重装転生者はゲマトリアで何を思う。   作:焼け野原主任

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どうも、焼け野原主任です。

今回は

では、どうぞ…


何くわぬ平和の一時

「皆どこかな〜……っと」

 

 僕がビルの入り口から裏路地に入り、路地で屯していた叩きのめした不良達にヤクザ映画の如く挨拶された事に、少々の鬱陶しさを感じながらアビドスの皆の姿を探す。

 

「っと、あれかな?」

 

 商店があるビルの間の裏路地から少し顔を覗かせると、ホシノを先頭に据えたノノミ、シロコ、セリカ……、そして、先生とヒフミが固まっている集団が見えた。僕は裏路地から出て、少々慌て気味な顔をしてその集団へと走って近づく。

 

「先生〜!」

 

《あ、見つけた》

 

 先生が僕の姿を確認し、皆に伝えると、他の皆も僕の姿を確認した。ちょっと安心したのも束の間、ホシノが僕のお腹に向けて飛び込んできて、それを受け止めた僕は何かのパイプが繋がった様な感覚を覚え、体が急な安心感に包まれた。

 

「アっキっラちゃ〜ん!」

 

「うわっ! ……っとと、先輩、危ないじゃないですか」

 

「探したんだよ〜? 何してたのか、ちょっとおじさんに教えて欲しいなぁ〜? ハッ、まさか、あの不良達と何かいかがわしい事してたとか!?」

 

 ホシノが冗談めかした口調で僕にそう言う、すると後のセリカが何を想像したのか頬を赤らめ、今にも某トリニティのロリピンクの様に「エッチなのは駄目! 死刑!」とか言い出しそうな顔になり、その様子を見て、聞いていた先生はというとちょっと苦笑いしている。

 

 え? 何? 僕がDT(童貞)かだって? なんだよそんな事言わせんな恥ずかしい。

 

「なんでそんな事言うんですか……、してませんよそんな事。戦車の情報を集めてました」

 

「うへ〜、それならそうと言って欲しかったな〜……していないんだ……ならよかった

 

「……すみません」

 

 ホシノが気怠げな口調でにへ〜と口元を綻ばせた表情でそう言い、ちょっと表情が変わって最後にボソリと何か呟いたが、それについてもう一度僕が聞く前にホシノは僕のお腹へと頭を埋める。

 ホシノの頭が服越しに僕の腹に押し付けられ、ぐりぐりとかき回される。

 

「んふ〜、アキラちゃん暖かいね〜、さっきまでちょっと寒かったから丁度いいな〜」

 

 ……? そんな寒いかな? まぁ……、確かに、今現在夜だからまぁ寒いと言えば寒いのかもしれないのか? 抱き付いたままのホシノの姿を見ながら、僕は怪訝な顔をしてそう思った。

 

「……それで、アキラは戦車の情報を見つけれた?」

 

「……」

 

 セリカの言葉に僕は首を横に振る、まぁそりゃもちろん探して無いのだから、情報が無いのはそりゃあ当たり前だ。探さずに見つける事が出来ればそれはもうエスパーの類……または、転生者としてその黒幕を知ってるか……、とかね。

 

「ん……、見つかってないのなら、また探すしかない」

 

「はい☆では、戦車を求めてレッツゴーです!」

 

 

 ◇◇◇

 

「はぁ…………、しんど」

 

「もう数時間も歩いてますよね?」

 

 ……そこからと言うもの、僕ら対策委員会の面々は、ブラックマーケットを数時間に渡り練り歩いていた、先程まで暗く染まっていた空が青く染まり始め、暗黒に包まれていた白い雲が青空というキャンバスに描かれ始め、時間が容赦なく過ぎ去っていく。

 いくら神秘で身体能力にバフが掛かるキヴォトス人とは言え、そんな長時間歩き回っていれば、相当に精神的にも肉体的にも疲れが来るし、お腹だって減る、どれもこれもが見つかる筈も無い戦車のパーツを探し回ってるだけだが。

 

「うへ〜……おじさん流石にこれは参っちゃうな〜……、膝も腰も悲鳴をあげてるよ〜……」

 

「え……? ホシノさんお幾つなのですか?」

 

「同年代同年代! と言うかホシノ先輩全然元気でしょ!? ほらしっかり歩いて!」

 

 その中でも明らかに足取りが重くなったホシノをセリカが叱咤するも、ホシノはそのままダラダラと歩き続ける。

 

「ねぇアキラちゃ〜ん、おんぶして〜?」

 

「……いいですよ」

 

「やったぁ〜」

 

 僕の目の前へとやってきたホシノがおんぶをおねだりする、僕はそれに答えて背負うときに邪魔になるブラックマンバを前に掛けてホシノをおんぶする

 

「うへ、アキラちゃんは優しいなぁ……」

 

「ちょっ! ホシノ先輩! そしてアキラちゃんも甘やかすなぁ!!」

 

《まぁ……、良いんじゃないかな。……私が言うのもあれだけど》

 

