シュラハトくん見逃して   作:私貴方私(Y-ou@so-soなフリー)

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【裏】不敗と常勝

「『人との共存』には賛成だわ。

不可能が可能になる瞬間を見てみたい。

もし魔王様にできないなら…

それはもう誰にもできないでしょうね」

【殺戮の理由】

 


 

 

『全人類に知れ渡る名を残せ』

 

 

「どうしたものかしら……」

 

城塞都市の大通り、そこを麦わら帽子にワンピースの可憐な女性が歩いている。

 

「今度演劇見に行きませんか?親戚の伝手でVIPチケットが2枚手に入ったんですよ」

「一緒に食事へ行くぞ。魚介をふんだんに使った創作料理を出す良い店を見つけた。お、お前のためじゃないぞ。俺が行きたいだけだ」

「あなたにピッタリの花を見つけたんです。受け取ってください」

 

たくさんの男に言い寄られる女性。

彼女は慣れた手付きでそれらを軽くあしらい、手に持った花束を眺めながら帰路についた。

 

女性は自室のドアを閉める。

外でついた埃を軽く払い、花を花瓶に生け、麦わら帽子をポールハンガーにかける。

 

 

あらわになる一対の(ツノ)

 

 

彼女の名はソリテール。

()()()()な大魔族だ。

今は長年の研究で得た『庇護欲をそそる仕草』の実地試験中である。

 

『学び』は知るだけでは意味がない。

現地で実践し、被験体からの反応や外的要因、計算外のハプニングを観測して初めて『学び』となる。

 

この城塞都市に潜伏して1年。

試験の経過は順調だ。

自分に敵意を向ける人間は皆無と言っていい。

 

試しに正体を数人の『友人(被験体)』に明かしたが、どれも攻撃性を示さなかった。

 

『人と魔族は分かり合える。私はそれを証明するために人里で暮らしているの。あなたなら分かってくれる。そう思ったから打ち明けたの。頼れるのはあなただけ。これはあなたと私だけの秘密よ』

 

人は『見た目』で他者を判断する。

それができない場合、次点で『言葉』を判断材料にする。

 

いかにも非力で可憐な女性の魔族。

何か訳ありで周囲は敵ばかり、頼れるのはあなただけ。

そんな状況で落ちない男はいない。

 

『物語』のような異種族の悲恋に憧れる者。

力で容易くねじ伏せられると考えた者。

亡き娘に重ね合わせる者。

唯一無二の親友と思い込む者。

憧れのお姉様と慕う者。

 

憧れは理解から最も遠い感情だ。

あなたが感じている何かを彼女に投影した時、彼女の真の姿を見ることは叶わなくなる。

だってそれはフィルター越しの彼女の姿でしかない。

 

三者三様。

彼女の姿はその思惑の通り、見る人によってより好ましいものに映っている。

そして、そのどれもが彼女にとって等しく大切な隣人(実験対象)だ。

 

「ふふ、こんなに長期間魔力を抑えるのは初めてね。今度こちらの研究もしてみようかしら」

 

この城塞都市には魔法使いも多数所属している。

後に設立される大陸魔法協会において、『一級魔法使い』に分類されるような猛者も複数いた。

しかし、誰も気付かない。怪しまない。

それほどまでにソリテールの『擬態』は優れていた。

 

「それにしても魔王様には困ったものね。私が『臆病者』だとよくご存じのはず」

 

ソリテールは悩んでいた。

ここ最近の幸運が全て嘘のように大きな困難が彼女を苦しめていた。

 

 

『全人類に知れ渡る名を残せ』

 

 

魔王様からの勅命だった。

魔王様は人類と魔族の共存に熱心であり、積極的に様々な施策を部下に命じている。

『人と魔族は共存できない』

これは長年人類を研究してきたソリテールの結論である。

しかし、魔王様はそれでも実現しようとしている。

不可能を可能にしようと足掻いている。

彼女は概ね魔王様の方針には好意的だ。

それでも今回の勅命には困り果てていた。

 

