「おそい!! 運営はまだか!?」
広場へ辿り着いたハイエズとピピヨ。
ジャマトライダーを斃した際に、転送された地図でゴールと示されていた場所にもう十分近くいるのに、なにもアクションが起こらなかった。
そのため、ハイエズは貧乏ゆすりをし、苛立っている。
「ちっ…!
なんだ、なにか足りなかったのか?
それともここでなにか見付けるのか!?
だとしたらもう何度も何度も探し回った!!」
ハイエズはぶつぶつ文句を言いながら、大袈裟に足を踏み鳴らす。
その横でピピヨはなにか言いたそうにしていたが、まるで話し掛けられる雰囲気ではなかった。
「もう一組はゴールしてんだ……
あと一組しか残ってねえんだよ……!
運営のミスじゃねえのか……!?
問い合わせてやる!」
ハイエズはスパイダーフォンのスコア画面を見ながら、呟くと、通話ボタンを押そうとした。
が、ピピヨの物言いたそうな視線に気付くと
「あ……?
なんだ、お前もジロジロ見てねえで、なんか探してきたらどうだ!!」
と八つ当たりのように怒鳴りつけた。
「ぇ……ぇっと」
ピピヨは萎縮し身を縮ませた。
(こわい……でも、言わないと)
それでも、気付いたことがあるのでそれを教えようとなんとか声を出した。
「ぁ……ぁ…………ここじゃ……ないの……かも」
「……あ……?」
ピピヨの言葉にハイエズは不機嫌そうに返した。
「何馬鹿なこと言ってんだ?
俺はしっかりこの目でゴールの場所がここだと見たんだ!
ここでゴールで間違いねえ!」
「……で……でも」
「口を出すなこのへっぽこが!
お前みたいなまぐれで勝ち進んだ奴がいっちょ前に意見するのか!?」
「ひっ……!?」
ピピヨはハイエズに完全に圧倒されてしまった。
恐怖でこれ以上声が出せず、さっき地図を斬る前に気付いた“GOALが移動していること”を言い出せなかった。
「はあ……
どいつもこいつも使えねえ」
ハイエズは悪態をつきながら、ようやく運営に抗議の電話をかけようとした。
そのとき
「私たちはむてきだー!!」
「2人で一騎当千!!」
「合わせてニ騎当ニ千ッ!!」
と遠くの方で鼓舞するような声が聞こえた。
「チッ
(うるせえな)」
ハイエズは舌打ちし、迷惑そうに声の方を見た。
(あいつ……刀のやつか。
ペアのやつもバカそうだな。)
その声の主が1回戦で掻き乱されたブッサシーだと気付き、広場の横を素通りして行ったことに冷ややかな視線を送った。
(ほんとバカだな。
ゴールはここだってのに)
ハイエズは馬鹿にしながら通話ボタンをやっとこさ押そうとしたそのとき
「ゴールはすぐそこだー!!」
「おーー!!」
とブッサシーの雄叫びが聞こえると、その手を止めた。
(ゴール……だと?)
ハイエズはブッサシーの動向を見る。
その駆け抜けていく姿に迷いはない。
(ここがゴールであってるはず……
いや、2つあるのか?
いや、複数あって、ここはもうすでに、使われてしまったのか?)
ハイエズは色々と思考を巡らせる。
だが、次のステージへと駒を進めるのは、あと一組。
一刻を争う自体なため、深く考え込む時間は与えられなかった。
(仕方ない……
アイツラを出し抜くしかねえな!!)
