今回は黒服回です、ではどうぞ。
「じゃあ、行ってくる」
「はい、既にお風呂は沸かせてありますので、ごゆっくり」
いつの間にか風呂まで用意していた本当に有能すぎる黒服の声を後におそらく黒服が畳んだであろう着替えを持って僕は風呂へと向かい、1LKのマンションの一室でありながら珍しくトイレと風呂が分かれているがそれ故に狭い脱衣所で自分が今着ていたパジャマを脱ぐ。
パジャマの上と肌着のシャツを一緒に脱ぎ、鏡に映った自分の上半身を見る。
前世と違い怪我もない、赤い目に赤いハヤブサを模したヘイロー、日に焼けた所など一つもない純白の肌、ふと自分の手を見れば日焼けしていない陶器のように透き通った白い指が5本伸びている。
…本当に自分の体とは思えない、これが? 本当の本当に?
パジャマのズボンに手をかけ、もう履く事に違和感がなくなった女物のショーツごと降ろしてガラリと少し古い二枚型の風呂扉を開ける。
湯船には蓋がしてあり、開けてみれば暖かい湯気が自分の顔に当たり片手を入れて温度を測ってみて少し熱いぐらいの適温である。
気遣いも出来ると…、まさに良妻の異名を持つ黒服、強い。
シャワーで軽く体全体を流して、頭を洗い始める、リンスインシャンプーを掌の上に出し、頭に付けたままカシャカシャと泡立てて洗う。
一通り洗った後にシャワーのレバーを下げ、泡と汚れを洗い流しその後に、ボディソープで体を洗い、湯船からすくった風呂桶一杯分のお湯を体にかけて潜入作戦でかいた汗を洗い流す。
自分にくっついた汚れや汗を一通り流し切って少し水面とぶつかる音を立てて湯船に入れば、ちょっと熱いぐらいのお湯が疲れを癒す。
「…僕がその時本当に望むもの…なぁ」
ふと、脳裏に夢で聞いた言葉が浮かぶ。
あの熱血ハヤブサが言っていたこと、あれは全てがあの焼き鳥の真意である様で、こちらに味方すると言う様に解釈できた。太陽はいつでも見守ってるとは一体どう言う事だろうな、全くもって不可解極まる。
ああまで言ったからには物理的な意味でもないだろうし、精神的な意味…、一体何の意味が?
長い事思考に浸っているとどんどん体が火照っていくのを感じ、このままではのぼせかねんのでザバリと片足を出して湯船から出て、簡単に顔を洗いガラリと戸を開けて脱衣所兼洗面所へ出る。
大きめのバスタオルで体を拭き、色々とヒラヒラが付いたショーツを履いて肌着の通気性の良いシャツを着用し、ブツを隠すためのスパッツを履いて畳まれたアビドスの制服を着る。
「風呂上がったよ〜…ってえ?」
「ああ、お帰りなさい」
風呂から上がり、僕の部屋に戻ると、黒服が紺色のエプロンを装備したまま、僕の部屋に置かれたテーブルの前に待機していた。
そのテーブルには白米に焼き鮭、ほうれん草のお浸しに沢庵、そして豆腐の味噌汁、一汁三菜揃った素朴ながら家庭的であるセットが並んでいた。勿論、米はともかく鮭にお浸しなどなど、ウチの冷蔵庫には無いはずの素材を使っている。
「ねぇこれ…」
「クックック…、私が買ってきて作りました。今回の任務、少しお疲れでした様なので」
…本当に何でも出来るな黒服、全くもって至れり尽くせりだ。
焦げも無い完璧で究極な焼き鮭を頬張る、すると厄介な小骨すら全部取ってあった、おい待て待て僕が風呂に入っている間にここまでやったのか? ほんと完璧すぎるだろ。
ズズズと僕が味噌汁を啜っていると黒服がにっこりとした笑顔で例のポーズを取りながらこちらを見ている。
「全く、美味しそうに食べますねアキラ…、いえ、ゲマトリアの『スエズ』?」
「!?」
突然、黒服がおそらく決まったであろうゲマトリアでの名前で僕を呼びそれに驚いて僕は少し吹き出す。
「スエズ、貴方のゲマトリアとしての名です。どちらで名乗っても変わりませんが私以外のゲマトリアメンバーからはスエズと呼ばれたり致しますので、よろしくお願いします」
「いやいやそれは分かるけどさ、今言うの?」
突然のカミングアウトに少し怒ってしまい、黒服に少し強く当たってしまう。
「ダメでしたか…」
だが、僕の言葉に黒服が少ししゅんとなってしまうのが見えてしまい黒服推しの自分にとっては何だか申し訳なくなってしまい慌ててフォローを入れる。
「いやいや! そう言う訳じゃないから! ゲマトリアとしての名前を与えてくれてありがとう!」
「そうですか、なら良かったです」
その僕のフォローに黒服の顔が少しにっこりとし、本編ではあまり見ない表情になる。
うーん黒服推し僕としては本当に好き好き大好き、ちょっと不器用なんだけど本当に先生の事大好きなのも好きだしその表情もとても大好き!!
