今回は、黒服とアキラと先生大怪我回です。
では…どうぞ…。
「弾着確認! 直撃1! 至近3!」
「よし、歩兵第二小隊、包囲をかけろ」
ラーメン柴関のある通りの近く、迫撃砲5基が並んだ戦列の横に、ライフルを肩から吊り下げたイオリの姿がある。
約200人、一個中隊規模の歩兵の群体が損傷した柴関を取り囲む様に展開される。
「……イオリ、流石にやり過ぎでは?」
「ん?」
「いくら何でもここは他校の自治区……それに、その自治区内で営業中の飲食店に砲撃を叩き込むなどいくら何でも……」
イオリの後ろに居る人影……元救急医学部で、現在は風紀委員会に衛生兵として所属しているチナツは、何処か不安げで、そして納得のいかない、他にもやり様は有っただろうとその表情で暗に訴える。
「あ~? でもここの自治区……アビドスだっけ? こんなさ、廃校寸前の自治区の管理すらままならない様な場所のビル一つが崩れたぐらい変わらないよ」
「民間人の反応も有ったのに……、ですか?」
「どうせこの店の店主だろう? 大丈夫大丈夫、着弾点はちゃんと調節したし、運の良い事に便利屋の連中は入口に近い席だった……、50mmの迫撃砲じゃ、着弾点から店の奥まで爆風は届かないよ。……ま、怒り狂って飛び出して来たら……、知らないけれどね」
イオリはつらつらと一寸の悪気の無い様子でそう言い放つ、その様子を見たチナツは、今何を言っても目の前の彼女は耳を貸さないだろうと、半ば諦めながらそう彼女の特性を思い返しながらそう悟り、手元のタブレット端末に目をやり、索敵ドローンの
「……はぁ、言っても聞きそうにありませんね…………___ッ!?」
すると、その中にどこかで見た様な、いや、見た事があるある白い制服のその姿は、瓦礫と化したそのの中に横たわっている。それを見たチナツの顔がみるみる内に青ざめていく。嘘だ、嘘だ! 嘘だ!! 両手でつかまれたタブレットの液晶から映し出される信じたくない目の前の光景に焦燥で彼女の手に汗が浮かぶ。
「チ……、チナツ……?」
イオリがチナツの顔を心配そうな顔で覗く、青から白へと移っていくその顔色は、タブレット端末に映るのもがただならない物である事を暗にイオリに伝えている。その言葉なき叫びはイオリにもただならない事が起きている事を伝える。
「あそこに居るのは……! シャーレの先生です!!」
チナツは血走ったような驚愕の目つきで瓦礫と化した紫関を凝視し、そう叫んだ。
◇◇◇
……ああそうだ、そういえばホシノがここに居てあの流れをやってたって事は、これから柴関爆破事件辺りだったな~、どうかな~ハルカが爆弾起動して先生吹っ飛ばされてるのかな~。ま、無いだろうけど。
なんて事を想像していると、黒服がこちらを向いて口を開く。
「……ああ、そういえば、貴方のご友人方がラーメン店の前で戦闘を行っていますが、行かなくて良いのです?」
「どうにかなるでしょ……、僕が行かなくても」
確かめるような口調で黒服が問いかけるが、僕はその問いかけに素っ気無くそう返す、原作通りならハルカが爆弾を起動して柴関をアルちゃん達ごと吹っ飛ばすけど、今回は先生が向かった事で恐らく防がれてる筈、なら、風紀委員の襲撃を無傷の便利屋達が対応し、その戦闘に気付いたアビドスの皆が向かう……、うーん我ながらかんぺき~。
「クックック……そうですか、なら、特に心配もいらないでしょう……」
黒服は面白いものを見るような、そんな何か含みのある様な口調で僕に答える、その何処か底の見えない底なし沼の様な、妙な恐怖感に包まれる感覚を覚えた僕は、その一抹の不安を振り払う様に頭を振り、これ以上の詮索を止めさせる為に話題を変える。
「……ていうかさ、黒服が呼んだんでしょ? アレ、出来たんなら見せてよ」
「ああ、アレですか、では、ついて来て下さい」
椅子から立ち上がった黒服は原理の分からない異空間のゲートの様なものを開きそこに入る、そしてそう言って僕に向かって手招きをし、僕はそれについて行く。
見慣れないそれに不安感と嫌悪感を感じ、恐る恐る人差し指をそこに入れると、まるでスライムのようなゼリー状の物体が触れるような感覚がする、特に温度はない。
「どうかされましたか?」
「……いや、何気にこれ初めてだからさ」
とはいえ、躊躇ってても仕方ない為、意を決してそのゲートの中へと歩を進める。中に入ると、途端に流動的な何かに包まれる感覚が身体中に這い回り、途中から水中の中へと入るような、例えるならそれこそ海の中を漂っている様な不明瞭な浮遊感に包まれた。
その中で一筋の光が見えた様に感じると、途端に浮遊感を失う。
細く目を開ければ、壁一面がワインレッドの、薄暗い部屋に出た、周囲を見れば、浮かび上がる様に光を発している天使の輪の様な物体がそこにあった。
つまり、ゲマトリアがよく使っている、あの会議室に僕は出た事になる。
「おや、慣れませんか?」
先ほどのワープの余波か、それで頭の痛くなっている僕を見た黒服が心配そうな口調で話しかける。
「ああ……、まぁ何とかね、……黒服は?」
「私はもう慣れたものです、……とはいえ、確かに最初は誰しもがそうなると思いますよ」
「だろうね」
肯定、僕のシンプルなその答えは当たり前だと言う事と、これに最初っから気持ち悪くならない奴がいるかという感情も持っていた。
「……とりあえず、さ、出来たんでしょ?
