重装転生者はゲマトリアで何を思う。   作:焼け野原主任

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皆様お久しぶりです、主任でございます。

ホント全てにおいて久しぶりの更新ですけどこれ覚えてる人いるんですかね?
その内にアビ3は来るしプロット書き直しで…ある意味丁度良かった訳でもありますけど…。

ま、では本編をどうぞ…。


星は掴めず

「アハハッ……アーッハッハッハッハ!!!」

 

 僕はその場から立ち去ろうとし、ふと立ち止まって絶叫の様な笑い声を上げ、およそ人前に見せられない表情で嗤う。僕の目の前には固まったまま微動だにしないホシノ先輩の姿。今の僕の表情は、まさに狂楽の推を尽くした素晴らしい表情であったに違いない。

 

「アハハ!!!! なんで! なぁんでそこまで考えが回ってないんですか貴女はぁ!?」

 

 風に靡くロングヘアーを振り乱し、左手で顔を抑えてゲラゲラと笑い続ける、そう、破壊されたメルカバ、吹き飛んだテント、大破したオートマタ……瓦礫と残骸だらけのその場所に立って。

 

「いいんです、いいんですよ先輩!? 僕を殺そうとしたって!」

 

 口元が綻ぶが、僕はそれを隠す事なく……、いや、隠す必要も無く曝け出す。

 ああ、言ってやった言ってやったぞ! 遂に、遂に遂に遂に遂に遂に言ってやったぁ!!

 

「楽しかったですよぉ!? 先輩()とのぉ! お仲間ごっこぉ!」

 

 もう一度、この砂漠に、アビドスに、この世界に響かせる様に高らかに叫ぶ。

 

「アハハハ!! ギャーッハッハッハッハッハ!」

 

 僕は嗤う、あの一ヶ月間の思い出を踏み躙るように。

 

「ギャハハハハ!!? ゲホッ! ゴホッ!」

 

 あーだめだ、笑い過ぎて喉が痛い。

 いやぁーねぇ? だってそりゃ嬉しいよ、ホシノを曇らせる事が出来てねぇ?

 こりゃあもう嗤うしかぁ……、無いよねぇ!? 

 

 

 そう、そうだ、僕はホシノが好きだ。好きだ、好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ!

 

大ぁい好きだ! 

 

 その寝顔が好きだ、水族館で無邪気に喜ぶ顔が好きだ、輝く様な笑顔が好きだ、必死に戦う顔が好きだ、ユメ先輩と一緒に宝物を掘り出す顔が好きだ、ユメ先輩の遺体を見つけた時の顔が好きだ、そう、その僕の目の前にある絶望する顔が好きだ。

 

 そう、その全てが大好きだ! ああ、可愛い、狂ってしまう程に可愛い!

 

 ____え? 大好きなら如何して絶望させるんだって?

 そりゃあ貴方……、この世界にはね、好きだからこそそのキャラを曇らせたり絶望させたりしたい、実にどうしようもない連中が確実に存在するのだから……。

 つまりは……、とどのつまりは僕の様な。

 

 

 そして___先生、貴方、生徒にあんな目を向ける事もできるんですねぇ?

 いいじゃあ無いですか、どんな状況でも希望を失わず、アビドスの皆を奮い立たせて、そして黒服に対しても大人である事を余す事なく活かす……、そう、そんな頼もしい先生である、あ・な・たがァ……、ね?

 でもどうです実際? 完璧に対処出来ず、僕の離反を防げなかった……、あれ? でも僕って元からゲマトリアだったからそもそも離反とかじゃあないね、元いた所に戻っただけじゃん!

 じゃあ離反もクソもないね! 先生!

 おっとと……、ああ、どうかそんな怖い目をなさらずに、それでは視線だけで僕が殺されちゃうじゃあありませんか。

 

 これで僕の目的(手段)は達成……、これで、この先ホシノがどう動くかの結果(本来の目的)を見れば、僕の任務は終了……。愉しい、本当に愉しい。

 未だ嘗て此処まで愉快だった事があるだろうか?

