雷霆の巨人 ーRuler of Titansー   作:マルシア

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あらすじ
リヴァイ班のメンバーとの信頼を獲得したエレンは
壁外調査に向かう。
最初は順調だったが、陣形に少しづつ乱れが生じる。
そして、リヴァイ班が巨大樹の森に入ると、その正体は
現すーー女型の巨人である。
リヴァイ班を追いかけていた女型の巨人だったが、
エルヴィンの罠により、捕らえられてしまう。

では、第九話をどうぞ!



第九話 選択の結果

 

「エルドさん!僕達は少し周りを見て来ます!」

「巨人と遭遇したら、赤色の信煙弾を撃ってくれ!」

「わかりました!」

 

パシュン!プシュウゥゥゥゥゥゥゥゥ!

 

リヴァイから待機命令が出て、木の上で立ち止まっていた

が、カールはエルドの許可を取り、周りに巨人がいないか

対策に向かった。

 

少しすると、木のそばでもたれかかっている10m級と

木にぶつかっている奇行種の5m級の2体の巨人がいるの

を確認すると、カールはガスの噴射速度を上げて、木から

アンカーを抜いて巻き取り、そのまま中型の巨人の足の腱

にアンカーを刺すと、アンカーを巻き取りながら

削り取って巨人の身体を倒れ掛かると、うなじに

アンカーを突き刺して、一気に削り取る。そして、小型の

巨人のうなじにアンカーを刺して、一気に削り取る。

 

それを見たマークとリッツは討伐するまでの速さを見て

驚いていると、カールの横から大型の巨人が近づいている

のを見て、リッツが声を出そうとしたその時……

 

きぃやああああぁあぁあぁあぁあぁぁああぁあぁあああ‼︎

 

リッツとマークは驚いて、声の方向に顔を向けると、

カールを喰おうと近づいていた巨人が声の方向に走って

行った。それを見て二人が驚いていると、カールが二人が

立っている木の枝に飛び移って来た。

 

「リッツさん!急いでエレン達の所に戻りましょう‼︎」

「え、えぇ…」

 

エレン達の所に向かっている最中に巨人が音の方向、

女型の巨人の方向に向かって行ったのを見て、カールは

巨人のうなじを削り取りながら、リヴァイ班のいる木の

枝に戻って来た。

 

「エルドさん!巨人が一斉に女型の巨人の方向に走って

行きました!向かいますか‼︎」

「いや…ここで信煙弾が撃たれるまで待つ」

「わかりました…」

 

信煙弾が来るのを待つこと数分…。撤退の信煙弾が女型の

巨人がいた所から撃たれたことをグンダが目視すると、

他の人達に伝えると、馬を置いている場所まで立体機動で

向かっていた。

エレンがペトラ達と話をしている中、カールは部下二人と

ミーナと固まって、先頭のグンダの後ろを飛んでいた。

 

「グンダさん!リヴァイ兵長とはいつ合流するん

ですか?」

「連絡用の信煙弾が上がるはずだが……

おっと…きっとリヴァイ兵長からの連絡だ

兵長と合流するぞ!続きは帰ってからやれ、

後ろの二人!」

「早くしないと後輩に対しての威厳が無くなるのぉ!」

「全く……ピクニックじゃねぇんだぞ‼︎」

 

グンタがオルオとペトラがギャアギャア言っているので、

後ろに後退して行った。

 

「リッツさん…確か二人はこれが終わったら、マークさん

と結婚するんですよね」

「な、な、何でカール君がそれを知ってるの⁉︎」

「リヴァイ班じゃないミーナだって知っていますよ

マークさんが嬉しそうに語るもんですからね」

「か、カール‼︎それをリッツに言うなって……」

「通りで皆んなが微笑ましそうに私を見るわけだわ!

マーク‼︎カラネス区に着いたら、覚えていなさい!」

「すまん‼︎本当にすまん‼︎」

 

カールにチクられて、結婚間際の二人のカップルの間で

痴話喧嘩が始まった。

 

「カール……今の絶対、今言う事じゃないよね…」

「まぁ、これに関しては皆んなを驚かそうとしていた

リッツさんとの約束を無碍にしたマークさんが

悪いですよ」

「カールに秘密を掴まれたら、本当に怖いよね……

あっ、そうだ!