「ええ、こちらに」
黒服が小気味いい音を立てて指を鳴らすと、すぐ後ろの扉が上に開く。中に入れば、巨大なエンジンの様な箱型の物体そして、大量のチューブが張りめぐさられ、その箱型のエンジンに繋がれ、そのエンジンには三つ直列して並んだ巨大な刃を持ったチェーンソーが二セット付いている。
「神秘増幅大型決戦兵器……
「試作型かつOWーprojectの検証品なので、ベアトリーチェからの人員提供で起動する事は確認済みです。なので、これの起動自体は保証しますが……、戦闘実験は行なっておりませんので、使う時はぶっつけ本番となる事をご了承ください」
黒服が僅かに不甲斐なさそうな口調で言う。流石に、研究者で開発者気質のアイツが、自分の物品を自信を持って渡すことができないというのは何気にやるせ無い事なんだろう。
やっぱり何処か可愛いトコがあるんだな黒服。
「……クク、とはいえ貴方が居なければ、これを作る機会もなかったでしょう。マエストロ曰く美しく無いだそうですが……、これには男のロマンが詰まっている……そうは思いませんか? アキラ」
「そういうこった! ……って言っておこうかね、ああそう言えば、ベアトリーチェからの提供された人員って?」
「ああそれですか、協力してくれた彼女ならこちらに」
そう言って黒服が近くのカーテンを開くと、ボサボサの頭に、生気の消えた感情の無い青い目をしたアリウス生が拘束具らしきものに繋がれている、頭に大部分が欠けたヘイローが浮かび、それが神秘に甚大な損傷が及んでいる事を示していた。その感情の消えたそもそも自我があるかどうかすら怪しい虚な表情は助けが及ぶ事を諦めた顔をしている。
「その実験で大部分の出力を神秘で補うのは無理があると判明、外部動力を搭載する事にしました。なので……、少なくとも、貴方なら耐えられるとは思います。……ん? アキラ、どうかしましたか?」
僕は黒服の解説に耳を貸しながら、そのアリウス生の虚な顔にある血走った目をまじまじとのぞいていた。狂気的に歪んだその目はグラインドブレードが起動するだけで使用者に壮絶な負荷が掛かる事を言葉無く、だが生々しく物語っている。
「いやぁ? 黒服はさ、中々に歪んでるんだなぁ〜……、って。ケケケッ!」
「クックックック……!! やはり貴方は面白い……、招待して正解でした」
黒服の問いかけに、僕は喜悦に歪んだ狂気の笑みを貼り付けながらカラカラと笑う。すると、黒服は大満足したのがわかる表情で、面白く笑って見せた。
その中、一つの通知音が僕のスマホから鳴る。起動して通知を確認すると、セリカから電話の着信が来ていた。
「セリカさん……一体何__」
『アキラ! 早く柴関に来て! 先生が大怪我をしてて、今私達と便利屋で風紀委員と戦ってる!』
……は?
お読みいただきありがとうございます。
さて、アキラくぅ〜ん、便利屋の懐柔のために先生を柴関に送っちゃったら、先生大怪我しちゃったよ〜?どうするの〜?
あ〜あ、大切な先生が怪我しちゃったけどアキラくんどう責任取るのかなぁ〜?
フフフ…愉☆悦!
そして、とりあえずアンケートで上位三つの内一つのグラインドブレードを登場させました。主任砲とレールガンも追々出していこうと思います
では…また次回。
曇るんだったら?
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ホシノ
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シロコ
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先生
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全部!