そこからまだもう少しフォローを入れていると、黒服が何か思い出したような表情で僕に話しかけた。
「そういえば…、そろそろアビドスに戻ってみては? 心配している人も多いでしょうし」
「…ん、まぁ…」
脳裏に浮かぶのはノノミやホシノ、シロコなどの対策委員会メンバーに先生の顔。
そういえばと思い出せば、そもそも僕がアビドスに行ったのもホシノの捕獲の為だったなぁ…。
「…そうするよ、じゃあ、行ってくる」
「はい、行ってらっしゃい」
黒服作の食事を食べた僕はAKとその弾薬、ブラックマンバ本体の入ったケースを持ち、黒服を置いてバタバタと急いで玄関を出た。
…そういや移動手段とかどうしよう、まぁいいか、地理は覚えたし電車で行こう。
「(…ホシノだけではない、まさか自分の側にあんな物があるとは気が付きませんでした…。クックック…、灯台下暗しとはまさにこの事ですね。ホシノと彼がいれば…、私の望みは叶うかもしれません)」
そうして、僕に置いて行かれた黒服は食器を洗いながら、一人思考していた黒服は、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
◇◇◇
D.Uシラトリ区から誰も乗っていない電車に揺られる事数十分、駅に着いた電車のスライド式のドアがガーという音を立てて開き、ザリ、と薄く砂が乗っかったホームに僕は一歩を踏み出す。
間もなく、プァーと言う発車ベルがホームに鳴り響いて、最後の乗車客が降りた誰も乗っていない電車が走り始める。
ホームの砂を少し巻き上げて電車が走り去り、その少しだけ砂の混じった風が頬をくすぐって僕の腰まで伸びた長く黒い髪を揺らす。
「帰ってきたぜ! アビドス自治区!!」
駅舎から出て、ある意味での故郷とも言える我がアビドス自治区へを戻ってきた僕は、懐かしさの余りついつい叫んでしまった。
「ん、おかえり」
「うわっ…、ってシロコ先輩ですか、ただいまです」
ふと、後ろから声が掛けられ、少しびっくりして後を見るとロードバイクに乗った少し嬉しそうな顔をしたシロコが駅舎のすぐ近くにいた。
「うん、おかえりアキラちゃん」
「…なんか嬉しそうですね」
「ん、だって帰ってきてくれたから」
そう言ってロードバイクから降りて僕を抱きしめる、同じくらいの身長ゆえにシロコの頭が僕の肩に乗り、めちゃくちゃ良い匂いが鼻を掠める。
うん、先生、あなたの言っていることは正しい、シロコのこの匂いは本当にいい匂いだ。
「ん…、アキラ、なんか頬っぺたがサラサラしてる」
「え…? そうですか?」
さっきの砂が落ちてなかったのかな? シロコから離れ、少し不可解な顔をして自分の頬を払って砂を落とそうとすると「ううん、そう言う意味じゃない」とシロコに言われる。
「肌が綺麗で、触り心地が良いって事、砂が付いているとか言う意味じゃないよ」
「ああそういう…、でも、シロコ先輩の方が綺麗ですよ」
ああ、話は変わるけど、本当にシロコの生足を触ってみるとすごいよ。ちょっとムチッとしてて弾力があって、なのに綺麗だからずっと触っていられるしずっと頬擦りできるよ。
「ん…、そういえば、校舎で先生やみんながずっと待ってるから。会いに行こう?」
シロコが僕の方を向いて、その手を差し出してニコリと微笑む。
「…はい!」
僕はニカリと笑顔になってその手を取って、シロコと一緒に歩いてアビドスへと向かった。
「…そういえば、ここからアビドスへどれぐらい離れてるんです?」
「ん、直線距離で三キロ」
…oh
お読みいただきありがとうございます。
さてまぁはい、アキラ君の身体描写を書いてる時が一番楽しかったです。(でしょうね)
まぁそれはそれとして…ホシノって多分ユメ先輩の助けにいけなくて失ってるんですよね、でその所為で仲間を失う事が一番嫌で精神的被ダメージがかなり大きいんですよね、そこで、敵だと思って容赦なく戦ってた仮面を付けた敵が本当は仲間で、その仲間に止めを指した段階でそれが仲間だと言う事に気がついてユメ先輩の一件がフラッシュバックしてホシノ自身に対する怒りとか失望とか悲しみとか色々な感情がぐっちゃぐちゃになった表情で泣き叫んでほしい。でも、最後にその仲間の遺言を聞いてその時の救いになってほしいしその後の精神的支柱にもなってほしいですね。
では、また次回
茅場君に使ってほしい兵器
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四連装機関砲
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大型レールガン
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18連装ミサイルランチャー
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155mm榴弾砲FH70
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六連装超大型チェーンソー
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ブースター付き柱
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主任砲
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マルチプルパルス
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ヒュージミサイル
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ヒュージブレード