重装転生者はゲマトリアで何を思う。   作:焼け野原主任

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どうも、焼け野原主任です。

投稿が遅れて申し訳ありません。一日遅れって何やってんでしょうね自分。

では、どうぞ…。


《君は一体、何者だ?》

「…」

 

 アビドス高校の廊下、そこで便利屋を迎撃して捕獲した僕は外から見える景色を見ながら黄昏てた。

 

 僕は今日初めてホシノが怖いと思った、なぜか? ホシノに転生者であることがバレそうになったからだ。多分、恐らく、きっと、あの言葉はあの時の冗談だろうが、今の僕としてはかなりやばい話である。

 …まぁ、正直転生者である事がバレた所で其処まで……、多分其処まで影響がある訳でもないだろう。だが、バレたらマズいのはゲマトリアである事だ。

 

 それがバレた暁にはホシノにボッコボコにされ砂漠の肥やしとなるか…、おお怖い怖い。

 

「アッキッラちゃ~ん」

 

 ふと、そんな黄昏てた僕の後ろからホシノがいつものうへうへした顔で近づいてくる。…なんかこのなんも考えてないような顔を見ると、本当にさっきのはその場の冗談だろうか?

 

「先輩…なんです___」

「それ~!」

 

 僕がホシノに何ですかと問おうと体を向けた瞬間、ホシノがぎゅむ、と言う音がしそうなほど僕に勢いよく抱き着き、反動で僕が窓枠と壁に叩きつけられる。

 

「いっ___ッ!?何するんですか先輩!?」

 

「ん~? 別に何の理由もないよ~。まぁ、強いて言うならアキラちゃんに抱き着いてた方がな~んか安心するんだよね~」

 

 別段これもいつもの事であるが…、僕なんかに抱き着くよりノノミに抱き着いたほうがやわらかくてずっと抱き心地が良いだろうに…それに安心ってどういう事? 

 

「いや抱きつくのは兎も角…、普通に頭ぶったんですけど?」

 

「それは…ごめんね」

 

 僕に抱き付いたままホシノが僕のお腹で申し訳なさそうな顔をする。そんな顔でそのまま抱き付いているホシノの姿を見つめていると、ホシノがにへ~と口元を綻ばせ、僕を見つめ返す。いつ見ても何を考えているかわからないその顔、なぜかホシノのそんな顔にふと僕も安心感を抱いた。

 

 何だろうかこの安心感は…、親子? 家族? そんな物に似ている気がする。

 

「…はぁ、お疲れ様です、ホシノ先輩」

 

「お疲れ様~、アキラちゃん」

 

 僕が笑顔をホシノに向けると、ホシノも僕ににっこりと笑顔を向け返す。うーん、こんな本編じゃ見られないようなスチルが見れてしまうのも転生特典かぁ…。

 いつもの如く僕に抱きつき、僕に撫でられるのを待っている様なあり方で僕に

 

 …とはいえ、僕はこの笑顔を踏み躙るような行為に走るんだ。そうだ、許される存在じゃないのだ。だから、できる事ならそんな顔を向けないでほしい。

 

 …でも、そんな笑顔を踏み躙ったら僕にどんな顔を向けるのだろう? 憎悪に染まった怒りの顔? それとも信頼されていた仲間に裏切られたことで悲壮に満ちた顔を向けるのか? 

 

 僕が裏切った事でホシノに…いや、アビドスにどんな影響を与えるか、それが僕にとって実に楽しみでも、ある。

 

《二人とも》

 

 ふと、後ろから声が聞こえた。僕とホシノがその声がした方向を向くと、先生の姿がそこにあった。

 

「お疲れ様です、先生」

 

「お疲れ様〜」

 

《うん、お疲れ様》

 

 先生が僕らに笑顔を向け、近寄ってくる。するとホシノが僕のそばを離れて「なんかお邪魔そうだし、アヤネちゃんのところ行ってくるね〜」と言って対策委員会の方へと駆けて行った、おいなに想像したホシノ。

 まぁ逃げたのも先生嫌い…ってわけじゃないんだろうね。黒服だの、カイザーだのにああも色々搾取されようとしてる現状を見れば、そりゃ大人不信にもなるわな。

 

 …ま、僕はそのにっくき黒服側なんですけどね! 

