シュラハトくん見逃して   作:私貴方私(Y-ou@so-soなフリー)

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【第一幕】エキストラ

「この世にモブなんて人はいない。

人も魔族も人生という物語の主人公だ。

どれもおいしいよね」

【とある七崩賢】

 


 

ちょっと誰か聞いてほしい。

うんうん

俺は今、猛烈に誰かに話を聞いてもらいたい気分なんだ。

でも、おそらく言いふらさない方がいいな。

だから、これは誰にも話してない。

えらいね

その日、俺は店長の言いつけで城壁都市ヴァイゼへ仕入れにきていた。

そこで生まれて初めてエルフに話しかけられたんだ。

それはめずらしいね

エルフって、目ん玉飛び出るほどかわいいよな。

たぶん、エルフの子供だったんだと思う。

うちの12歳になる姪っ子くらいの身長だったしな。

でもエルフだから1200歳とかそんな感じなんだろうなぁ。

いちまんにせんさいかもしれないよ

で、本題は、その子がウチの都の新作ミュージカルVIPチケットを売ってたってことだ。

みゅーじかるいいよね

しかも、金貨1枚程度だよ。

そんなん買うしかないじゃん。

えっ、値切らなかったのかって?

うんうん

バカヤロウゥ!! 芸術舐めるな!

そうだよね

こちとら、生まれも育ちも芸術都市だぞ。

芸術に対して、金をケチるやつはシャーデンフロイデの人間じゃねぇ。

これだから田舎モンは物の価値を知らねぇ…。

うんうん

もちろん、店の金ごと有り金全部渡したさ。

こんなモン、いくらでもくれてやる!

衣服は返されちまったがな。

おいしそうだね

なんか一緒にいた保護者のお嬢ちゃんに叱られてたぜ。

俺が原因だけどな、ガハハッ。

がはは

ただ、そん時に買い出しの金も馬車の運賃も全部使っちまった。

だから徒歩で帰った後、店長にぶん殴られたけどな。たハハっ。

たはは

まあ、店長に事情を話したら、感想と劇場限定グッズ買ってくるって約束で許してくれたけどな。

店長が良いやつで良かったぜ。

大抵は殺してでもチケット奪い取るみたいなやつばっかりだからな。

うんうん

で、当日劇場に行ったわけよ。

そしたら、何とあのフリーレン様の隣の席だったんだよ。

もちろん、握手とサインももらったぞ。

一張羅の背中にデカデカとな。

昨日からフリーレン様がシャーデンフロイデへやって来たって噂で持ちきりだったけど、まさか会えるとは思っても見なかったさ。

ふりーれん

しかも、こないだチケットを売ってくれた女の子のエルフ。

そのフリーレン様だったんだよ。

この俺の目をもってしても見抜けなかったぜ。

流石大魔法使い。認識阻害の魔法とやらが完璧だったんだろうよ。

ふりーれんいた

いやぁ、フリーレン様マジで1000歳超えてるのに12歳みたいな小ささだったわ。

俺は人生の幸運が一気に来過ぎて、今日が命日だと覚悟したね。

ふりーれん

そして、待ちに待ったミュージカルが始まったのさ。

 

 

魔族に村を焼かれたエルフ。

人間の魔法使いに助けられて弟子になる。

魔族を殺すための技術を叩き込まれる。

人間の師匠が死ぬ。

師匠の言いつけを守りひっそりと力を蓄えるエルフ。

ある時1人の少年を助ける。

その彼は後に勇者となり、エルフを魔王討伐の旅へ誘う。

勇者、僧侶、戦士、魔法使い。

彼らの旅をする目的は魔王を討伐するだけではない。

時には迷子の猫を探して森を彷徨い、

時には街のどぶさらいを行い、

もちろん街を襲う魔物や魔族の討伐も行った。

そして勇者は見返りとして、自分の銅像を建てることを求めた。

お金や食べ物であれば、せっかく助けた人々が飢えてしまうからだ。

 

そして、理由はもう一つあった。

それは仲間であるエルフの魔法使いのためだ。

 

彼女は長寿である。

ヒンメル達が死んだ後もずっと生き続ける。

親しい人々を見送り続けることは地獄だろう。

そして時が過ぎ、魔王を討伐した勇者の話も歴史ではなくおとぎ話になり、

次第に忘れ去られて行く。

その過程を彼女は見せつけられる。

それがどうしても許せない。

彼女がこれからの長い人生でも、

その先でも、

少しでも長く彼女の思い出として残り、

実在した人物として証明し続けるために、

勇者は銅像を求める。

 

そして、魔王を倒し世界に平和が訪れ、

勇者はこの世を去った。

 