ハイエズはブッサシーペアを追い掛け、ゴール条件を横取りすることに決めた。
そして、すぐにピピヨの手を掴むと
「急ぐぞ」
といい、強引に手を引いてブッサシーペアを追いかけた。
ホールの前。
エントランスでは、仮面ライダースケープと、そのペアであるネズミ型のマスクをした、仮面ライダーサクリが、巨大な剣と頑丈な骨格を持つダンクルオステウスジャマトと交戦している。
「ピアーブ」
「いやあああ!!」
ダンクルオステウスジャマトの大剣の一振りに、スケープは吹き飛ばされる。
スケープは、デザイアドライバーにフィーバースロットレイズバックルをセットされており、その出目には《BEAT》と表示されている。
そのため、上半身にビートフォームの装甲がされている。
「スケープ!?」
心配し、かけよるサクリ。
腰に携えるデザイアドライバーには、《ファイズドライバーレイズバックル》がセットされている。
「よくもスケープを!!」
サクリは鬼気迫る迫力でファイズドライバーレイズバックルのクレストを押し込み、大きくジャンプする。
そして、足に力を込め、必殺キックを放とうとしたが
「ビジオラサテウ」
ダンクルオステウスジャマトは、大剣をサクリに投げ付けた。
「……え?」
空中で無防備なサクリは何もできず、直撃。
体勢を崩し、地面に落下した。
変身解除はしていないが、気絶しているのか体がピクリとも動いていない。
「もうやだ……なんで私がこんな目にあわなきゃいけないの……」
スケープはあまりの力にへっぴり腰になり、後退りする。
握力もなくなり、手に持っていたビートアックスも置き去りにしてしまった。
「ツームタダガラサ」
ダンクルオステウスジャマトは、逃げ腰のスケープに目を付け、地面を泳ぐようにして移動。
50mくらい離れていたのに、一瞬でスケープの前に辿り着くと
「キョトチャケロア」
と言い、巨大な鉤爪でスケープの腹部を貫いた。
「……ア」
スケープはか細い声を一瞬出すと、すべての力が抜け落ちた。
変身が解除され、普通の大学生、傾木 心の姿になる。
そして、その全身はまばらに青白いノイズがかかり、それが全身までかかると
『MISSION FAILED』
デザイアドライバーの素体だけを残し、消滅してしまった。
ダンクルオステウスジャマトは、デザイアドライバーを踏み付け、破壊する。
そして、動かないサクリに目を向けると
「コキョステベベビビビジツーム」
と呟き、ゆっくりと歩き迫り始めた。
そのとき
「ジャ……
ラサラチャ?」
エネルギー弾がダンクルオステウスジャマトに襲いかかり、不意の攻撃に、直撃してしまった。
ただ、放たれた距離が遠かったのと、頑丈な外骨格によりダメージはほとんどなかった。
ダンクルオステウスジャマトは攻撃方向を見る。
「あれがゴールか……
強そうだよ、ブッサシーくん」
「ああ!!
戦らせろ!戦らせろ!!」
そこにはタイパーとブッサシーがいた。
タイパーはジオウフォームで、シールドはまだホルダーにセットされている。
ブッサシーはゾンビニンジャフォームで、機動力と肩の力を増すために、さっきと上半身と下半身が逆の装甲になっている。
2人共自信満々に立っている。
「さー!!
一騎当千!!」
ブッサシーは意気揚々と突撃しようとしたが、
「まって!」
とタイパーは止めた。
「なんだよー!
いいとこなのに」
「あれ」
不満を漏らすブッサシーに、タイパーは、横になるサクリと粉々になったデザイアドライバーを指差した。
『RETIRE』
その瞬間、ペアの消滅により脱落となったサクリがノイズに包まれ、同じくデザイアドライバーを残して消滅した。
「見た?
私達どっちかが負けたらそこで終わり。
遠くから見えたけど、あのジャマトは強いよ」
「ああ!!
だからこそ戦いがいがある!!」
どこまでもポジティブで、戦いバカなブッサシーに、タイパーは安心感を覚えた。
「私はあなたの強さを信じてる」
「おう!
後ろは任せたぜ!!」
「うん!」
言葉を掛け合い、互いの士気を鼓舞する。
このデザイアグランプリで初めて会って、今行われている2回戦で交流したてなのに、いいパートナーとなっていた。
「クロカカオズモバテウオズルクビジオラサテウ」
ダンクルオステウスジャマトも大剣を拾い上げ、2人の仮面ライダーと向かい合った。
刃 総人/仮面ライダーブッサシー
R ゾンビレイズバックル
L ニンジャレイズバックル
ニンジャデュアラー(シングルブレード)
ゾンビブレイカー
ゴールへの地図
願い:刀を使える!
金成 恵都/仮面ライダータイパー
R ジクウドライバーレイズバックル
H シールドレイズバックル
ジカンギレード(ケンモード)
地図
願い:待ってる時間がなくなる世界
天王 唯一/仮面ライダーハイエズ
R コマンドジェットバックル
L コマンドキャノンバックル
H ブーストマークIIレイズバックル
レイジングソード
願い:すべてが俺の望み通りになる世界
朝田 陽菜/仮面ライダーピピヨ
R マグナムレイズバックル
H 聖剣ソードライバーレイズバックル
H マグナムシューター40X
願い:わたしの引っ込み思案が直った世界
傾木 心/仮面ライダースケープ
脱落
???/仮面ライダーサクリ
脱落
立上 秀/仮面ライダーシンバル
R ブーストレイズバックル
H マグナムシューター40Xレイズバックル
H マグナムシューター40X
古 力/仮面ライダーボークン
H モンスターレイズバックル
R(デザイアドライバーの右側にセット (上半身))
L(デザイアドライバーの左側にセット (下半身))
H(レイズバックルホルダーにセット)
空白(手に持っている)