 

 と、そんな事を思っていると、先生が僕の方を向いたまま僕に話しかけてくる。

 

《まぁ、丁度いいかな、アキラに話があったわけだし》

 

「僕に話ですか…?」

 

 …おや? 話とは一体なんだ? …まさか、ゲマトリアと通じていることがバレたか? だとしたら行動を早めないといけないけれど…。僕が頭の中であらゆる可能性を探し思考を繰り返していると、少々重苦しい表情をした先生が少しの間をおいて口を開いた。

 

《…便利屋を雇った所について、心当たりってあるかな?》

 

 

 …は?

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 私、先生がシャーレに来てから一週間。アビドス高校からの救援要請を受け、私はアビドスへとやって来た。

 寂れた市街地で迷い、食料も無く途方に暮れていた所でシロコに発見してもらい彼女におんぶされてここまでやって来たのが、もう二週間も前の話らしい。私がアビドスに来てからもう二週間、時の流れは早いものだと痛感する。

 

 対策委員会委員長の小鳥遊ホシノ、二年生の十六夜ノノミ、砂狼シロコ、一年生の奥空アヤネに黒見セリカ、茅場アキラに出会い。そして、やって来た初日からヘルメット団に襲撃され、そこでアキラがぶっ放したあの狙撃砲のことも覚えている。

 

 当初、彼女に関して私はそこまで知らなかった。いつも敬語で長い黒髪を後ろに流し、落ち着いた物腰で会話する。…かといって遠慮しがちでも無く割と自由に動く。アキラがヘルメット団の潜入期間にしていた休学だって、その自由な動きの一つだろう。

 

 だが、今私の目の前にいる彼女…いや、茅場アキラは何者だろうか? 

 

 __便利屋を雇った所について、心当たりはあるかな?__

 

 私がこの一言を投げかけた瞬間、私でも解るくらい周りの空気が一変した。空気の流れの一つ一つが鋭利な刃物の様に肌を薙ぎ、窓から入る日差しが熱線のように体を焼く。

 

 そして、今目の前の彼女、いつもの落ち着いた目つきなのは変わらないのに、私にこれまで見た事の無い侮蔑と不信が混ざった視線を向け、言葉を間違えれば目の前の彼女に食い殺されそうな恐怖に私の体が包まれる。

 彼女から醸し出される身じろぎ一つも出来ない不気味なオーラが辺りを漂い、少しの間を置いてから彼女が喋り出す。

 

「…別に、心当たりはありませんよ」

 

 少しの間をおいて彼女は侮蔑の視線を変えぬまま素っ気なくそう言う、ある意味、先生なのにまるでこんなのも解らないのかという視線にもとれよう…、なら、今のこの恐怖感は何だ? 彼女を目の前にして生き物としての本能が喚きあげている警鐘は何だ? 

 

「…どうしても知りたいなら、便利屋にでも聞けばいいのでは?」

 

《そうしたい所なのだけどね___》

「彼女たちは口を割らないと」

 

《…その通り》

 

 私の言葉に被せる様に彼女はそういい、私を見つめる。

 ……なんで、私が次に言おうとした言葉がわかるんだ? 察する能力が高いのか? 

 

「…まぁ、それでいいと思いますよ。物事にはそれに則ったレールという物があるんですから」

 

 彼女は少々考える様な仕草をみせ、笑顔でそう言った…、が、その目は笑っておらず口元だけが私を嘲笑うように不気味に笑っていた。

 

《私は先生(大人)だから…、生徒を守る以上必要な情報は引き出した方がいいからね》

 

「…そうですか、殊勝な事ですね」

 

 私のその言葉に彼女は興味のないような言葉で答える。

 …おかしい、何かがおかしい、常識に囚われていけないのは常だが、この状況下で、自分の住む学校がまるでどうでも良い、興味の無い様な返答ができるのか? 彼女はこの高校で生活して来たはず、なのにこの高校が廃校になろうと興味がないような…。まるで、彼女はそもそもここに何かそれ以外の目的があるような…。