「人は高名な者に憧れる。そして、強い者に従う習性がある。人と魔族の共存を目指すために『たくさん殺して有名になること』が必要だと……不用意に名を広めたくはないわね」

 

『臆病なソリテール』

呼び名を持たない彼女だが、自分で二つ名を付けるならこう呼ぶだろう。

もっとも他者が本当に彼女をそう呼んだとしても、それが広まることはない。

 

『言葉』というものは()()にのみ与えられた特権なのだから。

 

「でも、それも今日までみたい」

 

大きな魔力を検知し、ソリテールは防御魔法を展開する。

 

 

ドゴォオ

 

 

平和なひと時は瞬時に奪い尽くされた。

 

「む、妙な魔力だと思ってきてみたが、魔族がいたのか」

 

将軍 戦斧のグロース。

巨大な双斧を自在に操る魔王様直属の将軍だ。

魔王様への忠誠が強いが頭はそれほど良くない。

 

「おお、ソリテールだったか。となるとここはお前の狩場か。ふむ、それは悪いことをしたな」

「これは魔王様の命令かしら?」

 

「いや、魔王様の命令は『北側諸国に魔王軍の名を知らしめること』だ。お前の討伐命令ではない。偶然だ。目的は果たした。俺はここを去るとしよう。邪魔をして悪かったな」

「そう…」

 

「ああ、申し訳ついでにコイツを預かってくれないか。見込みがありそうなんで俺の技を叩き込んだ。魔力操作の類はお前の方が優れているだろう。頼んだぞ」

「…ええ、いいわ」

 

一方的に言葉を残し、来た時同じく轟音と共にグロースは去っていった。

 

『魔王様の催促と考えた方がいいでしょうね』

 

ソリテールはグロースに下された命令から、魔王様の真意を推測する。

現在、北側諸国に城塞都市は5つしかない。

『北側諸国に魔王軍の名を知らしめる』なら城塞都市を襲うのが最も手っ取り早いだろう。

ソリテールが城塞都市に潜伏していることを知っている『魔王』様がそれでも命令を下したのだ。

警告と見て間違いないだろう。

引きこもるという選択肢は貰えないらしい。

 

『やはり恐ろしいお方。早めに動き出さないと私も危ういわね』

 

ソリテールが受けた『全人類に知れ渡る名を残せ』という勅命。

本来は『無名の大魔族クヴァール』に与えられた勅命だった。

しかし、その発令後にクヴァールは()()()()を遂げた。

勅命は実行者がいなくなり、実力の近い彼女の元へとお鉢が回ってきたのである。

 

彼女が思考に没頭していると、何者かがスカートの裾を引っ張った。

 

「ソリテール様、なにしたらいい?」

 

そこには小さな魔族の少女がいた。

傍迷惑な将軍の置き土産。

 

「そうね。あなたは何ができるの?」

 

 

模倣する魔法(エアファーゼン)

 

 

「そう……それは…とても素敵な魔法ね」

 

彼女の答えにソリテールは歓喜した。

これなら現在抱えている問題を全て解決できるかもしれない。

この子には無限の可能性がある。

 

彼女はすぐに旅立つ用意をし、家だった残骸から一歩外へ踏み出す。

 

 

地面に転がる劇場の看板

 

破れたチラシ

 

枯れた花々

 

血と泥に塗れた大地

 

 

数刻前まで活気に満ちていた廃墟を踏みしめ、少女の手を握りながらソリテールは1年過ごした土地を後にした。

その足取りはとても軽いものだった。

 

目指すは『夢を見せる魔族』の住む村。

 

 

 

 

「ソリテール。久しぶりに訪ねてくれるのはいいですがね。こちらの事情というものを考えてください」

「そう、ごめんなさい。さっそくだけどあなたのコレクションを彼女に体験させてくれないかしら」

 