 

 否、無い。

 

 ……まぁ、それはそれとしてだ。

 

 そろそろ、この面会にもお時間がやってくる。

 ……じゃ、僕はそろそろ退散するとしようか、そろそろやらなければならない事だって有るし……。

 ……例の企業も、口を出してきたし。

 僕はどこか感じる喪失感と失恋にも似た感覚に軽くため息を吐きながらその場から立ち去り、僕が主任の傍を通り過ぎるか過ぎないかの頃。

 

「……忌々しい」

 

 主任は吐き捨てる様に一つ、そうつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 昔、まだアビドスにホシノが居なかったの頃の話。借金もまだ返済が見込める額であった頃。

 広大な砂漠を横断するハイウェイを駆け抜ける軽装甲車の運転席には青々とした短い髪を無造作に跳ねさせ、黒いサングラスを掛けた少女が座っている。

 こんな何もない所、ドライブが目的とは思えない。その少女が身に着けている服はアビドス高等学校の制服で、その上には砂漠向けのジャケットを着用しゴーグルを首にぶら下げている。

 

「見渡す限りの広大な砂漠、そして薄く砂の積もったハイウェイ! いやぁ~、終わりを迎えた後の世界を探検してるみたいだよ!」

 

 独り言のようにカラカラと笑いながらその少女が運転を続けていると、軽装甲車に付いたモニターが点灯し、モニターの向こうから鋭い声が響く。

 

「こら、バカンス気分で任務をしない! 一応これでも調査任務なんだから!」

 

 モニターに映る水色の長髪の少女は手元のコルクボードに纏められた書類に目を通し、広げられた地図にマークを付けながら難しい顔をして指示を飛ばす。

 すると、何処か呆れたような口調で青髪の少女は口を開いた。

 

「はぁ~……これでもう何件目? 西側第一から第十までの原油採掘施設は全滅、辛うじて残ってた20ガロンの原油もこれまで使ってた製油施設が砂被って使用不能だからまた新たな製油施設を探さなきゃならない」

 

 何処か芝居がかった口調で青髪の少女が答えると、水色の髪の少女はタブレット端末を操作し次の候補地点を軽装甲車内蔵の端末に共有する。

 

「とても……、面倒だねぇ?」

 

「……でも、そうしないと今のアビドスの借金は返せないでしょ?」

 

 オペレーターの任務をしている彼女としても確かにそれは理解している、だが、それでも希望がある限り何か行動することが大事だというのが彼女のモットーであり、運転している青髪の少女もそれを分かっているが故にそう言うのだ。

 

「……で、例のネフティスの計画はどうなってるの?」

 

「ああ、アビドス横断鉄道の話?」

「そーそー、その話その話」

 

 その答えに青髪の少女はハンドルを操作しながら呆れたようにシートにもたれ掛かって目を退屈そうに細める。

 ……そう、アビドス横断鉄道、アビドスを根城にするネフティス社が計画してる大規模環状線計画。

 環状線を配置することで死にかけている交通網を復活させ、またこの地へと人を呼び込もうと画策しているようだが、実際上手くいくかは未知数である。

 

「……あの計画、進行中とはいえ成功すると思う? ヘルメちゃん?」

「んー……、もう既に着工が始まってるらしいし、成功しないってことは無いんじゃない? これでアビドスに人が来るといいね~」

 

 少し考えるそぶりをして、水色髪の彼女は軽い口調でそう答える。

 

「その通り……、ま、お話はこの辺だ。もうすぐ目的地に到着するよ」

 

 その言葉に目を細めて答え、アクセルを踏む力を弱めた。

 

……何をしたって、何も変わらないんだよ……、今の内は

「ん? トウトどうかした?」

「いーや? なんでもない」

 

 青髪の彼女は憂うような独り言は、誰の耳にも入らなかった。




お読みいただきありがとうございます。

さてマジで本当に皆様お久しぶりです、長期間開いてしまったのにこんな小説を覚えてくださっている皆様には感謝しかありません。

ここから先少々、アキラ君ちゃんと主任視点がメインになります。

さて最後に…高評価くーださい!!

曇るんだったら?

  • ホシノ
  • シロコ
  • 先生
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