 

 まるで正解へと導かれた様な思考の帰結に働きが一時停止し、私の思考が正解へと導かれる。

 だが、そんなことありえるわけが無いと直ぐに自分に言い聞かせ、その想定される正解を思考の奥底へと葬る。

 

「…先生?」

 

 彼女がこちらに目を向けたまま、小首を傾げて不安そうに私を見る。

 

 だが不安そうに見えるその目は依然嘲笑と侮蔑が混じり、此方を面白がるように見つめている。

 …まさか、まさかとは思うけれどこれが正解なのか? あの表情が、あの嘲笑が、あの発言が彼女の真実なのか? 

 

《…君は一体何者だ?》

 

 思わず私の口からそんな言葉が出た。

 

「僕はアビドス高校の一年生、茅場アキラですよ、先生」

 

 彼女は両目を閉じて和かな笑顔でそう答える。教職者として、性癖にも忠実だが信用しているはずの生徒をここまで疑う事は無いだろう。だが、彼女にはそうさせるだけの確かな不安と疑いがあった。

 

 思考を戻す、彼女は興味の無いような事を言えるのか? そして、帰結された思考がその彼女のその不明瞭で危険な本性を見抜きかける様な言葉が出た。

 

《…いや、違う…》

 

 彼女の言葉をさっと私は否定した、先ほども通ったような通路を思考が巡り、ハッとした衝撃のあまりに自分の口にブレーキが掛からずその言葉が口から出た。

 

《…まさか…君はこの高校の人間じゃ____》

「ちょっとおしゃべりが過ぎますよ、先生」

 

 私が言い切る前に彼女が言葉を被せる、いつの間にか目の前に拳銃が掲げられ、その銃口はピタリと私の心臓を狙い、彼女の持つ無骨で頑丈なデザインの大口径の自動拳銃が私に明確な殺意を向ける。

 それだけじゃ無い、目の前の彼女の視線が酷い嫌悪と屈辱に変わり、周囲の空気が直接剣で切られる様な痛みを感じそうなほど鋭利な物になる。

 悪寒が背中を駆け抜け、嫌な汗がぶわりと私の背筋に浮かぶ。

 

 えも云われぬ酷い不安感と敵意に私は一枚のカードを抜き出そうと、ポケットに手を入れる。

 

「…なーんてね。先生、びっくりしちゃたじゃ無いですか」

 

《…え?》

 

 気の抜けた様な彼女の言葉に、急激に周囲の空気が元に戻る。さっきまで窒息しそうな、人を殺す様な張り詰めた空気は普段のアビドスの綺麗な、でも何処か砂っぽい乾いた空気に変わり、彼女の目も嫌悪でもなく侮蔑でもないいつもの様なにっこりとした普段の目つきに変わる。

 

「びっくりしましたよ、先生が生徒を疑う事を言うなんて。生徒を信じるのが先生の役目、じゃなかったんですか?」

 

《あ、ああ、うん、そうだね…》

 

 びっくりしたのはこっちだ…、と言いかけるが、何とか飲み込む。

 ……そうだ、私は先生(大人)として生徒を信じなければならない、そうだ、私がいなければ、彼女たちは搾取されるままだ。そんな彼女を疑うのは…ダメなんだ。




お読みいただきありがとうございます。

…面白くなって来ましたね。

さて、ここからどんどん歪んでいきます、ブラックマーケットの銀行強盗も、覆面水着団も、色んな物が歪んで、また歪んでいってしまいます。

あぁ…、楽しくなって来ましたね。アキラくん、君はどうするんでしょう。先生、貴方は生徒を最後まで疑いきる事ができるのでしょうか?

崩壊の序曲は始まったばかりです。

茅場君に使ってほしい兵器

  • 四連装機関砲
  • 大型レールガン
  • 18連装ミサイルランチャー
  • 155mm榴弾砲FH70
  • 六連装超大型チェーンソー
  • ブースター付き柱
  • 主任砲
  • マルチプルパルス
  • ヒュージミサイル
  • ヒュージブレード
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