とある静かな農村。

ソリテールは()()()()()()()()()()()()()()へ、とある魔族に会いにきていた。

 

「私のコレクションを体験ですか? おお、ついにあなたも『夢』の良さに気がついたのですね。どの『夢』にしましょうか? 当代随一と言われた騎士の夢ですか? それともとある遺跡に眠っていた賢者の夢でしょうか? あの芸術家の夢も面白いですよ? こちらの冒険家の夢も中々味わい深いですね。 そこのエルフの夢も癖になる面白さですよ。あまりに長過ぎて私もこのシリーズを読破後、衰弱死しかかりました。こちらの酒豪ドワーフの夢も酩酊感がとてもいい。魔族は酔うということがありませんからね。我々魔族の人生では不可能な体験もできるのが『夢』の良いところです」

 

『夢』というキーワードが出た途端、眠そうな目がかっぴらき、怒涛の早口で聞いてもいない『夢』を語る魔族。

ソリテールは慣れた様子で聞き流す。

 

「『夢』のこととなると随分饒舌になるわね。『神話のゲシヒテ』と趣味が合うんじゃないかしら?」

「そ、そんな。恐れ多い。あの方はまずいです。節操がありませんからね。あのお方の興味を惹いてしまえばつまみ食い感覚で喰われかねませんから」

 

その名を口にした途端、『夢の魔族』は部屋のカーテンを全て閉め、誰も見ていないことを確認する。

その怯え切った表情は、『ゲシヒテ』の名前を聞いた大半の魔族がするものと同じだった。

ソリテールはその様子を興味なさげに一瞥し、出された紅茶に口をつける。

 

「それもそうね。『夢』の要望は『たくさんの魔法を彼女に見せること』。それと『戦闘経験を積ませること』かしら。彼女の魔法は『模倣』だからね」

「なるほど、それはたいへん面白いですねぇ。たいへん興味深い。あとで夢を複製させていただけるのであれば請け負いましょう。ちょうど先日リヴァーレ様がいらして『永遠の戦場の夢』と引き換えに彼の『夢』を複製させていただきましたからね」

「じゃあ私の『夢』も複製してみない?現実世界で魔力操作技術をこの子に教える余裕はないの」

「なるほど、『夢』の中の時間を加速させて修行紛いの事をさせたいのですね。あなたの発想にはいつも頭が上がりませんねぇ。任されました。もう一つ秘蔵の『夢』をお付けいたしましょう」

 

魔族少女の知らぬ間に話は進む。

その後、名もなき少女はこの村で一生分の夢を見ることなる。

 

 

 

 

「ソリテール様は鬼畜だなぁ」

 

ソリテールに拾われた魔族の少女。

彼女は千年『夢』を見続けていた。

その中で『夢の魔族』が収集してきたあらゆる英傑達に殺される『夢』だ。

 

何千、何万と出てくる英傑達。

魔族も人も関係ない。

全員が少女を殺しにくる。

その中にソリテールも混じっている。

それでも少女は死なない。

だってこれは『夢』なのだから。

 

「夢が覚めたら一回くらいソリテール様を殴っても許されるでしょ……いや殺されるな。そんなことしたら」

 

愚痴を言いながら、『夢のソリテール』に殺される魔族の少女。

 

しかし、確実に強くなっている。

彼女の魔法(模倣)』が彼女の成長速度を何乗にも引き上げている。

『千年の夢』の研鑽により、少女は一般魔族の身体で大魔族の経験を振るう怪物と化していた。

 

 

夢の中で少女は戦う。

 

模倣する魔法(エアファーゼン)

 

糸の魔族と血の魔族を切り捨てながら、雷閃の将軍を撃退する。

 

模倣する魔法(エアファーゼン)

 

四本腕の将軍と撃ち合いながら、霧と風を操る魔族達を潰す。

 

模倣する魔法(エアファーゼン)

 

不死の大軍勢を殲滅する。

 

