公園。
陽菜は俯いてベンチに座っている。
クローレイズバックルを片手に、涙目で一回戦終了の時間を待っている。
(今回もだめだった)
スケープに掛けられた言葉がショックでなにもする気が起きず、かと言ってリタイアする勇気もなく、脱落するのを待つだけだった。
そこへ1つの影法師が差した。
陽菜はゆっくり顔を上げると、恐怖で身を固めた。
「チャキョピピファツワス?」
ジャマトが目の前に立っていた。
見た目は普通のポーンジャマトのようだが、額にはなぜか?の模様がある。
「ヴォツピトルク?」
ジャマトは陽菜をじっと見ながら、なにか声を掛けていた。
(や……やだ…………
殺される……!)
陽菜は恐怖とトラウマでなにもできない。
「ビラサピキョルク?」
ジャマトがゆっくり、陽菜の顔に手を伸ばしてきた。
「ぃ……ぃゃ」
震える陽菜の頬に手を添え、ジャマトは陽菜の目元をなぞった。
「ラサビラサキョバイ」
「ゃ……やめて!」
陽菜はクローレイズバックルを握りしめると、勇気を振り絞り、叫びながらジャマトを突き放した。
「テバデラサキョファ」
ジャマトは体制を整えると、陽菜に腕を広げてみせた。
「こないで!」
陽菜はまた叫ぶと、クローレイズバックルをデザイアドライバーにセットした。
『SET』
胸に手を当て、深呼吸し
「変身……」
とクローレイズバックルのレリーフを引いた。
『ARMED CROW』
陽菜の全員が黒い素体に包まれ、ひよこ型のマスクが装着。
そして、右胸にクローの模様が入ったプレートが装着され、両腕には鋭い爪の武装──《レイズクロー》が付けられた。
仮面ライダーピピヨ。
それが彼女の──戦士の名だ。
『READY FIGHT』
「やぁ…!」
ピピヨはか細い掛け声と共に、ジャマトへ向かっていく。
「ロスジ……!?」
ジャマトは焦った様子を見せる。
「えぃ…!」
「ジャ……!?」
丸腰のジャマトに、爪の一撃がヒット。
ジャマトはよろけ、後退りした。
「やっ……やった」
ピピヨはレイズクローの持ち手を強く握り、喜んだ。
今まで、参加しても攻撃を当てられないことがほとんどだったので、小さくてもダメージを与えられたことは嬉しいのだ。
「あのジャマトを倒して……変わるんだ」
ピピヨは小さな自信が付き、ジャマトに向かっていく。
「えい! やあ!」
「ゼラリジ…!!
キョトキョファ……!!」
幸い、ジャマトはほぼ無抵抗な様子であり、へっぴり腰ながらも、ピピヨの攻撃は体に傷を付けていく。
「やあ!」
今度は両手で同時にクロスするようにして攻撃。
「ケゼラコ……!!」
ジャマトを小さく飛ばし、尻もちをつかせた。
「あの人がやってたように……わたしも……できる!」
ピピヨはさっきスケープがベルトを操作していたときのことを思い出し、クローレイズバックルのレリーフを引いた。
すると、レイズクローにエネルギーが集まり始めた。
「ゼラリジ…!
オモチャエツームラサエイントキョチャダラサルクツーム……!!」
『CROW STRIKE』
「えーーい!!」
ピピヨはレイズクローを大きく振り、ジャマトに爪のエネルギーを放出した。
「ゼラチャーーー!!!」
ジャマトは攻撃をもろに受け、体に深い切り傷を負い、爆発四散した。
「はあ……はあ……や、やった。
はぁ……はぁ……」
ピピヨはジャマトを倒し、緊張がほぐれると、疲労でその場にぺたりと座り込んでしまった。
(ん?)
そこへ、スパイダーフォンの通知が届いたと思ったら、目の前にハテナミッションボックス002が転送された。
「わっ!
……なに? これ?」
ピピヨはスパイダーフォンを取り出し、通知を見た。
そこには、“ヒミツジャマトを討伐する”と表示されていた。
先程のジャマトはレアなジャマトだったようで、討伐したことによりシークレットミッションが達成されたのだ。
(わたしもできたんだ)
ピピヨは感慨に浸ると、ボックスを手に取り、中を開けた。
「わっ!!
これって……ブースト?
でも形が違う?」
中に入っていまのは、ブーストレイズバックルのように赤いがどちらかと言うと黒っぽく、排気口が4つになっている。
ピピヨはスパイダーフォンでスキャンし、バックルを調べた。
「ブーストマークII?」
表示されたのは《ブーストマークIIレイズバックル》だった。
(もしかして……すごいの手に入れちゃった……!!)
ピピヨは圧倒的な力を持つブーストの強さを知っており、その強化形態と思わしきバックルに、驚いた。
そして、そのバックルを手にしたことに緊張と興奮が抑えられなかった。
「もしかして、デザ神に」
ピピヨはせっかくのチャンスを棒に振らないよう、ブーストマークIIの詳細を調べようとした。
そのとき
「ラサツームケテルカカトヅ」
「テスエチャ!」
「チャテウビキョガヅ!!」
遠くからジャマトの声が聞こえた。
ピピヨはその声の方を向くと、50体ほどのジャマトが大勢でこっちに来ていた。
中には武器持ちのジャマトもいる。
(うわ!
いっぱい来た……!!)
ピピヨは大群に恐れ、逃げようとしたが
すぐに立ち止まり、自分の手に持つバックルを見詰めた。
そして、クローレイズバックルをデザイアドライバーから外した。
(ポイントを稼がなきゃ。
わたしにはこれがある!)
ピピヨは勝ちを狙いに、大群と対決することを選んだ。
そして、ブーストマークIIレイズバックルをデザイアドライバーにセットした。
『SET』
(この子も……初めての2つ目!!)
そして、外したクローレイズバックルをデザイアドライバーの左側にセットした。
『SET』
「変身…!」
胸に手を当て深呼吸すると、ブーストマークIIレイズバックルのグリップを2回捻り、クローレイズバックルのレリーフを引いた。
『DUAL ON
BOOST MARK Ⅱ
ARMED CROW』
ピピヨは激しい炎のオーラに包まれ、武装が完成するとオーラを一気に解き放つ。
真っ赤でシャープなブーストフォームマークIIにフォームチェンジした。
刃 総人/仮面ライダーブッサシー
R ジクウドライバーレイズバックル
H シールドレイズバックル
ジカンギレード
天王 唯一/仮面ライダーハイエズ
R コマンドジェットバックル
L コマンドキャノンバックル
H 聖剣ソードライバーレイズバックル
H レイジングソード
願い:すべてが俺の望み通りになる世界
朝田 陽菜/仮面ライダーピピヨ
R ブーストマークIIレイズバックル
L クローレイズバックル
レイズクロー
願い:わたしの引っ込み思案が直った世界
傾木 心/仮面ライダースケープ
R アローレイズバックル
H フィーバースロットレイズバックル
レイズアロー
立上 秀/仮面ライダーシンバル
R マグナムシューター40Xレイズバックル
L ブーストレイズバックル
マグナムシューター40X
R(デザイアドライバーの右側にセット (上半身))
L(デザイアドライバーの左側にセット (下半身))
H(レイズバックルホルダーにセット)
空白(手に持っている)