エルフは棺桶に入る小さな老人の姿を見て後悔する。

何千何万と生きるエルフにとって80年程度一瞬に過ぎない。

目を離した隙に、彼女を愛してくれた人は死んでしまった。

彼の好物は何だったか、彼が話していた故郷の花の色は何だったか、彼の瞳に映っていた景色はどんなものだったか。

今の彼女には分からない。

 

だから旅に出ることにした。

人間を知るための旅。

1000年間、前を向き続け来たエルフは、この時初めて後ろを振り返った。

そして、そのまま後ろへ数歩だけ歩む。

 

それが彼と旅をした10年間を振り返る旅の始まりだった。

 

初めに出会ったのは、僧侶が大切に育てた少女だった。

エルフは僧侶の頼みで少女に魔法を教える。

少女は成長し、師匠も認める立派な魔法使いになった。

僧侶は満足して女神様の元へ旅立つ。

2人だけの旅が始まる。

 

次の出来事は戦士との再会。

彼は既に衰えており、旅にはついていけない。

代わりに大魔法使いの手記へ導く。

手記では死者と対話する方法が書かれていた。

しかし、その場所は旧魔王城。

彼女達は過酷な旅を予感した。

 

それでもエルフは決断した。

 

目的地は、オレオール。

目的は、勇者と歩んだ10年の旅路を再び辿り、勇者に言葉を届けること。

 

次に出会ったのは、臆病な少年。

彼は戦士の弟子であり、師匠と喧嘩別れして家出をしていた。

しかし、彼は強くて優しかった。

歳の近い魔法使いの少女に励まされ、

ドラゴンを討伐して村の英雄になった。

3人の旅が始まる。

 

3人は行く先々でトラブルに見舞われた。

七崩賢 断頭台のアウラとの死闘。

投獄、弟子の成長、尊厳の解放。

人々の感謝と共に3人は街を去る。

 

次に出会ったのはヒゲだった。

彼はゴリラのことが忘れられず、燻っていた。

兄貴にぶん殴られ、踏ん切りがついたようで、

仲間に加わった。

4人の旅が始まる。

 

その後も舞い込むトラブルの数々、出会いと別れ。

恐るべきエルフの老婆が管理する一級魔法使い試験。4本腕の将軍。黄金郷。過去への逆行…。

 

あらゆるトラブルがエルフのパーティーに降りかかる。

しかし、彼女達は楽しそうに進む。

 

旅は楽しい方がいい。

ヒンメルならそう言う。

 

 

 

fin

 

 

Das Originalwerk „Funeral Freelen“ ist wunderbar. Man kann es Gott nennen.

Dieses Werk ist einer der besten Mangas, die ich je gelesen habe, und ich kann definitiv sagen, dass es das beste Werk ist, das derzeit als Fortsetzung veröffentlicht wird.

 

 

 

……。

もう声なんて出ないね。

言葉にもならない。

そろそろかな

フリーレン様尊い。ヒンメル様カッコ良すぎる。魔族は本当にヤバいな。ヒンメル様達が七崩賢全員倒してくれて良かったぜ。

それに次の世代の子達いい子過ぎない?

