シュラハトくん見逃して 作:私貴方私(Y-ou@so-soなフリー)
勇者一行の旅立ちから7年後。
北部高原キーノ峠。
「『女神の石碑』かぁ。懐かしい場所だね」
「んん?以前来たことがあるのか?フリーレン」
……。
「そうだね…ちょっと寄りたいところがあるから、道すがら話すよ」
「あれ?見つからないなぁ…」
「まだですか? もう三日三晩歩き続けてるんですけど……」
「フリーレン。見知った場所じゃなかったのか?」
「これどうやって帰るんだおい。こんなことなら途中からでも木に目印をつけときゃ良かったな…」
「あれ?そういえばヒンメルは?」
その場にいたのは4人だけ。
勇者の姿はどこにもなかった。
「なんだここは? みんなはどこ行ったんだ?」
ヒンメルは一人森を彷徨っていた。
けっして不注意ではぐれたわけではない。
いつの間にか周りから誰もいなくなっていたのである。
さらに急に雲行きが怪しくなり、雨まで降り始めた。
ヒンメルは急いで木の下に駆け寄った。
「大きな木だな…」
ヒンメルは1本の大きな木の前にいた。
少しつかれたのでそこで一休みさせてもらう。
イタッ!!
ヒンメルはどうやら木から歓迎されてないらしい。
座った位置にたまたまあったトゲに
「今日はついてないな…ん?」
木の向こう側。
そこに石碑らしきものが見えた。
「これは…フリーレンが探していた『女神の石碑』か?」
ヒンメルはそれに軽く
しかし、何も起こらない。
「おーい。ヒンメルどこですかー!」
「ヒンメルどこだー」
「出てこいイケメン野郎ー!」
「ヒンメルー。今なら私の魔導書ちょっと読ませて上げるから早く出てきなよー」
どうやら仲間たちが見つけてくれたようだ。
ヒンメルは足早にその場をあとにした。
彼が去ったあと、魔力を使い切った『女神の石碑』はひっそりとその役目を終えた。
ふむ、君はこちらの道を選んだのだね。
ああ、大丈夫だよ。責めているわけじゃない。
私と同じだ。
私もこちらの道を選んだ。
大丈夫、君は正しい道を歩んでいるよ。
彼には辛い思いをさせてしまった。
この選択の重みを私も共に背負っていくつもりだ。
でも、救いはある。
彼はまだ彷徨っている。
そして、彼女の魂も。
だから、このままこの道をまっすぐ進みたまえ。
その先には君たちが知る2000年後の未来がある。
まだだいぶ遠いけどね。
『大災厄』はどうなったかって?
まあ、業腹だがね。
我が
だから君は気にしなくていい。
あれは
気になるって?
まあ、君たちのその魔法ならそちらもいつか『視る』ことができるさ。
私にはもうなにも『視えない』。
最後に一つ。
選択を誤らないことだ。
どんなに目先の『幸せ』を見せられても、目的を見失ってはいけない。
君たちは願ったはずだ。
『フリーレンとヒンメルの幸せを視たい』とね。
最後まで見届けてくれ、私の分まで。
『見透しの勇者』さん
■ 次回
▶ 『ニヒツを救う』
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