 満足げな表情でその二人を見ている先生にセリカが顔を向けると先生は少々にそういうと、セリカはなんだか納得しきれない表情で「まぁ……、うん」と少々呆れが混ざった表情で頷いた。

 当の先生も歩き始めてから速攻バテて今はシロコの背中に担がれ、シロコはなんだか嬉しそうな表情をし、先生も満更でもなさそうである。

 

「ん、大丈夫、先生は私の背中で休んでて」

 

《そうさせてもらうよ……、ありがとう》

 

「任せて、先生」

 

 ……先生も満足そうだし、シロコはメインヒロインの風格を漂わせてるし、ヨシ!! 心なしかノノミが先生を羨望の目で見ている気がするのは気のせいだ、多分。ギスギスアビドスは見てみたいけど。

 

「……あら、あそこにたい焼き屋さんが!」

 

 そんな疲労困憊な僕らにふわりと甘い匂いが漂い、目敏く匂いの元を発見したノノミが指を指す。その指が刺された先を横目で見てみるとさっき言った通りたい焼きの屋台……というかキッチンカーが路肩に止まって販売していた。

 

「あ、ホントだ、こんなとこにも屋台はあるんだねぇ〜」

 

「あそこで少し休みましょう、たい焼き、私がご馳走します!」

 

「え、ノノミ先輩またカード使うの!?」

 

「先生の『大人のカード』もあるけど〜?」

 

「いいえ、私が食べたいからいいんです☆みんなで一緒に食べましょう?」

 

 そう言って先生の方をノノミが見ると、先生も疲労困憊なのを隠さない僕ら(特に15kgの砲+各種弾薬をずっと自分で担いでた僕)を見て「そうだね、なら少し休憩にしようか」と頷いた。

 

 ◇◇◇

 

「毎度!」

 

「……美味しい!」

 

「ん〜、丁度甘いものが欲しかったんだ〜」

 

「あはは……、いただきます」

 

 ヒフミがちょっと申し訳なさそうにたい焼きを一つ紙袋から取り、その口に頬張る。

 パクリと僕もノノミが買ってきたたい焼きを一つ頬張る、するとちょっとしっとりした焼き立ての生地に、たっぷり入った餡子の甘さが僕の疲労を解きほぐす。気の良さそうな店主がどうやら大量に追加してくれたようで、人の頭一つ入りそうな紙袋にこれでもかと言うくらい入っていた。

 僕はベンチにホシノを座らせ、黒服が「小さな整備のテーブルになる様に」と言ってつけられたテーブル機能の4本の足を展開してブラックマンバのケースを椅子代わりにして僕は座る。

 

「ほら、先生も」

 

《い、いただきます》

 

 ベンチに座ったシロコが先生にズイズイと片手にたい焼きを持って迫り、先生はそれに少々たじろぎながらそのシロコが持っているたい焼きを齧った。

 

 ……楽しそうだなぁ……、あの二人。

 

「……アキラちゃん、あーん」

 

「? 先輩、なんでs___ッ!?」

 

 ふと後ろからホシノの声がし、振り向いた僕の目の前には僕に向かってたい焼きを差し出すホシノの姿があった。僕はそれに目に見えて狼狽し、一瞬だけ思考が停止する。

 

「食べないの〜? じゃ、私が食べちゃおっかな〜」

 

「えぇ〜……」

 

「なーんてね、ほら、あーん」

 

 その一瞬の思考停止の間にホシノがそのたい焼きを自分の口へと運び、また僕の前へと持ってくる。特に断る理由もないので僕はそのホシノが差し出したたい焼きを齧る。

 なんだか、ホシノにあーんされて食べるたい焼きは、味は変わらないはずなのに自分で食べるよりも心なしか美味しい気がした。

 

「うへ〜……、そんなにがっつかないでよ〜、ま、ちょっとしつれ〜い」

 

 そう言ってホシノはどさりと自分の膝の上へと寝転ぶ、対荷重100キロのブラックマンバケースの椅子が反動で少し揺れた。

 

「ん〜、落ち着くねぇ〜……」

 

「……そうですか」

 

 僕は膝上にホシノの幸せな重みを感じながらたい焼きを頬張る、幸せだ……ああ幸せだ、皆仲がいい、先生を取り合って皆が少し牽制し合うのも、セリカのバイトする柴関に皆で押しかけてセリカに呆れられながら仲良くラーメンを啜るのも、楽しい。

 

 ……これが、続くかはわからないけれどね。

 

 僕はこれからのシナリオの面白さ余り、目の下が下がるのを抑えられななかった。

 その表情を、先生にだけ見られていたのも知らずに。




お読みいただきありがとうございます。

さて、ホシノとアキラの絡み描くの楽しいですね〜…、はい。

そしてアンケートも全部曇ってほしいと仰せか……、ヨシ!イクゾー!

では、また次回。

曇るんだったら?

  • ホシノ
  • シロコ
  • 先生
  • 全部!
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