模倣する魔法(エアファーゼン)

 

幻影を操り、無数の分身を生み出す魔族と戦斧の将軍と切り結ぶ。

 

模倣する魔法(エアファーゼン)

 

水晶の翼を持つ魔族と空間ごとこちらを切り裂く将軍を退ける。

 

模倣する魔法(エアファーゼン)

 

空間転移で瞬間移動を繰り返し、

大地を転移させて質量で押しつぶす魔族を捉える。

 

模倣する魔法(エアファーゼン)

 

魔法すら使わず、

『超精密な魔力操作で(最硬の防御)作った唯の魔力壁』と

『超圧縮した唯の魔力の塊を(最強の攻撃)ぶつける攻撃』を扱う『自称臆病な大魔族』に殺される。

 

 

そして、様々な魔法と出会った。

 

血を操る魔法

魔力を紡ぐ魔法

剣舞を従える魔法

空を操る魔法

幻影を操る魔法

幻肢を振るう魔法

四肢に雷を宿す魔法

武器を生み出す魔法

風を斬撃に変える魔法

水晶の翼を操る魔法

魔力を集める魔法

そして、『人を殺す魔法(ゾルトラーク)

 

この夢の最後の敵は、『無名の大魔族クヴァール』。

ソリテールが少女に課した最終討伐目標である。

 

夢の中で長年戦ってきた少女にとってもクヴァールは強敵だった。

それは今まで戦ってきたどの英傑達よりも異常に強かった。

なにより『人を殺す魔法(ゾルトラーク)』が厄介過ぎた。

 

「もう全部この人でいいじゃん」

 

少女はつまらなそうに『夢の中のリンゴ』を齧りながら考える。

それだけ『夢のクヴァール』は強かった。

 

防御無視の貫通効果。

自由自在な軌道コントロール。

眼前を埋め尽くす程の飽和攻撃。

 

これだけ強い大魔族だ。

出会ったことはないが今も生きているだろう。

倒せる人などいるはずがない。

不可能だ。

 

「偏屈で魔法オタクで他人を実験材料としか思っていないヤバい魔族に違いない。絶対に現実で会いたくないなぁ」

 

少女は長年1人で過ごしてきたため、独り言が増えてきた。

自分以外まともに喋れる人が居ない環境に千年閉じ込められているのだ。

未だ人格を保てていること自体が彼女を人ならざるバケモノ(魔族)だと証明していた。

 

 

 

 

少女は『夢』の中で500年クヴァールと戦った。

そして、ついに編み出した。

 

 

 


ゾルトラークを殺す魔法(ゾルディーア)


 

 

 

模倣する魔法(エアファーゼン)』によって千年受け続けたあらゆる魔法と技術を模倣し、それらの無駄を削ぎ落とし、最も効率的に運用するための『()()()な攻撃魔法』。

 

人を殺す魔法(ゾルトラーク)』と比べ、貫通性能はないが汎用性と応用性で上回る。

低燃費、広い可動域、単純な構造、広い拡張性。

そして何より、

 

 

ゾルトラークを殺す魔法(ゾルディーア)』を通し、

人を殺す魔法(ゾルトラーク)』を撃つことができる。

 

 

少女が千年の時をかけて作り上げた魔法は、奇しくも『人を殺す魔法(ゾルトラーク)』が一般普及した世界線(原作の更に未来)において、『人を殺す魔法(ゾルトラーク)』一強の時代を終わらせた魔法と同じ原理へ辿り着いていた。

 

そして彼女が討伐された時、とあるエルフによって解析され、広く知れ渡ることとになった。

 

 

 

 

「驚きましたね。『夢』の中とはいえ、あのクヴァール様まで倒してしまうとは」

 

「お腹すいた」

 

「おはよう。寝起きの調子は良さそうね。アップルパイを焼いたわ。顔を洗っていらっしゃい」

 