カラネス区に着いたら、伝えたい事があるから…二人の

時間を作ってくれる?」

「多分大丈夫だと思うよ」

「絶対に忘れないでね!」

「わかりましたよ、ミーナ

……ん?あれは……グンタさん!」

「どうした?」

「リヴァイ兵長じゃないですか?」

 

ミーナとの約束をしていると、目の前に一人の兵士が

馬のいる方向に飛んでいたのをカールが確認すると、

カールはグンタを呼び、その兵士を指差した。

それを見たグンタがその兵士に近づくと、グンタはその

兵士から違和感を感じたり、距離を置こうとしていると、

兵士は手に持っているブレード付きの操作装置でグンタの

ワイヤーを思い切り切断した。片方のワイヤーを切られた

グンダはもう片方の無傷なワイヤーのアンカー

を飛ばして、ぶら下がっていると、森の奥から一体の大型

の巨人が出てきて、グンタを捕まえて、そのまま口の中に

グンタの身体を入れ込んで、上半身と下半身を噛み切って

しまった。

 

「グンタさん!」

「エレン止まるな!進め‼︎」

「誰だ‼︎」

「エレンを守れ‼︎立体機動で襲ってくるぞ‼︎」

「エルドさん!僕が行きます‼︎」

「カール‼︎お前はエレンと一緒に全速力で本部まで

向かえ!とにかく味方の元に‼︎」

「マークさん‼︎そんなこと言っても……巨人が10体…

いや20体こちらにきています

少しでも人手が要ります!それに女型の巨人と複数体の

巨人を数人ではどうにかできません!」

「クッソ……よくも‼︎かかって来い‼︎

最低でも差し違えてやるから‼︎」

 

ピカッ‼︎ ドォォォォオォォォオォォォ‼︎

ドォッ!ドォッ!ドォッ!ドォッ!ドォッ!

 

「やはりか‼︎……来るぞ!女型の巨人だ‼︎」

 

煙の中から先程までリヴァイ班を追いかけていた金髪の

女の巨人、女型の巨人がエレンを全速力で追いかけ

始めた。さらに後ろから巨人達も女型の巨人を追いかけて

走って来た。

 

「あの巨人の目的はエレンだけです!

僕は後ろの巨人を討伐して来ます!」

「待て、カール‼︎」

「マーク、リッツ!お前達はカールを絶対に守れ、

俺達で女型の巨人を仕留める!これは団長からの命令

だろ⁉︎」

「あぁ、わかった!絶対に仕留めろよ!」

 

巨人に一人で向かっていたカールをマーク達は追い

かける。

カールは目の前の手を伸ばしてきた巨人の肩にアンカーを

刺すと、操作装置を逆手に持ち替えて、回転しながら、

うなじ近くまで切りつけ、アンカーを抜いてガスの勢いで

そのままうなじにアンカーを刺して、削り取ると、

勢いそのままに隣にいる巨人のうなじにアンカーを

刺して、削り取る。

 

「カール君‼︎ついさっき単独行動はダメって言ったよね!

それにミーナちゃんも何でカール君を止めなかったの⁉︎」

「リッツ!説教は後にしろ‼︎周りは巨人だらけ

なんだぞ!」

 

マークは巨人のうなじを削り取りながら、戦闘中に

説教をし始めたリッツを冷静になるように大声をあげて

伝えると、そのまま違う巨人に向かって行った。

 

「リッツさん!今は巨人を討伐しましょう!」

「わ、わかってるわよ!」

「カール!巨人が一体、エレン達の方に走っていた!」

「わかって……います!」

 

巨人が三体、並んで歩いているので、1番奥の巨人の

うなじにアンカーを刺して、ガス噴射に回転を加えながら

1番手前の巨人に近づいて行って、一気に三体の巨人の

うなじを削り取った。

そのまま走って去ろうとしていた子型の巨人のうなじを

削り取ろうとすると、ペトラのエルドの名前を叫ぶ声が

したのを聞いて、4人は周りの巨人が数が少なくなって

いるのに気づいて、女型の巨人の所に向かった。

 

そこには身体を握られたペトラとうなじに何度も攻撃する

オルオがいた。そして、女型の巨人をの足元には5m級の

巨人がジャンプしていた。

 

「やだ…やだ…やだ!やだ!やだ!やめろ‼︎」

「早く指を切り飛ばして、脱出しろペトラ‼︎」

 

ペトラは腕は動かせたので、ブレードを巨人の手を

切ろうとしても、ブレードが欠けてしまい、切れ

なかった。そして、無情にも女型の巨人は手をゆっくりと

開いていき、そのまま離してしまった。

 

「ペトラ‼︎早くアンカーを射出して、気に飛び移れ‼︎」

 

ペトラはそのまま落下して、下の巨人の手の中に飛び

込むと、巨人はペトラの右腕を喰い始めた。

ペトラは悲鳴をあげるが、オルオは動けずにいると、

後ろからガスを勢いよく噴射しながら、ペトラの腕を

喰っている巨人のうなじを削り取り、口の腱を切って、

失禁しているペトラの脇を肩に置き、足に手を入れて、

リッツが立ち止まっている木の枝の上まで運ぶカールがいた。

 

「オルオさん‼︎ペトラさんは助けました!