魔法使いの子と戦士の子、早よ付き合えよ。あとヒゲ、なんで離脱するんだよ。もっと一緒にいてくれよ。

このこはきてないね。あとでさがしにいこう

ニヒツ様本人が出てこないし、流れは史実とだいぶ違う。

それでもこれが本当にあったことかもしれないと思い込まされる凄みがあった。

何かが違えば、本当にこうなってたかもな…。

うんうん

余韻に浸りつつ、みんなでカーテンコールを行う。

そして、

しゅてるねんのえんぎうまくなってたね

ものがたりをこうしんしておこうかな

ろいふぁーもにくづきがよくなった

そうさくかつどうがはかどる

くーげるもつまもう

えるひはせんどがおちないね

やどやのこもこうしんかな

めーくりひのそうじゃもそろそろかな

あれをつかいこなすこはめったにいないからね

すぱいしーでふるーてぃー

ぶたいがまぶしい

となりのこもいいね

おとこのこのほうはすじばってるね

かっこよくきめないと

ひさしぶりだね

ふりーれん

フリーレン様が監督を殺した。

えぇ、ひどいことするよね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会場は大混乱。

悲鳴が響き渡り、怒号が飛び交う。

舞台には穴が空き、今にも崩壊しそうだ。

混乱で目の前が霞む。フリーレン様が何か話しているが聞き取れない。悲鳴、怒号、逃げ惑う人々、爆音、俺を揺らす隣の客、ョ、崩れる柱、次々と倒れる人々、チク、黒く塗りつぶされる視界、得意展、点滅する景色、怒号、燃え盛る炎、閉じる幕、螺旋階段、何かに齧られるように消滅していく客席、ダ、ぢょっと、咽返すような鼻の痛み、カサついた手、無花果のたると、相槌、打ち付けられるように響く破裂音、ワ、悲鳴、辺りを照らす閃光、廃墟の街、焦点の合わない瞳、兜虫、打ち上げる、ギラつく炎、紫陽花、合唱、金切り声、笑い声、走り回る、崩れゆく天井、イ、啜り泣く声、焦げ付く舞台袖、泥lowさへの未知、皺と皺を合わせる、破裂、よろける、ウ、静かになる舞台、肩に置かれた手、下部と無視、株と蒸し、ミ、土埃が舞う、火蜜の工程、水が降り注ぐ音、徳凍てん、崩れる階段、縋るようにかかる布、ジ、手を撃ち合わせる音、ン、園児得る、走り回る影、飛び交う光、肺を焼き尽くす空気、ぬるりと湿った俺、ナニがドウシテ、ナゼ? オレタチハナニヲシタ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『葬送』はすごい名作だった。

今世紀最大の作品と言って良いだろう。

このシャーデンフロイデの人間なら誰だってそうする。

俺だってそうする。

この感動を隣に座っていたフリーレン様に伝えたいが、何故かミュージカルの途中で退出してしまったようだ。

ふりーれんどこ?

おそらくお手洗いだろう。

何故かお弟子さん達も着いて行ってしまったが…。

長寿種特有のトイレ事情とかそういうやつだろう。

お弟子さん達も大変なこった。

 

客席で仲良くなった同郷のやつと感想合戦をし、店長に頼まれていた劇場限定グッズを買う。

中は見えないくじ引き方式だ。

コンプリートするまで買い占めようとしたら、店員に怒られて売店を叩き出されたチクショウめ。

まあ、店長への土産はこのハズレアクセサリーでいいかな。

なんか剣にドラゴンが絡まってるやつ。

あの間抜けな店長なら気づかないだろう。

 

舞台を出るとフリーレン様達がボーっと突っ立ていた。

なんか身体をペタペタ触られたり、意味不明な質問をされた。

長寿種特有のアレだろうか。

俺はミュージカルの感動を伝え、再び握手してもらった。

良い香りがする。もう一生手洗わねぇ。

 

何はともあれ、楽しい休日だった。

明日からも頑張れそうだ。

やっぱり、シャーデンフロイデ民の休日はこうでないとな。

ああぁ、この都市に生まれて良かったぜ。

あの酒場まだやってるかな。

いっちょハイターサワー引っ掛けて、風呂入って寝よ。

 

俺はスキップしながら家へ帰った。

明日の仕事だりぃな。

 

芸術都市 シャーデンフロイデは今日も平和と芸術で溢れている。

 

 

 

 

 

 

おいしかった

 

 

 

エンディング

原典

 

騎士二ヒツの手記 『葬送』

 

キャスト

 

勇者:シュテルネンヒンメル

僧侶:リヒトシュテルン

戦士のドワーフ:ヴァルツァー

魔法使いのエルフ:ゲフローレン

師匠:ウーアザッヘ

すごいエルフ:クーゲルシュライバー

 

僧侶の娘:フェアツヴァイフルング

戦士の弟子:シュテルン

僧侶アゴヒゲ:フェルゼ

 

幽鬼:エーデルシュタイン

ドラゴン:ルフト

断頭台の魔族:ワスレナグサッヒェン

血の魔族:ヴィルクザーム

模倣の魔族:フリーデンング

あやとりの魔族:エルデ

鳥:ヴァイザー

草:エーデルメタル

黄金郷の魔族:ヴィルベルヴィント

四本腕の魔族:ヴァッサーシュパイアー

擬態の魔族:リュストゥング

ミミック:ロイファー

 

提供:芸術都市シャーデンフロイデ

 

Ich freue mich auf die Zusammenarbeit mit Ihnen.

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スペシャルサンクス

 

原作:葬送のフリーレン

 

 

 

 

監督・演出

 

ゲシヒテ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フリーレン様がこの都に来ているらしい。

フリーレン様が来ているって。

えっ、サインもらいたい。

フリーレンさまどこにいるんだろう。

握手してもらいたいなぁ。

フリーレン様をひとめ見たいな。

姿が変わってないらしいよ。

エルフってすげぇ。

ふりーれんさまみたい。

フリーレン様劇場で見かけたって。

フリーレンサマどこだろう?

フリーレン様どこ?

フリーレン様?

フリーレン?

ふりーれんどこ?

ふりーれん?

ふりーれんどこ?

ふりーれんさまどこ?

ふりーれんだこ?

ふりーれんどこ?

ふりーれんどこ?

ふりーれんどこ?

ふりーれんどこ?

ふりーれんどこ?

ふりーれんどこ?

ふりーれんどこ?

ふりーれんどこ?

ふりーれんどこ?

ふりーれんどこ?

ふりーれんどこ?

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