最近これを書くのが楽しくて仕方がないです。
ではどうぞ…。
極力戦闘を避けつつ最短ルートでこの駐屯地から逃げた僕は、何とか黒服が指定した回収ポイントに辿り着いた。
何というか、もうちょい分かりやすくしてくれんかね、うん。
「この辺の筈なんだけど…お、キタキタ」
少し待っていると、僕の背中に強い風が当たり、灰色一色にの胴体にゲマトリアの紋章が誂えられた大型ヘリが周りの砂を巻き上げてホバリングして僕に接近する。
『アキラ、回収に来ました』
ヘリの無線から、黒服の声でそう指示が下る。…まさか黒服が操縦してきたのか?
「OK〜、じゃあ、失礼します…」
ヘリの床に足を乗せ、近くの手すりをつかんで中へと入り、ヘリのシートに腰掛ける。すると予想通り黒服が操縦桿を握っていた。うーわこの人なんでも出来るやん、マジで惚れそう。
「お帰りなさい、アキラ、お疲れ様です」
「ああ、ただいま黒服」
黒服からの労いの言葉を掛けられ、緊張が解けると同時にどっと疲れが僕の肩に伸し掛かる。
かなりの眠さと疲労がいつの間にか蓄積されていたらしい、とはいえ、確かにスニーキングミッションなんて精神をすり減らす様な任務に他ならんのだよな…。我ながらよく成功したな…。
「実は、今回の任務、ただビナーの情報を集めて貰う事が目的ではありませんでした」
「…は?」
黒服が少し申し訳ない声色で僕にそうカミングアウトした。はぁ…? いやマジで? そんなら僕おこだよ? マジおこだよ?
「ああ、どうかそんな怖い顔をなさらずに。本来の目的は今回の潜入で貴方の実力を見て、正式にゲマトリアの一員として認めるかどうかだったのです」
「ああ…、そういう事だったんだ」
疲れで少し元気のない返答を返し、頭をシートに寝転ばせて少しぼーっとする。
…そういえば、あそこにいた兵士の一部をフルトン回収しておいてゲマトリア専属部隊を作るのも面白そうだなぁ…、いや、だとしてもか。
そして、アビドスのホシノ、あの子をどう拿捕するかが今現在最優先かつ最重要任務なんだよな…。
「そういえばさ、なんで黒服はホシノを拿捕しようとするんだい?」
「…話していませんでしたか? アレほどの最高級の神秘はキヴォトス中探し回ってもそういません。私は研究者として彼女の神秘を探したいのです」
「…? アキラ、そういえばその赤色のヘイロー…、何に見えますか?」
「…え?」
チラリと僕の方を見た黒服が思いついた様に僕に疑問を投げかけ、僕はハッチの窓に反射する自分のヘイローを見るといつもの鳥ーハヤブサの様にも見えるーが羽を広げたヘイローが写っていた。
「羽を広げた鳥…ハヤブサ?っぽく見えるけど…、それが?」
「…なるほど、なら…いえ、特に問題はありません」
黒服の方から少しだけ声が聞こえたが、ヘリの回転音にかき消されよく聞こえず、最後の言葉しか聞こえなかった。
「それよりも、お疲れなら一回寝て頂いても構いませんよ」
「ああ、そうさせて頂くよ」
僕は黒服のその言葉に甘えてヘリのシートに体全体を預け、先ほどからしつこく襲いくる微睡の波に身を任せた。
「…」
太陽が暑苦しく照りつける地平線が見えるほど何も無い砂漠、僕が立っている所のほど近くには老人の様に痩せ細った枯れ木が一本立っている。
アビドスに居た頃にも、云わずもがな前世でも見覚えのない光景、だけど、なぜかこんな光景を僕は見た事がある、どこか、昔懐かしさがある。
何かの言葉が脳裏を過ぎる。
"君のその生き方、行き過ぎれば身を滅ぼすぞ"
"まだ、まだ君にはやる事があるから。私の事は気にしないで"
"お願い、生徒を__"
____ズキッ
「…ウァ…ッ」
失った何かを思い出せそう、だが、思い出そうとしても電撃の様な痛みがセーフティの様に脳を駆け抜け、意識を戻される。
何度思い出そうとしても最後の最後でその電撃に意識を戻され、何かを手繰り寄せる事ができない。
繰り返しやり続けてズキズキと痛む脳、その痛みに耐えかね、僕は顔面から倒れかけるが何とか四つん這いになって踏ん張る。
「ここは__」
「おはよう、お目覚めかな?」
ふと、自分の上の方から声が聞こえる。一体なんだろうと痛む頭を上げてみれば、さっきの枯れ木に一羽のハヤブサが留まっていた。
「漸く、出会えたか」
「鳥が喋った…?」
「何? 最近の鳥は喋らないのか?」
「はい、僕の知りうる限りでは」
キヴォトスだと喋る猫や喋る犬は見た事があるが、喋る鳥はここに来てからと言うもの見た事がない。
「ほう、キヴォトスには喋る犬猫はいるが、私の様に喋る鳥はいないと…覚えておこう」
「__!?」
心を読まれた!? 一体何者だこのハヤブサ!