だから!女型のうなじを削り取ってください!

ペトラさん!今から右腕の止血しますかね」

「カール君!ペトラは大丈夫な⁉︎」

「多分大丈夫ですが……早く止血しないと…」

「カール‼︎俺は周りの巨人を討伐に向かう!」

 

枝に溜まっていたマークは周りに集まっていた巨人の討伐

に向かって、ミーナとリッツはペトラの腕の止血を

手伝っていたが、木の根本から咀嚼音と骨が砕ける音が

し始めた。下を見ると、オルオの身体を食い散らかす

巨人とそれを見ている女型の巨人がいた。

オルオの身体は両腕両足が既になくなっていて、腹から

腸が飛び出して、上半身と下半身が何とか繋がっている

状態であった。

 

それを見たマークは頭に血が上って、女型の巨人のうなじ

付近にアンカーを刺して、削り取ろうとするが、飛び

散ったのは、女型の巨人の肉片ではなくブレードの破片

だった。

 

「えっ……何で刃が通らねぇんだ…」

「マーク‼︎」

 

仕留め損なったマークは女型の巨人に掴まれて、女型の

巨人の足は巨人の大群の中に向いていて、巨人の大群の

近くに着くと、女型の巨人はマークをその中に落とした。

 

「え……?」

「リッツ‼︎俺は…………」

 

バクッ‼︎ バリバリバリ…………ブチッ‼︎

 

「いやぁぁぁぁぁぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

(こうなるってわかってたのに……何で……)

 

目の前で巨人に身体を喰われて、既に肉片に成り立つある

マークを見て、カールは頭の中に調査兵団に入団してから

の記憶を思い出す。

 

『俺は調査兵団所属のマーク・ガリューガーです』

『ミーナちゃんはカールの特別な人なのか』

『やっぱ、スゲェなカールは‼︎』

『俺はリッツと結婚するんだぁぁ‼︎』

『カール君…君との時間は楽しかった……

最初は俺…新兵の部下になるなんて…って思ってたけど

君の部下なら調査兵を辞めるまでバカでもいいかな?』

『ありがとう……』

 

「うぉぉぉぉぉおぉぉぉおぉぉぉぉ‼︎」

 

カールは枝から飛び降りて、マークの肉片まで喰い散ら

かす巨人の大群の中に飛び込んでいき、襲ってくる巨人の

うなじを削り取ると、そのまま木にアンカーを刺して、

木を蹴る反動で巨人の方に方向転換して、手前の巨人の

隣の巨人の肩にアンカーを刺して回転しながら、

2体同時にうなじを削り取ると、そのまま違う巨人の

うなじにアンカーを刺して、削り取っていく。

 

ズバーン!ズバーン!ズバーン!ズバーン!ズバーン!

ズバーン!ズバーン!ズバーン!ズバーン!

 

カールはマークに群がっていた巨人のうなじを切り、全て

討伐すると、地面に降りて、地面に落ちている服の一部、

自由の翼の部分を拾うと、普段は涙を見せないカールの

眼から水の雫が落ちて来た。

 

「はぁ…はぁ…これだけしか…取り返せなかった……

俺はなんて弱いだよ……この選択をしたら、仲間が

死んじまうってわかってたのに……くそ!くそ!」

「カール!エレンが女型の巨人と戦ってるの!

早く立体機動に移って!」

「はい…わかりました……」

 

異変を察知したミーナが地面に降りて来て、カールに

鼓舞しにすると、元々いた枝に戻って行ったので、

カールも後を追うと、枝の上には骨が噛み砕れた右腕を

止血をするために腕をマントで包まれたペトラと血塗れの

リッツがいた。

 

「リッツさん……すみません

これだけしか取り返せません出した……」

「これは……マークの……

大丈夫だよ…大丈夫だよ…大丈夫だよ…うぅぅ……」

 

カールが差し出した服の一部がマークの物だと分かり、

泣きながら蹲ってしまった。

カールは目の前の状況から目を逸らす為、エレンの方

を見ると、咆哮を上げる巨人化したエレンがいた。

 

(アニ…大丈夫か……ここまで来たらエレンを捕まえて

くれ!)

