話し始めた。

 

「少し進んだ所で馬を繋いだら、立体機動に移れ

俺とは一旦別行動だ…班の指揮はエルドに任せる

適切な距離であの巨人からエレンを隠せ

馬は任せたぞ…いいな?」

 

そう言うと、リヴァイは立体機動装置を使いながら、

先程の場所に戻った。それを見たエレンは驚いていた。

 

「まさか…あの巨人を生け捕りに…」

 

エレンが巨大樹の森に入った理由を知って驚いている

のは、他のリヴァイ班の人達も同じだが、カールと

ミーナだけは驚いた様子はなかった。

 

 




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