「何者…ふむ、何者かと聞かれたら答えてやりたいが…」
その僕が思っていた事にさっき迄の余裕綽々とした雰囲気が消え、何かを渋る様な喋り方になる。
…答える事を渋っている? 一体どう言う理由があって…?
「…何で、答える事を渋るのです?」
「それは…そうだな…、では、私はとりあえずエジプトの松岡◯造とでも覚えておいてくれ」
「…は?」
一体自分の事を松岡修◯とか何意味不明な事を言い出しているんだこのハヤブサは、焼き鳥にしてやろうか?
「おい待て、私を食おうとするんじゃない少年」
「…まぁいいですけどって僕が男ってわかるんです?」
「ああ、私にかかれば人の性別など丸わかりだ。確かに君に似合っているが女装されていてもわかる」
そのハヤブサはさっき迄の威厳を取り戻す様に自信満々に胸を張ってそう言った。
「…はぁ」
「おっほん、まぁそれはそれとしてだ…、君はいつか選択を迫られる時が来るだろう」
熱血ハヤブサは簡単に咳払いをしてから、少し深刻な顔で喋り始めた。その時の覇気といい、喋り方といい、まるで、本当にこの先すら見透かしているような目をしていた。
「その時は、君がその時本当に望む物を持ってして再度考えるがいい。それが、その時に、その後にどの様な影響を及ぼすか、君には関係のない事であるのだから」
…、つまりどう言う事だ? 未来を考えて行動しろと言いたいのか?
「だが、君がどの様な選択をしようと太陽は君を見守っている。どの様なになろうと、太陽はその道を照らすだろう」
急にその熱血ハヤブサが木から飛び立ち、僕の顔面に突っ込んできて僕の視界は暗くなった。
「…」
僕が目覚めた時、目の前にはいつぞや見た陽光に照らされる自宅の天井が見えた事で、さっき迄の事が夢である事が証明された。
…さっきの夢は何だったんだろう、さっきのハヤブサとはいったい何者なんだったんだろう。
「おはようございます、アキラ」
僕の頭に巡らせられていた思考は、ふと頭の方から掛けられた声に堰き止められた。
「…おはよう、黒服」
寝かされていたベッドから体を起こして見てみれば、黒服が隣の椅子で足を組みながら本を読んでいた。
本の名前は…、"簡単! 家庭料理のレシピ100選! "…なんて物を読んでいた、おいおい、ヘリの操縦技術やあの狙撃砲を作るだけの工作技術にとどまらず、今度は料理技能を手に入れるつもりか? おいおい本当に僕の恋心がメガ進化してしまうんじゃないか。
「随分と気持ち良く寝ておられましたね、いい夢でも見れましたか?」
「あぁ…、まぁ、うん」
さっきの熱血ハヤブサの夢の内容を思い出し、少し歯切れの悪い回答を黒服に返す。
そういえば、いくら夢とは言えあの灼熱砂漠に居てもその全てが心地良かった様に感じるのはなぜだろうか。思い出せば、アビドスに居た頃も砂漠にいる時はなんか全体的にしっくり来ていた様な気もする。
…つまり砂漠と言う地形が自分にとって安心できると?
「…もしかしたら…、いや、ないか」
とあるパターンが頭の中に浮かぶが、流石に無いなと結論付けて直ぐに自己否定してベッドがら出ると、いつの間にやらパジャマに着替えさせられているのに気がつく。
「黒服…これって」
「はい、私が着替えさせました、流石にあの戦闘服のまま寝かせるのは少し気の毒でしたのでね」
一体何の問題が? と言う顔で黒服が僕の方を見る。
うん、そういうことも出来るしいろんなこと出来るのもカッコいいけど少しは僕のこと考えて欲しいなぁ…、まぁ、一応シャワーでも浴びてスッキリしよう。
お読みいただきありがとうございます。
◇黒服なんでもできすぎない?
いやいや、何でも出来て然るべきでしょう?黒服ですもの。
◇ゲマトリアってそんなデカデカと書いてていいの?
まぁ大丈夫でしょう、見てる人も多分いないでしょうし(フラグ)。
◇あのハヤブサって?
さぁ…、何者でしょうね?
では、また次回。
茅場君に使ってほしい兵器
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四連装機関砲
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大型レールガン
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18連装ミサイルランチャー
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155mm榴弾砲FH70
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六連装超大型チェーンソー
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ブースター付き柱
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