 

願い虚しく、一方的に責められて、防御に徹する

女型の巨人がいた。女型の巨人は隙を狙って、

エレンの顎を砕いた。しかし、フルスイングが女型の巨人

の腹に大きな一発が入って、投げ飛ばされる。

それを好機と思ったエレンが膝蹴りを入れようと突進して

来たが、女型の巨人が済んでの所で回避した。

カールは咄嗟に抜きかけていた操作装置を鞘に戻した。

 

(今のは流石に……ヒヤッとしましよ、アニ……)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「は?あんたは私の心配をして、作戦をしない……と」

「違うんだ、アニ……

僕はアニには故郷に帰って、父親に会って欲しい……

でも、エレンを守るのはリヴァイ兵長…絶対に勝ち目は

無いと思う…」

 

これは壁外調査が始まる1週間前の話……

憲兵としてストヘス区で勤務していたアニを森まで呼び

出して、理由は作戦上の障害となるリヴァイはいくら

九つの巨人といえども無理なんじゃないかとカールは

想像してまったからだ。

それを聞いたアニは深いため息をついた後、カールに

抱きついた。

 

「え?」

「私をマーレから裏切らしたのは、カールだよ…

だから少しは自分の気持ちには自信を持って……

失敗したら私は殺されて、父さんはマーレ兵に殺される…

お願い……」

「わかりました……でも無理だと思ったら、僕は……

巨人化して、アニを助けます…」

「そうならないように私も気張るから……」

 

そのまま10分以上もそのままだったので、一緒に来ていた

ミーナが激怒しながら、二人の間に入った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

(私はただエルディア人が平和で……繁栄してればそれで

いい……それにはアニ…君も含まれますよ…)

 

エレンはアニの特技の格闘術で、手首から上と顎から上を

蹴り飛ばされた。そのままその場で倒れ込み、アニは

エレンの首の断面を掴みながら、皮膚で閉じられていた

口を引き裂きながら開けて、うなじに噛みついて、

本体のエレンをうなじから引き摺り出した。

エレンごと口の中に含み、その場から立ち去っていった。

 

(これで交渉材料は揃いましたね……後は…)

 

「待って…エレン……行かないで…」

「ミカサ⁉︎」

 

パシュン!プシュウゥゥゥゥゥゥゥゥ!

 

「カール!今、ミカサがいなかった⁉︎」

「エレンの捕獲自体は成功したけど…ミカサがそれを

目撃しちゃって、アニはミカサに追いかけられてる……

だから…追わないと!」

「無理だよ!それにカールのガスはほぼ無いんでしょ?」

「でも…追いかけないと……」

「俺が追いかけるからお前達はリッツ達と一緒に後ろに

後退しろ」

「リヴァイ兵長⁉︎しかし…」

「これは命令だ」

「は、はい!女型の巨人を追いかけて、

ミカサ・アッカーマンが交戦しているかもしれません」

「そうか…」

 

そう言うと、リヴァイはミカサがある方向に立体機動で

進んで行った。

 

「カール、とりあえずペトラさんを荷馬車まで運ばないと

このまま傷口から悪化するかもしれないから、一刻も

早く安静にさせないといけないし…」

「わかりました…僕がペトラさんを抱えながら飛びます

ミーナは僕の馬を連れて来てくれますか?」

「わかったわ」

 

ミーナは一言言うと、馬を停めているところに向かった。

それを見たカールはリッツ達のところに向かった。

そこには、座り込んだリッツと手を木の枝とマントで固定

されたペトラがいた。

 

「リッツさん!ミーナは馬のところに向かいました…

ペトラさんは僕が運びますので…先に馬のところに

向かってください……僕は大丈夫ですから」

「絶対無理しないでね」

 

リッツはペトラから離れると、木の枝から飛び降りて、

立体機動に移り、そのまま馬を停めている場所まで

向かって行った。それを確認したカールは枝に背を

預けているペトラの立体機動装置のガス管とブレードを

抜き取り、自分のと交換し始めた。

 

「カール…君……そこにいる…の?」

「僕はここにいますよ

僕のガスとブレードが不安だったので、ペトラさんのと

交換させてもらいました

でも、ペトラさんはここに置いていきません

抱き抱えながらでもペトラさんをカラネス区の病院に

連れて行きますから…」

「私は…置いて……いって…」

 

ガス管と立体機動装置に繋げようとした手を掴んだので、

掴んだ手の先を見ると、泣きながら懇願していた。

それを見たカールは交換作業が終わると、背中に右腕で

抑えて、左腕で足を抱えると、そのまま枝から飛び降り、

カールはペトラに首に手を回すように伝えて、右の操作

装置で立体機動に移った。

 

「どう……して…」

「生きている仲間を見殺しにできるほど僕の心は強く

ありません……」

「ありが…とう……」

「大丈夫ですよ…」

 

(アニ……絶対に生きて壁内に帰って来てくださいよ…)

 

カールは今、抱えているペトラとリヴァイやミカサと

戦っているであろう女型の巨人、アニのことを心配しつつ

馬を持って来てくれるミーナと合流しようとガスを節約

しつつ、急いだ。

 

 




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