目標を達成し、長い眠りから覚めた少女は好物の匂いで一気に意識を覚醒させる。

そして、一目散に洗面所へかけていった。

 

「精神の方もだいぶ成長したみたい。やっぱりあなたの魔法は便利ね」

「恐縮でございます。ソリテール様。可能性が広がりましたので、私は再び魔法と『夢』の研究に没頭するとしましょう」

 

『夢の魔族』がそう言い終わると、何もかも夢だったかのように消えてなくなった。

 

家も村も川も森も、全部。

 

後に残ったのは、ソリテールが座るテーブルと椅子。

そして、焼きたてのアップルパイと紅茶だけだった。

 

「ソリテール様、洗面所無くなった……」

「そう、たいへんね。こっちにいらっしゃい。冷めないうちにいただきましょう」

 

 

 

 

 

「ああ、そうだった。

今日からあなたの名前は『()()()()()』よ。

そう名乗りなさい」

 

 

 

 

 


 

■ おまけ

 

将軍 戦斧のグロース

小説版 葬送のフリーレン【前奏】より。

脳筋のアホ。

アウラと知り合いだったが……。

 

夢の魔族

脱出ゲーム『千年の夢からの脱出』より。

好きな夢を見せられる魔族。

ネタバレ防止のため、公式ページの公開情報以外はほとんどオリジナル設定。

混沌花の下位互換?とは言ってはいけない。

 

将軍 電閃のシュレーク

原作10巻 91話より

マハトがヴァイゼに仕える際、忠誠の証として討伐した将軍。

マハトと知己の中であり、魔王が討伐されるまでは聡明な人格だったらしい。

 

残影のツァルト

原作12巻 108話より

空間転移魔法を操る魔族。

奇跡のグラオザームの配下であり、女神の石碑の監視者。

 

将軍 神技のレヴォルテ

原作 8巻より

4本腕の剣豪。

決して壊れない神剣を振るう魔族。

部下の魔族達を従え、剣を鍛えるために人を斬る旅をしている。

頭も回り強者を誘き寄せるためにあらゆる手を使う。

 

クヴァール

魔王の命令で暴れ回る前に失踪した『無名の大魔族』。

彼を尊敬する一部の魔族はゾルトラークを使えるが、自分の魔法があるため戦闘で積極的に使われることはない。

 

ツォーン(ドイツ語で怒り)

原作未登場。

『水晶の翼を作り出す魔法』を操る魔族。

 

奇跡のグラオザーム

幻影魔法のエキスパート。

楽園に導く魔法(アンシレーシエラ)』は模倣できなかったので、『幻影を操る魔法』 をリーニエに模倣された。

 

ゲシェンク(贈り物、天からの授かりもの)

原作未登場。

魔力を集める魔法(ブレーシエラ)』を操る魔法使い。

魔力の小さい者でも魔力を他から持ってこれる魔法を編み出した。

弱者がそれでも強者に追い縋るために編み出した魔法。

しかし、それが人類の元に帰ることはなかった。

 

名もなき魔族の少女

とある世界線では『リーニエ』という名前を与えられるはずだった魔族。

アウラが既に討伐されており、戦場を彷徨い戦闘技術を観察していたところをグロースに拉致された。

『千年の夢』から冷めた後も現実より夢の世界にいた年月が長過ぎて、ソリテールからの指示に従い、ゴーストライターとして戦い続けた。

その最後も夢見心地であり、死んで再びヒンメルたちに挑もうと暴れ回った。

モデルはフロムゲー主人公(ブラボ)。死に戻りで覚えた技術を振るう死兵であった。

 

 


 

■ 『基本攻撃魔法』誕生の流れ

 

ソリテールの魔力圧縮攻撃 → リーニエが模倣 → 夢クヴァールのゾルトラークを破るために改良『ゾルトラークを殺す魔法(ゾルディーア)』 → フリーレンが模倣 → 魔術学会で発表 → 広く普及

 

『賢姫ソリテール』が使用している現場を多数の人々が目撃していたため、対策と魔法体系への取り込みが更に進んだ。

 

■ 『人を殺す魔法(ゾルトラーク)』と『ゾルトラークを殺す魔法(ゾルディーア)』の性能比較

 

燃費

人を殺す魔法(ゾルトラーク)』は使用中魔力を込め続けるが、『ゾルトラークを殺す魔法(ゾルディーア)』はあらかじめ込めた魔力だけでよい単発の魔法だ。

単純な火力勝負の場合は後からいくらでも魔力を送れる『人を殺す魔法(ゾルトラーク)』に軍配が上がる。

しかし、同じ魔力量なら『ゾルトラークを殺す魔法(ゾルディーア)』が勝つ。

 

可動域

人を殺す魔法(ゾルトラーク)』はいくら曲げられるとは言え、線の攻撃だ。

複数用いた場合干渉するし、途中で遮断されると消滅する。

また直接術者と繋がっているため、アニメでメトーデがやったような侵食による乗っ取りで反撃を喰らう可能性もある。

その点『ゾルトラークを殺す魔法(ゾルディーア)』は点の攻撃であり、360度どの方向へ動いても干渉せず、遮断すると予め組み込まれた魔法が発動するため、無効化や相殺が困難。

 

連射性

人を殺す魔法(ゾルトラーク)』に軍配が上がる。と思いきや魔法を付与しない元来の魔力圧縮攻撃形態であれば、連射性は勝る。

 

魔力圧縮効率

線と点という形状の違いにより、圧縮効率は『ゾルトラークを殺す魔法(ゾルディーア)』が勝る。

一度に込めた魔力量が同じなら火力も『ゾルトラークを殺す魔法(ゾルディーア)』が上回る。

 

単純な構造

3段構造になっている。

①圧縮 ②操作 ③刻印 ④解放

①の圧縮だけであれば『人を殺す魔法(ゾルトラーク)』よりも単純である。ただし直線方向に投げる程度にしか使えない(手榴弾みたい)

②の操作まで行くと『人を殺す魔法(ゾルトラーク)』とほとんど変わらない構造となる。これはむしろ『人を殺す魔法(ゾルトラーク)』の構造式の美しさを証明していると言える。

③の刻印を行うと『人を殺す魔法(ゾルトラーク)』よりも構造が少し複雑になる。ただ、それは刻印する魔法側の問題であり、刻印された『ゾルトラークを殺す魔法(ゾルディーア)』側の構造は以前単純である。そのため、魔法初心者でも簡単に使うことができる。注目するべきは、魔力塊へ術式を刻印する技術であり、これは今まで人類になかった技術である。

④の解放を行うと『ゾルトラークを殺す魔法(ゾルディーア)』自体は消滅し、刻印の情報に従って既定の魔法が発動する。つまり、『ゾルトラークを殺す魔法(ゾルディーア)』はカプセル剤のようなものであり、届けたい場所へ届かせるための外装であり、目的地に着くとカプセル内の薬剤(魔力)を解放し、水と溶け合い薬効(魔法)を発揮する仕組みになっている。

 

拡張性

威力の強弱、魔法の付与、組み合わせの柔軟性から見ても『ゾルトラークを殺す魔法(ゾルディーア)』に軍配が上がる。

 

IF

ゾルトラークを殺す魔法(ゾルディーア)』を本物のクヴァールが見た場合、『ゾルディーアを殺す魔法(ゾルトラーク)』ができることだろう(確定事項)




■ 次回

【挿絵表示】


7/26 金 更新予定

あなたには大好きな人がいて、その人と両思いになりました。ある日、好きな人の2000年前のご先祖様が大罪を犯していたことが分かりました。その罪は今のあなたから見ても許せない内容です。それでもあなたはその人を好きでいられますか?

  • もちろん好き
  • 嫌いになる
  • ゾルトラーク
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